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明細書 :オレンジ色系顔料用酸化鉄及びその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 令和2年12月10日(2020.12.10)
発明の名称または考案の名称 オレンジ色系顔料用酸化鉄及びその製造方法
国際特許分類 C01G  49/00        (2006.01)
FI C01G 49/00 A
国際予備審査の請求 未請求
全頁数 17
出願番号 特願2019-560012 (P2019-560012)
国際出願番号 PCT/JP2018/010564
国際公開番号 WO2019/123670
国際出願日 平成30年3月16日(2018.3.16)
国際公開日 令和元年6月27日(2019.6.27)
優先権出願番号 2017244212
優先日 平成29年12月20日(2017.12.20)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DJ , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JO , JP , KE , KG , KH , KN , KP , KR , KW , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT
発明者または考案者 【氏名】田村 勝徳
【氏名】久能 樹
【氏名】中西 真
【氏名】高田 潤
出願人 【識別番号】504147243
【氏名又は名称】国立大学法人 岡山大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110000796、【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 4G002
Fターム 4G002AA03
4G002AA06
4G002AB02
4G002AD04
4G002AE01
要約 開示されているのは、アルミニウム、ジルコニウム、ルテニウム、チタン及びハフニウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する酸化鉄であって、形状がチューブ状又はロッド状であり、当該元素の元素比率が原子数%で25%以上である(ここで、酸素、炭素、窒素及び水素を除く主要元素の原子数%の合計を100とする)、酸化鉄、並びに該酸化鉄を含む顔料である。
特許請求の範囲 【請求項1】
アルミニウム、ジルコニウム、ルテニウム、チタン及びハフニウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する酸化鉄であって、
形状がチューブ状又はロッド状であり、
当該元素の元素比率が原子数%で25%以上である(ここで、酸素、炭素、窒素及び水素を除く主要元素の原子数%の合計を100とする)、酸化鉄。
【請求項2】
更にケイ素及び/又はリンを含有する、請求項1に記載の酸化鉄。
【請求項3】
α-Fe2O3を含む、請求項1又は2に記載の酸化鉄。
【請求項4】
以下の工程を含む、アルミニウム、ジルコニウム、ルテニウム、チタン及びハフニウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する酸化鉄の製造方法:
(1) 鉄酸化細菌を培養することにより有機鞘を生成する工程、及び
(2) 工程(1)で得られた有機鞘をアルミニウム、ジルコニウム、ルテニウム、チタン及びハフニウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素、鉄並びに硫酸根を含む水溶液中に懸濁し、当該元素を含有する酸化鉄を生成する工程。
【請求項5】
更に以下の工程を含む、請求項4に記載の方法:
(3) 工程(2)で得られた酸化鉄を加熱処理する工程。
【請求項6】
加熱処理の温度が700~1100℃である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
更に以下の工程を含む、請求項4~6のいずれか一項に記載の方法:
(4) 工程(2)又は(3)で得られた酸化鉄を粉砕する工程。
【請求項8】
前記鉄酸化細菌が、レプトスリックス属に属する細菌である、請求項4~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1~3のいずれか一項に記載の酸化鉄を含む顔料。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、各種元素を含有する酸化鉄、該酸化鉄の製造方法、及び該酸化鉄を含む顔料に関する。
【背景技術】
【0002】
顔料は、塗料及び樹脂着色あるいは陶磁器用、化粧品用など産業において広く使用されている。オレンジ系あるいは暖色系顔料は、有機化合物及び無機化合物のいずれも知られている。有機系顔料は有機物が主成分であるため、耐熱性を必要とする工程には使用できない。一方、無機系顔料では、黄色系あるいはオレンジ系を呈する顔料はカドミウムを含んだものが多く、これらは有害であり、且つ高温の焼成下では分解するおそれがあるといった問題点がある。
【0003】
そのため、安全性及び耐熱性に優れ、鮮やかなオレンジ色調を示す無機系顔料の開発が求められている。そのようなオレンジ系顔料は特許文献1及び2で報告されている。
【0004】
特許文献1では、含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面に有機赤色顔料を付着させたオレンジ色系顔料が報告されている。しかし、この顔料は表面に有機顔料を用いているため耐熱性が低いといった問題がある。また、特許文献2では、ジルコニウム、セリウム、及びテルビウムの酸化物を用いた黄茶色から橙色を呈する無機顔料が報告されている。この顔料は高温耐熱性に優れているが、高価な希土類元素であるテルビウムを含んでおり、原材料の調達及びコストの面で問題がある。
【0005】
本発明者らは、赤色酸化鉄顔料として、粉末状のAl固溶ヘマタイトを開発している(特許文献3、非特許文献1)。また、本発明者らは、従来の粉末状の赤色酸化鉄顔料とは全く異なる形状(チューブ状)の赤色酸化鉄を開発している(非特許文献2)。このチューブ状赤色酸化鉄は、自然界に存在する微生物(鉄酸化細菌レプトスリックス・オクラセア(Leptothrix ochracea))が作るチューブ状酸化鉄(構成元素比 Fe:Si:P=73:22:5)を空気中で約800℃で加熱することによって得られ、優れた色調を示すばかりでなく、耐熱性にも優れていることを見出している。このチューブ状赤色酸化鉄の優れた色調の原因は、(i) Si固溶効果、(ii)チューブ形態などに起因している。
【0006】
この天然系のチューブ状赤色酸化鉄は、構成元素比がほとんど一定であり、Si又はP元素の固溶量が変化しないので、色調も加熱温度にのみ依存し、加熱温度が一定の場合は色合いを変化させることができない。
【先行技術文献】
【0007】

