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Specification :(In Japanese)リオトロピック液晶材料、リオトロピック液晶フィルム及びその製造方法、センサー、並びに、光学素子

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)再公表特許(A1)
Date of issue Apr 1, 2021
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)リオトロピック液晶材料、リオトロピック液晶フィルム及びその製造方法、センサー、並びに、光学素子
IPC (International Patent Classification) C09K  19/38        (2006.01)
C08L   1/08        (2006.01)
G02B   1/04        (2006.01)
G01L   1/04        (2006.01)
G01L   1/24        (2006.01)
FI (File Index) C09K 19/38
C08L 1/08
G02B 1/04
G01L 1/04
G01L 1/24 Z
Demand for international preliminary examination (In Japanese)
Total pages 86
Application Number P2019-569201
International application number PCT/JP2019/003267
International publication number WO2019/151360
Date of international filing Jan 30, 2019
Date of international publication Aug 8, 2019
Application number of the priority 2018014066
Priority date Jan 30, 2018
Claim of priority (country) (In Japanese)日本国(JP)
Designated state AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DJ , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JO , JP , KE , KG , KH , KN , KP , KR , KW , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】古海 誓一
【氏名】鈴木 花菜
【氏名】府川 将司
【氏名】早田 健一郎
【氏名】古川 真実
【氏名】青木 瑠璃
【氏名】川口 茜
Applicant (In Japanese)【識別番号】000125370
【氏名又は名称】学校法人東京理科大学
Representative (In Japanese)【識別番号】110001519、【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
Request for examination (In Japanese)未請求
Theme code 4H027
4J002
F-term 4H027BA12
4H027BA15
4H027BD24
4H027BE06
4J002AB011
4J002AB021
4J002AB031
4J002EH076
4J002FD146
4J002GP00
Abstract (In Japanese) リオトロピック液晶材料は、(1A)で表される分子構造を有しかつ0.01≦R11、R12及びR13で表される不飽和二重結合を有する基の個数/(3*n11)≦1.0を満たすセルロース誘導体と、不飽和二重結合を有する基を分子内に有するモノマーと、を含有するリオトロピック液晶材料。
(1A)中、X11、X12及びX13は、それぞれ独立に、単結合、アルキレン基、-(R14-O)h-又は-C(=O)-R15-を表し、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に水素原子、不飽和二重結合を有する基又は疎水性基を表し、R14及びR15は、それぞれ独立にアルキレン基を表し、hは1以上10以下の整数を表し、n11は2以上800以下の整数を表す。
JP2019151360A1_000044t.gif
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
下記一般式(1A)で表される分子構造を有し、かつ、下記関係式(I)を満たすセルロース誘導体と、
不飽和二重結合を有する基を分子内に有するモノマーと、
を含有するリオトロピック液晶材料。

0.01≦R11、R12及びR13で表される不飽和二重結合を有する基の個数/(3*n11)≦1.0 (I)

【化1】
JP2019151360A1_000036t.gif


[一般式(1A)中、X11、X12及びX13は、それぞれ独立に、単結合、アルキレン基、-(R14-O)h-、又は、-C(=O)-R15-を表し、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、不飽和二重結合を有する基、又は、疎水性基を表し、R14及びR15は、それぞれ独立に、アルキレン基を表し、hは、1以上10以下の整数を表し、n11は、2以上800以下の整数を表す。]
【請求項2】
前記一般式(1A)で表される分子構造が、下記一般式(1A-1)で表される分子構造である、請求項1に記載のリオトロピック液晶材料。
【化2】
JP2019151360A1_000037t.gif


[一般式(1A-1)中、R1は、-CH2-CH2-、又は、-CH2-CH(CH3)-を表し、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、不飽和二重結合を有する基、又は、疎水性基を表し、m1、t1及びr1は、それぞれ独立に、0以上10以下の整数を表し、n13は、2以上800以下の整数を表す。]
【請求項3】
前記一般式(1A)及び一般式(1A-1)中の不飽和二重結合を有する基が、下記一般式(1C)及び一般式(2C)の少なくとも一方で表される基であり、
前記疎水性基が、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~18のシクロアルキル基、炭素数6~18のアリール基、炭素数7~20のアラルキル基、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数2~18のアシル基、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~18のアルコキシ基、-COOR1Aで表されるカルボン酸エステル基、又はハロゲン原子であり、前記R1Aが、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~12のアルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基、又は、炭素数6~12のアリール基である、請求項1又は請求項2に記載のリオトロピック液晶材料。
【化3】
JP2019151360A1_000038t.gif


[一般式(1C)中、R1Cは、水素原子又はメチル基を表し、X18は、単結合、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~18のアルキレン基、炭素数3~18のシクロアルキレン基、炭素数6~18のアリーレン基、又は、-O-、-NH-、-S-、及び-C(=O)-からなる群より選ばれる1つ若しくは2つ以上を連結した連結基を表し、p1は、1又は2の整数を表す。但し、X18の価数は、p1+1である。**は、上記一般式(1A)中、X11、X12、若しくはX13と結合する部分、又は、セルロース骨格の2位、3位、若しくは6位にある酸素原子と結合する部分を表す。]
【化4】
JP2019151360A1_000039t.gif


[一般式(2C)中、R1Dは、直鎖又は分岐鎖の炭素数1~18のアルキレン基を表し、p1及び**は、前記一般式(1C)におけるp1及び**と同義である。]
【請求項4】
前記一般式(1C)において、X18が、単結合、又は、-C(=O)-NH-(CH22-O-であり、p1が1である、請求項3に記載のリオトロピック液晶材料。
【請求項5】
前記疎水性基が、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数2~4のアシル基である、請求項3又は請求項4に記載のリオトロピック液晶材料。
【請求項6】
前記アシル基が、直鎖又は分岐鎖のプロピオニル基である、請求項5に記載のリオトロピック液晶材料。
【請求項7】
前記モノマーが有する不飽和二重結合を有する基は、(メタ)アクリロイル基である、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のリオトロピック液晶材料。
【請求項8】
前記モノマーは、(メタ)アクリロイル基以外の官能基を更に有する、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載のリオトロピック液晶材料。
【請求項9】
前記(メタ)アクリロイル基以外の官能基は、水酸基、カルボキシ基及びアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項8に記載のリオトロピック液晶材料。
【請求項10】
前記モノマーは、不飽和二重結合を有する基を2つ以上分子内に有するか、又は、カルボキシ基を分子内に有する、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載のリオトロピック液晶材料。
【請求項11】
前記一般式(1A)における前記不飽和二重結合を有する基は、ウレタン結合を有する2価の連結基と、(メタ)アクリロイル基とを含む請求項1~請求項10のいずれか1項に記載のリオトロピック液晶材料。
【請求項12】
請求項1~請求項11のいずれか1項に記載のリオトロピック液晶材料の架橋物であって、
下記一般式(1A)で表される構成単位と、
不飽和二重結合を有する基を分子内に有するモノマーに由来する構成単位と、
を含有する三次元構造を有するリオトロピック液晶フィルム。
【化5】
JP2019151360A1_000040t.gif


[一般式(1A)中、X11、X12及びX13は、それぞれ独立に、単結合、アルキレン基、-(R14-O)h-、又は、-C(=O)-R15-を表し、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、不飽和二重結合を有する基、又は、疎水性基を表し、R14及びR15は、それぞれ独立に、アルキレン基を表し、hは、1以上10以下の整数を表し、n11は、2以上800以下の整数を表す。]
【請求項13】
前記一般式(1A)が、下記一般式(1A-1)で表される、請求項12に記載の液晶フィルム。
【化6】
JP2019151360A1_000041t.gif


[一般式(1A-1)中、R1は、-CH2-CH2-、又は、-CH2-CH(CH3)-を表し、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、不飽和二重結合を有する基、又は、疎水性基を表し、m1、t1及びr1は、それぞれ独立に、0以上10以下の整数を表し、n13は、2以上800以下の整数を表す。]
【請求項14】
前記一般式(1A)及び一般式(1A-1)中の不飽和二重結合を有する基が、下記一般式(1C)及び一般式(2C)の少なくとも一方で表される基であり、
前記疎水性基が、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~18のシクロアルキル基、炭素数6~18のアリール基、炭素数7~20のアラルキル基、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数2~18のアシル基、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~18のアルコキシ基、-COOR1Aで表されるカルボン酸エステル基、又はハロゲン原子であり、前記R1Aが、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~12のアルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基、又は、炭素数6~12のアリール基である、請求項12又は請求項13に記載のリオトロピック液晶フィルム。
【化7】
JP2019151360A1_000042t.gif


[一般式(1C)中、R1Cは、水素原子又はメチル基を表し、X18は、単結合、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~18のアルキレン基、炭素数3~18のシクロアルキレン基、炭素数6~18のアリーレン基、又は、-O-、-NH-、-S-、及び-C(=O)-からなる群より選ばれる1つ若しくは2つ以上を連結した連結基を表し、p1は、1又は2の整数を表す。但し、X18の価数は、p1+1である。**は、上記一般式(1A)中、X11、X12、若しくはX13と結合する部分、又は、セルロース骨格の2位、3位、若しくは6位にある酸素原子と結合する部分を表す。]
【化8】
JP2019151360A1_000043t.gif


[一般式(2C)中、R1Dは、直鎖又は分岐鎖の炭素数1~18のアルキレン基を表し、p1及び**は、前記一般式(1C)におけるp1及び**と同義である。]
【請求項15】
前記一般式(1C)において、X18が、単結合、又は、-C(=O)-NH-(CH22-O-であり、p1が1である、請求項14に記載のリオトロピック液晶フィルム。
【請求項16】
前記疎水性基が、直鎖又は分岐鎖の炭素数2~4のアシル基である、請求項14又は請求項15に記載のリオトロピック液晶フィルム。
【請求項17】
前記アシル基が、直鎖又は分岐鎖のプロピオニル基である、請求項16に記載のリオトロピック液晶フィルム。
【請求項18】
前記モノマーが有する不飽和二重結合を有する基は、(メタ)アクリロイル基である、請求項12~請求項17のいずれか1項に記載のリオトロピック液晶フィルム。
【請求項19】
前記モノマーは、(メタ)アクリロイル基以外の官能基を更に有する請求項12~請求項18のいずれか1項に記載のリオトロピック液晶フィルム。
【請求項20】
前記(メタ)アクリロイル基以外の官能基は、水酸基、カルボキシ基及びアルコキシ基から選択される少なくとも1種である、請求項19に記載のリオトロピック液晶フィルム。
【請求項21】
前記モノマーは、不飽和二重結合を有する基を2つ以上分子内に有するか、又は、カルボキシ基を分子内に有する、請求項12~請求項20のいずれか1項に記載のリオトロピック液晶フィルム。
【請求項22】
前記一般式(1A)における前記不飽和二重結合を有する基は、ウレタン結合を有する2価の連結基と、(メタ)アクリロイル基とを含む請求項12~請求項21のいずれか1項に記載のリオトロピック液晶フィルム。
【請求項23】
請求項1~請求項11のいずれか1項に記載のリオトロピック液晶材料を基板上に付与する工程と、
基板上に付与された前記リオトロピック液晶材料に、熱処理する工程又は紫外線を照射する工程と、
を有するリオトロピック液晶フィルムの製造方法。
【請求項24】
請求項12~請求項22のいずれか1項に記載のリオトロピック液晶フィルムを備えるセンサー。
【請求項25】
物体の歪みを検出する歪みセンサーである請求項24に記載のセンサー。
【請求項26】
生体情報を検出するウェアラブルセンサーである請求項24に記載のセンサー。
【請求項27】
請求項12~請求項22のいずれか1項に記載のリオトロピック液晶フィルムを備える光学素子。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、リオトロピック液晶材料、リオトロピック液晶フィルム及びその製造方法、センサー、並びに、光学素子に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶材料は、液晶ディスプレイの表示材料のみならず、近年ではその光学特性を利用して、フォトニックデバイスへの適応が進められている。液晶材料として、例えば、セルロース誘導体が知られている。
【0003】
液晶性を備えたセルロース誘導体として、ヒドロキシプロピルセルロースが有する水酸基の水素原子に、カルバメート基(ウレタン結合)を有する置換基が導入されたセルロース誘導体が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、溶媒(A)と、該溶媒(A)中で液晶形成可能なセルロース誘導体(B)と、テトラアルコキシシラン(C)とを混合して混合液を得る工程(I)、前記セルロース誘導体(B)の液晶化物と、前記テトラアルコキシシラン(C)の縮合物との複合材料を得る工程(II)、酸(E)の処理により、前記複合材料中の前記液晶化物を除去する工程(III)を有する、シリカ系キラル構造体の製造方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2015-48365号公報
【特許文献2】特開2016-113315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、セルロース誘導体の側鎖に導入可能な基として、メタクリロイル基が記載されているが、セルロース誘導体のモノマー単位間を架橋するために導入されたものではない。さらに、特許文献1では、架橋後のセルロース誘導体に弾性を付与することも予定していない。
【0007】
また、上述の特許文献2に記載の液晶化物は、最終的に酸の処理により除去される。そのため、シリカ系キラル構造体は、セルロースが持つ液晶性及び光学特性を利用したものではない。
【0008】
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)は、紙、綿、パルプの主成分であるセルロース誘導体であり、また、人体及び環境に対して無害であるため、医薬品、サプリメント等にも使用されている汎用性の高い高分子である。また、セルロースは、天然に最も豊富に存在する原料であるため安価な材料である。
従って、セルロース誘導体を原料として用いた液晶材料等の開発は、安全性の観点及び環境負荷を低減する観点からも有用であり、セルロース誘導体が持つ液晶性、光学特性等を、液晶材料、液晶フィルム、フォトニックデバイス等への利用が更に期待されている。
【0009】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、膜を形成した場合の圧縮時における波長のシフト変化が大きく、かつ、膜を形成した場合の延伸性に優れるリオトロピック液晶材料、リオトロピック液晶フィルム及びその製造方法、センサー、並びに、光学素子を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の架橋性セルロース誘導体と、特定のモノマーと、を含有するリオトロピック液晶材料より作製したエラストマー膜は、延伸性に優れ、かつ、優れたゴム弾性が発現されることを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
即ち、前記課題を解決するための手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1> 下記一般式(1A)で表される分子構造を有し、かつ、下記関係式(I)を満たすセルロース誘導体と、
不飽和二重結合を有する基を分子内に有するモノマーと、
を含有するリオトロピック液晶材料。
0.01≦R11、R12及びR13で表される不飽和二重結合を有する基の個数/(3*n11)≦1.0 (I)
【0012】
【化1】
JP2019151360A1_000003t.gif


【0013】
一般式(1A)中、X11、X12及びX13は、それぞれ独立に、単結合、アルキレン基、-(R14-O)h-、又は、-C(=O)-R15-を表し、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、不飽和二重結合を有する基、又は、疎水性基を表し、R14及びR15は、それぞれ独立に、アルキレン基を表し、hは、1以上10以下の整数を表し、n11は、2以上800以下の整数を表す。
【0014】
<2> 前記一般式(1A)で表される分子構造が、下記一般式(1A-1)で表される分子構造である、<1>に記載のリオトロピック液晶材料。
【0015】
【化2】
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【0016】
一般式(1A-1)中、R1は、-CH2-CH2-、又は、-CH2-CH(CH3)-を表し、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、不飽和二重結合を有する基、又は、疎水性基を表し、m1、t1及びr1は、それぞれ独立に、0以上10以下の整数を表し、n13は、2以上800以下の整数を表す。
【0017】
<3> 前記一般式(1A)及び一般式(1A-1)中の不飽和二重結合を有する基が、下記一般式(1C)及び一般式(2C)の少なくとも一方で表される基であり、前記疎水性基が、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~18のシクロアルキル基、炭素数6~18のアリール基、炭素数7~20のアラルキル基、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数2~18のアシル基、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~18のアルコキシ基、-COOR1Aで表されるカルボン酸エステル基、又はハロゲン原子であり、前記R1Aが、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~12のアルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基、又は、炭素数6~12のアリール基である、<1>又は<2>に記載のリオトロピック液晶材料。
【0018】
【化3】
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【0019】
一般式(1C)中、R1Cは、水素原子又はメチル基を表し、X18は、単結合、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~18のアルキレン基、炭素数3~18のシクロアルキレン基、炭素数6~18のアリーレン基、又は、-O-、-NH-、-S-、及び-C(=O)-からなる群より選ばれる1つ若しくは2つ以上を連結した連結基を表し、p1は、1又は2の整数を表す。但し、X18の価数は、p1+1である。**は、上記一般式(1A)中、X11、X12、若しくはX13と結合する部分、又は、セルロース骨格の2位、3位、若しくは6位にある酸素原子と結合する部分を表す。
【0020】
【化4】
JP2019151360A1_000006t.gif


