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明細書 :飲み込みセンサ装置およびその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 令和2年12月10日(2020.12.10)
発明の名称または考案の名称 飲み込みセンサ装置およびその製造方法
国際特許分類 A61B   1/00        (2006.01)
A61B   5/07        (2006.01)
H05K   3/36        (2006.01)
FI A61B 1/00 C
A61B 5/07
H05K 3/36 A
H05K 3/36 B
国際予備審査の請求 未請求
全頁数 32
出願番号 特願2020-508243 (P2020-508243)
国際出願番号 PCT/JP2019/009974
国際公開番号 WO2019/181643
国際出願日 平成31年3月12日(2019.3.12)
国際公開日 令和元年9月26日(2019.9.26)
優先権出願番号 2018052757
優先日 平成30年3月20日(2018.3.20)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DJ , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JO , JP , KE , KG , KH , KN , KP , KR , KW , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT
発明者または考案者 【氏名】宮口 裕
出願人 【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100092978、【弁理士】、【氏名又は名称】真田 有
審査請求
テーマコード 4C038
4C161
5E344
Fターム 4C038CC03
4C038CC06
4C038CC10
4C161DD07
4C161FF14
4C161SS01
5E344AA01
5E344AA22
5E344AA26
5E344BB03
5E344BB06
5E344CC05
5E344CD04
5E344DD02
5E344EE21
要約 飲み込みセンサ装置(I)は、センサ(6)とセンサ(6)で検出された情報を無線で送信するためのデバイス(60)とを含むセンサ類(50)と、複数のリジッド基板(1,2,3)が積み重ねられて構成された基板群(10)と、を備える。基板群(10)は、センサ類(50)の一部(51)が実装された第一リジッド基板(1)と、センサ類(50)のうち一部(51)を除く他部(52)が実装された第二リジッド基板(2)と、第一リジッド基板(1)と第二リジッド基板(2)との間に配置され、一部(51)と他部(52)との電気的な接続用のスルーホール(HT)が穿設された第三リジッド基板(3)とを有する。
特許請求の範囲 【請求項1】
センサと前記センサで検出された情報を無線で送信するためのデバイスとを含むセンサ類と、
複数のリジッド基板が積み重ねられて構成された基板群と、を備え、
前記基板群は、
前記センサ類の一部が実装された第一リジッド基板と、
前記センサ類のうち前記一部を除く他部が実装された第二リジッド基板と、
前記第一リジッド基板と前記第二リジッド基板との間に配置され、前記一部と前記他部との電気的な接続用のスルーホールが穿設された第三リジッド基板とを有する
ことを特徴とする飲み込みセンサ装置。
【請求項2】
前記デバイスは、前記リジッド基板に埋め込まれたコイルを含む
ことを特徴とする請求項1に記載された飲み込みセンサ装置。
【請求項3】
前記複数のリジッド基板は、複数の配線層をもつ多層基板を含み、
前記コイルは、前記複数の配線層のうち一層以上または二層以上で巻回された
ことを特徴とする請求項2に記載された飲み込みセンサ装置。
【請求項4】
前記コイルは、同一平面で二ターン以上巻回された
ことを特徴とする請求項2または3に記載された飲み込みセンサ装置。
【請求項5】
前記コイルは、前記基板群の積み重ね方向から視て重複しないパターンで巻回された
ことを特徴とする請求項2~4の何れか1項に記載された飲み込みセンサ装置。
【請求項6】
前記第三リジッド基板は、規格化された複数の基板から構成された
ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載された飲み込みセンサ装置。
【請求項7】
前記基板群は、前記第一リジッド基板または前記第二リジッド基板に対して、前記第三リジッド基板とは反対側に積み重ねられた第四リジッド基板を有する
ことを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載された飲み込みセンサ装置。
【請求項8】
前記デバイスは、体液に接触する二つの電極間に電力を発生させる電池を含む
ことを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載された飲み込みセンサ装置。
【請求項9】
センサと前記センサで検出された情報を無線で送信するためのデバイスとを含むセンサ類と、
複数のリジッド基板が積み重ねられて構成された基板群と、を備え、
前記基板群は、前記センサ類の一部が実装された一方の基板と、前記センサ類の他部が実装された他方の基板とを有し、前記一方の基板に実装された前記一部と前記他方の基板に実装された前記他部とが前記基板群の積み重ね方向に電気的に接続された
ことを特徴とする飲み込みセンサ装置。
【請求項10】
前記センサ類の前記他部はコイルを含み、
前記一方の基板に前記コイルを除く前記センサ類が実装されるとともに、前記他方の基板に前記コイルが実装されている
ことを特徴とする請求項9に記載された飲み込みセンサ装置。
【請求項11】
センサと前記センサで検出された情報を無線で送信するためのデバイスとを含むセンサ類の一部が実装された第一リジッド基板と、前記センサ類の前記一部を除く他部が実装された第二リジッド基板と、前記一部と前記他部との電気的な接続用のスルーホールが穿設された第三リジッド基板とを、前記第一リジッド基板と前記第二リジッド基板との間に前記第三リジッド基板を配置して積み重ねる積重工程と、
前記積重工程で積み重ねられた前記第一リジッド基板に実装された前記一部と前記第二リジッド基板に実装された前記他部とを、前記第三リジッド基板の前記スルーホールを通じて電気的に接続させる電気接続工程と、を有する
ことを特徴とする飲み込みセンサ装置の製造方法。
【請求項12】
前記電気接続工程の後に実施され、前記第一リジッド基板,前記第二リジッド基板および前記第三リジッド基板ならびに前記センサ類と含む内部モジュールをカプセルの内部に満たされた樹脂に浸漬させ、前記樹脂を硬化させる浸漬硬化工程と、
前記浸漬硬化工程の前に実施され、前記デバイスに含まれる電池において体液に接触すると電力を発生させる二つの電極のうち露出する領域が前記樹脂に浸漬しないように、前記領域に応じた形状の部材で前記領域を養生する養生工程と、を有する
ことを特徴とする請求項11に記載された飲み込みセンサ装置の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、バイタルサインの検出に用いて好適な飲み込みセンサ装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カプセルにセンサ類の内蔵されたセンサ装置が知られている。このようなカプセル型の飲み込みセンサ装置は、被験者に飲み込まれ、その体内においてバイタルサインを検出するのに用いられる。
上記のセンサ装置には、温度計あるいはカメラなどのセンサやこのセンサに関する他のデバイスといったセンサ類が内蔵され、センサ類が実装される基板も内蔵される。
【0003】
このように種々の機器を内蔵するセンサ装置には、飲み込みやすい形状や小型化が要求される。そこで、内蔵される機器について、一枚の基板に配置するのではなく、複数の基板に分散して配置することが提案されている。さらに、複数のリジッド基板に実装されたセンサ類どうしをフレキシブル基板によって結線させることも提案されている。
たとえば、センサ類の設けられたリジッド基板どうしがフレキシブル基板によって連結されたリジッドフレキシブル基板において、リジッド基板どうしが積み重ねられた状態にフレキシブル基板で折り曲げられたセンサ装置が検討されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2006-271520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、リジッドフレキシブル基板は一般的にリジッド基板よりも高価であることから、上述したようにリジッドフレキシブル基板を用いるセンサ装置では、材料コストの上昇を招くおそれがある。また、センサ装置の組み立てにフレキシブル基板での折り曲げを要することから、組立コストの上昇を招くおそれがある。これらのようなフレキシブル基板の使用を要因としたコストの上昇を抑制するのに限らず、飲み込みセンサ装置には、製造工程全体でコストを低減させることが要求されている。よって、飲み込みセンサ装置の製造コストを抑制するうえで、改善の余地がある。
【0006】
本件は、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、飲み込みセンサ装置の製造コストを抑制することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用および効果であって、従来の技術では得られない作用および効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)ここで開示する飲み込みセンサ装置は、センサと前記センサで検出された情報を無線で送信するためのデバイスとを含むセンサ類と、複数のリジッド基板が積み重ねられて構成された基板群と、を備える。前記基板群は、前記センサ類の一部が実装された第一リジッド基板と、前記センサ類のうち前記一部を除く他部が実装された第二リジッド基板と、前記第一リジッド基板と前記第二リジッド基板との間に配置され、前記一部と前記他部との電気的な接続用のスルーホールが穿設された第三リジッド基板とを有する。
(2)また、ここで開示するもう一つの飲み込みセンサ装置は、センサと前記センサで検出された情報を無線で送信するためのデバイスとを含むセンサ類と、複数のリジッド基板が積み重ねられて構成された基板群とを備える。前記基板群は、前記センサ類の一部が実装された一方の基板と、前記センサ類の他部が実装された他方の基板とを有し、前記一方の基板に実装された前記一部と前記他方の基板に実装された前記他部とが前記基板群の積み重ね方向に電気的に接続されている。
【0008】
(3)ここで開示する飲み込みセンサ装置の製造方法は、積重工程と電気接続工程とを有する。
前記積重工程では、センサと前記センサで検出された情報を無線で送信するためのデバイスとを含むセンサ類の一部が実装された第一リジッド基板と、前記センサ類の前記一部を除く他部が実装された第二リジッド基板と、前記一部と前記他部との電気的な接続用のスルーホールが穿設された第三リジッド基板とを、前記第一リジッド基板と前記第二リジッド基板との間に前記第三リジッド基板を配置して積み重ねる。
前記電気接続工程では、前記積重工程で積み重ねられた前記第一リジッド基板に実装された前記一部と前記第二リジッド基板に実装された前記他部とを、前記第三リジッド基板の前記スルーホールを通じて電気的に接続させる。
【発明の効果】
【0009】
本件によれば、第一リジッド基板および第二リジッド基板に分散して配置されたセンサ類どうしを第三リジッド基板のスルーホールを通じて電気的に接続することができる。そのため、フレキシブル基板を用いずに飲み込みセンサ装置を製造することができる。よって、飲み込みセンサ装置の製造コストを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、第一実施形態の飲み込みセンサ装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、第一実施形態の飲み込みセンサ装置に内蔵されるセンサ類の模式的な回路図である。
【図3】図3は、第一実施形態の飲み込みセンサ装置の要部を示す模式図である。
【図4】図4Aおよび図4Bは、第一実施形態の飲み込みセンサ装置に用いられる第一リジッド基板を示す平面図であり、図4Aは第一リジッド基板の表面を示し、図4Bは第一リジッド基板の裏面を示す。
【図5】図5Aおよび図5Bは、第一実施形態の飲み込みセンサ装置に用いられる第二リジッド基板を示す平面図であり、図5Aは第二リジッド基板の表面を示し、図5Bは第二リジッド基板の裏面を示す。
【図6】図6は、第一実施形態の飲み込みセンサ装置に用いられる第三リジッド基板を示す平面図である。
【図7】図7A,図7B,図7Cおよび図7Dは、第一実施形態の飲み込みセンサ装置を製造する方法の前工程を示す図であり、図7Aは第一実装工程を示し、図7Bは第二実装工程を示し、図7Cは積重工程を示し、図7Dは電気接続工程を示す。
【図8】図8Aおよび図8Bは、第一実施形態の飲み込みセンサ装置を製造する方法の中工程を示す図であり、図8Aはトリミング工程を示し、図8Bは第三実装工程を示す。
【図9】図9Aおよび図9Bは、第一実施形態の飲み込みセンサ装置を製造する方法の後工程を示す図であり、図9Aは浸漬硬化工程を示し、図9Bは成形工程を示す。
【図10】図10Aおよび図10Bは、第二実施形態の飲み込みセンサ装置に用いられる第一リジッド基板を示す平面図であり、図10Aは第一リジッド基板の表面を示し、図10Bは第一リジッド基板の裏面を示す。
【図11】図11Aおよび図11Bは、第二実施形態の変形性にかかる飲み込みセンサ装置に用いられる第一リジッド基板を示す平面図であり、図11Aは第一リジッド基板の表面を示し、図11Bは第一リジッド基板の裏面を示す。
【図12】図12A,図12B,図12C,図12D,図12Eおよび図12Fは、第三実施形態の飲み込みセンサ装置に用いられる第三リジッド基板を示す平面図であり、図12Aは第三リジッド基板の第一層(表面)を示し、図12Bは第三リジッド基板の第二層を示し、図12Cは第三リジッド基板の第三層を示し、図12Dは第三リジッド基板の第四層を示し、図12Eは第三リジッド基板の第五層を示し、図12Fは第一リジッド基板の第六層(裏面)を示す。
【図13】図13は、第四実施形態の飲み込みセンサ装置の要部を示す模式図である。
【図14】図14は、第四実施形態の変形例にかかる飲み込みセンサ装置の要部を示す模式図である。
【図15】図15は、第五実施形態の飲み込みセンサ装置の要部を示す模式図である。
【図16】図16A,図16B,図16Cおよび図16Dは、第六実施形態の飲み込みセンサ装置を製造する方法の後工程を示す図であり、図16Aは養生工程を示し、図16Bは浸漬硬化工程を示し、図16Cは成形工程を示し、図16Dは解除工程を示す。
【図17】図17は、飲み込みセンサ装置の製造過程の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、飲み込みセンサ装置(以下「センサ装置」と略称する)を実施するための形態を説明する。
本実施形態のセンサ装置は、センサ類の実装された基板が積み重ねられた状態で飲み込みセンサに内蔵されている。
ここでは、被験者に飲み込まれて使用されるセンサ装置を例説する。また、センサ装置による検出対象として、被験者のバイタルサインを例示する。バイタルサインの一例としては、安静時における被験者の体内温度(以下「深部体温」という)が挙げられる。