【特許文献1】日本国特開2002-138217号公報
【特許文献2】日本国特開2014-028708号公報
【特許文献3】日本国特許第3728505号公報
【0008】

【非特許文献1】ACS Applied Materials & Interfaces, 6 (22), 20282-20289(2014).
【非特許文献2】Dyes and Pigments, 95 (3), 639-643(2012)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、安全性及び耐熱性に優れ、優れた色調のオレンジ色系酸化鉄、該酸化鉄の製造方法、並びに該酸化鉄を含む顔料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
チューブ状赤色酸化鉄の色調を調整し、オレンジの色調とするためには、加熱温度以外の因子の導入が必要である。本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、レプトスリックス属細菌を培養することにより有機鞘を生成した後に、有機鞘を各種元素と硫酸根を含む水溶液中に保持することにより、元素の含有率を画期的に高めることができるという知見を得た。その結果、元素の含有率をある値以上に高めると、色相が変化し、鮮やかなオレンジの色調を示す酸化鉄顔料を製造できることを見出した。
【0011】
本発明は、これら知見に基づき、更に検討を重ねて完成されたものであり、次の酸化鉄、酸化鉄の製造方法、及び顔料を提供するものである。
【0012】
(I) 酸化鉄
(I-1) アルミニウム、ジルコニウム、ルテニウム、チタン及びハフニウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する酸化鉄であって、
形状がチューブ状又はロッド状であり、
当該元素の元素比率が原子数%で25%以上である(ここで、酸素、炭素、窒素及び水素を除く主要元素の原子数%の合計を100とする)、酸化鉄。
(I-2) 更にケイ素及び/又はリンを含有する、(I-1)に記載の酸化鉄。
(I-3) α-Fe2O3を含む、(I-1)又は(I-2)に記載の酸化鉄。
(I-4) 前記元素比率が、酸化鉄を加熱処理する前又は加熱処理する後のものである、(I-1)~(I-3)のいずれか一項に記載の酸化鉄。
【0013】
(II) 酸化鉄の製造方法
(II-1) 以下の工程を含む、アルミニウム、ジルコニウム、ルテニウム、チタン及びハフニウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する酸化鉄の製造方法:
(1) 鉄酸化細菌を培養することにより有機鞘を生成する工程、及び
(2) 工程(1)で得られた有機鞘をアルミニウム、ジルコニウム、ルテニウム、チタン及びハフニウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素、鉄並びに硫酸根を含む水溶液中に懸濁し、当該元素を含有する酸化鉄を生成する工程。
(II-2) 更に以下の工程を含む、(II-1)に記載の方法:
(3) 工程(2)で得られた酸化鉄を加熱処理する工程。
(II-3) 加熱処理の温度が700~1100℃である、(II-2)に記載の方法。
(II-4) 更に以下の工程を含む、(II-1)~(II-3)のいずれか一項に記載の方法:
(4) 工程(2)又は(3)で得られた酸化鉄を粉砕する工程。
(II-5) 前記鉄酸化細菌が、レプトスリックス属に属する細菌である、請求項(II-1)~(II-4)のいずれか一項に記載の方法。
(II-6) 前記鉄酸化細菌が、レプトスリックス・コロディニ(Leptothrix cholodnii) OUMS1 (NITE BP-860)である、請求項(II-1)~(II-4)のいずれか一項に記載の方法。
【0014】
(III) 顔料
(III-1) (I-1)~(I-4)のいずれか一項に記載の酸化鉄を含む顔料。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、微生物が生成する酸化鉄に含有させる元素について、その含有量を画期的に高めることができ、自然界には存在しないような酸化鉄を作製することができる。このように含有させる元素の含有量を画期的に高めること、更には加熱処理の温度を制御することにより、安全性及び耐熱性に優れ、優れた色調のオレンジ色系酸化鉄を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例のAl含有BIOX又はZr含有BIOXの製造方法のフローチャートを示す図である。
【図2】Al含有BIOX (上段)及びZr含有BIOX (下段)のSEM像である(ZnSO4-10 mM処理、800℃加熱)。
【図3】Al含有BIOX (上段)及びZr含有BIOX (下段)の元素マッピング像である(ZnSO4-10 mM処理、800℃加熱)。
【図4】ZnSO4の処理濃度とAl含有BIOX中の主要元素組成比(at%)の関係を示すグラフである。
【図5】ZnSO4の処理濃度とZr含有BIOX中の主要元素組成比(at%)の関係を示すグラフである。
【図6】Al含有BIOXのXRDパターンである(ZnSO4-10 mM処理、800℃加熱)。
【図7】Zr含有BIOXのXRDパターンである(ZnSO4-10 mM処理、800℃加熱)。
【図8】Al含有BIOX、天然系BIOX及びMC55の加熱処理後のa*, b*, L*値を示すグラフ(上)、ZnSO4の処理濃度による色調変化を示す写真(下)である。
【図9】Zr含有BIOX、天然系BIOX及びMC55の加熱処理後のa*, b*, L*値を示すグラフ(上)、ZnSO4の処理濃度による色調変化を示す写真(下)である。
【図10】Al含有BIOX、天然系BIOX及びMC55の加熱処理後のa*, b*, L*値を示すグラフ(上)、加熱温度による色調変化を示す写真(下)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明について詳細に説明する。