【0021】
[一般式(2C)中、R1Dは、直鎖又は分岐鎖の炭素数1~18のアルキレン基を表し、p1及び**は、前記一般式(1C)におけるp1及び**と同義である。]
【0022】
<4> 前記一般式(1C)において、X18が、単結合、又は、-C(=O)-NH-(CH22-O-であり、p1が1である、<3>に記載のリオトロピック液晶材料。
<5> 前記疎水性基が、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数2~4のアシル基である、<3>又は<4>に記載のリオトロピック液晶材料。
<6> 前記アシル基が、直鎖又は分岐鎖のプロピオニル基である、<5>に記載のリオトロピック液晶材料。
<7> 前記モノマーが有する不飽和二重結合を有する基は、(メタ)アクリロイル基である、<1>~<6>のいずれか1つに記載のリオトロピック液晶材料。
<8> 前記モノマーは、(メタ)アクリロイル基以外の官能基を更に有する、<1>~<7>のいずれか1つに記載のリオトロピック液晶材料。
<9> 前記(メタ)アクリロイル基以外の官能基は、水酸基、カルボキシ基及びアルコキシ基から選択される少なくとも1種である、<8>に記載のリオトロピック液晶材料。
<10> 前記モノマーは、不飽和二重結合を有する基を2つ以上分子内に有するか、又は、カルボキシ基を分子内に有する、<1>~<9>のいずれか1つに記載のリオトロピック液晶材料。
<11> 前記一般式(1A)における前記不飽和二重結合を有する基は、ウレタン結合を有する2価の連結基と、(メタ)アクリロイル基とを含む<1>~<10>のいずれか1つに記載のリオトロピック液晶材料。
【0023】
<12> <1>~<11>のいずれか1つに記載のリオトロピック液晶材料の架橋物であって、
下記一般式(1A)で表される構成単位と、
不飽和二重結合を有する基を分子内に有するモノマーに由来する構成単位と、
を含有する三次元構造を有するリオトロピック液晶フィルム。
【0024】
【化5】
JP2019151360A1_000007t.gif


【0025】
一般式(1A)中、X11、X12及びX13は、それぞれ独立に、単結合、アルキレン基、-(R14-O)h-、又は、-C(=O)-R15-を表し、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、不飽和二重結合を有する基、又は、疎水性基を表し、R14及びR15は、それぞれ独立に、アルキレン基を表し、hは、1以上10以下の整数を表し、n11は、2以上800以下の整数を表す。
【0026】
<13> 前記一般式(1A)が、下記一般式(1A-1)で表される、<12>に記載の液晶フィルム。
【0027】
【化6】
JP2019151360A1_000008t.gif


【0028】
一般式(1A-1)中、R1は、-CH2-CH2-、又は、-CH2-CH(CH3)-を表し、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、不飽和二重結合を有する基、又は、疎水性基を表し、m1、t1及びr1は、それぞれ独立に、0以上10以下の整数を表し、n13は、2以上800以下の整数を表す。
【0029】
<14> 前記一般式(1A)及び一般式(1A-1)中の不飽和二重結合を有する基が、下記一般式(1C)及び一般式(2C)の少なくとも一方で表される基であり、
前記疎水性基が、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~18のシクロアルキル基、炭素数6~18のアリール基、炭素数7~20のアラルキル基、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数2~18のアシル基、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~18のアルコキシ基、-COOR1Aで表されるカルボン酸エステル基、又はハロゲン原子であり、前記R1Aが、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~12のアルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基、又は、炭素数6~12のアリール基である、<12>又は<13>に記載のリオトロピック液晶フィルム。
【0030】
【化7】
JP2019151360A1_000009t.gif


【0031】
一般式(1C)中、R1Cは、水素原子又はメチル基を表し、X18は、単結合、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~18のアルキレン基、炭素数3~18のシクロアルキレン基、炭素数6~18のアリーレン基、又は、-O-、-NH-、-S-、及び-C(=O)-からなる群より選ばれる1つ若しくは2つ以上を連結した連結基を表し、p1は、1又は2の整数を表す。但し、X18の価数は、p1+1である。**は、上記一般式(1A)中、X11、X12、若しくはX13と結合する部分、又は、セルロース骨格の2位、3位、若しくは6位にある酸素原子と結合する部分を表す。
【0032】
【化8】
JP2019151360A1_000010t.gif


【0033】
一般式(2C)中、R1Dは、直鎖又は分岐鎖の炭素数1~18のアルキレン基を表し、p1及び**は、前記一般式(1C)におけるp1及び**と同義である。
【0034】
<15> 前記一般式(1C)において、X18が、単結合、又は、-C(=O)-NH-(CH22-O-であり、p1が1である、<14>に記載のリオトロピック液晶フィルム。
<16> 前記疎水性基が、直鎖又は分岐鎖の炭素数2~4のアシル基である、<14>又は<15>に記載のリオトロピック液晶フィルム。
<17> 前記アシル基が、直鎖又は分岐鎖のプロピオニル基である、<16>に記載のリオトロピック液晶フィルム。
<18> 前記モノマーが有する不飽和二重結合を有する基は、(メタ)アクリロイル基である、<12>~<17>のいずれか1つに記載のリオトロピック液晶フィルム。
<19> 前記モノマーは、更に、(メタ)アクリロイル基以外の官能基を有する、<12>~<18>のいずれか1つに記載のリオトロピック液晶フィルム。
<20> 前記(メタ)アクリロイル基以外の官能基は、水酸基、カルボキシ基及びアルコキシ基から選択される少なくとも1種である、<19>に記載のリオトロピック液晶フィルム。
<21> 前記モノマーは、不飽和二重結合を有する基を2つ以上分子内に有するか、又は、カルボキシ基を分子内に有する、<12>~<20>のいずれか1つに記載のリオトロピック液晶フィルム。
<22> 前記一般式(1A)における前記不飽和二重結合を有する基は、ウレタン結合を有する2価の連結基と、(メタ)アクリロイル基とを含む<12>~<21>のいずれか1つに記載のリオトロピック液晶フィルム。
【0035】
<23> <1>~<11>のいずれか1つに記載のリオトロピック液晶材料を基板上に付与する工程と、
基板上に付与された前記リオトロピック液晶材料に、熱処理する工程又は紫外線を照射する工程と、
を有するリオトロピック液晶フィルムの製造方法。
【0036】
<24> <12>~<22>のいずれか1つに記載のリオトロピック液晶フィルムを備えるセンサー。
<25> 物体の歪みを検出する歪みセンサーである<24>に記載のセンサー。
<26> 生体情報を検出するウェアラブルセンサーである<24>に記載のセンサー。
<27> <12>~<22>のいずれか1つに記載のリオトロピック液晶フィルムを備える光学素子。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、膜を形成した場合の圧縮時における波長のシフト変化が大きく、かつ、膜を形成した場合の延伸性に優れるリオトロピック液晶材料、リオトロピック液晶フィルム及びその製造方法、センサー、並びに、光学素子を提供される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、本実施形態において、異なるブラッグ反射の波長で配向が固定化された液晶フィルムを製造する方法の一例を示す概略図である。(A)は、第1の温度で加熱した後の液晶セルであり、(B)は第2の温度で加熱した後の液晶セルである。
【図2】図2は、実施例1で合成したヒドロキシプロピルセルロース誘導体1の1H-NMRスペクトルの図である。
【図3】図3は、実施例1のFT-IRスペクトルである。
【図4】図4は、液晶材料1の光架橋反応前後の透過スペクトルの変化を表す図である。
【図5】図5は、液晶フィルム1に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化を表す図である。
【図6】図6は、液晶フィルム2に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化を表す図である。
【図7】図7は、液晶フィルム3に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化を表す図である。
【図8】図8は、液晶フィルム4に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化を表す図である。
【図9】図9は、液晶フィルム5に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化を表す図である。
【図10】図10は、液晶フィルム6に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化を表す図である。
【図11】図11は、液晶フィルム7に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化を表す図である。
【図12】図12は、液晶フィルム8に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化を表す図である。
【図13】図13は、実施例9で合成したヒドロキシプロピルセルロース誘導体2の1H-NMRスペクトルの図である。
【図14】図14は、液晶フィルム9に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化を表す図である。
【図15】図15は、液晶フィルム10に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化を表す図である。
【図16】図16は、液晶フィルム11に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化を表す図である。
【図17】図17は、液晶フィルム12-3に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化を表す図である。
【図18】図18は、液晶フィルム12-1、12-2、12-3及び12-4に機械的圧力を加えたときの膜厚の減少率(圧縮率)に対する、機械的圧力を加える前の波長(λ0)に対する機械的圧力を加えた後の波長(λ)の比をプロットした図である。
【図19】図19は、液晶フィルム13-3に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化を表す図である。
【図20】図20は、液晶フィルム13-1、13-2、13-3及び13-4に機械的圧力を加えたときの膜厚の減少率(圧縮率)に対する、機械的圧力を加える前の波長(λ0)に対する機械的圧力を加えた後の波長(λ)の比をプロットした図である。
【図21】図21は、液晶フィルム14-1に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化を表す図である。
【図22】図22は、液晶フィルム14-1、14-2及び14-3に機械的圧力を加えたときの膜厚の減少率(圧縮率)に対する、機械的圧力を加える前の波長(λ0)に対する機械的圧力を加えた後の波長(λ)の比をプロットした図である。
【図23】図23は、液晶フィルム15-2に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化を表す図である。
【図24】図24は、液晶フィルム15-1、15-2及び15-3に機械的圧力を加えたときの膜厚の減少率(圧縮率)に対する、機械的圧力を加える前の波長(λ0)に対する機械的圧力を加えた後の波長(λ)の比をプロットした図である。
【図25】図25は、液晶フィルム16-1に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化を表す図である。
【図26】図26は、液晶フィルム16-1に加えた機械的圧力を解放したときの透過スペクトルの変化を表す図である。
【図27】図27は、液晶フィルム16-2に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化を表す図である。
【図28】図28は、液晶フィルム16-2に加えた機械的圧力を解放したときの透過スペクトルの変化を表す図である。
【図29】図29は、液晶フィルム16-3に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化を表す図である。
【図30】図30は、液晶フィルム16-3に加えた機械的圧力を解放したときの透過スペクトルの変化を表す図である。
【図31】図31は、液晶フィルム16-1、16-2、16-3及び17に機械的圧力を加えた後、その圧力を解放した際の規格化した反射波長の経時変化を示す図である。
【図32】図32は、液晶フィルム18に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化、及び液晶フィルム18に加えた機械的圧力を解放したときの透過スペクトルの変化を示す図である。
【図33】図33は、液晶フィルム18及び液晶フィルム19に機械的圧力を加えた後、その圧力を解放した際の規格化した反射波長の経時変化を示す図である。
【図34】図34は、液晶フィルム18について、圧縮試験でのS-Sカーブを測定した図である。
【図35】図35は、液晶フィルム20に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化、及び液晶フィルム20に加えた機械的圧力を解放したときの透過スペクトルの変化を示す図である。
【図36】図36は、液晶フィルム20について、圧縮試験でのS-Sカーブを測定した図である。
【図37】図37は、液晶フィルム20の規格化した反射波長の圧力応答性の結果である。
【図38】図38は、液晶フィルム20に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化、及び液晶フィルム20に加えた機械的圧力を解放したときの透過スペクトルの変化を示す図である。
【図39】図39は、液晶フィルム18~液晶フィルム20に機械的圧力を加えた後、その圧力を解放した際の規格化した反射波長の経時変化を示す図である。
【図40】図40は、液晶フィルム21に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化、及び液晶フィルム21に加えた機械的圧力を解放したときの透過スペクトルの変化を示す図である。
【図41】図41は、液晶フィルム21について、圧縮試験でのS-Sカーブを測定した図である。
【図42】図42は、液晶フィルム21の規格化した反射波長の圧力応答性の結果である。
【図43】図43は、液晶フィルム22、液晶フィルム23及び比較例2の液晶フィルムについて、引張試験でのS-Sカーブを測定した図である。
【図44】図44は、液晶フィルム22について、繰り返し引張試験でのS-Sカーブを測定した図である。
【図45】図45は、液晶フィルム22に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化を表す図である。
【図46】図46は、液晶フィルム22に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化、及び液晶フィルム22に加えた機械的圧力を解放したときの透過スペクトルの変化を示す図である。
【図47】図47は、液晶フィルム22について、圧縮試験でのS-Sカーブを測定した図である。
【図48】図48は、液晶フィルム22の規格化した反射波長の圧力応答性の結果である。
【図49】図49は、液晶フィルム24に機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化、及び液晶フィルム24に加えた機械的圧力を解放したときの透過スペクトルの変化を示す図である。
【図50】図50は、液晶フィルム24について、圧縮試験でのS-Sカーブを測定した図である。
【図51】図51は、液晶フィルム24の規格化した反射波長の圧力応答性の結果である。
【図52】図52は、実施例20、実施例21及び実施例24の液晶フィルムについて、圧縮試験でのS-Sカーブを測定した図である。
【図53】図53は、実施例20、実施例21及び実施例24の液晶フィルムの規格化した反射波長の圧力応答性の結果である。
【図54】図54は、液晶フィルム25について、機械的圧力の印加及び機械的圧力の解放を繰り返したときの透過スペクトルの変化を示す図である。
【図55】図55は、液晶フィルム25について、機械的圧力の印加及び機械的圧力の解放を繰り返したときの反射波長の変化を示す図である。
【図56】図56は、液晶フィルム25について、25℃で測定した場合、及び180℃に加熱して放冷後、25℃で測定した場合の透過スペクトルの変化を示す図である。
【図57】図57は、液晶フィルム25について、機械的圧力を加えたときの透過スペクトルの変化を示す図である。
【図58】図58は、液晶フィルム25について、繰り返し圧縮試験でのS-Sカーブを測定した図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態に係る液晶材料について説明する。
本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。

【0040】
本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」の少なくとも一方を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び「メタクリレート」の少なくとも一方を意味し、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」及び「メタクリロイル」の少なくとも一方を意味する。

【0041】
《リオトロピック液晶材料》
本実施形態のリオトロピック液晶材料(以下、単に「液晶材料」とも称する。)は、下記一般式(1A)で表される分子構造を有し、かつ、下記関係式(I)を満たすセルロース誘導体(以下、「特定セルロース誘導体」とも称する。)と、不飽和二重結合を有する基を分子内に有するモノマー(以下、「重合性モノマー」とも称する。)と、を少なくとも含有する。

【0042】
0.01≦R11、R12及びR13で表される不飽和二重結合を有する基の個数/(3*n11)≦1.0 (I)

【0043】
本実施形態の液晶材料は、特定セルロース誘導体と、重合性モノマーと、を含有するので、液晶材料より液晶フィルム(エラストマー膜)を形成した場合、膜の延伸性に優れ、かつ、膜を圧縮した際における波長のシフト変化が大きい。
このメカニズムは明らかではないが、以下のように推測される。

【0044】
本実施形態の液晶材料では、特定セルロース誘導体と、重合性モノマーとを含むことにより、リオトロピック液晶性が発現し、かつ、特定セルロース誘導体に由来する不飽和二重結合を有する側鎖と、重合性モノマーに含まれる不飽和二重結合と、が、反応して架橋構造を形成するので、ゴム弾性により優れると推察される。
本実施形態の液晶材料より形成されたエラストマー膜は、重合性モノマーを含むことにより流動性が高くなり、かつ、優れたコレステリック液晶配向状態を示すため、機械的圧力を加えたときの影響を受けやすい構造を有している。そのため、エラストマー膜を膜厚方向に圧縮したときの短波長側への波長のシフト変化が大きく、かつ、波長反射率も高い。
以下、本実施形態の液晶材料の各成分について詳細に説明する。

【0045】
<特定セルロース誘導体>
本実施形態の液晶材料が含有する特定セルロース誘導体は、下記一般式(1A)で表される分子構造を有する。
特定セルロース誘導体は、特定構造の側鎖を有するので、後述の重合性モノマーと反応して、リオトロピック液晶性を発現する。

【0046】
一般式(1A)で表される分子構造において、[ ]は、構成単位を表す。なお、一般式(1A)以外で表される一般式においても同義である。

【0047】
【化9】
JP2019151360A1_000011t.gif




【0048】
一般式(1A)中、X11、X12及びX13は、それぞれ独立に、単結合、アルキレン基、-(R14-O)h-、又は、-C(=O)-R15-を表し、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、不飽和二重結合を有する基、又は、疎水性基を表し、R14及びR15は、それぞれ独立に、アルキレン基を表し、hは、1以上10以下の整数を表し、n11は、2以上800以下の整数を表す。

【0049】
一般式(1A)中、X11、X12及びX13で表されるアルキレン基は、制限されない。 アルキレン基としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数1~18(好ましくは1~12)のアルキレン基、環状の炭素数3~18(好ましくは3~12)のシクロアルキレン基が挙げられる。直鎖又は分岐鎖のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基、n-ブチレン基、イソブチレン基、sec-ブチレン基、tert-ブチレン基、n-ペンチレン基、イソペンチレン基等が挙げられる。
環状のアルキレン基としては、例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。