【0012】
下記の説明で参照する図面には、X軸,Y軸およびZ軸を有する正系の直交座標系を方向の基準に定め、センサ装置が所定の向きをなすものとする。所定の向きをなすセンサ装置は、基板の延在平面がX軸およびY軸の双方に沿うとともに、基板の積み重ね方向がZ方向に沿うものとする。
なお、図示の便宜上、平面図や斜視図におけるデバイス間の結線については基本的に図示を省略する。また、断面図や模式図では、センサ類の厚みを誇張して示し、同一平面に配置されるものの同一断面には配置されていないデバイスの一部も図示している。
以下、センサ装置について、第一実施形態,第二実施形態,第三実施形態,第四実施形態,第五実施形態,第六実施形態の順にそれぞれの詳細を述べる。なお、詳述する実施形態はあくまでも例示に過ぎず、これらの実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。

【0013】
[I.第一実施形態]
[1.構成]
まず、図1および図3を参照して、センサ装置Iの概要を説明する。
センサ装置Iには、基板群10やセンサ類50を内蔵するカプセル9が設けられている。カプセル9は、センサ装置Iの外殻をなす。このカプセル9には、胃液や腸液といった消化液に対して難溶性の材質が用いられる。

【0014】
上記のセンサ装置Iは、飲み込みやすい形状に設けられる。ここでは、円柱の上底および下底が膨出した概形をもつセンサ装置Iを例示する。ただし、錐台状や球形,円盤状といったさまざまな形状をセンサ装置Iに適用してもよい。なお、ここで例示するセンサ装置Iは、カプセル9によってほぼ全体が覆われるものの、一部のセンサ類50が露出して設けられている。
以下、センサ装置Iについて、基本的な回路構成を述べ、その後に具体的なレイアウト構成の詳細を述べる。