【0018】
なお、本明細書において「含む、含有する(comprise)」とは、「本質的にからなる(essentially consist of)」という意味と、「のみからなる(consist of)」という意味をも包含する。

【0019】
本明細書において、鉄酸化細菌が生成する酸化鉄のことを「BIOX (Biogenous Iron oxides)」と称することがあり、天然の環境下で鉄酸化細菌が生成する酸化鉄を「天然系BIOX」と、単離された鉄酸化細菌を培養することにより生成される酸化鉄を「培養系BIOX」と称することもある。

【0020】
本明細書において「鞘状」及び「チューブ状」とは同じ形状を意味する用語であって、丸く細長い中空の形状を意味する。また、本明細書において「ロッド状」とは、丸く細長く中空ではない形状を意味する。

【0021】
<酸化鉄>
本発明の酸化鉄は、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、ルテニウム(Ru)、チタン(Ti)及びハフニウム(Hf)からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有し、
形状がチューブ状又はロッド状であり、
当該元素の元素比率が原子数%で25%以上である(ここで、酸素、炭素、窒素及び水素を除く主要元素の原子数%の合計を100とする)ことを特徴とする。

【0022】
本発明において、「酸化鉄」とは、α-Fe2O3、β-Fe2O3、γ-Fe2O3、Fe3O4などに例示される狭義の酸化鉄、α-FeOOH、β-FeOOH、γ-FeOOHなどに例示されるオキシ水酸化鉄、フェリハイドライトに代表される非晶質に近い構造の水酸化鉄を含む、鉄と酸素とを成分とする化合物の総称である。そして、本発明における「酸化鉄」は、鉄と酸素以外の成分が含まれている物も包含する。そのような鉄と酸素以外の成分としては、上記のAl、Zr、Ru、Ti及びHf以外には、例えば、ケイ素(Si)、リン(P)、硫黄(S)、炭素(C)、窒素(N)、水素(H)などが挙げられ、本発明の酸化鉄は、好ましくはケイ素及び/又はリンを含有する。本発明における「酸化鉄」には、有機鞘などの有機物が含まれていてもよい。

