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明細書 :希土類錯体、発光材料、発光体、発光デバイス、合わせガラス用中間膜、合わせガラス、車両用フロントガラス、波長変換材料及びセキュリティ材料

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 令和3年8月19日(2021.8.19)
発明の名称または考案の名称 希土類錯体、発光材料、発光体、発光デバイス、合わせガラス用中間膜、合わせガラス、車両用フロントガラス、波長変換材料及びセキュリティ材料
国際特許分類 C07F   5/00        (2006.01)
C07F   9/53        (2006.01)
C07F  19/00        (2006.01)
C07C  49/92        (2006.01)
C09K   9/02        (2006.01)
C09K  11/06        (2006.01)
G02B   5/20        (2006.01)
FI C07F 5/00 CSPD
C07F 9/53
C07F 19/00
C07C 49/92
C09K 9/02 C
C09K 11/06 660
G02B 5/20
国際予備審査の請求
全頁数 27
出願番号 特願2020-530150 (P2020-530150)
国際出願番号 PCT/JP2019/026751
国際公開番号 WO2020/013087
国際出願日 令和元年7月4日(2019.7.4)
国際公開日 令和2年1月16日(2020.1.16)
優先権出願番号 2018130925
優先日 平成30年7月10日(2018.7.10)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DJ , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JO , JP , KE , KG , KH , KN , KP , KR , KW , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT
発明者または考案者 【氏名】北川 裕一
【氏名】熊谷 まりな
【氏名】長谷川 靖哉
【氏名】中西 貴之
【氏名】伏見 公志
出願人 【識別番号】504173471
【氏名又は名称】国立大学法人北海道大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100088155、【弁理士】、【氏名又は名称】長谷川 芳樹
【識別番号】100124800、【弁理士】、【氏名又は名称】諏澤 勇司
【識別番号】100140578、【弁理士】、【氏名又は名称】沖田 英樹
審査請求 未請求
テーマコード 2H148
4H006
4H048
4H050
Fターム 2H148AA01
2H148AA05
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB92
4H048AA01
4H048AA03
4H048AB92
4H048VB10
4H050AA01
4H050AA03
4H050AB92
要約 希土類イオンと、該希土類イオンに配位結合し縮合多環芳香族基を有する配位子と、を備える希土類錯体が開示される。縮合多環芳香族基が、下記式(I)で表される縮合多環芳香族化合物から、縮合芳香環に結合する水素原子を除いた残基である。
【化1】
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式(I)中、R及びRは、水素原子、又は、互いに結合して1個の芳香環、若しくは2個以上の芳香環を含む縮合芳香環を形成している基を示す。
特許請求の範囲 【請求項1】
希土類イオンと、該希土類イオンに配位結合し縮合多環芳香族基を有する配位子と、を備え、
前記縮合多環芳香族基が、下記式(I)で表される縮合多環芳香族化合物から、縮合芳香環に結合する水素原子を除いた残基である、希土類錯体。
【化1】
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[式(I)中、R及びRは、水素原子、又は、互いに結合して1個の芳香環、若しくは2個以上の芳香環を含む縮合芳香環を形成している基を示し、式(I)で表される縮合多環芳香族化合物の縮合芳香環が置換基を有していてもよい。]
【請求項2】
前記縮合多環芳香族基を有する配位子が、下記式(10)で表されるホスフィンオキシド配位子、又は下記式(20)で表されるジケトン配位子のうち少なくともいずれか一方である、請求項1に記載の希土類錯体。
【化2】
JP2020013087A1_000025t.gif
[式(10)中、Zは前記縮合多環芳香族基を示し、R11及びR12はそれぞれ独立に前記縮合多環芳香族基とは異なるアリール基を示し、
式(20)中、Zは前記縮合多環芳香族基を示し、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、前記縮合多環芳香族基とは異なるアリール基、又はヘテロアリール基を示す。]
【請求項3】
前記縮合多環芳香族基を有する配位子が、前記式(10)で表されるホスフィンオキシド配位子であり、
当該希土類錯体が、前記希土類イオンに配位結合し下記式(21)で表されるジケトン配位子を更に備える、請求項2に記載の希土類錯体。
【化3】
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[式(21)中、R23、R24及びR25はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、前記縮合多環芳香族基とは異なるアリール基、又はヘテロアリール基を示す。]
【請求項4】
前記縮合多環芳香族基を有する配位子が、前記式(20)で表されるジケトン配位子であり、
当該希土類錯体が、前記希土類イオンに配位結合し下記式(11)で表されるホスフィンオキシド配位子を更に備える、請求項2に記載の希土類錯体。
【化4】
JP2020013087A1_000027t.gif
[式(11)中、R13、R14及びR15はそれぞれ独立に前記縮合多環芳香族基とは異なるアリール基を示す。]
【請求項5】
当該希土類錯体が2個以上の前記希土類イオンを備え、
前記縮合多環芳香族基を有する配位子が、下記式(30)で表される二座のホスフィンオキシド配位子であり、該ホスフィンオキシド配位子が2個の前記希土類イオンに配位結合している、請求項1に記載の希土類錯体。
【化5】
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[式(30)中、Zは前記縮合多環芳香族基を示し、R11及びR12はそれぞれ独立に前記縮合多環芳香族基とは異なるアリール基を示す。]
【請求項6】
当該希土類錯体が、前記式(30)で表される二座のホスフィンオキシド配位子及び前記希土類イオンが交互に連結されることにより繰り返し構造を形成している、請求項5に記載の希土類錯体。
【請求項7】
当該希土類錯体が、前記希土類イオンに配位結合し下記式(21)で表されるジケトン配位子を更に備える、請求項5又は6に記載の希土類錯体。
【化6】
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[式(21)中、R23、R24及びR25はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、前記縮合多環芳香族基とは異なるアリール基、又はヘテロアリール基を示す。]
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の希土類錯体を含有する、発光材料。
【請求項9】
請求項8に記載の発光材料を含む、発光体。
【請求項10】
請求項9に記載の発光体を備える、発光デバイス。
【請求項11】
請求項1~7のいずれか一項に記載の希土類錯体を含む発光層を有する、合わせガラス用中間膜。
【請求項12】
対向する2枚のガラス板と、
それらの間に配置された請求項11に記載の合わせガラス用中間膜と、
を備える、合わせガラス。
【請求項13】
請求項12に記載の合わせガラスを有する、車両用フロントガラス。
【請求項14】
請求項1~7のいずれか一項に記載の希土類錯体を含む、波長変換材料。
【請求項15】
請求項1~7のいずれか一項に記載の希土類錯体を含む、セキュリティ材料。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、希土類錯体、発光材料、発光体、発光デバイス、合わせガラス用中間膜、合わせガラス、車両用フロントガラス、波長変換材料及びセキュリティ材料に関する。
【背景技術】
【0002】
赤色発光を示す希土類錯体として、例えば、ヘキサフルオロアセチルアセトナト(hfa)誘導体及びホスフィンオキシド化合物を配位子として有するユーロピウム錯体が報告されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2016-166139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発光材料としての応用のために、希土類錯体は出来るだけ大きな発光強度で発光することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面は、希土類イオンと、該希土類イオンと配位結合し縮合多環芳香族基を有する配位子とを備える、希土類錯体に関する。前記縮合多環芳香族基が、下記式(I)で表される縮合多環芳香族化合物から、該縮合多環芳香族化合物の縮合芳香環に結合する水素原子を除いた残基である。
【化1】
JP2020013087A1_000003t.gif