【0015】
[1.1.回路構成]
図2に示すように、センサ装置Iに内蔵されるセンサ類50は、検出された情報を外部に送信する回路(以下「送信回路」と略称する)5Tを構成する。
送信回路5Tには、温度を検出するセンサ6をはじめ、センサ6で検出された情報を無線で送信するためのデバイス60が設けられている。デバイス60には、外部に情報を送信(出力)するための送信部7が含まれるほか、電力を供給する電源部5が含まれ、センサ6および送信部7などを制御するコントローラ8も含まれる。

【0016】
さらに、センサ装置Iから送信された情報は、センサ装置Iを飲み込んだ被験者の体外に設けられた受信回路5Rで受信される。
受信回路5Rには、センサ装置Iから送信された情報を受信するためのコイル(以下「受信コイル」と略称する)5Lや復調部5Dをはじめ、復調部5Dに電力を供給する電源部5Sが設けられている。この受信回路5Rには、受信した情報を表示するディスプレイ5Eも設けられている。

【0017】
——送信回路——
〈電源部〉
電源部5には、電力の供給源である電池5Bが設けられている。この電源部5には、電池5Bのほか、電池5Bの電圧を上昇して供給する昇圧回路5Pや電源コンデンサ5Cも配備されている。

【0018】
ここでは、電池5Bとして胃酸(酸性の液体)に接触すると二つの電極E1,E2間に電力を発生させる胃酸電池を用いている。ただし、胃酸のほか腸液などの他の体液に接触する二つの電極E1,E2間に電力を発生させる電池5Bを用いてもよい。
電極E1,E2のうち、一方の負極E1(第一電極)にはマグネシウム(Mg)薄膜が用いられ、他方の陽極E2(第二電極)には金(Au)薄膜が用いられている。
なお、上記の胃酸電池に限らず、無線で給電されるモジュールやボタン電池といった種々の電力供給源を電池5Bに用いてもよい。

【0019】
電極E1,E2は、次の昇圧回路5Pに接続されている。
昇圧回路5Pは、入力された電極E1,E2間の電圧を上昇させて出力する機能回路である。たとえば、電極E1,E2から1.0[V]程度の電圧が入力された昇圧回路5Pは、3.0[V]程度の電圧を出力する。
この昇圧回路5Pの出力側には、次の電源コンデンサ5Cが接続されている。

【0020】
電源コンデンサ5Cは、電流あるいは電圧を平滑化する機能を担う。さらに、この電源コンデンサ5Cは、蓄電池のように充電電荷を保持する機能も担う。ここでは、電源コンデンサ5Cとして、電気容量が220[μF]の積層セラミックコンデンサ(MLCC〈Multi-Layer Ceramic Capacitor〉)を用いている。
上記の電源コンデンサ5Cに対してセンサ6,送信部7やコントローラ8が並列に接続され、センサ6,送信部7,コントローラ8のそれぞれに電力が供給される。

【0021】
〈センサ〉
センサ6は、温度を検出する温度センサである。すなわち、センサ6は、センサ装置Iにおいて温度測定する部分(測温部)を構成する。ここでは、汎用のデジタル温度センサのうち小型かつ低消費電力型のものをセンサ6に用いている。
このセンサ6で検出された情報は、コントローラ8に入力される。

【0022】
〈送信部〉
送信部7には、搬送波を生成する発振部7Oと、発振部7Oで生成された搬送波を変化させてセンサ6で検出された情報を乗せた変調波を出力する変調部7Mと、変調部7Mからの変調波を外部に出力する共振回路7Rとが設けられている。ここでは、送信コンデンサ7Cと送信コイル7L(コイル)とが接続された共振回路7Rが用いられている。

【0023】
すなわち、発振部7Oからの搬送波が変調部7Mによって変調されてセンサ6による検出温度の信号を含む変調波が生成される。この変調波が共振回路7Rから電磁波として出力される。
上記した電磁波通信では、センサ装置Iを飲み込んだ被験者の消化管やその他の身体といった生体の通過性とエネルギー損失抑制との双方が要求される。一般的に、電磁波は、100[MHz]よりも高い周波数領域で生体吸収損失が増大する第一特性を有し、送信コイル7Lが小型である場合には周波数が低いほど送信効率が低下する第二特性も有する。そのため、上記の第一特性および第二特性を勘案して、出力する電磁波の周波数を選定することが好ましい。

【0024】
ここでは、13.56[MHz]の搬送波が採用される。また、符号化方式としてマンチェスター符号化が用いられ、変調方式として二位相偏移変調(BPSK 〈binary phase-shift keying〉)が用いられている。
上記の設定によれば、一回の送信に要する時間は1[ms]程度であり、これに必要な電力消費量は3[μJ]程度である。

【0025】
〈コントローラ〉
コントローラ8は、センサ6や変調部7Mに接続されている。このコントローラ8は、下記の列挙する種々の制御1~3を実施する。
・制御1:センサ6による検出
・制御2:センサ6で検出された情報のカプセル化
・制御3:共振回路7Rからの出力頻度の設定

【0026】
制御1は、センサ6を作動させて温度を検出させる作動制御である。
制御2は、情報のカプセル化によって搬送波に乗せる情報を生成する信号制御である。
制御3は、変調部7Mを介して、共振回路7Rを共振させる作動制御である。
そのほか、コントローラ8を発振部7Oに接続してもよい。また、センサ6,発振部7O,変調部7Mの少なくとも一つについて、電源のON/OFFを切り替える電源制御をコントローラ8に担わせてもよい。

【0027】
——受信回路——
受信回路5Rでは、上述した送信回路5Tからの電磁波が受信コイル5Lで受信される。受信コイル5Lで受信された電磁波は、復調部5Dによって復調されることによって、センサ6で検出された情報(すなわち「深部体温」の情報)が取り出される。これらの受信コイル5Lおよび復調部5Dには、電源部5Sからの電力が供給される。この受信回路5Rでは、復調部5Dで取り出された深部体温の情報がディスプレイ5Eに表示され、このディスプレイ5Eにも電源部5Sからの電力が供給される。

【0028】
なお、復調部5Dによって取り出された深部体温の情報は、ディスプレイ5Eへの表示に限らず、図示省略する通信網を通じてオンラインストレージに保存してもよい。この場合には、スマートフォンやノートパソコンといった上記の通信網に接続可能な電子機器類からオンラインストレージのデータを閲覧可能に構成することもできる。
更に言えば、オンラインストレージに蓄積された深部体温の情報を含むバイタルサインのデータベースに基づいて、健康状態に関する提案や警告を被験者やその関係者に報知することも可能である。また、被験者やその関係者の電子機器類からの要求に応じてセンサ装置Iを制御することも可能である。このように、いわゆるビッグデータやIoT(Internet of Things)を活用してセンサ装置Iを使用することもできる。

【0029】
[1.2.レイアウト構成]
つづいて、図3~図6を参照して、センサ装置Iのレイアウト構成を詳述する。
図3に示すように、センサ装置Iには、上述した送信回路5Tを構成するセンサ類50のほか、センサ類50が分散して配置された基板群10がカプセル9に内蔵されている。このセンサ装置Iには、カプセル9の内部であってセンサ類50および基板群10以外の部分に樹脂(網点で示す)が充填されている。この樹脂には、生体に適合した樹脂(以下「生体適合樹脂」と称する)が用いられる。