【0023】
本発明の酸化鉄は、結晶、非晶質及び微結晶性(例えば、フェリハイドライト、レピドクロサイト)のいずれであってもよい。

【0024】
本発明の酸化鉄が含有するAl、Zr、Ru、Ti及びHfは、固溶した状態でも含まれ得る。

【0025】
本発明の酸化鉄が含有するAl、Zr、Ru、Ti及びHfの元素比率は、原子数%で25%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは35%以上、特に好ましくは40%以上50%以下である(ここで、酸素、炭素、窒素及び水素を除く主要元素の原子数%の合計を100とする)。ここでの元素比率は、Al、Zr、Ru、Ti及びHfの合計の元素比率を意味する。また、酸素を除く主要元素とは、Fe、P、Si、S、Al、Zr、Ru、Ti、Hfなどであって、酸化鉄中に酸素、炭素、窒素及び水素以外で原子数%で少なくとも1%含まれる物を意味する。元素比率は、酸化鉄を加熱処理する前又は加熱処理する後のものである。

【0026】
本発明の酸化鉄の形状は、チューブ状又はロッド状であり、それぞれの形状の通常の大きさは、チューブ状:直径0.1~2μm、長さ1~1000μm、ロッド状:長さ1~1000μmである。

【0027】
本発明の酸化鉄がα-Fe2O3 (ヘマタイト)を含む場合は、オレンジ色を呈するようになるため、オレンジ色系顔料として好適に使用することができる。本発明の酸化鉄(好ましくはα-Fe2O3を含む酸化鉄)の色彩は、a* (reddish)が好ましくは25以上、より好ましくは30~50、b* (yellowish)が好ましくは25以上、より好ましくは30~50、L* (lightness)が好ましくは30以上、より好ましくは40以上、特に好ましくは50~70である。ここでのパラメータL*、a*、b*は、国際照明委員会(CIE)が1976年に推奨したCIE1976 L*a*b*表色系と呼ばれる色空間に規定されたものであり、実施例に記載の方法により測定することができる。

【0028】
本発明の酸化鉄は、以下の工程を実施することで製造することができる。
(1) 鉄酸化細菌を培養することにより有機鞘を生成する工程、及び
(2) 工程(1)で得られた有機鞘をアルミニウム、ジルコニウム、ルテニウム、チタン及びハフニウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素、鉄並びに硫酸根を含む水溶液中に懸濁し、当該元素を含有する酸化鉄を生成する工程。

【0029】
鉄酸化細菌としては、有機鞘を生成するものであれば特に限定されるものではない。そのような有機鞘を生成する鉄酸化細菌としては、例えば、レプトスリックス属細菌(Leptothrix sp.)及びスフェロチルス属細菌(Sphaerotilus sp.)を挙げることができる。中でも人工的に培養可能なように単離された鉄酸化細菌が好適に使用できる。レプトスリックス属細菌としては、具体的には、レプトスリックス・コロディニSP-6株、及びレプトスリックス・コロディニOUMS1株が挙げられる。レプトスリックス・コロディニOUMS1株は、2009年12月25日に、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8(郵便番号292-0818))に、受託番号NITE P-860として寄託されている。また、この菌株は、現在国際寄託に移管されており、その受託番号はNITE BP-860である。

【0030】
本発明における「有機鞘」とは、レプトスリックス属細菌、スフェロチルス属細菌などのβ-プロテオバクテリアに属する鉄酸化細菌が菌体外に形成する鞘状の構造体を意味し、この構造体は連鎖状の菌体の外周に分泌されたヘテロ多糖類とタンパク質とからなる微細繊維が密に織りたたまれた高分子重合体である(以下の文献1~3参照)。
文献1:Emerson, D., and Ghiorse, W.C. (1993) Ultrastructure and chemical composition of the sheath of Leptothrix discophora SP-6. J. Bacteriol. 175: 7808-7818.
文献2:Takeda, M., Makita, H., Ohno, K., Nakahara, Y., and Koizumi, J. (2005) Structural analysis of the sheath of a sheathed bacterium, Leptothrix cholodnii. Int’l. J. Biol. Macromole 37: 92-98.
文献3:Kunoh, T., Kunoh, H., and Takada, J. (2015) Perspectives on the Biogenesis of Iron Oxide Complexes Produced by Leptothrix, an Iron-oxidizing Bacterium and Promising Industrial Applications for their Functions. J. Microb. Biochem. Technol. 7: 419-426.