【0006】
式(I)中、R及びRは、水素原子、又は、互いに結合して1個の芳香環、若しくは2個以上の芳香環を含む縮合芳香環を形成している基を示す。式(I)で表される縮合多環芳香族化合物の縮合芳香環が置換基を有していてもよい。
【0007】
式(I)のように、縮合多環芳香族基を有する配位子を有する希土類錯体は、大きな発光強度で発光する。これは、複数の芳香環がジグザグに連結した構造を有する縮合多環芳香族基が、可視紫外光に対して非常に大きなモル吸光係数を示すとともに、Eu(III)に効率的にエネルギー移動を生じさせるためであると考えられる。
【0008】
本発明の別の一側面は、上記希土類錯体を含有する発光材料及びこれを含む発光体、並びに波長変換材料及びセキュリティ材料を提供する。発光体は、例えば発光デバイスの光源として利用することができる。本発明の更に別の一側面は、上記希土類錯体を含む発光層を有する合わせガラス用中間膜、及び該中間膜を備える合わせガラスに関する。この合わせガラスは、例えば発光機能を有する車両用フロントガラスとして用いることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一側面に係る希土類錯体は、大きな発光強度で発光することができる。本発明の一側面に係る希土類錯体は、例えば、赤色光を発光する発光体を構成する発光材料として用いることができる。本発明の一側面に係る希土類錯体は、高い耐熱性も有する。
【0010】
加えて、本発明の一側面に係る希土類錯体は、温度に依存して発光特性を大きく変化させる特性を示す。そのため、希土類錯体を温度検知材料として応用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】Eu(hfa)3(DPCO)2及びEu(hfa)3(TPPO)2の紫外可視光吸収スペクトルである。
【図2】Eu(hfa)3(DPCO)2の励起発光スペクトルである。
【図3】Eu2(hfa)6(DPCO)2及びEu(hfa)3(TPPO)2の熱重量・示差熱分析の結果を示すグラフである。
【図4】Eu2(hfa)6(DPCO)2の発光寿命と温度との関係を示すグラフである。
【図5】Eu(hfa)3(PIPO)2の励起発光スペクトルである。
【図6】[Eu(hfa)3(6,12-DPCO)]nの励起発光スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。