【0030】
基板群10は、三つのリジッド基板1,2,3がZ軸方向に積み重ねられた状態で構成される。これらのリジッド基板1,2,3には、図3において上側に配置された第一リジッド基板1と、図3において下側に配置された第二リジッド基板2と、これらのリジッド基板1,2の間に配置された第三リジッド基板3とが設けられる。
また、これらのリジッド基板1,2,3には、表裏の各面に配線可能な両面基板が用いられている。なお、第一リジッド基板1については、図3における上面を「表面1a(第一面)」とするとともに下面を「裏面1b(第二面)」とする。同様に、第三リジッド基板3についても、図3における上面を「表面3a(第一面)」とするとともに下面を「裏面3b(第二面)」とする。一方、第二リジッド基板2については、図3における下面を「表面2a(第一面)」とするとともに上面を「裏面2b(第二面)」とする。

【0031】
図4~図6に示すように、リジッド基板1,2,3のそれぞれは、矩形のフレームF1,F2,F3から円形に切り出された部位である(図4~図6には切り捨てられる部位に網点を付す)。
フレームF1,F2,F3は、リジッド基板1,2,3の基材である。これらのフレームF1,F2,F3は、何れも平面視(Z軸方向視)で同じ形状および面積に設定されている。リジッド基板1,2,3についても、平面視で同じ形状および面積に設定される。
なお、リジッド基板1,2,3の形状は、カプセル9の形状(センサ装置Iの概形)に応じた形状であることが好ましく、円形に限らず、楕円形や多角形といったさまざまな形状を用いることができる。フレームF1,F2,F3の形状についても、特に限定されない。

【0032】
また、フレームF1,F2,F3においてリジッド基板1,2,3を残して切り落とされる箇所には、リジッド基板1,2,3を積み重ねるときの位置決め用の穴(以下「位置決め穴」という)HP1,HP2,HP3が穿設されている。ここでは、フレームF1,F2,F3における四隅のそれぞれに設けられたHP1,HP2,HP3を例示する(ただし符号を一箇所のみに付す)。
これらの位置決め穴HP1,HP2,HP3は、リジッド基板1,2,3あるいはフレームF1,F2,F3を平面視で一致するように積み重ねたときに、位置決め穴HP1,HP2,HP3どうしも平面視で一致する箇所に配置されている。
そのため、位置決め穴HP1,HP2,HP3にZ軸方向に延びるピンP(図7参照)を差し込んでリジッド基板1,2,3を積み重ねるだけで、XY平面におけるリジッド基板1,2,3の各位置を決めることができる。

【0033】
本実施形態では、第一リジッド基板1にセンサ類50の一部(以下「第一センサ類」という)51が配置されている。第二リジッド基板2には、センサ類50のうち第一センサ類51を除く他部(以下「第二センサ類」という)52が配置されている。なお、第三リジッド基板3にはセンサ類50が配置されていない。
以下、リジッド基板1,2,3のそれぞれを詳述する。

【0034】
——第一リジッド基板——
図4Aに示すように、第一リジッド基板1の表面1aには、電池5Bの負極E1および陽極E2が実装される。
これらの電極E1,E2は、図3に示すように、その上面が外部に露出して設けられ、たとえば胃液に対して直に浸漬されるように配置される。なお、電極E1,E2は、図4Aに示すようにY方向に並設されるが、図示の便宜上、図3ではX方向に並べて示す。

【0035】
ここでは、電極E1,E2どうしの間に隔壁Wが延設されている。この隔壁Wにより、被験者の胃壁(消化器の内壁)が電極E1,E2の双方に接触することを抑え、電極E1,E2の短絡による胃壁の熱傷(いわゆる火傷)を防いでいる。
なお、電極E1,E2は、微細加工技術(MEMS〈Micro Electro Mechanical Systems〉技術)によって作製された第一リジッド基板1の表面1a上にスパッタ法によって形成される。

【0036】
図4B第一リジッド基板1の裏面1bには、昇圧回路5P,発振部7Oおよび変調部7Mが実装される。
上記の電池5B,昇圧回路5P,発振部7Oおよび変調部7Mは、第一センサ類51を構成する。
さらに、第一リジッド基板1の裏面1bには、第二リジッド基板2に実装された第二センサ類52との結線(電気的な接続)用に、複数のパッドP1(「ランド」とも称される,一箇所のみに符号を付す)が設けられている。また、変調部7MはパッドP1の何れかに接続される。

【0037】
——第二リジッド基板——
図5Aに示すように、第二リジッド基板2の表面2aには、電源コンデンサ5Cが実装され、さらに送信コイル7L(図3参照)の接続用端子70Lや送信コンデンサ7Cが設けられている。なお、送信コイル7Lや送信コンデンサ7Cを設ける位置は、第二リジッド基板2の表面2aに限られるものではなく、第一リジッド基板1の表面1aまたは裏面1b、或いは、第二リジッド基板2の裏面2bとしてもよい。図5Bに示すように、第二リジッド基板2の裏面2bには、センサ6およびコントローラ8が実装される。また、図3に示すように、送信コイル7Lは、第二センサ類52が実装された第二リジッド基板2の表面2aに後付けされ、基板群10に外付けされる。たとえば、クリームハンダによって第二リジッド基板2の表面2aに送信コイル7Lが接続される。
上記の電源コンデンサ5C,センサ6,コントローラ8,送信コイル7Lおよび送信コンデンサ7Cは、第二センサ類52を構成する。
さらに、図5Bに示すように、第二リジッド基板2の裏面2bには、第一リジッド基板1の裏面1bのパッドP1と平面視と一致する箇所に、パッドP2(一箇所のみに符号を付す)が設けられている。また、第一リジッド基板1の変調部7Mから出力される変調波の信号は、変調部7Mが接続されたパッドP1に対応するパッドP2と接続された送信コイル7Lの接続用端子70Lを介し送信コンデンサ7Cに出力される。

【0038】
——第三リジッド基板——
図6に示すように、第三リジッド基板3には、第一センサ類51と第二センサ類52との電気的な接続用のスルーホールHT(一箇所のみに符号を付す)が穿設されている。なお、第三リジッド基板3は、表面3aおよび裏面3bとも同様に構成されている。
スルーホールHTは、平面視で上記のパッドP1,P2に対応する箇所のそれぞれに配置される。このスルーホールHTには、第三リジッド基板3が穿設された穴の内面にはんだや銅などの導体がメッキ処理されている。スルーホールHTの導体と上記のパッドP1,P2とは、Z方向への導電性をもつ異方性導電フィルム(ACF〈Anisotropic Conductive Film〉)やハンダといった公知の材料によって電気的に接続される。
なお、第一リジッド基板1の裏面1bのパッドP1と第二リジッド基板2の裏面2bのパッドP2とを平面視で一致しない箇所に設け、第三リジッド基板3による配線で、パッドP1とパッドP2とを電気的に接続してもよい。

【0039】
この第三リジッド基板3には、他のリジッド基板1,2の裏面1b,2bに実装された昇圧回路5P,発振部7Oおよび変調部7Mならびにセンサ6およびコントローラ8に対する干渉を避けるために、切り抜かれた部位(以下「切抜部」という)39が設けられている。すなわち、第三リジッド基板3は、円環状に形成されている。図6に例示する複数のスルーホールHTは、切抜部39を挟んで一側および他側のそれぞれに配置されている。さらに、複数のスルーホールHTを切抜部39の周辺に配置してもよい。

【0040】
[2.センサ装置の製造方法]
つぎに、上述したセンサ装置Iの製造方法を説明する。
ここで例示する製法では、前工程A,中工程B,後工程Cの順に三つの工程A,B,Cが実施される。

【0041】
前工程Aでは、図7A~図7Dに示すように、下記の工程A1~A4が順を追って実施される。
・工程A1:第一リジッド基板1に第一センサ類51を実装する第一実装工程
・工程A2:第二リジッド基板2に第二センサ類52を実装する第二実装工程
・工程A3:リジッド基板1,2,3を積み重ねる積重工程
・工程A4:スルーホールHTでセンサ類51,52どうしを電気的に接続させる電気接続工程