【0031】
工程(1)における鉄酸化細菌の培養条件は、有機鞘を生成できる限り特に制限されず、鉄酸化細菌の種類等に応じて培地の種類、培養温度、培養時間等を適宜設定することができる。培養温度としては、通常15~30℃、好ましくは20~25℃を挙げることができる。培養時間としては、通常1~35日間、好ましくは2~21日間程度とすることができる。培養は、固体培養及び液体培養のいずれでもよく、好ましくは液体培養である。液体培養は、振盪培養、攪拌培養、通気培養等によって行うことができる。培地としては、例えば、実施例において使用しているSGP培地などを挙げることができる。

【0032】
工程(2)で使用する水溶液にアルミニウム、ジルコニウム、ルテニウム、チタン及びハフニウムを含有させるために、当該水溶液に添加される化合物としては、例えば、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、塩化ジルコニウム(IV)、酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、塩化ルテニウム(III)、塩化ルテニウム(II)ビス(ジメチルスルホキシド)、酸化ルテニウム(VIII)、RuCl2(CO)2(P(m-C6H4SO3Na)3)2、[(C5R5)RuCl(PTA)2](R=H, Me; PTA=1,3,5-triaza-7-phosphaadamantane)、塩化チタン(III) 、塩化チタン(IV)、オキシ硫酸チタン、塩化ハフニウム(IV)、酸化ハフニウム、オキシ塩化ハフニウム、これらの水和物などが挙げられる。これらの化合物の濃度は、通常0.1~100 mM、好ましくは0.5~20 mMである。また、工程(2)で使用する水溶液に鉄を含有させるために、当該水溶液に添加される化合物としては、例えば、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、クエン酸鉄(III)、これらの水和物、鉄小片、鉄粉末などが挙げられる。

【0033】
工程(2)で使用する水溶液に硫酸根(硫酸イオン)を含有させるために、当該水溶液に添加される化合物としては、特に制限されず、例えば、硫酸、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸カリウム、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、硫酸アンモニウム、これらの水和物などが挙げられる。なお、水溶液にアルミニウム、ジルコニウム、ルテニウム、チタン及びハフニウムを含有させるために硫酸塩を使用する場合は、硫酸根のために別途化合物を添加しなくともよい。水溶液中の硫酸根の濃度は、通常1~100 mM、好ましくは5~10 mMである。

【0034】
工程(2)で使用する水溶液の水性媒体としては、緩衝液(例えば、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、クエン酸リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、トリス緩衝液、HEPES緩衝液)、培地(例えば、SGP培地)などが挙げられる。また、工程(1)で培養を行った培地を水性媒体として引き続き使用することもできる。当該水溶液のpHについては、特に制限されず、目的とする酸化鉄の種類等に応じて適宜設定できる。

【0035】
形成された有機鞘は上記水溶液に直接懸濁することもできるし、又は形成された有機鞘に対してリゾチーム等で溶菌処理を行った後に上記水溶液に懸濁することもできる。

【0036】
懸濁を行う条件は、特に制限されず、目的とする酸化鉄の種類等に応じて温度、時間等を適宜設定することができる。また、懸濁を行う際には、震盪操作、攪拌操作等を必要により行うことができる。

【0037】
有機鞘を上記水溶液に懸濁することで、アルミニウム、ジルコニウム、ルテニウム、チタン及びハフニウムを有機鞘に元素吸着させて、これらの元素を含有(固溶)する酸化鉄を生成することができる。このような2段階の工程を経ることで、細胞増殖に有害な元素でさえ酸化鉄に含有させることができる。また、水溶液中の元素の種類と濃度とを調整することで、本発明の酸化鉄が含有する元素の種類と含有量とを制御することが可能であるので、自然界には存在しないような酸化鉄を作製することができる。さらに、有機鞘を各種元素と硫酸根を含む水溶液中に保持することにより、元素の含有率を画期的に高めることができる。