【0013】
一実施形態に係る希土類錯体は、希土類イオンと、該希土類イオンに配位結合している複数の配位子とを有する。

【0014】
希土類イオンは、例えば、ユーロピウム(Eu)、ネオジム(Nd)、イッテルビウム(Yb)、及びガドリニウム(Gd)から選ばれる希土類元素のイオンである。例えば、ユーロピウムは3価の陽イオン(Eu3+)として錯体を形成する。

【0015】
希土類錯体に含まれる複数の配位子のうち少なくとも一部は、縮合多環芳香族基を有する。この縮合多環芳香族基は、下記式(I)で表される縮合多環芳香族化合物から誘導される基である。言い換えると、縮合多環芳香族基は、式(I)で表される縮合多環芳香族化合物の縮合芳香環に結合する水素原子を除いた残基であることができる。
【化2】
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【0016】
式(I)中、R及びRは、水素原子、又は、互いに結合して1個の芳香環、若しくは2個以上の芳香環を含む縮合芳香環を形成している基を示す。R及びRが互いに結合して、R及びRが結合する6員環と縮合する1個の6員環を形成していてもよいし、R及びRが互いに結合して、2個以上の6員環から構成される縮合芳香環を形成していてもよい。式(1)の縮合多環芳香族化合物が有する6員環の総数は、4~6個であってもよい。式(I)の縮合多環芳香族化合物から誘導される縮合多環芳香族基は、縮合芳香環から1個又は2個の水素原子を除くことにより形成される、1価又は2価の基であってもよい。水素原子が除かれ得る縮合芳香環は、R及びRによって形成された縮合環も含む。

【0017】
式(I)で表される縮合多環芳香族化合物の縮合芳香環が置換基を有していてもよい。縮合芳香環に結合する置換基は、例えば、メチル基等のアルキル基、又はフッ素原子等のハロゲン原子であってもよい。縮合芳香環に結合する水素原子のうち一部又は全部が、重水素原子であってもよい。

【0018】
式(I)で表される縮合多環芳香族化合物は、例えば、下記式(I-1)、(I-2)又は(I-3)で表される化合物であってもよい。これら化合物の縮合芳香環が置換基を有していてもよい。
【化3】
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【0019】
これら化合物から水素原子を除くことにより誘導される縮合多環芳香族基は、例えば、下記式(I-1a)、(I-2a)又は(I-2b)で表される1価の基であってもよいし、式(I-1b)で表される2価の基であってもよい。
【化4】
JP2020013087A1_000006t.gif
【化5】
JP2020013087A1_000007t.gif

【0020】
縮合多環芳香族基を有する配位子は、例えば、下記式(10)で表されるホスフィンオキシド配位子、又は下記式(20)で表されるジケトン配位子のうち少なくともいずれか一方であってもよい。
【化6】
JP2020013087A1_000008t.gif

【0021】
式(10)中、Zは上述の式(I)の縮合多環芳香族化合物から誘導される縮合多環芳香族基を示し、R11及びR12はそれぞれ独立に前記縮合多環芳香族基とは異なるアリール基を示す。式(20)中、Zは上述の式(I)の縮合多環芳香族化合物から誘導される縮合多環芳香族基を示し、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、前記縮合多環芳香族基とは異なるアリール基、又はヘテロアリール基を示す。Zが、式(I-1a)、(I-2a)若しくは(I-2b)で表される1価の基、又は、式(I-1a)若しくは(I-2b)で表される1価の基であってもよい。