【0050】
一般式(1A)中、-(R14-O)h-で表される基におけるアルキレン基(-R14-)としては、上記X11、X12及びX13と同様のアルキレン基が挙げられる。
-(R14-O)h-としては、例えば、エチレンオキシ基、ポリエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基等が挙げられる。
-(R14-O)h-は、より具体的には、-(-O-(CH2)n-)h-で表すことができる。ただし、nは1以上5以下の整数である。

【0051】
一般式(1A)中、hとしては、架橋によって適度な弾性を有する液晶フィルムを得る観点から、好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下、さらに好ましくは1以上3以下である。

【0052】
一般式(1A)中、X11、X12及びX13で表される-C(=O)-R15-で表される基におけるアルキレン基(-R15-)としては、上記X11、X12及びX13と同様のアルキレン基が挙げられる。
-C(=O)-R15-としては、例えば、-C(=O)-CH2-、-C(=O)-C2H4-、-C(=O)-C3H6-等が挙げられる。

【0053】
アルキレン基、-(R14-O)h-、 及び、-C(=O)-R15-は、置換基を有していてもよい。

【0054】
置換基としては、例えば、直鎖又は分岐鎖の炭素数1~6のアルキル基、炭素数3~6のシクロアルキル基、炭素数6~12のアリール基、ハロゲン原子が挙げられる。置換基が2以上ある場合には、それぞれの置換基は同一であって異なっていてもよい。

【0055】
一般式(1A)中、R11、R12及びR13で表される不飽和二重結合を有する基としては、特に制限されず、例えば、後述する一般式(1C)及び一般式(2C)の少なくとも一方で表される基、ビニル基、アリル基、ビニルオキシ基、イソプロペニル基、1-プロペニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1,3-ブタジエニル基、2-ペンテニル基、ゲラニル基、オレイル基、シクロアルケニル基(例えば、2-シクロペンテン-1-イル基、2-シクロヘキセン-1-イル基)、ビニルベンジル基、シンナミル基等が挙げられる。

【0056】
一般式(1A)中、R11、R12及びR13で表される疎水性基としては、特に制限されず、例えば、炭素数1~18のアルキル基、炭素数2~18のアシル基、炭素数6~24のアリール基、炭素数1~18のアルコキシ基、カルボン酸エステル基、ハロゲン原子等が挙げられる。

【0057】
炭素数1~18のアルキル基は、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基であってもよく、無置換又は置換されていてもよい。置換基としては、前述のアルキレン基、-(R14-O)h-、及び、-C(=O)-R15-における置換基と同様のものが挙げられる。
炭素数1~18の無置換のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。

【0058】
無置換の炭素数3~18の環状のアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基等が挙げられる。

【0059】
炭素数6~24のアリール基は、無置換であっても置換されていてもよい。
無置換の炭素数6~18のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。

【0060】
置換された炭素数6~24のアリール基としては、炭素数7~20のアラルキル基が挙げられる。炭素数7~20のアラルキル基は、無置換であっても、更に置換されていてもよい。置換基としては、前述のアルキレン基、-(R14-O)h-、及び、-C(=O)-R15-における置換基と同様のものが挙げられる。
無置換の炭素数7~20のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルエテニル基等が挙げられる。

【0061】
炭素数2~18のアシル基は、直鎖又は分岐鎖のアシル基であってもよく、無置換であっても置換されていてもよい。置換基としては、前述のアルキレン基、-(R14-O)h-、及び、-C(=O)-R15-における置換基と同様のものが挙げられる。
炭素数2~18のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基(プロパノイル基)、ブチリル基、イソブチリル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。

【0062】
炭素数1~18のアルコキシ基は、直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基であってもよく、無置換であっても置換されていてもよい。置換基としては、前述のアルキレン基、-(R14-O)h-、及び、-C(=O)-R15-における置換基と同様のものが挙げられる。
炭素数1~18のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。

【0063】
カルボン酸エステル基としては、-COOR1Aで表されるカルボン酸エステル基が挙げられる。
カルボン酸エステル基中のR1Aとしては、直鎖又は分岐鎖の炭素数1~12のアルキル基、炭素数3~12の環状のアルキル基、炭素数6~12のアリール基が挙げられる。

【0064】
カルボン酸エステル基としては、無置換であっても置換されていてもよい。
置換基としては、既述のアルキレン基、-(R14-O)h-、及び、-C(=O)-R15-における置換基と同様のものが挙げられる。

【0065】
無置換のカルボン酸エステル基としては、具体的には、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数2~12のアルキルエステル基(メチルエステル基、エチルエステル基等)、炭素数4~12のシクロアルキルエステル基(シクロプロピルエステル基、シクロブチルエステル基等)、炭素数7~12のアリールエステル基(フェニルエステル基等)が挙げられる。

【0066】
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。

【0067】
液晶性を発現する観点から、疎水性基としては、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~18のアルキル基、環状の炭素数3~18のアルキル基、炭素数6~18のアリール基、炭素数7~20のアラルキル基、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数2~18のアシル基、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~18のアルコキシ基、-COOR1Aで表されるカルボン酸エステル基又はハロゲン原子であることが好ましい。

【0068】
これらの中でも、セルロース誘導体の合成のし易さの観点から、疎水性基としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数2~18のアシル基(直鎖及び分岐鎖のいずれも可。以下同様。)が好ましく、炭素数2~8のアシル基がより好ましく、炭素数2~4のアシル基が更に好ましく、炭素数3のアシル基(すなわち、プロピオニル基)が特に好ましい。

【0069】
一般式(1A)中、n11は、2以上800以下の整数を表す。
架橋によって適度な弾性を有する液晶フィルムを得る観点から、n11としては、好ましくは2以上400以下、より好ましくは2以上300以下である。

【0070】
一般式(1A)において、R11、R12及びR13で表される不飽和二重結合を有する基の好ましい態様については後述する。

【0071】
一般式(1A)は、下記一般式(1A-1)で表される分子構造であることが好ましい。

【0072】
【化10】
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【0073】
一般式(1A-1)中、R1は、-CH2-CH2-、又は、-CH2-CH(CH3)-を表し、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、不飽和二重結合を有する基、又は、疎水性基を表し、m1、t1及びr1は、それぞれ独立に、0以上10以下の整数を表し、n13は、2以上800以下の整数を表す。

【0074】
一般式(1A-1)中、R11、R12及びR13は、一般式(1A)におけるR11、R12及びR13と同義である。
一般式(1A-1)中、m1、t1及びr1としては、セルロース誘導体の合成のし易さの観点から、それぞれ独立に、好ましくは0以上8以下、より好ましくは0以上5以下、更に好ましくは0以上3以下である。

【0075】
一般式(1A-1)において、n13は、一般式(1A)におけるn11と同義であり、好ましい範囲も同様である。
架橋によって適度な弾性を有する液晶フィルムを得る観点から、n13としては、好ましくは2以上400以下、より好ましくは2以上300以下である。

【0076】
一般式(1A-1)中、R1が-CH2-CH(CH3)-で表される場合、分子構造は下記一般式(1a)で表される。

【0077】
【化11】
JP2019151360A1_000013t.gif




【0078】
一般式(1a)中、R11、R12、R13、及びn13は、一般式(1A-1)におけるR11、R12、R13及びn13と同義である。また、一般式(1a)中、m11、t11及びr11は、一般式(1A-1)におけるm1、t1及びr1と同義である。

【0079】
一般式(1A-1)中、R1が-CH2-CH2-で表される場合、分子構造は下記一般式(1b)で表される。

【0080】
【化12】
JP2019151360A1_000014t.gif



【0081】
一般式(1b)において、R11、R12、R13及びn13は、一般式(1A-1)におけるR11、R12、R13及びn13と同義である。また、m12、t12及びr12は、一般式(1A-1)におけるm1、t1及びr1と同義である。

【0082】
一般式(1A)で表される分子構造を有するセルロース誘導体の好ましい態様は、一般式(1a)で表される分子構造を有するセルロース誘導体、又は、一般式(1b)で表される分子構造を有するセルロース誘導体である。
具体的には、一般式(1a)において、疎水性基(R11、R12又はR13)が、炭素数2~4のアシル基(特に好ましくはプロピオニル基)であって、不飽和二重結合を有する基(R11、R12又はR13)が、(メタ)アクリロイル基、又は、-C(=O)-NH-(CH22-O-C(=O)-CH=CH2であって、m11、t11及びr11が、それぞれ独立に、0以上3以下の整数であって、n13が、2以上300以下である態様;一般式(1b)において、疎水性基(R11、R12又はR13)が、炭素数2~4のアシル基(特に好ましくはプロピオニル基)であって、不飽和二重結合を有する基(R11、R12又はR13)が、(メタ)アクリロイル基、又は、-C(=O)-NH-(CH22-O-C(=O)-CH=CH2であって、m12、t12及びr12が、それぞれ独立に、0以上3以下の整数であって、n13が、2以上300以下である態様である。

【0083】
-不飽和二重結合を有する基-
前記一般式(1A)及び一般式(1A-1)中、R11、R12及びR13で表される不飽和二重結合を有する基としては、架橋によって適度な弾性を有する液晶フィルムを得る観点から、それぞれ独立に、下記一般式(1C)及び一般式(2C)の少なくとも一方で表される基であることが好ましい。

【0084】
【化13】
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【0085】
一般式(1C)中、R1Cは、水素原子又はメチル基を表し、X18は、単結合、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~18のアルキレン基、炭素数3~18のシクロアルキレン基、炭素数6~18のアリーレン基、又は、-O-、-NH-、-S-、及び-C(=O)-からなる群より選ばれる1つ若しくは2つ以上を連結した連結基を表し、p1は、1又は2の整数を表す。但し、X18の価数は、p1+1である。
**は、一般式(1A)中、X11、X12、若しくはX13と結合する部分、又は、X11、X12、若しくはX13が単結合の場合はセルロース骨格の2位、3位、若しくは6位にある酸素原子と結合する部分を表す。

【0086】
X18で表される、直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基、シクロアルキレン基及びアリーレン基は、置換基を有していてもよい。
置換基としては、既述のアルキレン基、-(R14-O)h-、及び、-C(=O)-R15-における置換基と同様のものが挙げられる。

【0087】
X18で表される炭素数1~18の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基、及び、炭素数3~18のシクロアルキレン基としては、既述の一般式(1A)におけるX11、X12及びX13で表されるアルキレン基と同様のものが挙げられる。

【0088】
X18で表される炭素数6~18のアリーレン基としては、特に制限はなく、例えば、フェニレン基、ナフタレン基等が挙げられる。

【0089】
X18で表される-O-、-NH-、-S-、及び-C(=O)-からなる群より選ばれる1つ若しくは2つ以上を連結した連結基としては、特に制限はなく、例えば、「-C(=O)-NH-(CH22-O-」、「-C(=O)-NH-(CH22-O-(CH22-O-」及び「-C(=O)-NH-C(CH3)-(CH2-O-)2」が挙げられる。

【0090】
優れた液晶フィルムを得る観点から、一般式(1C)中、X18としては、単結合、又は、-C(=O)-NH-(CH22-O-である。

【0091】
架橋反応の観点から、一般式(1C)中、p1は、1の整数であることが好ましい。

【0092】
一般式(1C)中、R1Cが水素原子又はメチル基であり、X18が単結合であり、p1が1である場合、一般式(1C)で表される基は、(メタ)アクリロイル基である。
架橋反応の観点から、一般式(1C)で表される基は、(メタ)アクリロイル基を少なくとも含むことが好ましい。

【0093】
以下に、一般式(1C)で表される基の一例を示す。一般式(1C)で表される基はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、下記一般式(1C-1)~(1C-8)中、**は、結合位置を表す。

【0094】
【化14】
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【0095】
【化15】
JP2019151360A1_000017t.gif



【0096】
一般式(1C-5)で表される基は、一般式(1C)で表される基中、X18が下記一般式(1C-7)で表される3価の連結基であり、R1Cが水素原子であり、p1が2である。
一般式(1C-7)中、***は、上記一般式(1C-5)における(COCH=CH2)のCOに結合する炭素原子と結合する部分を表す。

【0097】
【化16】
JP2019151360A1_000018t.gif



【0098】
【化17】
JP2019151360A1_000019t.gif



【0099】
【化18】
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【0100】
一般式(2C)中、R1Dは、直鎖又は分岐鎖の炭素数1~18のアルキレン基を表し、p1及び**は、前記一般式(1C)におけるp1及び**と同義である。

【0101】
一般式(2C)中、R1Dで表される直鎖又は分岐鎖の炭素数1~18のアルキレン基としては、既述の一般式(1A)におけるX11、X12及びX13で表されるアルキレン基と同様のものが挙げられる。
架橋によって適度な弾性を有する液晶フィルムを得る観点から、R1Dで表される直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~18のアルキレン基としては、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数3~18のアルキレン基であることが好ましく、直鎖の炭素数3~18のアルキレン基であることがより好ましく、直鎖の炭素数6~12のアルキレン基であることが更に好ましい。

【0102】
架橋反応の観点から、一般式(2C)中、p1は、1の整数であることが好ましい。

【0103】
以下に、一般式(2C)で表される基の一例を示す。一般式(2C)で表される基はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、下記一般式(2C-1)~(2C-4)中、**は、結合位置を表す。

【0104】
【化19】
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【0105】
一般式(1A)及び一般式(1A-1)中、R11、R12及びR13で表される不飽和二重結合を有する基が、一般式(1C)で表される基である場合、架橋構造を形成しやすく、かつ、ゴム弾性により優れる液晶フィルムが得られる観点から、一般式(1C)で表される基としては、一般式(1C-1)、(1C-3)、(1C-5)又は(1C-6)であることが好ましく、一般式(1C-1)又は(1C-3)で表される基がより好ましく、一般式(1C-3)で表される基であることが更に好ましい。

【0106】
一般式(1A)及び一般式(1A-1)中、R11、R12及びR13で表される不飽和二重結合を有する基が、一般式(2C)で表される基である場合、架橋構造を形成しやすく、かつ、ゴム弾性により優れる液晶フィルムが得られる観点から、一般式(2C)で表される基としては一般式(2C-1)、(2C-2)又は(2C-3)であることが好ましく、一般式(2C-1)で表される基であることがより好ましい。

【0107】
一般式(1A)及び一般式(1A-1)中、R11、R12及びR13で表される不飽和二重結合を有する基が、一般式(2C)及び一般式(1C)の少なくとも一方で表される基である場合、架橋構造を形成しやすく、かつ、ゴム弾性により優れる液晶フィルムが得られる観点から、一般式(2C)及び一般式(1C)の少なくとも一方で表される基としては、一般式(1C-1)又は一般式(2C-1)で表される基であることが好ましい。

【0108】
特定セルロース誘導体は、下記関係式(I)を満たす。下記関係式(I)中、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、一般式(1A)中におけるR11、R12及びR13と同義であり、好ましい範囲も同様である。

【0109】
0.01≦R11、R12及びR13で表される不飽和二重結合を有する基の個数/(3*n11)≦1.0 (I)

【0110】
ここで、本実施形態における「R11、R12及びR13で表される不飽和二重結合を有する基の個数/(3*n11)」とは、セルロース誘導体が一般式(1A)で表される分子構造を有する場合では、一般式(1A)中、R11、R12、及びR13の位置に導入された「不飽和二重結合を有する基」の平均個数を意味する。
以下、R11、R12及びR13で表される不飽和二重結合を有する基の個数/(3*n11)」を「一般式(1A)で表される構成単位あたりの不飽和二重結合を有する基の置換度」と称する場合がある。

【0111】
同様に、本明細書において、一般式(1A)で表される特定セルロース誘導体に含まれる疎水性基の数とは、「R11、R12及びR13で表される疎水性基の個数/(3*n11)」で求められ、一般式(1A)で表される構成単位あたりの、R11、R12、及びR13の位置に導入された「疎水性基」の平均個数である。
以下、「一般式(1A)で表される構成単位あたりの疎水性基の置換度」と称する場合がある。

【0112】
特定セルロース誘導体において、不飽和二重結合を有する基であり、かつ、疎水性基にも該当する基の場合、かかる基は「不飽和二重結合を有する基」とみなす。

【0113】
一般式(1A)で表される構成単位あたりの不飽和二重結合を有する基の置換度が、0.01以上であると、架橋反応によってゴム弾性を有する三次元構造を形成することができる。
また、一般式(1A)で表される構成単位あたりの不飽和二重結合を有する基の置換度が、構成単位あたり1.0以下であると、架橋点が多くなりすぎず、架橋反応により形成された三次元構造がゴム弾性を発現することができる。

【0114】
優れたゴム弾性を発揮する観点から、一般式(1A)で表される構成単位あたりの不飽和二重結合を有する基の置換度としては、0.01以上0.8以下であることが好ましく、0.02以上0.15以下であることがより好ましい。