【0042】
中工程Bでは、図8A,図8Bに示すように、下記の工程B1,B2が順を追って実施される。
・工程B1:リジッド基板1,2,3を整形するトリミング工程
・工程B2:送信コイル7Lを外付けして内部モジュールを完成させる第三実装工程
後工程Cでは、図9A,図9Bに示すように、下記の工程C1,C2が順を追って実施される。
・工程C1:内部モジュールを樹脂に浸漬させて硬化させる浸漬硬化工程
・工程C2:外形を整える成形工程

【0043】
——前工程——
〈第一実装工程〉
工程A1の第一実装工程では、図7Aに示すように、第一リジッド基板1の表面1aに電池5Bの電極E1,E2を実装し、裏面1bに昇圧回路5P,発振部7Oおよび変調部7Mを実装する。この裏面1bにはパッドP1を設ける。さらに、表面1aに対して、電極E1,E2どうしの間の隔壁Wおよび電極E1,E2を囲む外壁WEを形成する。

【0044】
〈第二実装工程〉
工程A2の第二実装工程では、図7Bに示すように、送信コイル7L以外の第二センサ類52を実装する。具体的には、第二リジッド基板2の表面2aに電源コンデンサ5Cおよび送信コンデンサ7Cを実装し、裏面2bにセンサ6およびコントローラ8を実装する。この裏面2bにはパッドP2を設ける。

【0045】
〈積重工程〉
工程A3の積重工程では、図7Cに示すように、第一リジッド基板1と第二リジッド基板2との間に第三リジッド基板3を配置して、これらの基板1,2,3を積み重ねる。具体的には、上術した位置決め穴HP1,HP2,HP3(一点鎖線で示す)にZ軸方向に延びるピンP(一点鎖線で示す)を差し込んでリジッド基板1,2,3を積み重ねる。これにより、XY平面における各位置の決められたリジッド基板1,2,3が積み重ねられる。

【0046】
〈電気接続工程〉
工程A4の電気接続工程では、図7Dに示すように、パッドP1,P2とスルーホールHTとを電気的に接続する。具体的には、パッドP1,P2とスルーホールHTとの間を異方性導電フィルムやハンダといった公知の材料で接合する。これにより、スルーホールHTを通じてセンサ類51,52どうしを電気的に接続させる。さらに、第一リジッド基板1と第三リジッド基板3との間、第二リジッド基板2と第三リジッド基板3との間に接着剤を流し込んで基板間の接合強度を増してもよい。

【0047】
——中工程——
〈トリミング工程〉
工程B1のトリミング工程では、図8Aに示すように、リジッド基板1,2,3以外の基材部分を取り除いて整形する。具体的には、積重工程で上述した位置決め穴HP1,HP2,HP3からピンPを抜き、リジッド基板1,2,3において隔壁Wの上部をクランプCで把持したうえで回転させ、リジッド基板1,2,3以外の基材部分がトリミングビットBで削り落とされる。また、積重工程で上述した位置決め穴HP1,HP2,HP3からピンPを抜かず、リジッド基板1,2,3において隔壁Wの上部をクランプCで把持したうえで、リジッド基板1,2,3を周回するようにトリミングビットBを動かしてリジッド基板1,2,3以外の基材部分を削り落としてもよい。
〈第三実装工程〉
工程B2の第三実装工程では、図8Bに示すように、第二リジッド基板2の表面2aに送信コイル7Lを実装する。具体的には、第二リジッド基板2の表面2aのクリームハンダを溶融させて送信コイル7Lが接続される。

【0048】
——後工程——
〈浸漬硬化工程〉
工程C1の浸漬硬化工程では、図9Aに示すように、上記したリジッド基板1,2,3やセンサ類50からなる内部モジュールを、カプセル9の内部に満たされた生体適合樹脂に浸漬させる。このとき、電極E1,E2が生体適合樹脂に浸漬しないように、生体適合樹脂が外壁WEを乗り越えない位置で内部モジュールを保持する。そして、生体適合樹脂を硬化させる。あるいは、生体適合樹脂の硬化を待つ。なお、第三リジッド基板3内の切抜部39に生体適合樹脂が容易に充填されるよう、リジッド基板1,2に穴を設けてもよい。
〈成形工程〉
工程C2の成形工程では、図9Bに示すように、外形を整える。具体的には、角を丸めたり、クランプCで把持していた隔壁Wの上部を削り落としたりして成形する。

【0049】
[3.作用および効果]
本実施形態のセンサ装置Iは、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
センサ装置Iでは、リジッド基板1,2,3のみからなる基板群10にセンサ類50が分散して実装され、分散して実装されたセンサ類50どうしが第三リジッド基板3のスルーホールHTを通じて結線(電気的に接続)される。
そのため、フレキシブル基板を用いずにセンサ装置Iを製造することができる。したがって、基板材料のコストを抑制することができる。また、フレキシブル基板での折り曲げ工程を省略することで組立コストを抑制することができる。これらより、センサ装置Iの製造コストを抑制することができる。

【0050】
さらに、センサ装置Iには、電池5Bに胃酸電池を用いているため、ボタン電池を用いた場合と比較して、液漏れのおそれがなく、ボタン電池にセンサ装置Iのサイズが律速されることもない。よって、生体安全性を確保することができ、センサ装置Iの小型化に資する。

【0051】
[II.第二実施形態]
[1.構成]
つぎに、図10Aおよび図10Bを参照して、第二実施形態のセンサ装置IIを説明する。
第二実施形態のセンサ装置IIは、上述した第一実施形態のセンサ装置Iでは送信コイル7Lが基板群10に外付けされるのに対し、送信コイル7L′が基板群10′に埋め込まれる点で異なる。なお、上述した第一実施形態のセンサ装置Iでは送信コンデンサ7Cが第二リジッド基板2の表面2aに実装されるのに対し、本実施形態の送信コンデンサ7C′は第一リジッド基板1′の裏面1b′に実装される点も異なる。その他の構成は、第一実施形態と同様の構成になっており、同様の符号を付して各部の説明を省略する。
本第二実施形態では、第一リジッド基板1′に送信コイル7L′が埋め込まれたレイアウトを例示する。ただし、送信コイル7L′が埋め込まれる基板は、第一リジッド基板1′に限らず、図示省略する第二リジッド基板や第三リジッド基板、さらにその全部または一部であってもよい。

【0052】
センサ装置IIの第一リジッド基板1′には、その外周に送信コイル7L′の巻線が埋め込まれている。
この第一リジッド基板1′には、第一センサ類51′やパッドP1と平面視で異なる箇所に、表面1a′と裏面1b′とを電気的に接続するスルーホールHL′(上述したスルーホールHTとは異なる)が穿設されている。そして、第一リジッド基板1′における送信コイル7L′の巻線は、図10Aに示すように表面1a′で1ターンし、図10Bに示すように裏面1b′でもう1ターンし、表面1a′および裏面1b′の巻線がスルーホールHL′を通じて結線される。

【0053】
さらに、表面1a′の巻線と裏面1b′の巻線とは、平面視で重複しないパターンで巻回されている。
なお、本実施形態のセンサ装置IIにおける第一リジッド基板1′は、第一実施形態Iのセンサ装置Iにおける第一リジッド基板1と比較して、送信コイル7L′が埋め込まれる分だけ外径が大きく設定されている。

【0054】
そのほか、図11Aおよび図11Bに示すように、表面1a′および裏面1b′の各層で送信コイル7L′の巻線が複数ターン(図11では2ターンのパターンを例示する)していてもよい。この場合のセンサ装置II′の第一リジッド基板1′は、図10Aおよび図10Bに示すセンサ装置IIの第一リジッド基板1′よりも同一層におけるターン数の増加分に対応して外径が大きく設定されうる。