【0022】
11又はR12としてのアリール基は、芳香族化合物から1個の水素原子を除いた残基であることができる。アリール基の炭素原子数は、例えば6~14である。アリール基の具体例としては、置換若しくは無置換のベンゼン、置換若しくは無置換のナフタレン、置換若しくは無置換のアントラセン、又は置換若しくは無置換のフェナントレンから1個の水素原子を除いた残基が挙げられる。特に、R11及びR12が置換又は無置換のフェニル基であってもよい。

【0023】
21又はR22としてのアルキル基及びハロゲン化アルキル基の炭素数は、1~15、1~5、又は1~3であってもよい。ハロゲン化アルキル基は、トリフルオロメチル基等のフッ素化アルキル基であってもよい。R21又はR22としてのアリール基及びヘテロアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、及びチエニル基が挙げられる。R21はメチル基、トリフルオロメチル基、tert-ブチル基、又はフェニル基であってもよい。R22は水素原子であってもよい。R22としての水素原子は、重水素原子であってもよい。

【0024】
縮合多環芳香族基を有する配位子は、例えば下記式(30)で表される、二座のホスフィンオキシド配位子であってもよい。式(30)中のZ、R11及びR12は、式(10)中のZ、R11及びR12と同様に定義される。式(30)のホスフィンオキシド配位子は、通常、2個の希土類イオンに配位結合する。2個以上の希土類イオンが、式(30)のホスフィンオキシド配位子を介して連結されていてもよい。式(30)中のZが、上述の式(I-1b)で表される2価の基であってもよい。
【化7】
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【0025】
希土類錯体は、縮合多環芳香族基を有する配位子に加えて、その他の配位子を更に有してもよい。その他の配位子の例としては、下記式(11)で表されるホスフィンオキシド配位子、及び下記式(21)で表されるジケトン配位子が挙げられる。
【化8】
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【化9】
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【0026】
式(11)中、R13、R14及びR15はそれぞれ独立に、上述の式(I)の縮合多環芳香族化合物から誘導される縮合多環芳香族基とは異なるアリール基を示す。R13、R14又はR15としてのアリール基の例としては、式(10)のR11、R12と同様のものが挙げられる。R13、R14及びR15が置換又は無置換のフェニル基であってもよい。

【0027】
式(21)中、R23、R24及びR25はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、上述の式(I)の縮合多環芳香族化合物から誘導される縮合多環芳香族基とは異なるアリール基、又はヘテロアリール基を示す。R23、R24及びR25の例としては、式(20)中のR21、R22と同様のものが挙げられる。R23及びR25がそれぞれ独立にメチル基、トリフルオロメチル基、tert-ブチル基、又はフェニル基で、R24が水素原子であってもよい。R24としての水素原子は、重水素原子であってもよい。

【0028】
式(20)又は式(21)で表されるジケトン配位子を含む希土類錯体は、強発光等の観点でより一層優れた特性を有し得る。そのため、希土類錯体の配位子として、式(20)で表され縮合多環芳香族基を有するジケトン配位子と式(11)で表されるホスフィンオキシド配位子との組み合わせ、又は、式(21)で表されるジケトン配位子と式(10)で表され縮合多環芳香族基を有するホスフィンオキシド配位子との組み合わせを選択してもよい。例えば、希土類錯体が、下記式(C1)又は(C2)で表される錯体であってもよい。式(C1)及び(C2)中、Ln(III)は3価の希土類イオンを示す。

【0029】
【化10】
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【0030】
ジケトン配位子を有する希土類錯体は、式(30)で表される二座の配位子を有していてもよい。その例は、下記(C3)で表される錯体である。式(C3)中の各符号の定義は前記と同義である。式(C3)で表される錯体において、2個の希土類イオンLn(III)が2個の二座配位子によって連結されている。

【0031】
【化11】
JP2020013087A1_000013t.gif

【0032】
下記式(C4)で表される希土類錯体のように、式(30)で表される二座のホスフィンオキシド配位子及び希土類イオンが交互に連結されることにより繰り返し構造が形成されていてもよい。式(C4)中の各符号の定義は前記と同義であり、nは繰り返し数を表す2以上の整数である。
【化12】
JP2020013087A1_000014t.gif