【0115】
-不飽和二重結合を有する基の個数/疎水性基の個数-
特定セルロース誘導体において、不飽和二重結合を有する基の個数と、疎水性基の個数との好ましい比(不飽和二重結合を有する基/疎水性基)は、架橋によって適度な弾性を有する液晶フィルムを得る観点から、好ましくは3.0×10-3以上0.5以下であり、より好ましくは3.0×10-3以上3.6×10-1以下、より好ましくは6.7×10-3以上5.3×10-2以下である。

【0116】
不飽和二重結合を有する基の個数及び疎水性基の個数は、H1-NMRにより、各置換基が有する特徴的なプロトンピークの積分値から算出される。
具体的には、本実施形態におけるセルロース誘導体を重クロロホルムに溶解させた溶液について、以下の測定条件でH1-NMRスペクトルを測定し、測定されたH1-NMRスペクトルに基づき、後述する実施例に示すように、不飽和二重結合を有する基に由来するプロトンピーク;疎水性基に由来するプロトンピーク;セルロース骨格由来のプロトンピーク(例えば、β-グルコースに由来する構成単位にあるプロトンピーク等);セルロース骨格がヒドロキシプロピルセルロース(HPC)の場合、HPC由来のプロトンピーク鎖中のヒドロキシプロピル基が有するメチン基のプロトンピーク;等の積分値に基づき算出される。
なお、構成単位あたりの水酸基の平均個数は、上記方法で算出された不飽和二重結合を有する基の数及び疎水性基の数を、3から減ずることで算出される。

【0117】
-測定条件-
装置 :BRUKER製:ULTRASHIELD400PLUS(型番)
周波数:400MHz

【0118】
(重量平均分子量)
特定セルロース誘導体の重量平均分子量(Mw)は、架橋によって適度な弾性を有する液晶フィルムを得る観点から、好ましくは2万以上20万以下、より好ましくは2万以上10万以下、更に好ましくは3万以上5万以下である。

【0119】
セルロース誘導体の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)(ポリスチレン標準)により算出される。
より詳細には、以下の測定条件で得られた測定結果からポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出される。

【0120】
-測定条件-
装置 :HLC-8220GPC(東ソー(株)製)
溶剤 :テトラヒドロフラン(THF)
カラム :0021815 TSKgel SuperMultiporeHZ-N(粒子径3μm、内径4.6mm×長さ15cm、東ソー(株)製)
流速 :0.15mL/分
試料濃度:2.0質量%
注入量 :10μL
検出器 :示差屈折検出器
温度 :40℃

【0121】
以下に、特定セルロース誘導体の具体例(1-1)~(1-14)を示す。なお、特定セルロース誘導体は以下の具体例により何ら限定されるものではない。

【0122】
【化20】
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【0123】
【化21】
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【0124】
【化22】
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【0125】
【化23】
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【0126】
上記式(1-1)~式(1-8)及び(1-14)は、一般式(1A-1)において、R1が、-CH2-CH(CH3)-であり、m1が2であり、t1が2であり、r1が0である場合の例である。
上記例以外の具体例としては、m1、t1、及びr1を、それぞれ独立に0以上10以下に置き換えた分子構造が挙げられる。

【0127】
また、上記式(1-9)~式(1-13)は、一般式(1A-1)においてR1が、-CH2-CH2-であり、m1が2であり、t1が2であり、r1が0である場合の例である。
上記例以外の具体例としては、m1、t1、及びr1を、それぞれ独立に0以上10以下に置き換えた分子構造が挙げられる。

【0128】
一般式(1A)で表される特定セルロース誘導体について、不飽和二重結合を有する基は、ウレタン結合を有する2価の連結基と、(メタ)アクリロイル基とを含むことが好ましい。これにより、特定セルロース誘導体及びこの特定セルロース誘導体を含むリオトロピック液晶フィルムに柔軟性を付与することができるため、延伸特性に優れる。

【0129】
不飽和二重結合を有する基は、特定セルロース誘導体における柔軟性及び延伸特性の観点から、下記一般式(I)で表される構造であることが好ましい。

【0130】
【化24】
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【0131】
一般式(I)中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数1~10の置換又は無置換のアルキレン基を示し、R3は、水素原子又はメチル基を示し、*は結合部位を示す。

【0132】
R1及びR2は、それぞれ独立にエチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基、n-ブチレン基、イソブチレン基、n-ペンチレン基、イソペンチレン基、n-ヘキシレン基、イソヘキシレン基等が挙げられる。例えば、R1及びR2は、それぞれ独立に、n-ブチレン基又はn-ヘキシレン基であってもよく、R1はn-ヘキシレン基であり、かつR2はn-ブチレン基であってもよい。

【0133】
特定セルロース誘導体の含有量としては、液晶材料全質量に対して、70質量%以上99質量%以下であることが好ましく、75質量%以上95質量%以下であることがより好ましく、80質量%以上90質量%以下であることが更に好ましい。
特定セルロース誘導体の含有量が70質量%以上99質量%以下であると、機械的圧力を加えた際に伴う反射ピークのシフトが増大する傾向がある。

【0134】
(特定セルロース誘導体の合成方法)
特定セルロース誘導体の合成方法の一例として、一般式(1A)で表される分子構造を有するヒドロキシプロピルセルロース誘導体を合成する方法について説明する。但し、本実施形態のセルロース誘導体の合成方法については、これに限定されない。

【0135】
出発物質としてヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を溶媒に溶解してHPC溶液を調製する。
HPC溶液と、不飽和二重結合を有する基を持つ化合物(以下、「重合性化合物」とも称する。)及び疎水性基を有する化合物(以下、「疎水性化合物」とも称する。)の少なくとも1つを混合し、混合液を調製する。
次に、この混合溶液中で、HPCと、重合性化合物及び疎水性化合物を反応させ、HPCに由来する構成単位に含まれる3つの水酸基の水素原子を、不飽和二重結合を有する基又は疎水性基で置換する。すなわち、HPCの側鎖(末端)に不飽和二重結合を有する基又は疎水性基が導入される。
なお、HPC溶液と、重合性化合物及び疎水性化合物の一方を混合して、HPCの側鎖に一方を導入した後、他方を混合してHPCの側鎖に他方を導入することが好ましい。これにより、一般式(1a)(一般式(1A)の一例)で表される分子構造を有するHPC誘導体が得られる。

【0136】
例えば、出発物質としてヒドロキシエチルセルロースを用いれば、一般式(1b)(一般式(1A)の一例)で表される分子構造を有するセルロース誘導体が得られる。
一般式(1A)で表される分子構造を有するセルロース誘導体は、例えば、以下の方法で得ることができる。
まず、セルロース骨格の2位、3位、6位に結合する酸素原子と水素原子との間に、公知の方法により、アルキレン基、-(R14-O)h-(R14;アルキレン基、h;1以上10以下の整数)、又は、-C(=O)-R15-(R15;アルキレン基)を有する連結基を導入したセルロース誘導体を準備し、これを出発物質とする。次に、このセルロース誘導体(出発物質)の末端にある水素原子を、上記方法に準じる方法により不飽和二重結合を有する基又は疎水性基で置換する。これにより、一般式(1A)で表される分子構造を有するセルロース誘導体が得られる。

【0137】
例えば、HPCを出発物質した場合、HPCとしては、調製したものを用いてもよく、市販のものを用いてもよい。
溶媒としては、出発物質を溶解できるものであれば特に制限されない。
溶媒としては、例えばアセトン等のケトン;メトキシプロパノール、エトキシエタノール、プロパノールなどのアルコール;テトラヒドロフラン等を挙げられる。

【0138】
重合性化合物としては、既述の不飽和二重結合を有する基を有し、かつ、その不飽和二重結合を有する基を一般式(1A)におけるR11、R12又はR13に導入できるものであれば特に制限されない。
中でも、重合性化合物としては、ハロゲン化(メタ)アクリロイル(例えば、塩化(メタ)アクリロイル、臭化(メタ)アクリロイル等);イソシアナート(メタ)アクリレート(例えば、昭和電工(株)製のカレンズMOI(2-イソシアナトエチルメタクリレート)、カレンズAOI(2-イソシアナトエチルアクリラート)、カレンズBEI(1,1-ビスアクリロイルオキシメチル(エチルイソシアナート))、カレンズMOI-EG等);であることが好ましい。

【0139】
重合性化合物としては、イソシアナート基を二つ以上有する化合物と、水酸基等のイソシアナート基と反応する置換基を有する単官能(メタ)アクリレートとの反応物を用いてもよい。このような反応物を用いることにより、合成された特定セルロース誘導体及びこの特定セルロース誘導体を含むリオトロピック液晶フィルムに柔軟性を付与することができるため、延伸特性に優れる。

【0140】
イソシアナート基を二つ以上有する化合物としては、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、及びp-キシレンジイソシアネート等が挙げられる。

【0141】
水酸基等のイソシアナート基と反応する置換基を有する単官能(メタ)アクリレートとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12-ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート及び3-メチル-3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。

【0142】
疎水性化合物としては、既述の疎水性基を有し、かつ、その疎水性基を一般式(1A)におけるR11、R12若しくはR13に導入できるものであれば特に制限されない。
中でも、疎水性化合物としては、ハロゲン化アシル(例えば、塩化アシル(塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化ブチリル、塩化ペンタノイル等)、臭化アシル(臭化アセチル、臭化プロピオニル、臭化ブチリル、臭化ペンタノイル等);であることが好ましく、塩化アシルであることがより好ましく、液晶性の観点から、塩化アセチル又は塩化プロピオニルであることが更に好ましい。
なお、具体的なセルロース誘導体の合成方法の一例については、後述する実施例の項にて説明する。

【0143】
<重合性モノマー>
液晶材料は、不飽和二重結合を有する基を分子内に有するモノマー(重合性モノマー)を含有する。
液晶材料は、特定セルロース誘導体と、重合性モノマーと、を少なくとも含有することで、リオトロピック液晶性を発現することができ、かつ、重合性モノマーが特定セルロース誘導体の側鎖が有する不飽和二重結合と反応して架橋構造を形成することで、優れたゴム弾性を発現する。

【0144】
重合性モノマーは、特定セルロース誘導体と相溶性があり、かつ、特定セルロース誘導体と相溶した場合にリオトロピック液晶性を発現することが可能であれば、特に制限はない。

【0145】
重合性モノマーと特定セルロース誘導体との相溶性を確認する方法としては、例えば、重合性モノマーと特定セルロース誘導体とを、例えば、1:3の割合で混合し、ミックスローター(DLAB Scientific Instrument Inc社製品)によって、1週間ほど撹拌し、目視で沈殿物の可否を確認することで、相溶性を判断することができる。

【0146】
また、特定セルロース誘導体と重合性モノマーとが相溶した場合に、リオトロピック液晶性の発現を確認する方法としては、例えば、特定セルロース誘導体と重合性モノマーとの混合物について、ブラッグ反射の可否を目視で確認することで、液晶性の発現を確認することができる。

【0147】
重合性モノマーが有する不飽和二重結合を有する基としては、重合反応を起こし得る基であれば特に制限されず、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリール基等が挙げられる。
重合反応性及び特定セルロース誘導体との相溶性の観点から、不飽和二重結合を有する基としては、(メタ)アクリロイル基であることが好ましく、アクリロイル基であることがより好ましい。

【0148】
重合性モノマーが(メタ)アクリロイル基を有するモノマー(以下、「(メタ)アクリル系モノマー」とも称する。)である場合、(メタ)アクリル系モノマーとしては、1分子中に(メタ)アクリロイル基を1つ有する単官能(メタ)アクリレートであってもよく、1分子中に(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する多官能(メタ)アクリレートであってもよい。

【0149】
単官能(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。

【0150】
アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素数は、液晶性の観点から、1~18の範囲であることが好ましく、3~15の範囲であることがより好ましく、3~12の範囲であることがより好ましい。

【0151】
上記アルキル(メタ)アクリレートとしては、無置換のアルキル(メタ)アクリレートであることが好ましい。
無置換のアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-t-シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。

【0152】
特定セルロース誘導体との相溶性及びゴム弾性に優れる観点から、無置換のアルキル(メタ)アクリレートとしては、直鎖又は分岐鎖の炭素数1~18のアルキル(メタ)アクリレートであることが好ましく、分岐鎖の炭素数3~15のアルキル(メタ)アクリレートであることがより好ましく、分岐鎖の炭素数3~12のアルキル(メタ)アクリレートであることが更に好ましい。

【0153】
多官能(メタ)アクリレートとしては、特に制限はなく、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート及び1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(1,4-ビス(アクリロイルオキシ)ブタン))、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びテトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレートが挙げられる。

【0154】
特定セルロース誘導体との相溶性及びゴム弾性に優れる観点から、多官能(メタ)アクリレートとしては、2官能(メタ)アクリレートであることが好ましく、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートの少なくとも一方であることがより好ましく、ブタンジオールジ(メタ)アクリレートであることが更に好ましい。

【0155】
(メタ)アクリル系モノマーは、(メタ)アクリロイル基以外の官能基を更に有していてもよい。(メタ)アクリロイル基以外の官能基としては、特に制限はなく、例えば、水酸基、カルボキシ基、アルコキシ基、アミド基、アミノ基及びグリシジル基が挙げられる。

【0156】
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12-ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート及び3-メチル-3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、相溶性及びゴム弾性に優れる観点から、水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及び2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの少なくとも一方であることがより好ましい。

【0157】
カルボキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、相溶性及びゴム弾性に優れる観点から、カルボキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸であることが好ましい。

【0158】
アルコキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-(エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びメトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、相溶性及びゴム弾性に優れる観点から、アルコキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-(エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート及びメトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-(エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、2-(エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレートであることが更に好ましい。

【0159】
グリシジル基を有する(メタ)アクリレートとしては、アクリル酸グリシジル等が挙げられる。

【0160】
特定セルロース誘導体との相溶性及びゴム弾性に優れる観点から、(メタ)アクリロイル基以外の官能基を有する(メタ)アクリレートとしては、水酸基、カルボキシ基及びアルコキシ基から選択される少なくとも1種を有する(メタ)アクリレートであることが好ましく、水酸基又はアルコキシ基の少なくとも一方を有する(メタ)アクリレートであることがより好ましく、アルコキシ基を有する(メタ)アクリレートであることが更に好ましい。

【0161】
重合性モノマーのガラス転移温度は、特定セルロース誘導体との相溶性の観点から、-20℃以下であることが好ましく、-50℃以下であることがより好ましい。

【0162】
重合性モノマーのガラス転移温度(Tg)は、その重合性モノマーを、示差走査熱量測定装置(DSC)(NETZSCH JAPAN(株)製、製品名;DSC3500)を用い、窒素気流中、測定試料10mg、昇温速度10℃/分の条件で測定を行い、得られたDSCカーブの変曲点を、単独重合体のガラス転移温度として求めることができる。

【0163】
特定セルロース誘導体との相溶性及び液晶性が得られる観点から、重合性モノマーとしては、アクリロイル基を有するモノマーであることが好ましく、無置換のアルキルアクリレート(より好ましくは直鎖又は分岐鎖の炭素数1~18のアルキルアクリレート、更に好ましくは直鎖又は分岐鎖の炭素数3~15のアルキルアクリレートであり、特に好ましくは分岐鎖の炭素数8~12のアルキルアクリレートである)、多官能のアクリレート(より好ましくは2官能アクリレートであり、更に好ましくはブタンジオールジアクリレートである)、水酸基を有するアクリレート(より好ましくは、2-ヒドロキシエチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート及び2-ヒドロキシプロピルアクリレートから選ばれる少なくとも1種であり、更に好ましくは2-ヒドロキシエチルアクリレート及び4-ヒドロキシブチルアクリレートの少なくとも一方である)、カルボキシ基を有するアクリレート(より好ましくはβ-カルボキシエチルアクリレート)、及び、アルコキシ基を有するアクリレート(より好ましくはメトキシエチルアクリレート、2-(エトキシエトキシ)エチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート及びメトキシトリエチレングリコールアクリレートから選ばれる少なくとも1種であり、更に好ましくはメトキシエチルアクリレート、2-(エトキシエトキシ)エチルアクリレート及びフェノキシエチルアクリレートから選ばれる少なくとも1種である)から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。

【0164】
重合性モノマーは、不飽和二重結合を有する基を2つ以上分子内に有するか、又は、カルボキシ基を分子内に有することが好ましい。これにより、不飽和二重結合、カルボキシ基に由来する水素結合等による網目状のネットワークがリオトロピック液晶フィルムに形成されやすい。その結果、リオトロピック液晶フィルムに機械的圧力を加え、その機械的圧力を取り除いた後においても、反射色は機械的圧力をかける前に瞬時に戻らず、反射色の復元時間を遅らせることができると考えられる。これにより、圧縮、引張等の機械的圧力が加えられた場所における力の状態等を分析することができ、例えば、テニスラケット、ゴルフクラブ等の衝撃解析等に適用できる。
反射色の復元時間をより遅らせる点から、重合性モノマーは、カルボキシ基を分子内に有することが好ましい。