【0055】
[2.作用および効果]
本実施形態のセンサ装置IIは、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
送信コイル7L′が第一リジッド基板1′に埋め込まれていることから、第一センサ類51′と同様に送信コイル7L′を実装することができる。また、第一リジッド基板1′の製造時に送信コイル7L′を埋め込んでもよい。そのため、第一実施形態の送信コイル7Lのような後付けや外付けなどの工程を省略することができる。よって、製造コストを低減させることができる。

【0056】
ところで、送信コイル7L′においてZ軸方向に沿って互いに隣接する巻線は、キャパシタとしても機能する。このキャパシタの電気容量は、「パターン間容量」とも称される。送信コイル7L′のインダクタンスよりもパターン間容量が優勢になる所定の共振周波数よりも高周波の領域では、インダクタとしての機能を送信コイル7L′が果たすことができず、外部に情報を送信不能となる。

【0057】
これに対し、送信コイル7L′の巻線が平面視で重複しないパターンで巻回されることから、パターン間容量を抑えることができ、共振周波数の設定領域を確保することができる。たとえば、第一実施形態のセンサ装置Iよりも高い共振周波数の設定が可能となる。
そのほか、表面1a′および裏面1b′の各層で送信コイル7L′の巻線が複数ターンするレイアウトの場合には、埋め込まれた送信コイル7L′のインダクタンスを確保することができる。

【0058】
[III.第三実施形態]
[1.構成]
つぎに、図12A~図12Fを参照して、第三実施形態のセンサ装置IIIを説明する。
第三実施形態のセンサ装置IIIは、上述した第二実施形態のセンサ装置IIでは表面1a′および裏面1b′の二層に送信コイル7L′の巻線が配置されるのに対し、送信コイル7L″の巻線が三層以上に配置される点で異なる。その他の構成は、第二実施形態と同様の構成になっており、各部の説明を省略する。
本実施形態では、第三リジッド基板3″に送信コイル7L″が埋め込まれたレイアウトを例示する。ただし、送信コイル7L″が埋め込まれる基板は、第三リジッド基板3″に限らず、図示省略する第一リジッド基板や第二リジッド基板であってもよい。

【0059】
センサ装置IIIの第三リジッド基板3″には、表面3a″および裏面3b″の他にも配線層(三層以上の配線層)をもつ多層基板が用いられている。ここでは、配線層として、第一層L1,第二層L2,第三層L3,第四層L4,第五層L5,第六層L6の順にZ方向に並ぶ複数層を例示する。これらの複数層が設けられた六層基板を第三リジッド基板3″の例に挙げる。なお、第一層L1は第三リジッド基板3″の表面3a″に対応し、第六層L6は第三リジッド基板3″の裏面3b″に対応する。

【0060】
第三リジッド基板3″には、第一層L1,第二層L2,第三層L3,第四層L4,第五層L5,第六層L6のそれぞれに送信コイル7L″の巻線が埋め込まれている。
この第三リジッド基板3″には、スルーホールHT″と平面視で異なる箇所に、表面3a″と裏面3b″とを電気的に接続するスルーホールHL″(上述したスルーホールHTとは異なる)が穿設されている。
さらに、スルーホールHL″は、隣接する層L1~L6どうしのそれぞれを電気的に接続するために、層L1~L6の数と同数(すなわち六つ)が設けられている(ここでは各層において電気的に接続されているスルーホールHL″に符号を付す)。これらのスルーホールHL″は、各層L1~L6の巻線を平面視で重複しないパターンで巻回するため、または奇数層L1,L3,L5と偶数層L2,L4,L6との巻線を平面視で重複しないパターンで巻回するために、第三リジッド基板3″における径方向位置が互いに相異して配置される。
なお、第三リジッド基板3″に設けられた、第一層L1,第二層L2,第三層L3,第四層L4,第五層L5,第六層L6の層間を接続するのは、スルーホールHL″に限らず、非貫通穿穴のIVH(Inner Via Hole)やBVH(Blind Via Hole)などを使用してもよい。

【0061】
図12Aに示すように第一層L1で送信コイル7L″の巻線が1ターンする。同様に、図12Bに示す第二層L2,図12Cに示す第三層L3,図12Dに示す第四層L4,図12Eに示す第五層L5,図12Fに示す第六層L6のそれぞれで、送信コイル7L″の巻線が1ターンする。これらの層L1~L6は隣接する層間の巻線どうしがスルーホールHL″を通じて結線される。

【0062】
[2.作用および効果]
本実施形態のセンサ装置IIIは、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
多層基板の第三リジッド基板3″における各層で送信コイル7L″の巻線が巻回されることから、埋め込まれた送信コイル7L″のインダクタンスを確保することができる。
そのほか、径方向位置の異なる複数のスルーホールHL″によって、各層L1~L6の巻線が平面視で重複しないように配置されるため、インダクタンスを確保したうえでパターン間容量を抑えることもでき、共振周波数の設定領域を確保することもできる。

【0063】
[IV.第四実施形態]
[1.構成]
つぎに、図13を参照して、第四実施形態のセンサ装置IVを説明する。
第四実施形態のセンサ装置IVは、上述した第一実施形態のセンサ装置Iに対して下記の点1,2で相異する。
・相異点1:第一実施形態の第二リジッド基板2の表裏を反転させたレイアウト
・相異点2:第一実施形態の第三リジッド基板3よりもZ方向寸法が大きい第三リジッド基板30を用いる
第三リジッド基板30を除いた他の構成は、第一実施形態と同様の構成になっており、各部の説明を省略する。

【0064】
上記の相異点1に関し、本実施形態の電源コンデンサ50Cは、第一実施形態の電源コンデンサ5Cと充電電荷の保持量が同等なものの、センサ6、発振部7Oやコントローラ8よりもZ方向寸法が大きい。そのため、上記の相異点1で述べたように第二リジッド基板20の裏面20bに実装された電源コンデンサ50Cは、第一実施形態のように薄い第三リジッド基板3を用いた場合には、第一リジッド基板100の裏面100bあるいは第一センサ類51に干渉するおそれがある。
そこで、相異点2で述べたように、第一実施形態の第三リジッド基板3よりも厚い第三リジッド基板30を用いている。

【0065】
この第三リジッド基板30には、第三実施形態のように多層基板が用いられ、図示省略する送信コイルの巻線が各層に巻回されている。一般的に、多層基板は、基板の厚みが大きくなるほど層数が多く設定される。このような層数設定に則った第三リジッド基板30が用いられている。すなわち、第三実施形態の第三リジッド基板3″よりも多くの層が設定された第三リジッド基板30がセンサ装置IVに内蔵されているが、センサ装置Iとセンサ装置IVのZ方向の全体寸法は変わらない。また、第一実施形態の電源コンデンサ5Cよりも充電電荷の保持量が大きい電源コンデンサ50Cを用いてもよい。

【0066】
そのほか、図14に示すように、センサ装置IV′の第三リジッド基板30は、規格化された複数の基板30A,30Bから構成されていてもよい。
たとえば、第三実施形態のセンサ装置IIIにおいて規格化された基板を第三リジッド基板3″に用いるとともに、この基板と同様の基板30A,30Bを積み重ねて、本実施形態の第三リジッド基板30を構成してもよい。

【0067】
[2.作用および効果]
本実施形態のセンサ装置IVは、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
センサ装置IVのZ方向の全体寸法をセンサ装置Iから変えずに第三実施形態の第三リジッド基板3″よりも多くの層が設定された第三リジッド基板30の各層で送信コイルの巻線が巻回されることから、インダクタンスを高めることができる。また、第一実施形態の電源コンデンサ5Cよりも充電電荷の保持量が大きい電源コンデンサ50Cを用いた場合には、センサ装置IVによる検出頻度あるいは検出回数を高めることができ、検出情報の出力頻度あるいは出力回数を高めることもできる。