【0033】
本実施形態に係る希土類錯体、及びこれを構成する配位子は、通常の方法によって合成することができる。縮合多環芳香族基を有する配位子を合成する方法の一例は、式(I)で表される縮合多環芳香族化合物をブロモ化することと、導入されたブロモ基をジアリールホスフィンで置換することと、ホスフィン基を酸化することとを含む。

【0034】
以上説明した実施形態に係る希土類錯体は、その蛍光特性を利用して、単独で、又は熱可塑性樹脂等のその他の材料と組み合わせて、高温でも効率的に発光する発光体及びこれを形成するための発光材料を構成することができる。発光体は、例えばLEDのような各種の発光デバイスにおいて光源として用いることができる。本実施形態に係る希土類錯体は、波長変換材料、又はセキュリティ材料としても有用である。セキュリティ材料は、例えば、プラスチック材料等の各種の材料に暗号情報を付与するために用いられる。

【0035】
さらに、本実施形態に係る希土類錯体を、合わせガラスに発光機能を付与するための発光材料として用いることもできる。一実施形態に係る合わせガラスは、対向する2枚のガラス板と、それら2枚のガラス板の間に配置された中間膜とを備え、中間膜が、本実施形態に係る希土類錯体を含む発光層を有することができる。この合わせガラスは、例えば、自己発光して文字等の情報を表示する車両用フロントガラスとしての応用が想定される。
【実施例】
【0036】
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0037】
(実施例1)
1.希土類錯体の合成
1-1.配位子前駆体:6-ブロモクリセン
【化13】
JP2020013087A1_000015t.gif
アルゴン雰囲気下で、クリセン(1.00 g, 4.38 mmol)、及びN-ブロモスクシンイミド(788 mg, 4.43 mmol)を脱水DMF(30 mL)に溶解させて反応溶液を調製し、これを60℃で20時間攪拌した。次いで、反応溶液を蒸留水(200 mL)と混合することにより、沈殿物を生成させた。生成した沈殿物を吸引ろ過により回収した。回収した沈殿物を、蒸留水、メタノール、及びヘキサンで洗浄してから、真空乾燥して、6-ブロモクリセンの粉末を得た(収率: 91%、収量:1.22 g(3.97mmol)。生成物を1H-NMRで同定した。
1H-NMR(400 MHz, CDCl3/TMS) δ/ppm = 9.07(s, 1H),8.80(d, 1H, J = 7.2 Hz), 8.71(dd, 2H, J = 9.6 Hz, 10 Hz), 8.45(d, 1H, J = 9.6Hz), 8.02(dd, 2H, J = 9.2 Hz, 6.0 Hz), 7.79-7.72(m, 3H), 7.68-7.65(m, 1H)
【実施例】
【0038】
1-2.配位子:6-(ジフェニルホスホリル)クリセン(DPCO)
【化14】
JP2020013087A1_000016t.gif
6-ブロモクリセン(1.22 g, 3.97 mmol)を脱水DMA(14 mL)に溶解させ、そこに酢酸カリウム(481 mg, 4.90 mmol)及び酢酸パラジウム(II)(8.8 mg, 3.91×10-2 mmol)を加えて、反応溶液を調製した。反応溶液にアルゴン雰囲気下でジフェニルホスフィン(0.70 mL, 4.03 mmol)を加えると、反応溶液は速やかに赤黒色に変化した。続いて反応溶液を60℃で24時間攪拌した。反応溶液を蒸留水(200 mL)と混合することにより、沈殿物を生成させた。生成した沈殿物を吸引ろ過により回収し、回収した沈殿物をジクロロメタン(30 mL×3)で抽出し、得られたジクロロメタン溶液を飽和食塩水で洗浄した。ジクロロメタン溶液からエバポレーターでジクロロメタンを留去し、残渣の固形物を、クロロホルム(30 mL)中で過酸化水素(約3mL)と混合した。得られた反応溶液を室温で3時間攪拌した。次いで、反応溶液をクロロホルム(30 mL×3)で抽出し、得られたクロロホルム溶液を飽和食塩水で洗浄した。クロロホルム溶液からエバポレーターでクロロホルムを留去し、固形の粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィ(展開溶媒:ジクロロメタン/酢酸エチル=8/2)で精製した。得られた生成物を更に、ジクロロメタンから再結晶させた。得られたDPCOの結晶を1H-NMR、ESI-Mass、及び元素分析に基づいて同定した(収率:40 %,収量:733 mg,1.56 mmol)。
1H-NMR(400 MHz, CDCl3/TMS) δ/ppm = 8.83 (d, 1H, J= 8.0 Hz), 8.73 (dd, 2H, J = 6.0 Hz, 3.2 Hz), 8.63 (d, 1H, J = 17 Hz), 8.11 (d,1H, J = 9.2 Hz), 8.05 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.98 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.79 (dd,4H, J = 6.8 Hz, 5.2 Hz), 7.71 (t, 1H, J = 8.0 Hz, 7.6 Hz), 7.65-7.50 (m, 9H)