【0165】
不飽和二重結合を有する基を2つ以上分子内に有する重合性モノマーとしては、例えば、前述の多官能(メタ)アクリレートが挙げられ、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレートが好ましい。

【0166】
カルボキシ基を分子内に有する重合性モノマーとしては、例えば、前述のカルボキシ基を有する(メタ)アクリレートが挙げられ、アクリル酸が好ましい。

【0167】
液晶性の観点から、重合性モノマーの含有量としては、液晶材料全質量に対して、1質量%~30質量%であることが好ましく、5質量%~25質量%であることがより好ましく、10質量%~20質量%であることが更に好ましく、12質量%~18質量%であることが特に好ましい。
一般式(1A)及び一般式(1A-1)中、R11、R12及びR13で表される不飽和二重結合を有する基が、一般式(2C)で表される基である場合、液晶性の観点から、重合性モノマーの含有量としては、液晶材料全質量に対して、1質量%~10質量%であることが好ましく、2質量%~8質量%であることがより好ましい。

【0168】
<その他の成分>
本実施形態の液晶材料は、本実施形態の効果が得られる範囲内において、特定セルロース誘導体及び重合性モノマー以外の成分(以下、「その他の成分」とも称する。)を含んでいてもよい。
その他の成分としては、例えば、重合開始剤、架橋剤、難燃剤、相溶化剤、酸化防止剤、離型剤(剥離剤)、耐光剤、耐候剤、改質剤、帯電防止剤、加水分解防止剤等が挙げられる。
重合開始剤としては、公知の重合開始剤(例えば熱重合開始剤、光重合開始剤)を用いることができる。

【0169】
《リオトロピック液晶フィルム》
本実施形態のリオトロピック液晶フィルム(以下、単に「液晶フィルム」とも称する。)は、本実施形態のリオトロピック液晶材料の架橋物であって、三次元構造を有する。

【0170】
液晶フィルムは、特定セルロース誘導体及び重合性モノマー、並びに、特定セルロース誘導体又は重合性モノマーの、単独モノマー同士の架橋反応によって、三次元構造(即ち、架橋構造)が得られ、優れたゴム弾性を発現することができる。
したがって本実施形態の液晶フィルムは、優れたゴム弾性を有することで、ブラッグ反射の波長で配向が固定化される。さらに、機械的圧力を加えることによって、その圧力に対応する波長の反射光が得られる。

【0171】
三次元構造の形成(架橋構造)は、溶媒(例えば、アセトン)に対する架橋前後の液晶フィルムの溶解の可否によって、確認することができる。
架橋後の液晶フィルムは、三次元構造が形成されているため、溶媒に溶解しない。これに対して、三次元構造が形成されていない架橋前の液晶フィルム(即ち、液晶材料)は溶媒に溶解するため、三次元構造の形成を確認することができる。

【0172】
また、本実施形態の液晶フィルムは、架橋剤を用いなくても三次元構造が形成されるため、比較的簡易な方法で製造することができる。
なお、液晶フィルムの三次元構造の形成方法には特に制限はなく、例えば、架橋剤を用いて、一般式(1A)で表される構成単位と、重合性モノマーに由来する構成単位とを架橋させて三次元構造を形成させてもよい。

【0173】
液晶フィルムは、三次元構造を有するが、これは各構成単位内での架橋を排除するものではない。

【0174】
液晶フィルムの構成単に含まれる、特定セルロース誘導体及び重合性モノマーは、既述の特定セルロース誘導体及び重合性モノマーと同義であり、好ましい範囲も同様である。

【0175】
<液晶フィルムの製造方法>
本実施形態の液晶フィルムの製造方法は、基板上に、本実施形態の液晶材料を付与する工程(以下、「液晶材料付与工程」とも称する。)と、基板上に付与された液晶材料に、熱処理する工程(以下、「熱処理工程」とも称する。)又は紫外線を照射する工程(以下、「紫外線照射工程」とも称する。)と、を有する。
本実施形態の液晶フィルムの製造方法では、上記工程を経ることにより、ゴム弾性を有し、かつ、ブラッグ反射が特定の波長で固定化された液晶フィルムを得ることができる。 さらに、機械的圧力を加えることによって、その圧力に対応する波長の反射光が得られる液晶フィルムを製造することができる。

【0176】
(液晶材料付与工程)
液晶材料付与工程は、基板上に、上記実施形態の液晶材料を付与する工程である。
基板としては特に制限されず、目的に応じて通常用いられるものから適宜選択することができる。
基板としては、例えば、ガラス基板、プラスチック基板(例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)基板、ポリカーボネート(PC)基板、ポリイミド(PI)基板等)、アルミ基板やステンレス基板等の金属基板、シリコン基板等の半導体基板等を用いることができる。

【0177】
基板の厚さ、形状は特に限定されず、目的に応じて適宜選択することが好ましい。
基板上への液晶材料の付与方法としては、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法等の塗布法;インクジェット法;スクリーン印刷法;減圧注入法等の注入法;等が挙げられる。

【0178】
(熱処理工程)
熱処理工程は、基板上に付与された液晶材料に、熱処理して、液晶材料を硬化させる工程である。
熱処理工程により、架橋前の特定セルロース誘導体が有する不飽和二重結合が開裂して、一般式(1A)で表される構成単位と重合性モノマーに由来する構成単位とが反応し、又は特定セルロース誘導体若しくは重合性モノマーが反応し、架橋構造が形成されるため、液晶フィルムはゴム弾性を発現し、かつ、ブラッグ反射の波長で配向が固定化される。

【0179】
熱処理方法は特に制限されず、例えば、公知の加熱装置を用いた熱処理方法であってもよい。
加熱装置としては、特に制限はなく、例えば、オーブン、赤外線ヒーター及びホットプレートが挙げられる。

【0180】
熱処理の温度としては、適度なゴム弾性を有する観点、及び、ブラッグ反射の波長で配向を固定化する観点から、好ましくは25℃以上130℃以下、より好ましくは25℃以上120℃以下、さらに好ましくは25℃以上110℃以下である。
熱処理の温度は、液晶材料が上記範囲になるように制御される。

【0181】
熱処理工程は、温度、加熱時間等の熱処理条件を制御することにより、ブラッグ反射の波長で配向を固定化することができる。

【0182】
(紫外線照射工程)
紫外線照射工程は、基板上に付与された液晶材料に、紫外線を照射し、液晶材料を硬化させる工程である。
紫外線照射工程により、架橋前の特定セルロース誘導体が有する不飽和二重結合が開裂して一般式(1A)で表される構成単位と重合性モノマーに由来する構成単位とが反応し、又は特定セルロース誘導体若しくは重合性モノマーが反応し、架橋構造が形成されるため、液晶フィルムはゴム弾性を発現し、かつ、ブラッグ反射の波長で配向が固定化される。

【0183】
液晶材料に紫外線を照射する際の温度(以下、「UV照射温度」とも称する。)は、好ましくは0℃以上100℃以下、より好ましくは5℃以上50℃以下、さらに好ましくは10℃以上40℃以下である。
UV照射温度は、液晶材料が上記範囲になるように制御される。

【0184】
また、紫外線の照射強度(以下、「UV照射強度」とも称する。)は、好ましくは1mW/cm2以上20mW/cm2以下、より好ましくは5mW/cm2以上20mW/cm2以下、さらに好ましくは10mW/cm2以上20mW/cm2以下である。

【0185】
紫外線の照射時間(以下、「UV照射時間」とも称する。)は、5秒~40分であることが好ましく、2分~20分であることがより好ましい。

【0186】
紫外線照射工程では、UV照射温度とUV照射強度とを組み合わせて制御することによって、異なるブラッグ反射で配向が固定化された液晶フィルムを得ることができる。
UV照射温度を上記範囲に制御することによって、セルロース誘導体のリオトロピック液晶性が発現され、目的とする色に調整しやすくなり、所望の色が得られやすくなる。
UV照射温度を上記範囲に制御し、かつ、UV照射強度(好ましくはUV照射時間)を上記範囲に制御することで、UV照射温度によって得られた色を固定化することができ、目的とする箇所に目的とする色を呈する多色からなる液晶フィルムが得られる。
多色からなる液晶フィルム(すなわち、異なるブラッグ反射での配向が固定化されたフィルム)は、例えばフォトマスクを用いることで容易に得ることができる。

【0187】
(基板上に配向膜を形成する工程)
本実施形態の液晶フィルムの製造方法は、基板上に配向膜を形成する工程(以下、「配向膜形成工程」とも称する。)を有してもよい。
配向膜形成工程は、例えば、液晶材料付与工程の前に有してもよい。
基板上に配向膜を形成することにより、熱処理工程又は紫外線照射工程において、ブラッグ反射の波長での配向の固定化が容易に行える。優れた液晶フィルムを得る観点から、配向膜は、ラビング処理が施されていることが好ましい。

【0188】
以上の工程を経て、本実施形態の液晶フィルムが得られる。
液晶フィルムの厚さは特に制限されない。
優れた液晶フィルムを得る観点から、液晶フィルムの厚さとしては、好ましくは50μm以上2000μm以下、より好ましくは100μm以上1500μm以下、さらに好ましくは200μm以上1000μm以下である。
液晶フィルムは、基板から剥離して用いてもよいし、基板上に形成したまま用いてもよい。

【0189】
ここで、異なるブラッグ反射の波長で配向が固定化された液晶フィルムの製造方法の一例について図1(A)、図1(B)を参照しながら説明する。ここでは、T字形状に加工されたフォトマスク(ネガティブフォトレジスト使用)を用いて液晶フィルムを製造する方法について説明する。

【0190】
図1(A)に示すように、第1の基板12上に配向膜(不図示)を形成し、配向膜にラビング処理を施す。同様にして、第2の基板14上に配向膜(不図示)を形成し、必要に応じて配向膜にラビング処理を施す。次に、配向膜が形成された第1の基板12及び第2の基板14の間に、スペーサー(不図示)を介して、液晶材料18を注入する。これにより、液晶セル10を得る。液晶セル10は、配向膜付き第1の基板12及び配向膜付き第2の基板14と、これらの基板の間にスペーサー(不図示)を介して設けられた液晶材料18とで構成される。

【0191】
次に、液晶セル10の上方にT字形状に切り抜かれたフォトマスク16を配置し、配向膜が形成された第1の基板12の側から、液晶セル10(液晶材料)の温度が第1の温度(図1(A)中、X℃:例えば105℃)となるように液晶セル10を加熱する。その後、液晶セル10に対し、紫外線をフォトマスク16の開口部(T字形状)を通過させて所定の照射強度で所定時間照射する(第1のUV照射)。これにより、第1の温度で第1のUV照射が行われた液晶材料の部分の配向が第1のブラッグ反射で固定化される。

【0192】
次に、フォトマスク16を外し、液晶セル10を、第1の温度(X℃)よりも低い第2の温度(図1(B)中、Y℃:例えば95℃)まで冷却し、第2の温度を維持する。その後、第2の温度を保ったまま紫外線を液晶セル10全体に所定の照射強度で所定時間照射する(第2のUV照射)。これにより、第2の温度で第2のUV照射が行われた液晶材料の部分の配向が第2のブラッグ反射で固定化される。

【0193】
以上の工程を経て、異なるブラッグ反射で配向が固定化された液晶フィルム20、及び、液晶フィルム20を備える液晶セル10Aが得られる。液晶セル10Aは、配向膜付き第1の基板12及び配向膜付き第2の基板14と、これらの基板の間にスペーサー(不図示)を介して設けられた上記液晶フィルム20とで構成される。

【0194】
なお、紫外線を照射する際の液晶セル(液晶材料)の温度は、第1の温度(図1(A)中、X℃)を第2の温度(図1(B)中、Y℃)よりも高くすることが好ましい。これにより、異なるブラッグ反射で配向を固定化しやすくなる。なお、第1の温度を第2の温度より低くしてもよい(X℃<Y℃)。また、配向膜は形成しなくてもよい。

【0195】
(液晶フィルムの用途)
本実施形態の液晶フィルムは、例えば、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、反射防止フィルム、光拡散フィルム、輝度向上フィルム、防眩フィルム等の光学フィルム;物体の歪み、伸縮、振動、衝撃等に起因する変形を、反射の波長(好ましくは反射色)によって検出するセンサー(圧力センサー、歪みセンサー、伸縮センサー、振動センサー、衝撃センサー等);脈波、呼吸、心弾動等の生体情報を、反射の波長(好ましくは反射色)によって検出するウェアラブルセンサー;上記光学フィルムを利用した光学素子;前記以外の光学素子;液晶表示素子;等に搭載して利用することができる。
本実施形態の液晶フィルムは、弾性を有し、機械的圧力を加えることによって、機械的圧力に対応する波長の反射光を得ることができるので、反射の波長(好ましくは反射色)によって機械的圧力を検出できるセンサー、又は、機械的圧力を加えることによって反射光が得られる光学素子に搭載して利用することが好ましい。

【0196】
《センサー》
本実施形態のセンサーは、本実施形態の液晶フィルムを備える。
センサーとしては、例えば、上記で例示した各種センサーが挙げられる。

【0197】
《歪みセンサー》
本実施形態のセンサーは、物体の歪みを検出する歪みセンサーであることが好ましい。
歪みセンサーは、本実施形態の液晶フィルムを備えるため、物体の歪みに起因する変形を反射の波長(好ましくは反射色)によって検出することができる。
例えば、歪みセンサーを、歪みが生じやすい物体(例えば、橋梁、建物等の構造物)の箇所に予め設置しておくことによって、物体の歪みの程度を検出することができる。また、歪みセンサーは、その歪み(変形)に起因する機械的圧力を可視的に、すなわち反射の波長(好ましくは反射色)によって検出することができる。

【0198】
《ウェアラブルセンサー》
本実施形態のセンサーは、生体情報を検出するウェアラブルセンサーであることが好ましい。ウェアラブルセンサーとは、身につけて使用できる比較的小型のセンサーを意味する。
ウェアラブルセンサーは、本実施形態の液晶フィルムを備えるため、生体情報を、反射の波長(好ましくは反射色)によって検出することができる。
例えば、歪みセンサーを、生体情報を取得したい箇所(例えば、肌)に直接貼り付ける若しくは装着する、又は、衣類、下着、靴下、手袋、ネクタイ、ハンカチ、マフラー、時計、メガネ、靴、スリッパ、帽子等に貼り付ける若しくは装着することによって、生体情報(脈波、呼吸、心弾動、体動(筋肉の動き等)など)を可視的(すなわち、反射の波長(好ましくは反射色))によって取得することができる。

【0199】
〔光学素子〕
本実施形態の光学素子は、本実施形態の液晶フィルムを備える。
例えば、人為的に機械的圧力を加える、又は、自然に機械的圧力がかかる箇所に、光学素子を予め設置することにより、その機械的圧力に対応して異なる反射光が得られる。
このような光学素子の用途としては、玩具、非常用光源、インテリア(置物、棚等)、建築部材(床、壁、階段等)、食器、容器などに用いることが挙げられる。
【実施例】
【0200】
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り「%」はすべて質量基準である。
【実施例】
【0201】
(実施例1)
[HPC誘導体1の合成]
下記スキームに従って、HPC誘導体1を合成した。
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)(和光純薬工業(株)製、製品名;ヒドロキシプロピルセルロース2.0~2.9、製品番号;082-07925、)を減圧下、室温(25℃)で24時間以上乾燥した。窒素を充填した三口フラスコに6.0gのHPCを秤量し、30mLの脱水アセトンに撹拌しながら溶解し、HPC溶液を得た。このとき、β-グルコースモノマーに由来する構成単位におけるヒドロキシ基のモル数は、MS値(β-グルコースモノマーに由来する構成単位当たりのヒドロキシプロピル基の平均個数)から45mmolと算出された。
【実施例】
【0202】
HPC溶液をアルミホイルで遮光し、室温下でカレンズAOI(2-イソシアナトエチルアクリレート、昭和電工(株)製)1.8mL(11.3mmol)を加え、室温下、遮光中で24時間反応させた後、塩化プロピオニル(東京化成工業(株)製、製品番号;P0516)14.0mL(142.1mmol)を加え、更に24時間反応させた。
反応終了後、遮光状態を維持したまま、反応溶液を1000mLの超純水に投入し、黒色のもち状生成物を得た。この生成物を超純水で洗浄し乾燥させた後、少量のアセトンに生成物を溶解させた後、500mLの超純水に投入して再析出した。この再溶解及び再析出の操作を5回繰り返して、白色もち状の生成物を得た。
【実施例】
【0203】
この白色もち状の生成物を超純水で洗浄した後、冷暗所で2日間乾燥させることでHPC誘導体1(以下、「HPC-AcC/PrE」とも称する。)が得られた。HPC誘導体1の収量は1.8gであった。
【実施例】
【0204】
【化25】
JP2019151360A1_000027t.gif