【0038】
本発明の酸化鉄の製造において、上記工程(1)及び(2)に加えて、(3) 工程(2)で得られた酸化鉄を加熱処理する工程を更に実施することもできる。このような加熱処理を行うことで、酸化鉄中にα-Fe2O3 (ヘマタイト)が形成されて、酸化鉄がオレンジ色を呈するようになる。このようなオレンジ色を呈する酸化鉄は、オレンジ色系顔料として好適に使用することができる。

【0039】
加熱処理の温度は、好ましくは700~1100℃、より好ましくは800~1000℃であり、更に好ましくは800~900℃であり、加熱処理の時間は、好ましくは0.1~200時間、より好ましくは1~120時間である。この範囲の加熱処理の温度及び時間であれば高いa*, b*, L*値を得ることができる。加熱処理は、通常、大気中で実施される。加熱処理の温度及び時間を制御することで所望のa*, b*, L*値とすることが可能である。

【0040】
加熱処理工程の前には、酸化鉄の洗浄及び乾燥の工程を実施することもできる。

【0041】
本発明の酸化鉄の製造において、上記工程に加えて、(4) 工程(2)又は(3)で得られた酸化鉄を粉砕する工程を更に実施することもできる。

【0042】
このように酸化鉄を粉砕することにより、酸化鉄の形状がチューブ状又はロッド状から粉末状になる。粉砕は、公知の手法を使用して行うことができる。粉砕を行う装置としては、例えば、ピンミル、ハンマーミル、ボールミル、ジェットミル、ローラーミルなどが挙げられる。

【0043】
<顔料>
本発明の顔料は、上記酸化鉄を含むことを特徴とする。

【0044】
顔料として使用する場合、上記酸化鉄はAl、Zr、Ru、Ti及びHfを含有することが好ましく、Al及びZrを含有することがより好ましい。

【0045】
上記酸化鉄は、a*, b*, L*値が高い値を示し、従来にない優れた色調のオレンジ色を有しているので、オレンジ色系顔料として好適に使用することができる。上記酸化鉄が含有する元素の含有量を画期的に高め、加熱処理の温度を制御することにより、このように優れた色調のオレンジ色を有する酸化鉄を製造することできる。また、上記酸化鉄は、有害物質及び有機化合物を使用していないので優れた安全性及び耐熱性も有している。顔料の用途としては、例えば、陶磁器用、絵の具用、塗料用、インク用、化粧料用、樹脂着色用等を挙げることができる。

【0046】
本発明の顔料は、上記酸化鉄のみからなるもの、及び上記酸化鉄に加えて顔料に使用される公知の配合剤等を含むもののいずれであってもよい。配合剤は、顔料の用途(陶磁器用、絵の具用、塗料用、インク用、化粧料用、樹脂着色用等)に応じて適宜選択することができる。

【0047】
化粧料は、上記酸化鉄に加えて化粧品基剤が配合される。

【0048】
化粧料には、動物(ヒトを含む)の皮膚、粘膜、体毛、頭髪、頭皮、爪、歯、顔皮、口唇等に適用されるあらゆる化粧品組成物が含まれる。

【0049】
化粧料における上記酸化鉄の含量は、好ましくは0.01~100質量%、より好ましくは0.1~99質量%の範囲から適宜選択することができる。

【0050】
化粧品基材としては、例えば、美白剤、保湿剤、酸化防止剤、油性成分、紫外線吸収剤、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、粉末成分、色材、被膜形成高分子、可塑剤、揮発性溶剤、ゲル化剤、水性成分、水、各種皮膚栄養剤等が挙げられ、必要に応じて適宜配合される。

【0051】
化粧料の剤型は、可溶化系、水溶液系、粉末系、乳化系、油液系、ゲル系、エアゾール系、軟膏系、水-油2層系、水-油-粉末3層系等、幅広い剤型を採り得る。