ESI-MS: m/z calcd. for C30H22OP[M+H]+ = 429.14; found: 429.14
elemental analysis calcd. (%) for C30H21OP+0.5CH2Cl2,C 77.79, H 4.71; found: C 77.66, H 4.53
【実施例】
【0039】
1-3.希土類錯体:Eu(hfa)3(DPCO)2
【化15】
JP2020013087A1_000017t.gif
DPCO(180 mg, 0.419 mmol)及びEu(hfa)3(H2O)2(531 mg, 0.66 mmol)をジクロロメタン(15 mL)中で混合し、得られた反応溶液を室温で12時間攪拌した。反応溶液を吸引ろ過し、ろ液からエバポレーターで溶媒を留去して、粉末状の粗生成物を得た。これをジクロロメタンから再結晶させることにより、目的とするユーロピウム錯体Eu(hfa)3(DPCO)2の結晶を得た。得られた結晶をESI-Mass、元素分析、及びFT-IRで同定した(収率:36 %,収量:251 mg,0.15 mmol)。
ESI-MS: m/z calcd for C70H41EuF12O6P2[M-hfa]+ = 1421.15; found: 1421.16
elemental analysis calcd. (%) for C75H42EuF18O8P2+0.5CH2Cl2,C 53.32, H 2.59; found: C 53.52, H 2.52
IR (ATR) = 1653 (st, C=O), 1251 (st, C-F),1133 (st, P=O) cm-1
【実施例】
【0040】
1-4.希土類錯体:Eu(hfa)3(TPPO)2
比較のため、下記式で表されるユーロピウム錯体Eu(hfa)3(TPPO)2を準備した。
【化16】
JP2020013087A1_000018t.gif
【実施例】
【0041】
2.評価
2-1.紫外可視光吸収
Eu(hfa)3(DPCO)2及びEu(hfa)3(TPPO)2の紫外可視光吸収特性を、これらの重クロロホルム溶液を用いて測定した。図1は、Eu(hfa)3(DPCO)2及びEu(hfa)3(TPPO)2の紫外可視光吸収スペクトルである。Eu(hfa)3(DPCO)2は、最大約500000cm-1-1という、Eu(III)錯体としては極めて大きなモル吸光係数を示した。
【実施例】
【0042】
2-2.励起発光スペクトル
図2は、Eu(hfa)3(DPCO)2の励起発光スペクトルである。励起スペクトルは、Eu(hfa)3(DPCO)2のCDCl溶液を用い、蛍光波長λemを610nmとして測定された。発光スペクトルは、Eu(hfa)3(DPCO)2の粉体を用い、励起波長λexを380nmとして測定された。Eu(hfa)3(DPCO)2の365nmにおける一分子当たりの発光強度は、Eu(hfa)3(TPPO)2の既存のデータと比較して40倍以上であった。
【実施例】
【0043】
2-3.熱重量・示差熱分析(TG-DTA)
図3は、Eu2(hfa)6(DPCO)2及びEu(hfa)3(TPPO)2の熱重量・示差熱分析の結果を示すグラフである。Eu2(hfa)6(DPCO)2が300℃を超える高い分解温度を示すことが確認された。
【実施例】
【0044】
2-4.感温特性
図4は、Eu2(hfa)6(DPCO)2の発光寿命と温度との関係を示すグラフである。Eu2(hfa)6(DPCO)2の発光寿命は温度に依存して大きく変化することが確認された。したがって、本発明の一側面に係る希土類錯体は、強発光特性とともに、温度検知の機能も有する。
【実施例】
【0045】
(実施例2)
1.希土類錯体の合成
1-1.配位子前駆体:5-ブロモピセン
【化17】
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ピセン(1.00 g, 3.59 mmol)をクロロベンゼン(100 mL)に分散させた。そこにBr2(0.19 mL, 3.6 mmol)を滴下し、次いで反応液を60℃で33時間撹拌した。反応液を0℃に冷却した。析出した沈殿物を吸引ろ過により回収し、エタノールで洗浄して、5-ブロモピセンの粉体を得た。得られた粉体を1H-NMRで同定した(収率:75% (967.0 mg, 2.71 mmol))。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3/TMS) δ/ppm = 9.14 (s, 1H), 9.02-8.91 (m, 2H), 8.86 (t, 2H, J = 7.6 Hz, 8.4 Hz), 8.70 (d, 1H, J = 9.7 Hz), 8.47 (dd, 1H, J = 6.3 Hz, 2.1 Hz), 8.05 (dd, 2H, J = 4.4 Hz, 9.2 Hz), 7.82-7.44 (m, 3H), 7.68 (t, 1H, J = 8.0 Hz, 8.4 Hz)