【実施例】
【0205】
1H-NMRスペクトルの測定)
上記で合成したHPC誘導体1の1H-NMRスペクトルを測定した。
本実施例に係るHPC誘導体1に由来するピーク(具体的には、HPC-AcC/PrE由来のピーク)として、5.8ppm、6.1ppm及び6.4ppm付近のピーク(図2のa、b及びc)は、それぞれアクリロイル基の二重結合につくプロトンのピークであり、4.7ppm~5.2ppm付近のピーク(図2のe及びj)は、末端のヒドロキシプロピル基のメチン基である。2.7ppm~4.5ppm付近のピークは、β-グルコースモノマーユニットにあるプロトン、側鎖のヒドロキシプロピル基が有するメチン基のプロトン(HPC骨格由来するプロトンピーク(スペクトル中「HPC」と表示))である。
【実施例】
【0206】
2.3ppm付近のピークは、カルボキシル基に隣接するプロピオニル基のメチレン基(図2のf)のプロトンである。1.0ppm~1.3ppm付近のピークは、ヒドロキシプロピル基の末端のメチル基(図2のh)、プロピオニル基のメチル基(図2のd)のプロトンピークであると帰属した。
【実施例】
【0207】
なお、HPC誘導体1に由来しないピークとして、7.2ppmに重クロロホルムのプロトンのピークがある。
【実施例】
【0208】
すなわち、4.7ppm~5.2ppmのピークは、末端のヒドロキシプロピル基がカルバメート化又はエステル化した場合のメチン基のプロトンと、β-グルコースモノマーユニットの2位又は3位がカルバメート化若しくはエステル化した場合のメチン基のプロトンの可能性がある。
【実施例】
【0209】
以上の結果から、HPC誘導体1は、HPCの側鎖である水酸基の水素原子が、CH2=CH-C(=O)-O-(CH22-NHC(=O)-(アクリロイルエチルカルバメート基)、及び、プロピオニル基で置換された「HPCアクリロイルエチルカルバメート/プロピオニル混合エステル」であった。
【実施例】
【0210】
HPC-AcC/PrEは、一般式(1A)において、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、RNHCO-(Rは、CH2=CH-C(=O)-O-(CH22-)又はプロピオニル基であり、X11、X12及びX13は、それぞれ独立に、単結合又は(-CH2-CH(CH3)-O-)h(但し、hは、0以上10以下の整数である)であり、n11が70である分子構造を有するHPC誘導体1である。
【実施例】
【0211】
帰属したピークをもとに、HPC側鎖(水酸基中の水素原子)において、不飽和二重結合を有する基(すなわち、アクリロイルエチルカルバメート基)への置換度及び疎水性基(すなわち、プロピオニル基)への置換度を算出した。
HPC誘導体1は、アクリロイルエチルカルバメート基(不飽和二重結合を有する基)への置換度は0.16であり、プロピオニル基(疎水性基)への置換度は2.75(HPC-AcC/PrE(AcC:PrE=0.16:2.75))であった。
【実施例】
【0212】
<液晶材料1の作製>
マイクロチューブに上記で合成したHPC誘導体1を0.1g程度量り取った。4-ヒドロキシブチルアクリレート(東京化成工業(株)製、製品コード;A1390、4HBA、ガラス転移温度(Tg);-32℃)及びHPC誘導体1の全質量に対するHPC誘導体1の含有量が79.9質量%になるように、量り取ったHPC誘導体1に4HBAを滴下し、次いで、ミックスローター(DLAB Scientific Instrument Inc社製品)を用いて1週間撹拌し、液晶材料1を調製した。
【実施例】
【0213】
<液晶フィルムの作製>
液晶配向膜として2.0質量%のポリビニルアルコール(PVA)(シグマアルドリッチ社製、重量平均分子量(Mw):1.3×104~2.3×104、加水分解度(hydrolyzed):87%~89%)水溶液を調製した。スピンコーター(Active社製:ACT-220D II)を用いて、市販のスライドガラス(基板)に2.0質量%PVA水溶液を800rpmで10秒間、続けて2000rpmで20秒間スピン塗布し、100℃のホットステージ上で1時間程度熱処理した。2.0質量%PVA水溶液を同様の条件でスピン塗布し、同条件で熱処理しPVA塗布基板を得た。
その後、キュプラで巻いた棒を用いてPVA塗布基板を1軸方向に50回擦り、ラビング処理を施した。
さらに、剥離操作に備えて、剥離剤を200rpmで10秒間、続けて500rpmで10秒間スピン塗布し、100℃のホットステージ上で5分程度熱処理した。これにより、ラビング処理及び剥離処理が施されたPVAガラス基板(以下、「ラビング・剥離処理PVAガラス基板」とも称する。)を得た。
なお、ラビング・剥離処理PVAガラス基板は計2枚作製した。
【実施例】
【0214】
室温(25℃)で、2枚のラビング・剥離処理PVAガラス基板の間に500μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)スペーサーとともに液晶材料1を挟んだ。
さらに、せん断配向処理を施し、半日静置することで、液晶分子が均質に配向し、かつ、厚さ500μmの液晶材料1を備えた液晶セルを得た。
【実施例】
【0215】
上記で作製した液晶セルを、水銀キセノンランプを光源とし、光学フィルター(UV-35 /UV-D36A)を介して365nm付近の紫外線を照射した。
10mW程度の365nmの紫外線を、15分間、室温(25℃)で液晶セルに照射し、液晶セルの隙間にピンセットを差し込み、ゆっくりと引き上げて膜を剥離し、液晶フィルム1を得た。
【実施例】
【0216】
-液晶材料及び液晶フィルムの光学特性-
<FT-IRスペクトルの測定>
上記で作製した液晶材料1(HPC-AcC/PrE)を用いて、FT-IR(赤外全反射吸収測定法:ATR法)により、FT-IRスペクトルを測定した。結果を図3に示す。
図3に示すように、1730cm-1付近にC=O伸縮振動のピークが強く表れた。また、3300cm-1~3600cm-1付近のOH伸縮振動のピークが減少した。
実施例1で作製した液晶材料1は、アクリロイルエチルカルバメート基及びプロピオニル基への置換度が十分であることが確認された。
【実施例】
【0217】
<紫外線照射前後における透過スペクトルの測定>
実施例1で得た液晶セル(液晶フィルムの厚さ:500μm)を用いて、液晶セルを室温(25℃)で365nmの紫外線を10分間照射する前と後における、透過スペクトルを測定した。結果を図4に示す。
【実施例】
【0218】
[評価]
-圧縮時における波長のシフト変化-
上記で作製した液晶フィルム1(エラストマー膜)の反射スペクトルを以下の条件で測定した。作製した液晶フィルム1の厚みを測定し、その後、自作の圧縮チューニングセルを用いて30μmずつ液晶フィルム1を厚み方向へ圧縮した。小型ファイバマルチチャンネル分光器(Ocean Optics社製、型番;USB-4000)を用いて、30μm毎に透過スペクトルを測定することで、圧縮時における波長のシフト変化を測定した。その結果を図5に示す。
【実施例】
【0219】
(実施例2)
実施例1の液晶材料1の作製において、4HBAをイソノニルアクリレート(INA)(東京化成工業(株)製、製品番号;I1071、ガラス転移温度(Tg);-62℃)に変更し、INA及びHPC誘導体1の全質量に対するHPC誘導体1の含有量が82質量%になるようにINAを滴下した以外は、実施例1と同様にして液晶材料2を調製した。また調製した液晶材料2を用い、実施例1と同様にして液晶セル及び液晶フィルム2を作製し、評価を行った。得られた結果を図6に示す。
【実施例】
【0220】
(実施例3)
実施例1の液晶材料1の作製において、HPC誘導体1の含有量が、4HBA及びHPC誘導体1の全質量に対して85.8質量%になるように4HBAを滴下した以外は、実施例1と同様にして液晶材料3を調製した。
また調製した液晶材料3を用い、実施例1と同様にして液晶セル及び液晶フィルム3を作製し、評価を行った。得られた結果を図7に示す。
【実施例】
【0221】
(実施例4)
実施例1の液晶材料1の作製において、4HBAをエトキシエトキシエチルアクリレート(EEEA)(東京化成工業(株)製、E0652、ガラス転移温度(Tg);-67℃)に変更し、HPC誘導体1の含有量が、EEEA及びHPC誘導体1の全質量に対して85.9質量%になるようにEEEAを滴下した以外は、実施例1と同様にして液晶材料4を調製した。また調製した液晶材料4を用い、実施例1と同様にして液晶セル及び液晶フィルム4を作製し、評価を行った。得られた結果を図8に示す。
【実施例】
【0222】
(実施例5)
実施例1の液晶材料1の作製において、4HBAをブチルアクリレート(BA)(東京化成工業(株)製、A0142、ガラス転移温度(Tg);-40℃)に変更し、HPC誘導体1の含有量が、BA及びHPC誘導体1の全質量に対して82.2質量%になるようにBAを滴下した以外は、実施例1と同様にして液晶材料5を調製した。また調製した液晶材料5を用い、実施例1と同様にして液晶セル及び液晶フィルム5を作製し、評価を行った。得られた結果を図9に示す。
【実施例】
【0223】
(実施例6)
実施例1の液晶材料1の作製において、4HBAをオクチルアクリレート(分岐鎖異性体混合物)(ΟA)(東京化成工業(株)製、製品番号;I0639)、ガラス転移温度(Tg);-65℃)に変更し、HPC誘導体1の含有量が、OA及びHPC誘導体1の全質量に対して86.0質量%になるようにOAを滴下した以外は、実施例1と同様にして液晶材料6を調製した。また調製した液晶材料6を用い、実施例1と同様にして液晶セル及び液晶フィルム6を作製し、評価を行った。得られた結果を図10に示す。
【実施例】
【0224】
(実施例7)
実施例1の液晶材料1の作製において、4HBAをフェノキシエチルアクリレート(PEA)(東京化成工業(株)製、製品番号;A1400、ガラス転移温度(Tg);-65℃)に変更し、HPC誘導体1の含有量が、PEA及びHPC誘導体1の全質量に対して82.0質量%になるようにPEAを滴下した以外は、実施例1と同様にして液晶材料7を調製した。また調製した液晶材料7を用い、実施例1と同様にして液晶セル及び液晶フィルム7を作製し、評価を行った。得られた結果を図11に示す。
【実施例】
【0225】
(実施例8)
実施例1の液晶材料1の作製において、4HBAを2-メトキシエチルアクリレート(2MEA)(東京化成工業(株)製、製品番号;A1405)、ガラス転移温度(Tg);-50℃)に変更し、HPC誘導体1の含有量が、2MEA及びHPC誘導体1の全質量に対して82.2質量%になるように2MEAを滴下した以外は、実施例1と同様にして液晶材料8を調製した。また調製した液晶材料8を用い、実施例1と同様にして液晶セル及び液晶フィルム8を作製し、評価を行った。得られた結果を図12に示す。
【実施例】
【0226】
(実施例9)
[HPC誘導体2の合成]
下記スキームに準じて、HPC誘導体2を合成した。
最初に添加する試薬を10-ウンデセノイルクロライド(東京化成工業(株)製、製品番号;U0008)2.4mL(11mmol)、塩化アクリロイル(東京化成工業(株)製、A0147)0.55mL(6.8mmol)及び、塩化プロピオニルの添加量を13.0mL(145.2mmol)に変更した以外は、HPC誘導体1と同様にして、HPC誘導体2(以下、「HPC-UndE/AcE/PrE」とも称する。)を得た。なお、HPC-UndE/AcE/PrEの収量は2.5gであった。
また、既述の方法により、HPC-UndE/AcE/PrEの重量平均分子量を測定した結果、重量平均分子量は、1.5×105であった。
【実施例】
【0227】
【化26】
JP2019151360A1_000028t.gif


【実施例】
【0228】
1H-NMRスペクトルの測定)
上記で合成したHPC誘導体2の1H-NMRスペクトルを測定した。
本実施例に係るHPC誘導体2に由来するピーク(具体的にはHPC-UndE/AcE/PrE由来)のピークとして、5.8ppm、6.1ppm及び6.4ppm付近のピーク(図13のa、b、c、d及びe)は、それぞれビニル基の二重結合につくプロトンのピークであり、4.7ppm~5.2ppm付近のピークは、末端のヒドロキシプロピル基のメチン基及びウンデセノイル基末端のプロトンのピークである。2.7ppm~4.5ppm付近のピークは、ウンデセノイル基のメチレン基(図13のh、i及びj)、β-グルコースモノマーユニットにあるプロトン、側鎖のヒドロキシプロピル基が有するメチン基のプロトンである。
【実施例】
【0229】
【化27】
JP2019151360A1_000029t.gif


【実施例】
【0230】
HPC-UndE/AcE/PrEは、一般式(1A)において、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、アクリロイル基、ウンデセノイル基又はプロピオニル基であり、X11、X12及びX13は、それぞれ独立に、単結合又は(-CH2-CH(CH3)-O-)h(但し、hは、0以上10以下の整数である)であり、n11が70である分子構造を有するHPC誘導体2である。
【実施例】
【0231】
帰属したピークをもとに、HPC側鎖(水酸基中の水素原子)において、不飽和二重結合を有する基(すなわち、ウンデセノイル基及びアクリロイル基)への置換度及び疎水性基(すなわち、プロピオニル基)への置換度を算出した。
HPC誘導体2は、ウンデセノイル基(不飽和二重結合を有する基)への置換度は0.61であり、アクリロイル基(不飽和二重結合を有する基)への置換度は0.13あり、プロピオニル基(疎水性基)への置換度は2.22(HPC-UndE/AcE/PrE(UndE:AcE:PrE=0.61:0.13:2.22))であった。
【実施例】
【0232】
<液晶材料9の作製>
マイクロチューブに上記で合成したHPC誘導体2(HPC-UndE/AcE/PrE)を0.1g程度量り取った。エトキシエトキシエチルアクリレート(EEEA)(ガラス転移温度(Tg);-67℃)及びHPC誘導体2の全質量に対するHPC誘導体2の含有量が93.0質量%になるように量り取ったHPC誘導体2にEEEAを滴下し、次いで、ミックスローター(DLAB Scientific Instrument Inc社製品)を用いて1週間撹拌し、液晶材料9を調製した。
【実施例】
【0233】
<液晶セル及び液晶フィルムの作製>
実施例1の液晶セルの作製において、液晶材料1を液晶材料9に代えた以外は、実施例1と同様にして、液晶フィルム9を作製し、評価を行った。得られた結果を図14に示す。
【実施例】
【0234】
(実施例10)
実施例9において、液晶材料9のEEEAをイソノニルアクリレート(INA)(東京化成工業(株)製、製品番号;I1071、ガラス転移温度(Tg);-62℃)に変更し、HPC誘導体2の含有量が、INA及びHPC誘導体2の全質量に対して96.8質量%になるようにINAを滴下した以外は、実施例9と同様にして液晶材料10を調製した。また調製した液晶材料10を用い、実施例1と同様にして液晶セル及び液晶フィルム10を作製し、評価を行った。得られた結果を図15に示す。
【実施例】
【0235】
(実施例11)
実施例9において、液晶材料9のEEEAをブチルアクリレート(BA)(東京化成工業(株)製、製品番号;A0142、ガラス転移温度(Tg);-40℃)に変更し、HPC誘導体2の含有量が、BA及びHPC誘導体2の全質量に対して97.0質量%になるようにBAを滴下した以外は、実施例9と同様にして液晶材料11を調製した。また調製した液晶材料11を用い、実施例1と同様にして液晶セル及び液晶フィルム11を作製し、評価を行った。得られた結果を図16に示す。
【実施例】
【0236】
[HPC誘導体3の合成]
下記スキームに準じて、HPC誘導体3を合成した。
最初に添加する試薬をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)(和光純薬工業(株)製、製品名;ヒドロキシプロピルセルロース6.0~10.0、製品番号;086-07945、)6.0gにして、塩化アクリロイル0.88mL(11mmol)及び塩化アセチル(東京化成工業(株)製、製品番号;A0082)9.6mL(136mmol)に変更した以外は、HPC誘導体1と同様にして、HPC誘導体3(以下、「HPC-AcE/EtE」とも称する。)を得た。なお、HPC-AcE/EtEの収量は5.0gであった。
また、既述の方法により、HPC-AcE/EtEの重量平均分子量を測定した結果、重量平均分子量は、1.5×105であった。
HPC-AcE/EtEは、一般式(1A)において、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、アクリロイル基又はアセチル基であり、X11、X12及びX13は、それぞれ独立に、単結合又は(-CH2-CH(CH3)-O-)h(但し、hは、0以上10以下の整数である)であり、n11が70である分子構造を有するHPC誘導体3である。
【実施例】
【0237】
【化28】
JP2019151360A1_000030t.gif