【0068】
そのほか、規格化された複数の基板30A,30Bから第三リジッド基板30を構成すれば、第三実施形態のセンサ装置IIIと本実施形態のセンサ装置IVとで個別に第三リジッド基板3″,30A,30Bを用意する必要がない。このように、第三リジッド基板3″と基板30A,30Bとを兼用することで、センサ装置III,IVのパーツを共用化することができる。これにより、タイプの異なるセンサ装置III,IVの製造コストを抑制することができる。

【0069】
[V.第五実施形態]
[1.構成]
つぎに、図15を参照して、第五実施形態のセンサ装置Vを説明する。
第五実施形態のセンサ装置Vは、上述した第一実施形態のセンサ装置Iに対して下記の点A~Cで相異する。
・相異点A:第三リジッド基板3に替えて用いられる第三実施形態と同様の第三リジッド基板3″
・相異点B:第二リジッド基板2に対して第三リジッド基板3″とは反対側に増設された第四リジッド基板40
・相異点C:電源コンデンサ5Cに替えて用いられる第四実施形態と同様の電源コンデンサ50Cを用いる

【0070】
さらに、第四リジッド基板40には、第三リジッド基板3″と同様に多層基板が用いられ、図示省略する送信コイルの巻線が各層に巻回されている。かかる巻線は、第三リジッド基板3″に埋め込まれた送信コイルと結線されている。すなわち、第三リジッド基板3″および第四リジッド基板40に送信コイルが分散して埋め込まれている。
そのうえ、第三リジッド基板3″と第四リジッド基板40とは、同一の規格品である。すなわち、規格化された基板3″,40がセンサ装置Vに用いられる。
その他の構成は、第一実施形態や第三実施形態と同様の構成になっており、各部の説明を省略する。

【0071】
[2.作用および効果]
本実施形態のセンサ装置Vは、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
第三リジッド基板3″に加えて第四リジッド基板40にも送信コイルが埋め込まれることから、第三実施形態のセンサ装置IIIと比較して、インダクタンスを高めることができる。
そのほか、規格化された基板3″,40が用いられることから、センサ装置III,Vのパーツを共用化することができる。これにより、タイプの異なるセンサ装置III,Vの製造コストを抑制することができる。

【0072】
[VI.第六実施形態]
[1.構成]
つぎに、図16A~図16Dを参照して、第六実施形態にかかるセンサ装置VIの製造方法を説明する。
この方法で製造されたセンサ装置VIは、上述した第一実施形態のセンサ装置Iと同様の構成を備えるものの、製造過程で養生部材80が用いられる。そこで、本実施形態の説明では、第一実施形態のセンサ装置Iと同様の構成には、共通の符号を付して各部の説明を省略する。

【0073】
本実施形態の製造方法は、上述した第一実施形態のセンサ装置Iを製造する方法に対して、主に後工程が相異する。
具体的には、第一実施形態の工程C1,C2(後工程C)に替えて、本実施形態の製造方法では下記の工程D1,D2,D3,D4(後工程D)が順を追って実施される。これらの工程D1,D2,D3,D4では、完成品のセンサ装置VIにおいて電極E1,E2の露出する領域(以下「露出領域」と称する)Rを生体適合樹脂に浸漬させないようにする手法が工程C1,C2と相異する。

【0074】
・工程D1:養生部材80で露出領域Rを養生する養生工程
・工程D2:内部モジュールMを樹脂に浸漬させて硬化させる浸漬硬化工程
・工程D3:外形を整える成形工程
・工程D4:養生を解除する解除工程
そのほか、第一実施形態では前工程の第一実装工程で形成される外壁WE(図3参照)に対応する構成が、本実施形態では上記の工程D2,D3,D4で形成される点も相異する。なお、本実施形態の工程D1,D2,D3,D4では、隔壁W(図3参照)の形成が省略される。

【0075】
〈養生工程〉
工程D1の養生工程では、図16Aに示すように、露出領域Rに応じた形状の養生部材80を用いて露出領域Rを養生する。養生部材80は、第一実施形態で上述した外壁WEよりもZ方向寸法が大きく設定されている。この養生部材80は、溶媒によって溶解する性状を有する可溶性の材料から形成されている。ここでは、養生部材80として円柱状の部材を例示する。
この養生工程では、養生部材80を露出領域Rに積層し貼り付ける。このようにして、生体適合樹脂に露出領域Rが浸漬しないように、養生部材80で露出領域Rが被覆されて養生される。

【0076】
〈浸漬硬化工程〉
工程D2の浸漬硬化工程では、図16Bに示すように、リジッド基板1,2,3やセンサ類50(図3参照)からなる内部モジュールMを、カプセル9の内部に満たされた生体適合樹脂に沈下させて浸漬させる。すなわち、内部モジュールMを生体適合樹脂に包埋させる。そして、生体適合樹脂を硬化させる。あるいは、生体適合樹脂の硬化を待つ。
この浸漬硬化工程で内部モジュールMの保持されるZ方向位置は、外壁WE(図3参照)よりもZ方向寸法の大きい養生部材80で露出領域Rが養生されていることから、上述した工程C1で内部モジュールMを保持するZ方向位置よりも許容される範囲が拡大する。

【0077】
〈成形工程〉
工程D3の成形工程では、図16Cに示すように、全体の角を丸めたり養生部材80のうち突出する部位89(二点鎖線で示す)を削除したりして、外形を整える。このことから、成形工程は整形工程とも言える。
つぎに説明する解除工程の前かつ成形工程の後には、露出領域Rは未だ露出しておらず、露出領域Rが養生されたままの状態である。

【0078】
〈解除工程〉
工程D4の解除工程では、図16Dに示すように、養生部材80を取り除いて養生を解除する。ここでは、養生部材80が溶媒で溶解されることにより、養生部材80で一時的に保護されていた露出領域Rが露出し、露出領域Rの養生が解き除かれる。
この解除工程の後には、養生部材80が存在していた領域の外周縁に、第一実施形態のセンサ装置Iにおける外壁WEに対応する構成として生体適合樹脂の硬化した部位があらわれることとなる。

【0079】
[2.作用および効果]
本実施形態のセンサ装置VIを製造する方法は、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
養生工程において浸漬硬化工程の前に養生部材80で露出領域Rが養生されることから、浸漬硬化工程で内部モジュールMを保持するZ方向位置の許容範囲を簡便に拡大することができる。

【0080】
解除工程において養生部材80が溶媒で溶解させられることから、養生部材80による露出領域Rの養生を容易に解除することができる。
解除工程の後には、外壁WEに対応する構成として生体適合樹脂の硬化した部位があらわれることから、第一実施形態の第一実装工程で外壁WEを形成する工程を省略することができる。
上記のように製造工程を簡便,容易にすることで、センサ装置VIの製造コストを低減させることができる。

【0081】
[3.変形例]
つぎに、第六実施形態のセンサ装置を製造する方法の変形例を説明する。
上述の第六実施形態にかかるセンサ装置の製造方法および以下に述べる変形例の製造方法では、浸漬硬化工程が少なくとも電気接続工程の後に実施されればよく、養生工程が少なくとも浸漬硬化工程の前に実施されればよい。

【0082】
たとえば、前工程や中工程で養生工程を実施してもよい。これらのように後工程よりも前に実施される養生工程よりも後に浸漬硬化工程を実施してもよい。なお、リジッド基板の整形が不要であったり送信コイルがリジッド基板に埋め込まれたりする場合には、中工程を省略することもできる。
下記の説明では、可溶性の養生部材を用いる変形例として第一変形例,第二変形例および第三変形例を挙げる。これらの変形例では、第六実施形態のセンサ装置VIを製造する方法と同様に、露出領域を被覆することで養生する。

