【0040】 一実施形態では、本発明の掻痒治療剤に包含されるIL-27受容体アゴニストの具体的な例として、特表2009-543579に記載のように、単離又は組換え可溶性WSX-1/p28ポリペプチド複合体、単離又は組換え可溶性WSX-1/EBI3ポリペプチド複合体、単離又は組換え可溶性WSX-1/IL-27複合体、単離又は組換え可溶性gp130/p28ポリペプチド複合体、単離又は組換え可溶性gp130/EBI3ポリペプチド複合体、単離又は組換え可溶性gp130/IL-27複合体、又はその変異体が挙げられる。ここで、p28タンパク質とEBI3タンパク質は別々のポリペプチドとして分泌され、受容体であるWSX-1タンパク質とgp130タンパク質と会合することで安定化し、受容体シグナルを活性化すると考えられている。IL-27はIL-6スーパーファミリーに属するサイトカインであることから、IL-6とIL-6受容体(IL-6Rα/gp130)の相互作用の結晶構造に基づいて以下の予想がなされている。すなわち、IL-27とIL-27複合体中の各コンポーネント間の結合部位は、p28タンパク質とEBI3タンパク質との結合(サイト1)、p28/EBI3複合体(IL-27)とWSX-1タンパク質との結合又はgp130タンパク質との結合(サイト2)、p28タンパク質とgp130タンパク質との結合(サイト3)によって形成されると考えられる。したがって、これらの結合により形成され得るIL-27コンポーネントとIL-27受容体コンポーネントとの可溶性複合体は、IL-27と同様に、最終的にp28/EBI3/WSX-1/gp130からなる複合体の形成を促すことで、IL-27受容体のアゴニストとして働く可能性がある(Boulanger M. J. et al., Science, 2003, 27, 300(5628), 2101-4; Vignali D. A. and Kuchroo V. K., Nat Immunol, 2012, 13(8), 722-8)。