【実施例】
【0238】
帰属したピークをもとに、HPC側鎖(水酸基中の水素原子)において、不飽和二重結合を有する基(すなわち、アクリロイル基)への置換度及び疎水性基(すなわち、アセチル基)への置換度を算出した。
HPC誘導体3は、アクリロイル基(不飽和二重結合を有する基)への置換度は0.89であり、アセチル基(疎水性基)への置換度は2.01(HPC-AcE/EtE(AcE:EtE=0.89:2.01))であった。
【実施例】
【0239】
(実施例12)
<液晶材料12-1、12-2、12-3及び12-4の作製>
マイクロチューブに上記で合成したHPC誘導体3(HPC-AcE/EtE)を0.1g程度量り取り、HPC誘導体3の含有量が、2-メトキシエチルアクリレート(2MEA)及びHPC誘導体3の全質量に対して、82.1質量%、79.6質量%、78.2質量%又は76.3質量%になるように2MEAをそれぞれ滴下し、ミックスローター(DLAB Scientific Instrument Inc社製品)を用いて1週間撹拌し、液晶材料12-1、12-2、12-3及び12-4をそれぞれ調製した。
【実施例】
【0240】
実施例1において、液晶材料1を液晶材料12-1、12-2、12-3又は12-4に代えた以外は、実施例1と同様にして、液晶セルを作製した。この液晶セルを用いて、実施例1と同様にして、液晶フィルム12-1、12-2、12-3及び12-4を作製し、評価を行った。HPC誘導体3の含有量が、2MEAの全質量に対して78.2質量%である液晶材料12-3より作製した液晶フィルム12-3の評価結果を図17に示す。
【実施例】
【0241】
HPC誘導体3の含有量が、2MEA及びHPC誘導体3の全質量に対して82.1質量%、79.6質量%、78.2質量%又は76.3質量%になるように調製して作製した各液晶フィルム12-1、12-2、12-3及び12-4に機械的圧力を加えたときの圧縮率(すなわち、膜厚減少率)に対する、機械的圧力による圧縮前の波長(λ0)に対する圧縮後の波長(λ)の比(以下、「規格化したブラッグ反射波長」とも称する。)をプロットし、回帰直線を求めた(図18)。回帰直線の傾きを表1に示す。
なお、回帰直線の傾きが大きいほど、反射波長のシフト変化が大きいことを示す。
【実施例】
【0242】
【表1】
JP2019151360A1_000031t.gif


【実施例】
【0243】
(実施例13)
[HPC誘導体1-2の合成]
実施例1において、不飽和二重結合を有する基への置換度(すなわち、アクリロイルエチルカルバメート化度)が0.08、疎水性基への置換度(すなわち、プロピオニルエステル化度)が2.75になるように調製した以外は実施例1と同様にしてHPC誘導体1-2(HPC-AcC/PrE(AcC:PrE=0.08:2.75))を合成した。
【実施例】
【0244】
<液晶材料13-1、13-2、13-3及び13-4の作製>
マイクロチューブに上記で合成したHPC誘導体1-2を0.1g程度量り取り、HPC誘導体1-2の含有量が、エトキシエトキシエチルアクリレート(EEEA)及びHPC誘導体1-2の全質量に対して、85.9質量%、82.9質量%、80.0質量%又は78.0質量%になるようにEEEAをそれぞれ滴下し、ミックスローター(DLAB Scientific Instrument Inc社製品)を用いて1週間撹拌し、液晶材料13-1、13-2、13-3及び13-4をそれぞれ調製した。
【実施例】
【0245】
<液晶セル及び液晶フィルムの作製>
実施例1の液晶セルの作製において、液晶材料1を液晶材料13-1、13-2、13-3又は13-4に代えた以外は、実施例1と同様にして、液晶セルを作製した。この液晶セルを用いて、実施例1と同様にして液晶フィルム13-1、13-2、13-3及び13-4を作製し、評価を行った。HPC誘導体1-2の含有量がEEEAの全質量に対して80.0質量%である、液晶材料13-3より作製した液晶フィルム13-3の評価結果を図19に示す。
【実施例】
【0246】
HPC誘導体1-2の含有量が、EEEA及びHPC誘導体1-2の全質量に対して85.9質量%、82.9質量%、80.0質量%又は78.0質量%である各液晶フィルム13-1、13-2、13-3及び13-4に機械的圧力を加えたときの圧縮率(すなわち、膜厚減少率)に対する、規格化したブラッグ反射波長をプロットして回帰直線を求めた(図20)。回帰直線の傾きを表2に示す。
【実施例】
【0247】
-膜の延伸性-
上記で作製した液晶フィルム13-4(エラストマー膜)の端部(長さ方向の一端)を、自作の引張試験機の把持具に取り付けて把持し、引張速度0.4mm/秒、室温(25℃)の条件で、液晶フィルムに対して180°の方向に引っ張り、液晶フィルムが破断するまでの長さを測定し、下記式より破断伸度(%)を求めた。
破断伸度(%)=100×(破断するまでの液晶フィルムの長さ(mm)-伸張させる前の液晶フィルムの長さ(mm))/伸張させる前の液晶フィルムの長さ(mm)
【実施例】
【0248】
(実施例14)
<液晶材料14-1、14-2及び14-3の作製>
実施例13において、液晶材料13に含まれるEEEAをブチルアクリレート(BA)に変更し、HPC誘導体1-2の含有量が、BA及びHPC誘導体1-2の全質量に対して86.1質量%、82.0質量%又は78.0質量%になるようにBAをそれぞれ滴下した以外は、実施例13と同様にして液晶材料14-1、14-2及び14-3を調製した。この液晶材料を用いて液晶セルを作製し、実施例1と同様にして液晶フィルム14-1、14-2及び14-3を作製し、評価を行った。HPC誘導体1-2の含有量がBA及びHPC誘導体1-2の全質量に対して86.1質量%である、液晶材料14-1より作製した液晶フィルム14-1の評価結果を図21に示す。
【実施例】
【0249】
HPC誘導体1-2の含有量がBA及びHPC誘導体1-2の全質量に対して86.1質量%、82.0質量%又は78.0質量%である各液晶フィルム14-1、14-2及び14-3に機械的圧力を加えたときの圧縮率(すなわち、膜厚減少率)に対する、規格化したブラッグ反射波長をプロットし、回帰直線を求めた(図22)。回帰直線の傾きを表2に示す。
【実施例】
【0250】
(実施例15)
<液晶材料15-1、15-2及び15-3の作製>
実施例13において、液晶材料13に含まれるEEEAを4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)に変更し、HPC誘導体1-2の含有量が4HBA及びHPC誘導体1-2の全質量に対して86.0質量%、81.9質量%又は78.0質量%になるように4HBAをそれぞれ滴下した以外は、実施例13と同様にして液晶材料15-1、15-2及び15-3を調製した。この液晶材料を用いて液晶セルを作製し、実施例1と同様にして液晶フィルム15-1、15-2及び15-3を作製し、評価を行った。HPC誘導体1-2の含有量がBA及びHPC誘導体1-2の全質量に対して81.9質量%である液晶材料15-2より作製した液晶フィルム15-2の評価結果を図23に示す。また、液晶材料15-3より作製した液晶フィルム15-3の膜の延伸性の評価結果を表3に示す。
【実施例】
【0251】
HPC誘導体1-2の含有量が4HBA及びHPC誘導体1-2の全質量に対して86.0質量%、81.9質量%又は78.0質量%である各液晶フィルム15-1、15-2及び15-3において、機械的圧力を加えたときの圧縮率(すなわち、膜厚減少率)に対する、規格化したブラッグ反射波長をプロットし、回帰直線を求めた(図24)。回帰直線の傾きを表2に示す。
【実施例】
【0252】
(比較例1)
上記で合成したHPC誘導体1-2を、不飽和二重結合を有する基を分子内に有するモノマーと混合せずに、サーモトロピックコレステリック液晶材料とした。このサーモトロピックコレステリック液晶材料を用いて、実施例1と同様にして液晶セルを作製した。
液晶セル全体を熱処理した後、水銀キセノンランプを光源とし、光学フィルター(UV-35 /UV-D36A)を介して、10mW程度の365nmの紫外線を、室温(25℃)、15分間、液晶セルに照射した。次いで、液晶セルの隙間にピンセットを差し込み、ゆっくりと引き上げて膜を剥離し、熱処理によりブラッグ反射の波長で配向が固定化された液晶フィルムを得た。
この液晶フィルムを用いて、実施例13と同様にして膜の延伸性についての評価を行った。結果を表3に示す。
【実施例】
【0253】
【表2】
JP2019151360A1_000032t.gif