【0052】
化粧料の用途も任意である。例えば、基礎化粧品であれば、洗顔料、化粧水、乳液、エッセンス、パック、クリーム、美容液、ジェル、マスク等が挙げられ、メークアップ化粧品であれば、口紅、ファンデーション、アイライナー、頬紅、アイシャドウ、マスカラ等が挙げられ、ネイル化粧料であれば、マニキュア、トップコート、ベースコート、除光液等が挙げられ、その他、マッサージ用剤、洗顔料、クレンジング用剤、プレシェーブローション、アフターシェーブローション、シェービングクリーム、ボディソープ、石けん、シャンプー、リンス、ヘアートリートメント、整髪料、育毛剤、ヘアートニック剤、ヘアマニキュア、ヘアカラー、制汗剤、入浴剤等が挙げられる。
【実施例】
【0053】
以下、本発明を更に詳しく説明するため実施例を挙げる。しかし、本発明はこれら実施例等になんら限定されるものではない。
【実施例】
【0054】
図1は、本発明の酸化鉄を製造する方法の概略を示している。詳細は以下の通りである。すなわち、レプトスリックス・コロディニOUMS1株(以下、「OUMS1株」と称する)のコロニーを50 ml蓋付き遠心管に入った25 mlのSGP (シリコン-グルコース-ペプトン)液体培地に無菌的に接種し、恒温振とう器(20℃、70rpm旋回)で3日間培養した(前培養)。SGP液体培地の組成は、グルコース1 g、ペプトン1 g、Na2Si03・9H2O 0.2 g、CaCl2・2H2O 0.044 g、MgSO4・7H2O 0.041 g、Na2HPO4・12H2O 0.076 g、KH2PO4・2H2O 0.02 g、HEPES 2.838 g、蒸留水 1000 ml、pH7.0であり、平板培地の場合には1.5%の寒天を加えて固化した(文献4を参照)。
文献4:Sawayama, M., T. Suzuki, H. Hashimoto, T. Kasai, M. Furutani, N. Miyata, H. Kunoh, J. Takada (2011). Isolation of a Leptothrix strain, OUMS1, from ocherous deposits in groundwater. Current Microbiology 63,173-180.
【実施例】
【0055】
前培養液中の菌体(凝集塊)を遠心分離(4000rpm、10分間)によって沈殿させ、10 mlのSGP液体培地に再懸濁した後、23Gの注射針を3回通すことによって凝集塊を分散した。本細菌懸濁液を 1000 mlの三角フラスコに入った240 mlのSGP液体培地に添加し、恒温振とう器(20℃、70rpm旋回)で3日間培養した(本培養)。
【実施例】
【0056】
本培養によって生成した有機鞘について、遠心分離(4000rpm、10分間)による沈殿と10倍量の滅菌蒸留水への懸濁操作とを3回反復することによって洗浄した後、250 mlの20 mM酢酸緩衝液(pH4.0)に懸濁した。この懸濁液に1.25 gの鉄粉、AlCl3・6H2O又はZrCl4 (終濃度~10 mM)、及びZnSO4・7H2O(終濃度~10 mM)を添加した後、恒温培養器(20℃、70rpm旋回)で2日間振とう処理した。生成したBIOX(沈殿)と上清をデカンテーションによって分離し、沈殿を10倍量の純水で3回洗浄した後、凍結乾燥機を用いて乾燥した。本法により、100 mlの本培養液当たり約100 mgのAl含有又はZr含有BIOXが得られた。
【実施例】
【0057】
作製したBIOXの形態及び微細構造は、走査電子顕微鏡(S-4300、Hitachi製)又はSTEM検出機を装備した透過電子顕微鏡(JEM-2100F、日本電子(株)製)を用いて解析した。また、BIOXにおける主要元素の原子組成比は、蛍光X線分析装置(XRF、Orbis、EDAX社製)を用いて測定した。元素マッピング解析は、上記透過電子顕微鏡に装備されたエネルギー分散型X線分析(EDX)装置を用いて行った。
【実施例】
【0058】
BIOX及びその加熱材の結晶性は、X線回折装置(XRD、RINTO2500、Rigaku製、線源:Cu-Kα)を用いて解析した。
【実施例】
【0059】
加熱材の色測定は以下の方法で行った。
(加熱処理) 電気炉(光洋サーモシステムズ(株)製)を用いて、600℃、700℃、800℃、900℃、1000℃、1100℃で2時間加熱した(昇温率10℃/分、降温率2℃/分)。
(色測定) 色相と明度は、コニカミノルタジャパン(株)製の分光測色計CM-2600dを用いてSCI (Specular Component Include)法にて測定した。
【実施例】
【0060】