【実施例】
【0046】
1-2.配位子:5-(ジフェニルホスホリル)ピセン(PIPO)
【化18】
JP2020013087A1_000020t.gif
アルゴン雰囲気下、5-ブロモピセン(966.5 mg, 2.71 mmol)、酢酸カリウム (333.4 mg, 3.40 mmol)、及び酢酸パラジウム(II)(7.0 mg, 0.03 mmol)を、100℃に加熱しながら脱水DMA(50 mL)に溶解させた。得られた溶液にジフェニルホスフィン(0.47 mL, 2.7 mmol)を加えると、溶液は速やかに赤黒色に変化した。100℃で24時間の撹拌の後、反応溶液を蒸留水(200 mL)と混合し、析出した粉体を吸引ろ過によって回収した。得られた粉体からジクロロメタン(30 mL×3)及び飽和食塩水を用いて生成物を抽出し、ジクロロメタン溶液からエバポレーターによって溶媒を留去した。固化した残渣をクロロホルム(50 mL)中で30%過酸化水素水溶液(約3 mL)と混合し、得られた混合液を3時間室温で撹拌した。混合液からクロロホルム(30 mL×3)及び飽和食塩水を用いて生成物を抽出し、クロロホルム溶液からエバポレーターによって溶媒を留去した。残渣の粗生成物から、シリカゲル(60N)クロマトグラフィ(展開溶媒:ジクロロメタン/酢酸エチル=8/2)によって生成物を分離した。得られた生成物をジクロロメタンと少量のヘキサンから再結晶させて、PIPOの結晶を得た。得られた結晶を1H-NMR、ESI-Mass、及び元素分析で同定した(収率:38%(650.8 mg, 1.36mmol))。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3/TMS) δ/ppm = 9.06 (d, 1H, J = 9.6 Hz), 8.96 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 8.90 (d, 1H, J = 8.4), 8.84 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 8.72 (t, 2H, J = 8.4 Hz, 9.2 Hz), 7.96 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.90 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 7.83 (dd, 2H, J = 6.8 Hz, 1.2 Hz), 7.69-7.62 (m, 3H), 7.59-7.52 (m, 5H)
ESI-MS: m/z calcd. for C34H24OP, [M+H]+ = 479.16; found: 479.16; elemental analysis calcd. (%) for C 85.34, H 4.84; found: C 84.67, H 4.70
【実施例】
【0047】
1-3.希土類錯体:Eu(hfa)3(PIPO)2
【化19】
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PIPO(336.4 mg, 0.703 mmol)及びEu(hfa)3(H2O)2(406.3 mg, 0.502 mmol)をジクロロメタン(10 mL)に溶解させた。反応溶液を12時間室温で撹拌した後、ろ過し、ろ液からエバポレーターで溶媒を留去した。残渣の粉末をジクロロメタン及び少量のヘキサンから-18℃で再結晶させて、Eu(hfa)3(PIPO)2の結晶を得た。得られた結晶をESI-Mass、元素分析、及びIRで同定した(収率:68% (409.4 mg, 0.237 mmol))。
ESI-MS: m/z calcd. for C78H48EuF12O6P2, [M-hfa]+ = 1523.19; found: 1523.18; elemental analysis calcd. (%) for C 57.62, H 2.85, found: C 56.99, H: 2.60; IR (ATR) = 1653 (st, C=O), 1252 (st, C-F), 1145 (st, P=O) cm-1
【実施例】
【0048】
2.励起発光スペクトル
図5は、Eu(hfa)3(PIPO)2の励起発光スペクトルである。励起スペクトルは、Eu(hfa)3(PIPO)2のCHCl3溶液(9.8×10-5M)を用い、蛍光波長λemを610nmとして測定された。発光スペクトルは、Eu(hfa)3(PIPO)2の粉体を用い、励起波長λexを390nmとして測定された。Eu(hfa)3(PIPO)2の365nmにおける一分子当たりの発光強度は、Eu(hfa)3(TPPO)2の既存のデータと比較して20倍以上であった。