【0083】
そのほか、露出領域の周囲を囲むことで養生する変形例として、第四変形例および第五変形例を挙げる。これらの変形例では、養生部材を可溶性の材料で構成することは無用であり、難溶性の材料で構成された養生部材が用いられる。第四、第五変形例では、前述の工程D4の養生を解除する解除工程は不要である。
なお、ここで説明する点を除いては上述した第六実施形態と同様の構成になっている。これらの構成については、同様の符号を付し、各部の説明を省略する。

【0084】
[3.1.第一変形例]
第一変形例では、図16Aに二点鎖線で示すように、二つの養生部材81,82が用いられる。具体的には、電極E1に対応する第一養生部材81と電極E2に対応する第二養生部材82とが用いられる。これらの養生部材81,82は、第一実施形態のセンサ装置Iにおける隔壁Wに対応する空間をあけて、互いに離間して配置される。
上記の養生部材81,82を用いることにより、養生部材81,82どうしの間に生体適合樹脂の硬化した部位を隔壁Wに対応する構成として形成することできる。

【0085】
[3.2.第二変形例]
第二変形例では、少なくとも隔壁Wに対応する空間をあけて第一変形例の養生部材81,82が連結された一体の養生部材が用いられる。たとえば、電極E1,E2に門柱の立てられた門型(いわば上部が連結された柱状)の養生部材が用いられる。
上記のように一体の養生部材を用いることで、センサ装置の製造工程を簡便化するのに資する。

【0086】
[3.3.第三変形例]
第三変形例では、体液で溶解可能な可溶性の材料で構成された養生部材が用いる。この養生部材が用いられた場合には、センサ装置が服用されて体液に接触・浸漬したときに養生部材が溶解する。そのため、除去工程を省略することができ、センサ装置の製造工程を簡便化するのに資する。
なお、浸漬硬化工程の後に本変形例の養生部材の一部が突出する状態であれば、安全性を高めるために、養生部材のうち突出する一部が成形工程で削除される。

【0087】
[3.4.第四変形例]
第四変形例では、露出領域を囲む形状(露出領域に対応する形状)の養生部材が用いられる。ここでは、円筒状の部材を養生部材の例に挙げる。
この例では、養生部材が、露出領域を覆わないため、養生部材の除去工程を省略することができる。また、この例では、養生部材を除去しないので、養生部材を生体適合樹脂で形成することが好ましい。
本変形例の養生部材は、養生工程において、露出領域を囲む周壁をなすような配置で内部モジュールに積層されて貼り付けられる。この養生部材は、第一実施形態で上述した外壁WE(図3参照)よりもZ方向寸法が大きく設定されている。

【0088】
成形工程では、全体の角を丸めたり養生部材のうち突出する部位を削除したりして、外形を整える。この成形工程の後には、外壁WEに対応する構成として養生部材の一部があらわれることとなる。
本変形例の養生部材によれば、露出領域を囲むことで養生することができ、また、除去工程を省略できるので、センサ装置を製造する方法の簡便化に資する。

【0089】
[3.5.第五変形例]
上記の第四変形例では円筒状の部材が養生部材に用いられることから、外壁WE(図3参照)に対応する構成は設けることができるものの、隔壁W(図3参照)に対応する構成は設けられない。
そこで、第五変形例では、外壁WEだけでなく隔壁Wに対応する部位も併せもつ形状の養生部材を用いる。具体的には、第五変形例で挙げた円筒状の部材に対して直径方向に延在するとともにZ方向にも延在する壁部の追加された形状をなす養生部材が用いられる。
本変形例の養生部材によれば、第五変形例の作用および効果に加えて、隔壁Wに対応する構成を形成することができる。

【0090】
[VII.その他]
上述した実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
たとえば、基板群を構成する各リジッド基板は、一枚の基材に対して一つだけが配置されるレイアウトに限られない。

【0091】
図17に示すように、一枚の基材100,200,300に対して複数のリジッド基板が配置されてもよい。このように複数のリジッド基板がレイアウトされた基材を用いることで、一枚の基材に対して一つのリジッド基板がレイアウトされた場合と比較して、一つのセンサ装置ごとに必要な積み重ね工程をまとめて実施することができる。さらに、位置決めピンPOを位置決め穴HP100,HP200,HP300に差し込むだけで、各基材100,200,300の位置を決めることができる。そのため、一度に複数のセンサ装置を製造することができる。よって、製造コストを更に抑制することができる。

【0092】
あるいは、基板群は、少なくとも二枚の基板から構成されていればよい。すなわち、センサ類の一部が実装された一方の基板とセンサ類の他部が実装された他方の基板とから基板群が構成され、基板群の積み重ね方向(上述したZ方向)にセンサ類の一部と他部とが電気的に接続されてもよい。
たとえば、他方の基板にコイル(他部)が埋め込まれ、一方の基板にその他のセンサ類(一部)が埋め込まれていてもよい。この場合には、他方の基板におけるコイルと一方の基板におけるその他のセンサ類とは、上述した異方性導電フィルムやハンダといった公知の材料が基板のそれぞれに設けられたパッドどうしの間に介装されることで、電気的に接続される。具体的に言えば、図3に示すセンサ装置Iに対して、第一センサ類51に加えて第二センサ類52を第一リジッド基板1(一方の基板)に実装したうえで、第二リジッド基板2を省略し、図10~13に示される送信コイル7L′,7L″を第三リジッド基板3(他方の基板)に実装したセンサ装置を用いてもよい。

【0093】
このように、第二リジッド基板を省略し、センサ類の一部が実装された第一リジッド基板(一方の基板)とセンサ類の他部が実装された第三リジッド基板(他方の基板)あるいは第四リジッド基板(他方の基板)とが積み重ね方向に電気的に接続された構成の飲み込みセンサ装置によれば、全体の部品点数を削減することができ、これによりサイズの小型化することもできる、このように簡素な構成としたうえで、上述した作用および効果を得ることができる。

【0094】
なお、送信コイルは、少なくとも一層以上または二層以上で巻回されていればよい。たとえば、リジッド基板の表面および裏面の少なくとも一方で送信コイルが巻回されていてもよい。また、多層基板のリジッド基板において、表面および裏面ならびにその他の内部層の少なくとも一つで送信コイルが巻回されていればよい。
そのほか、センサ装置は、被験者に飲み込まれる使用態様に限らず、工場やその機械設備の配管内を流通させて使用することも可能であり、これらの消化器内や配管内に限らず、従来は検出が困難であったさまざまな箇所における使用も考えられる。
【符号の説明】
【0095】
I センサ装置
1 第一リジッド基板
1a 表面(第一面)
1b 裏面(第二面)
2 第二リジッド基板
2a 表面(第一面)
2b 裏面(第二面)
3 第三リジッド基板
3a 表面(第一面)
3b 裏面(第二面)
5 電源部
5B 電池
5C 電源コンデンサ
5D 復調部
5E ディスプレイ
5P 昇圧回路
5S 電源部
5R 受信回路
5T 送信回路
5L 受信コイル
6 センサ
7 送信部
7C 送信コンデンサ
7L 送信コイル(コイル)
7M 変調部
7O 発振部
7R 共振回路
8 コントローラ
9 カプセル
10 基板群
39 切抜部
50 センサ類
60 デバイス
51 第一センサ類(一部)
52 第二センサ類(他部)
70L 接続用端子
80 養生部材(露出領域Rの形状に応じた部材)
81 第一養生部材
82 第二養生部材
89 突出する部位
C クランプ
E1 負極(第一電極)
E2 陽極(第二電極)
F1,F2,F3 フレーム
P1,HP2,HP3 位置決め穴
T スルーホール
M 内部モジュール
P ピン
P1,P2 パッド
R 露出領域
W 隔壁
WE 外壁
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16