色測定の比較対照に用いた天然系BIOXの製造は、基本的に以下の文献5に記載された方法で行った。すなわち、(1) 岡山大学農場の地下水浄化用タンク内に形成された堆積物を採取し、上清の電気伝導度が10μS/cm以下になるまで純水で洗浄、(2) アンモニア水を加えてpHを約10.5に調整し、10分間撹拌、(3) 40分間静置した後、沈殿物を2倍量の蒸留水及び1倍量のエタノールで洗浄、(4) 沈殿物を100℃で一晩乾燥させることによって調製した。
文献5:Hashimoto, H., Yokoyama, S., Asaoka, H., Kusano, Y., Ikeda, Y., Seno, M., et al. (2007) Characteristics of hollow microtubes consisting of amorphous iron oxide nanoparticles produced by iron oxidizing bacteria, Leptothrix ochracea. J. Magn. Magn. Mater. 310: 2405-2407.
【実施例】
【0061】
図2は、10 mMのZnSO4を処理したAl含有BIOX (上段)とZr含有BIOX (下段)の800℃加熱後の微細形状(SEM像)を示している。Al含有BIOXとZr含有BIOXの形状は同様で、直径0.6~0.8μmの中空のチューブ状形態を示し、大部分はチューブ同士が束状に密集した塊を呈した。
【実施例】
【0062】
図3は、10 mMのZnSO4を処理したAl含有BIOX (上段)とZr含有BIOX (下段)の800℃加熱後の元素分布(STEM-EDXマッピング像)を示している。各々、AlとZrはFeと同様にBIOX中に均一に分布していることが分かった。
【実施例】
【0063】
図4は、ZnSO4の処理濃度とAl含有BIOX産物(800℃加熱後)の元素組成比の関係を示している。ZnSO4の処理濃度の増加に伴って、BIOX中におけるAlの組成比は増加する一方、Feの組成比は減少することが明らかになった。また、本法での条件では、BIOXにおけるAlの最大含有量は約40at%であった。
【実施例】
【0064】
図5は、ZnSO4の処理濃度とZr含有BIOX産物(800℃加熱後)の元素組成比の関係を示している。ZnSO4の処理濃度の増加に伴って、BIOX中におけるZrの組成比は増加する一方、Feの組成比は減少することが明らかになった。また、本法での条件では、BIOXにおけるZrの最大含有量は約36at%であった。
【実施例】
【0065】
図6は、ZnSO4の処理濃度と800℃で加熱したAl含有BIOXの結晶性の関係を示している(XRD分析)。ZnSO4の処理濃度に関係なく、α-Fe2O3 (ヘマタイト)の単一相からなることが分かった。
【実施例】
【0066】
図7は、ZnSO4の処理濃度と800℃で加熱したZr含有BIOXの結晶性の関係を示している(XRD分析)。いずれのZnSO4処理濃度でも、α-Fe2O3とZrO2の結晶相が混在したが、ZnSO4の処理濃度の増加に伴ってZrO2の結晶相は増加した。
【実施例】
【0067】
図8は、ZnSO4の処理濃度毎にAl含有BIOXの加熱後粉末の色調(色相と明度)を示している。比較対照には、天然系BIOXの800℃加熱材、市販のベンガラ(MC-55、森下弁柄工業(株))を用いた。ZnSO4の処理濃度の増加に伴って、b* (黄色味)及びL* (明度)が有意に増加することがわかった。特に、10 mM ZnSO4の処理区において、市販ベンガラ等と比較して、著しく黄色味が増した鮮やかな橙色を呈することが分かった。
【実施例】
【0068】
図9は、ZnSO4の処理濃度毎Zr含有BIOXの加熱後粉末の色調(色相と明度)を示している。比較対照には、天然系BIOXの800℃加熱材、市販のベンガラ(MC-55、森下弁柄工業(株))を用いた。ZnSO4の処理濃度の増加に伴って、a* (赤味)の減少及びL* (明度)の増加が起こることが分かった。特に、5~10 mMのZnSO4の処理区では、市販ベンガラ等と比較して、著しく明度が増した鮮やかな赤橙色を呈することが分かった。
【実施例】
【0069】
図10は、10 mMのZnSO4を処理したAl含有BIOXの加熱温度による色調(色相と明度)の変化を示している。比較対照には、天然系BIOXの800℃加熱材、市販のベンガラ(MC-55、森下弁柄工業(株))を用いた。結果は、広い加熱温度域(700~1100℃)で色調の耐熱性を有することを示した。特に、800~1000℃の温度域では、高い彩度と明度を持つ鮮やかな赤橙色を呈することが分かった。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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