【実施例】
【0049】
(実施例3)
1.希土類錯体の合成
1-1.配位子:6,12-ビス(ジフェニルホスホリル)クリセン(6,12-DPCO)
【化20】
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アルゴン雰囲気下、6,12-ジブロモクリセン (678.3 mg, 1.76 mmol)、酢酸カリウム(471.0 mg, 4.80 mmol)及び酢酸パラジウム(II) (8.6 mg, 0.04 mmol)を、100℃に加熱しながら脱水DMA(40 mL)に溶解させた。得られた溶液にジフェニルホスフィン(0.45 mL, 2.6 mmol)を加えると、溶液は速やかに赤黒色に変化した。100℃で42時間の撹拌の後、反応溶液を蒸留水(200 mL)と混合し、析出した粉体を吸引ろ過しによって回収した。得られた粉体からジクロロメタン (30 mL×3)及び飽和食塩水を用いて生成物を抽出し、ジクロロメタン溶液からエバポレーターによって溶媒を留去した。固化した残渣をクロロホルム(50 mL)中で30%過酸化水素水(約3 mL)と混合し、得られた混合液を3時間室温で撹拌した。混合液からクロロホルム (30 mL×3)及び飽和食塩水を用いて生成物を抽出し、クロロホルム溶液からエバポレーターによって溶媒を留去した。残渣の粗生成物から、シリカゲル(60N)クロマトグラフィによって生成物を分離した。展開溶媒は、ジクロロメタン/酢酸エチル=1/1の混合液から、酢酸エチル単独になるまで変化させた。得られた生成物をジクロロメタンと少量のヘキサンから再結晶させて、6,12-DPCOの結晶を得た。得られた結晶を1H-NMR、ESI-Mass、及び元素分析で同定した(収率:49% (546.0 mg, 0.869 mmol))。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3/TMS) δ/ppm = 8.73 (d, 2H, J = 8.4 Hz), 8.63 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.08 (d, 2H, J = 8.4 Hz), 7.78 (dd, 8H, J = 4.0 Hz, 8.0 Hz), 7.63 (t, 4H, J = 8.0 Hz, 6.8 Hz), 7.58-7.49 (m, 12H)
ESI-MS: m/z calcd. for C42H31O2P2, [M+H]+ = 629.18; found: 629.18; elemental analysis calcd. (%) for C 80.12, H 4.96; found: C 79.97, H 4.66
【実施例】
【0050】
1-3.希土類錯体:[Eu(hfa)3(6,12-DPCO)]n
【化21】
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6,12-DPCO(281.4 mg, 0.448 mmol)及びEu(hfa)3(H2O)2(370.5 mg, 0.457 mmol)をジクロロメタン(15 mL)に溶解させた。反応溶液を12時間室温で撹拌した後、析出した沈殿物をろ過により回収して、[Eu(hfa)3(6,12-DPCO)]nの粉体を得た。得られた粉体をTHFに溶解させ、再結晶した。ESI-Mass、元素分析及びIRで同定した(収率:13% (82.1 mg))。
ESI-MS: m/z calcd. for C52H32EuF12O6P2, [M-hfa]+ = 1195.07; found: 1195.14, calcd. for C109H65Eu2F30O14P42, [M-hfa]+ = 2596.13; found: 2596.27, calcd. for C151H95Eu2F30O16P6, [M-hfa]+ = 3225.30; found: 3225.43
elemental analysis calcd. (%) for C 48.84, H 2.37; found: C 49.05, H 2.48; IR (ATR) = 1653 (st, C=O), 1253 (st, C-F), 1145 (st, P=O) cm-1
【実施例】
【0051】
2-2.励起発光スペクトル
図6は、[Eu(hfa)3(6,12-DPCO)]nの励起発光スペクトルである。励起スペクトルは、[Eu(hfa)3(6,12-DPCO)]nの粉体を用い、蛍光波長λemを610nmとして測定された。発光スペクトルは、[Eu(hfa)3(6,12-DPCO)]nの粉体を用い、励起波長λexを390nmとして測定された。単核錯体と同様に高輝度発光を示した。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5