【実施例】
【0254】
【表3】
JP2019151360A1_000033t.gif
【実施例】
【0255】
図4~図24に示すように、特定セルロース誘導体と、重合性モノマーと、を有する液晶材料より作製された実施例1~実施例15の液晶フィルムは、機械的圧力を加えた際にブラッグ反射波長のシフト変化(短波長側へシフト)が大きかった。また、表3に示すように、液晶フィルム13-4及び液晶フィルム15-3は、比較例1のサーモトロピックコレステリック液晶材料より作製された液晶フィルムと比べて、破断伸度が高く、延伸性にも優れていた。
【実施例】
【0256】
(実施例16)
[HPC誘導体1-3の合成]
実施例1に示す合成スキームに準じて、HPC誘導体1-3を合成した。
最初に添加するカレンズAOI(2-イソシアナトエチルアクリレート、昭和電工(株)製)の試薬量を1.43mL(9.0mmol)及び、塩化プロピオニル(東京化成工業(株)製、製品番号;P0516)の試薬量を11.9mL(120.7mmol)にそれぞれ変更した以外は、HPC誘導体1と同様にして、HPC誘導体1-3を得た。なお、HPC誘導体1-3の収量は4.8gであった。
【実施例】
【0257】
1H-NMRスペクトルの測定)
上記で合成したHPC誘導体1-3の1H-NMRスペクトルを測定した。
実施例1の1H-NMRスペクトルの測定と同様にしてHPC誘導体1-3の解析を行った。HPC誘導体1-3は、アクリロイルエチルカルバメート基(不飽和二重結合を有する基)への置換度は0.08であり、プロピオニル基(疎水性基)への置換度は2.90(HPC-AcC/PrE(AcC:PrE=0.08:2.90))であった。
【実施例】
【0258】
<液晶材料16-1の作製>
実施例1の液晶材料1の作製において、マイクロチューブに量り取るHPC誘導体1をHPC誘導体1-3に変更し、4HBAをアクリル酸(AA)(東京化成工業(株)製、製品番号;A0141)に変更し、AA及びHPC誘導体1-3の全質量に対するHPC誘導体1-3の含有量が84質量%になるように、量り取ったHPC誘導体1-3にAAを滴下した以外は、実施例1と同様にして液晶材料16-1を調製した。
【実施例】
【0259】
<液晶フィルム16-1の作製>
剥離操作に備えて、市販のスライドガラス基板に離型フィルム(パナック(株)製、型番;SPPET50O1BU)を貼り付けた。これにより、離型フィルムガラス基板を得た。なお、離型フィルムガラス基板は計2枚作製した。
【実施例】
【0260】
室温(25℃)で2枚の離型フィルムガラス基板の間に500μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)スペーサーとともに液晶材料16-1を挟んだ。
さらに、半日静置することで液晶分子が均質に配向し、かつ、厚さ500μmの液晶材料16-1を備えた液晶セルを得た。
【実施例】
【0261】
上記で作製した液晶セルを、水銀キセノンランプを光源とし、光学フィルター(UV-35/UV-D36A)を介して365nm付近の紫外線を照射した。
10mW程度の365nmの紫外線を、30分間、室温(25℃)で液晶セルに照射し、液晶セルの隙間にピンセットを差し込み、ゆっくりと引き上げて膜を剥離し、液晶フィルム16-1を得た。
【実施例】
【0262】
[評価]
実施例1の評価-圧縮時における波長のシフト変化-において、圧縮した液晶フィルム1を液晶フィルム16-1に変更し、厚み方向へ10μmずつ圧縮したこと、及び、10μm毎に透過スペクトルを測定した以外は、実施例1と同様にして液晶フィルム16-1の圧縮時における波長のシフト変化を測定した。その結果を図25に示す。
圧縮後、液晶フィルム16-1をもとの膜厚まで戻し、透過スペクトルの測定を適宜行った。その結果を図26に示す。
【実施例】
【0263】
<液晶材料16-2及び16-3の作製>
実施例16の液晶材料16-1の作製において、AA及びHPC誘導体1-3の全質量に対するHPC誘導体1-3の含有量が86質量%又は88質量%になるように、量り取ったHPC誘導体1-3にAAを滴下した以外は、実施例16と同様にして液晶材料16-2及び16-3を調製した。
【実施例】
【0264】
<液晶セル及び液晶フィルム16-2、16-3の作製>
液晶材料16-1を液晶材料16-2又は16-3に変更した以外は前述と同様にして液晶セル、及び液晶フィルム16-2、16-3を作製し、評価を行った。得られた結果を図27~図30に示す。
【実施例】
【0265】
(実施例17)
実施例16の液晶材料16-1の作製において、AAを4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)(東京化成工業(株)製、製品番号;A1390、ガラス転移温度(Tg);-32℃)に変更し、HPC誘導体1-3の全質量に対するHPC誘導体1-3の含有量が84.0質量%になるように、量り取ったHPC誘導体1-3に4HBAを滴下した以外は、実施例16と同様にして液晶材料17を調製した。また、調製した液晶材料17を用い、実施例16と同様にして液晶セル及び液晶フィルム17を作製し、評価を行った。
【実施例】
【0266】
液晶フィルム16-1、16-2及び16-3(HPC-AcC/PrE_AA)並びに液晶フィルム17(HPC-AcC/PrE_4HBA)を圧縮後、もとの膜厚まで解放した際の規格化した反射波長の経時変化を図31に示す。
図31に示す通り、HPC-AcC/PrE_AAにより作製した液晶フィルムは、HPC-AcC/PrE_4HBAにより作製した液晶フィルムに比べて、圧縮、解放後における反射波長の復元が遅いということが分かった。
【実施例】
【0267】
また、液晶フィルム16-3の一部に歪み0.60で円状に圧縮すると、赤色から緑色に変化し、24時間後でも緑色の部分を確認することにより、その圧縮した部分を確認することができた。
【実施例】
【0268】
(実施例18)
[HPC誘導体1-4の合成]
実施例1において、不飽和二重結合を有する基への置換度(すなわち、アクリロイルエチルカルバメート化度)が0.12、疎水性基への置換度(すなわち、プロピオニルエステル化度)が2.80になるように調製した以外は実施例1と同様にしてHPC誘導体1-4(HPC-AcC/PrE(AcC:PrE=0.12:2.80))を合成した。
【実施例】
【0269】
<液晶材料18の作製>
実施例1の液晶材料1の作製において、マイクロチューブに量り取るHPC誘導体1をHPC誘導体1-4に変更し、4HBAをアクリル酸(AA)(東京化成工業(株)製、製品番号;A0141)に変更し、かつ、光重合開始剤である2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン(HMPP)をさらに用い、HPC誘導体1-4、AA及びHMPPを質量比で86:13:1となるように混合した以外は、実施例1と同様にして液晶材料18を調製した。
【実施例】
【0270】
<液晶フィルム18の作製>
実施例16の液晶フィルム16-1の作製において、液晶材料16-1を液晶材料18に変更し、紫外線を2分間照射した以外は、実施例16と同様にして液晶フィルム18を得た。なお、液晶フィルム18の膜厚は570μmであった。
【実施例】
【0271】
液晶フィルム18を歪みε=0.25まで厚み方向に圧縮した際の透過スペクトル、及び歪み解放後の透過スペクトルを測定した。結果を図32に示す。図32では、上段のグラフが歪みε=0.25までの圧縮過程における透過スペクトルの変化を表しており、下段のグラフが歪み解放後の透過スペクトルの経時変化を表している。
【実施例】
【0272】
(実施例19)
実施例18の液晶材料18の作製において、AAを4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)(東京化成工業(株)製、製品番号;A1390、ガラス転移温度(Tg);-32℃)に変更し、かつ、HPC誘導体1-4、4HBA及びHMPPを質量比で83:16:1となるように混合した以外は、実施例18と同様にして液晶材料19を調製した。そして、実施例18と同様にして液晶フィルム19を作製した。なお、液晶フィルム19の膜厚は410μmであった。
【実施例】
【0273】
液晶フィルム18及び液晶フィルム19について、歪みε=0.25まで圧縮した後に解放した際の規格化した反射波長の経時変化を図33に示す。さらに、液晶フィルム18について、圧縮及び解放の速度を0.5mm/分として圧縮試験を行い、S-Sカーブ(応力-歪み曲線)を測定した結果を図34に示す。圧縮過程における液晶フィルム18の弾性率は33.9MPaであった。これらの結果から、AAを用いて作製した液晶フィルムは、圧縮及び解放後の反射波長の戻りが4HBAを用いて作製した液晶フィルムよりも遅いことが分かった。
【実施例】
【0274】
(実施例20)
<液晶材料20の作製>
実施例18の液晶材料18の作製において、AAを1,4-ビス(アクリロイルオキシ)ブタン(BAOB)(東京化成工業(株)製、製品番号;B5356)に変更し、かつ、HPC誘導体1-4、BAOB及びHMPPを質量比で83:16:1となるように混合した以外は、実施例18と同様にして液晶材料20を調製した。
【実施例】
【0275】
<液晶フィルム20の作製>
実施例16の液晶フィルム16-1の作製において、液晶材料16-1を液晶材料20に変更し、紫外線を2分間照射した以外は、実施例16と同様にして液晶フィルム20を得た。なお、液晶フィルム20の膜厚は540μmであった。
【実施例】
【0276】
液晶フィルム20について、歪みε=0.25までの圧縮過程及び解放過程の透過スペクトルを測定した。結果を図35に示す。図35では、上段のグラフが歪みε=0.25までの圧縮過程における透過スペクトルの変化を表しており、下段のグラフが解放過程における透過スペクトルの変化を表している。さらに、液晶フィルム20について、圧縮及び解放の速度を0.5mm/分として圧縮試験を行い、S-Sカーブを測定した結果を図36に示す。圧縮過程における液晶フィルム20の弾性率は42.2MPaであった。図35及び図36から求めた、液晶フィルム20の規格化した反射波長の圧力応答性の結果を図37に示す。
これらの結果よりBAOBを用いて作製した液晶フィルムは8.0MPa程度の圧力で反射波長が2割ほど短波長シフトすることが分かった。
【実施例】
【0277】
また、液晶フィルム20について、歪みε=0.25までの圧縮過程及び歪み解放後の透過スペクトルを図38に示す。図38では、上段のグラフが歪みε=0.25までの圧縮過程における透過スペクトルの変化を表しており、下段のグラフが解放直後、解放から1分後及び解放から60分後の透過スペクトルの経時変化を表している。図38に示すように、液晶フィルム20では、解放後おおよそ60分間静置することで圧縮前のブラッグ反射波長に戻ることを確認した。
【実施例】
【0278】
液晶フィルム18~液晶フィルム20について、歪みε=0.25まで圧縮した後に解放した際の規格化した反射波長の経時変化を図39に示す。その結果、液晶フィルム19(HPC-AcC/PrE(AcC:PrE=0.12:2.80)_4HBA)は解放後瞬時に圧縮前のブラッグ反射波長に戻るが、液晶フィルム20(HPC-AcC/PrE(AcC:PrE=0.12:2.80)_BAOB)では解放後おおよそ60分間静置することで、圧縮前のブラッグ反射波長に戻った。一方、液晶フィルム18(HPC-AcC/PrE(AcC:PrE=0.12:2.80)_AA)では、解放後60分間静置しても規格化した反射波長が0.75から0.9程度までしか戻らず、BAOBを用いて作製した液晶フィルムよりも、解放後のブラッグ反射波長の復元速度が遅いことが分かった。
【実施例】
【0279】
(実施例21)
<液晶材料21の作製>
実施例18の液晶材料18の作製において、AAを4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)(東京化成工業(株)製、製品番号;A1390、ガラス転移温度(Tg);-32℃)に変更し、かつ、HPC誘導体1-4、4HBA及びHMPPを質量比で83:16:1となるように混合した以外は、実施例18と同様にして液晶材料21を調製した。
【実施例】
【0280】
<液晶フィルム21の作製>
液晶材料21を2枚のガラス基板の間に挟み込み静置した後、365nmの紫外線を約2分間照射することで液晶フィルム21を作製した。作製した液晶フィルムをガラス基板から剥離した。液晶フィルムの膜厚は410μmであった。
【実施例】
【0281】
この液晶フィルム21について、歪みε=0.25までの圧縮過程及び歪み解放過程の透過スペクトルをそれぞれ測定した。結果を図40に示す。図40では、上段のグラフが歪みε=0.25までの圧縮過程における透過スペクトルの変化を表しており、下段のグラフが解放過程の透過スペクトルの変化を表している。
【実施例】
【0282】
さらに、液晶フィルム21について、圧縮及び解放の速度を0.5mm/分として圧縮試験を行い、S-Sカーブを測定した結果を図41に示す。圧縮過程における液晶フィルム21の弾性率は27.4Paであった。図40及び図41から求めた、液晶フィルム21の規格化した反射波長の圧力応答性の結果を図42に示す。
これらの結果より4HBAを用いて作製した液晶フィルム21は6.0MPa程度の圧力で反射波長が2割ほど短波長シフトすることが分かった。
【実施例】
【0283】
(実施例22)
[HPC誘導体4の合成]
下記スキームに従って、HPC誘導体4を合成した。
まず、ヘキサメチレンジイソシアネートに4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)を加えて、室温下、遮光中にてヘキサメチレンジイソシアネートの片末端のイソシアネート基が4HBAの水酸基とカルバメート化したDi4Hを合成した。その後、このDi4Hをヒドロキシプロピルセルロース(HPC)に加え、45℃にて20時間反応させた後、引き続き塩化プロピオニルを加え、室温下にて24時間反応させてHPC誘導体4(以下、「HPC-Di4HC/PrE」とも称する。)を得た。
【実施例】
【0284】
帰属したピークをもとに、HPC側鎖(水酸基中の水素原子)において、不飽和二重結合を有する基(すなわち、下記スキーム中に示されているDi4HC基)への置換度及び疎水性基(すなわち、プロピオニル基)への置換度を算出した。
HPC誘導体4は、不飽和二重結合を有する基への置換度は0.02であり、疎水性基への置換度は2.7(HPC-Di4HC/PrE(Di4HC:PrE=0.02:2.7)であった。
【実施例】
【0285】
【化29】
JP2019151360A1_000034t.gif
【実施例】
【0286】
<液晶材料22の作製>
実施例18の液晶材料18の作製において、HPC誘導体1-4をHPC誘導体4に変更し、かつ、AAを4HBAに変更し、かつ、HPC誘導体1-4、4HBA及びHMPPを質量比で87:12:1となるように混合した以外は、実施例18と同様にして液晶材料22を調製した。
【実施例】
【0287】
<液晶フィルム22の作製>
実施例16の液晶フィルム16-1の作製において、液晶材料16-1を液晶材料22に、PTFEスペーサーの厚みを400μmに変更し、紫外線を60分間照射した以外は、実施例16と同様にして液晶フィルム22を作製した。
【実施例】
【0288】
(実施例23)
[HPC誘導体1-5の合成]
実施例1において、不飽和二重結合を有する基への置換度(すなわち、アクリロイルエチルカルバメート化度)が0.06、疎水性基への置換度(すなわち、プロピオニルエステル化度)が2.90になるように調製した以外は実施例1と同様にしてHPC誘導体1-5(HPC-AcC/PrE(AcC:PrE=0.06:2.90))を合成した。
【実施例】
【0289】
<液晶材料23の作製>
実施例18の液晶材料18の作製において、マイクロチューブに量り取るHPC誘導体1-4をHPC誘導体1-5に変更し、HPC誘導体1-5、4HBA及びHMPPを質量比で87:12:1となるように混合した以外は、実施例18と同様にして液晶材料23を調製した。
【実施例】
【0290】
<液晶フィルム23の作製>
実施例16の液晶フィルム16-1の作製において、液晶材料16-1を液晶材料23に、PTFEスペーサーの厚みを400μmに変更し、紫外線を60分間照射した以外は、実施例16と同様にして液晶フィルム23を作製した。液晶フィルム23の膜厚は460μmであった。
【実施例】
【0291】
(比較例2)
上記で合成したHPC誘導体1-5を、4HBAと混合せずに、HMPPと質量比で99:1となるようなサーモトロピック液晶材料とした。実施例16の液晶フィルム16-1の作製において、液晶材料16-1を上記のサーモトロピック液晶材料に、PTFEスペーサーの厚みを400μmに変更し、紫外線を60分間照射した以外は、実施例16と同様にして比較例2の液晶フィルムを作製した。
【実施例】
【0292】
液晶フィルム22、液晶フィルム23及び比較例2の液晶フィルムについて、引張速度を10mm/分として引張試験を行い、S-Sカーブを測定した結果を図43に示す。次に、液晶フィルム22について、繰り返し引張試験を行い、S-Sカーブを測定した結果を図44に示す。また、液晶フィルム22について、引張過程における透過スペクトルを測定した。結果を図45に示す。
【実施例】
【0293】
液晶フィルム22について、歪みε=0.25までの圧縮過程及び解放過程の透過スペクトルをそれぞれ測定した。結果を図46に示す。図46では、上段のグラフが歪みε=0.25までの圧縮過程における透過スペクトルの変化を表しており、下段のグラフが解放過程の透過スペクトルの変化を表している。
【実施例】
【0294】
さらに、液晶フィルム22について、圧縮及び解放の速度を0.5mm/分として圧縮試験を行い、S-Sカーブを測定した結果を図47に示す。圧縮過程における液晶フィルム22の弾性率は6.07Paであった。図46及び図47から求めた、液晶フィルム22の規格化した反射波長の圧力応答性の結果を図48に示す。
【実施例】
【0295】
さらに、実施例22、実施例23及び比較例2の液晶フィルムについて、引張試験における各種液晶フィルムの特性を表4に示す。なお、破断歪み測定では、歪み0%~1%で弾性率を算出し、繰り返し引張耐性では、歪み0%~1%で弾性率を正確に算出できなかったため、歪み0%~15%で弾性率を算出した。
【実施例】
【0296】
【表4】
JP2019151360A1_000035t.gif
【実施例】
【0297】
図43及び図44並びに表4の結果から、液晶フィルム22は、歪みε=0.15の繰り返し引張を100回行った場合であっても、液晶フィルム22は破断しなかった。また、液晶フィルム22は、比較例2の液晶フィルム及び液晶フィルム23と比較して柔らかく、かつ破断歪みが大きいため、延伸特性に優れていた。
また、図48の結果から、液晶フィルム22は、1.0MPa未満の低い圧力で反射波長が短波長シフトしていることが分かった。
【実施例】
【0298】
(実施例24)
<液晶材料24の作製>
実施例18の液晶材料18の作製において、AAをブチルアクリレート(BA)(東京化成工業(株)製、A0142、ガラス転移温度(Tg);-40℃)に変更し、かつ、HPC誘導体1-4、BA及びHMPPを質量比で83:16:1となるように混合した以外は、実施例18と同様にして液晶材料24を調製した。
【実施例】
【0299】
<液晶フィルム24の作製>
実施例16の液晶フィルム16-1の作製において、液晶材料16-1を液晶材料24に変更し、紫外線を2分間照射した以外は、実施例16と同様にして液晶フィルム24を得た。作製した液晶フィルム24をガラス基板から剥離した。液晶フィルムの膜厚は580μmであった。
【実施例】
【0300】
実施例24の液晶フィルム24について、歪みε=0.25までの圧縮過程及び解放過程の透過スペクトルをそれぞれ測定した。結果を図49に示す。図49では、上段のグラフが歪みε=0.25までの圧縮過程における透過スペクトルの変化を表しており、下段のグラフが解放過程の透過スペクトルの変化を表している。さらに、液晶フィルム24について、圧縮及び解放の速度を0.5mm/分として圧縮試験を行い、S-Sカーブを測定した結果を図50に示す。圧縮過程における液晶フィルム24の弾性率は6.8MPaであった。図49及び図50から求めた、液晶フィルム24の規格化した反射波長の圧力応答性の結果を図51に示す。
これらの結果よりBAを用いて作製した液晶フィルムは2.4MPa程度の圧力で反射波長が2割ほど短波長シフトすることが分かった。
【実施例】
【0301】
BAOBを用いた実施例20、4HBAを用いた実施例21及びBAを用いた実施例24にてそれぞれ作製した液晶フィルムについて、圧縮及び解放の速度を0.5mm/分として圧縮試験を行い、S-Sカーブを測定した結果を図52にまとめた。なお、図52中のACRYはアクリレート溶媒を意味している。また、前述したように圧縮過程にて、実施例20の液晶フィルム20の弾性率は42.2MPaであり、実施例21の液晶フィルム21の弾性率は27.4MPaであり、実施例24の液晶フィルム24の弾性率は6.8MPaであった。また、実施例20、実施例21及び実施例24の液晶フィルムの規格化した反射波長の圧力応答性の結果を図53にまとめた。
これらの結果より作製した液晶フィルムは、HPC誘導体に添加するアクリレート溶媒を選択することで、検知できる圧力の範囲を調整することが可能であると分かった。
【実施例】
【0302】
(実施例25)
<液晶材料25の作製>
実施例18の液晶材料18の作製において、HPC誘導体1-4をHPC誘導体1-3に変更し、かつ、AAを4HBAに変更し、かつ、HPC誘導体1-3、4HBA及びHMPPを質量比で79.8:19:1.2となるように混合した以外は、実施例18と同様にして液晶材料25を調製した。
【実施例】
【0303】
<液晶フィルム25の作製>
実施例16の液晶フィルム16-1の作製において、液晶材料16-1を液晶材料25に変更し、紫外線を2分間照射した以外は、実施例16と同様にして液晶フィルム25を得た。
【実施例】
【0304】
実施例25の液晶フィルム25について、歪みε=0.2までの圧縮及び歪み解放を繰り返したときの各サイクルにおける透過スペクトルをそれぞれ測定した。結果を図54に示す。更に、液晶フィルム25について、歪みε=0.2までの圧縮及び歪み解放を繰り返したときの波長変化を測定した。結果を図55に示す。図55に示すように、歪みε=0.2までの圧縮を100回繰り返した場合であっても、圧縮前のブラッグ反射波長と圧縮を100回繰り返した後のブラッグ反射波長の値がほとんど変わらず、圧縮によるブラッグ反射波長の劣化は見られなかった。
【実施例】
【0305】
実施例25の液晶フィルム25について、25℃で透過スペクトルの変化を測定した後、180℃に加熱して放冷後、25℃で透過スペクトルの変化を測定することにより、耐熱性を評価した。結果を図56に示す。図56に示すように、加熱前後で類似した反射ピークを示し、液晶フィルム25の加熱による顕著な劣化は見られなかった。
【実施例】
【0306】
実施例25の液晶フィルム25について、歪みε=0.33までの圧縮過程の透過スペクトルを測定した。結果を図57に示す。更に、実施例25の液晶フィルム25について、圧縮及び解放の速度を0.5mm/分として圧縮試験を行い、S-Sカーブを測定した。結果を図58に示す。図58に示すように、液晶フィルム25は、歪みε=0.33の繰り返し圧縮を100回行った場合であっても、液晶フィルム25は損壊せず、また、液晶フィルム25のゴム弾性に顕著な劣化は見られなかった。
【実施例】
【0307】
本発明の液晶材料及び液晶フィルムは、液晶表示素子の表示材料に使用し得るだけでなく、液晶性を利用した歪みセンサー、ウェアラブルセンサー等の各種センサー、光学素子などのフォトニックデバイスにも利用することができる。このため、液晶表示素子の表示材料及びフォトニックデバイスに用いられる部品の製造、並びに、これらの販売に貢献するものである。
【実施例】
【0308】
2018年1月30日に出願された日本国特許出願2018-014066の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
3
(In Japanese)【図5】
4
(In Japanese)【図6】
5
(In Japanese)【図7】
6
(In Japanese)【図8】
7
(In Japanese)【図9】
8
(In Japanese)【図10】
9
(In Japanese)【図11】
10
(In Japanese)【図12】
11
(In Japanese)【図13】
12
(In Japanese)【図14】
13
(In Japanese)【図15】
14
(In Japanese)【図16】
15
(In Japanese)【図17】
16
(In Japanese)【図18】
17
(In Japanese)【図19】
18
(In Japanese)【図20】
19
(In Japanese)【図21】
20
(In Japanese)【図22】
21
(In Japanese)【図23】
22
(In Japanese)【図24】
23
(In Japanese)【図25】
24
(In Japanese)【図26】
25
(In Japanese)【図27】
26
(In Japanese)【図28】
27
(In Japanese)【図29】
28
(In Japanese)【図30】
29
(In Japanese)【図31】
30
(In Japanese)【図32】
31
(In Japanese)【図33】
32
(In Japanese)【図34】
33
(In Japanese)【図35】
34
(In Japanese)【図36】
35
(In Japanese)【図37】
36
(In Japanese)【図38】
37
(In Japanese)【図39】
38
(In Japanese)【図40】
39
(In Japanese)【図41】
40
(In Japanese)【図42】
41
(In Japanese)【図43】
42
(In Japanese)【図44】
43
(In Japanese)【図45】
44
(In Japanese)【図46】
45
(In Japanese)【図47】
46
(In Japanese)【図48】
47
(In Japanese)【図49】
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(In Japanese)【図50】
49
(In Japanese)【図51】
50
(In Japanese)【図52】
51
(In Japanese)【図53】
52
(In Japanese)【図54】
53
(In Japanese)【図55】
54
(In Japanese)【図56】
55
(In Japanese)【図57】
56
(In Japanese)【図58】
57