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明細書 :6軸力センサ及びこれを用いた6軸力の計測方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3538638号 (P3538638)
公開番号 特開2002-221459 (P2002-221459A)
登録日 平成16年4月2日(2004.4.2)
発行日 平成16年6月14日(2004.6.14)
公開日 平成14年8月9日(2002.8.9)
発明の名称または考案の名称 6軸力センサ及びこれを用いた6軸力の計測方法
国際特許分類 G01L  5/16      
B25J 19/02      
FI G01L 5/16
B25J 19/02
請求項の数または発明の数 4
全頁数 8
出願番号 特願2001-017239 (P2001-017239)
出願日 平成13年1月25日(2001.1.25)
審査請求日 平成13年1月25日(2001.1.25)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】391012327
【氏名又は名称】東京大学長
発明者または考案者 【氏名】加賀美 聡
【氏名】稲葉 雅幸
【氏名】井上 博允
個別代理人の代理人 【識別番号】100058479、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外5名)
審査官 【審査官】下中 義之
参考文献・文献 特開 昭60-52731(JP,A)
特開 平8-248059(JP,A)
特開 平6-27133(JP,A)
特表 平11-511244(JP,A)
調査した分野 G01L 5/16
B25J 19/02
特許請求の範囲 【請求項1】
それぞれ直交した3軸方向の並進力と、これら3軸周りのモーメントとを出力して物体が移動するときの環境との間に働く反力を計測する6軸力センサであって、
ロッドの一端もしくは両端に球体もしくは多面体が設けられた起歪体と、前記球体もしくは多面体に前記3軸方向で接触し、それぞれの軸方向に歪ゲージが設けられた検出部とからなる計測部を具備し、
前記起歪体に発生した応力が前記各検出部に伝達され、前記歪ゲージを用いて前記3軸方向の電気信号変化を検出し、各軸方向の並進力を測定する手段と、これら並進力、並びにこれら並進力により導かれる各軸周りのモーメントを出力する手段とを備え、前記反力を計測してなる6軸力センサ。

【請求項2】
前記計測部は、少なくとも3つ備えられており、これら計測部は、一直線上にない請求項1に記載の6軸力センサ。

【請求項3】
前記検出部は、少なくとも前記球体もしくは多面体と接触する部分が平坦となっており、前記球体もしくは多面体に対して点接触されている請求項1もしくは2に記載の6軸力センサ。

【請求項4】
ロッドの一端もしくは両端に球体もしくは多面体が設けられた起歪体と、各起歪体にそれぞれ接触され、それぞれ歪ゲージを装着された直交した3軸方向に設けられた検出部とからなる、少なくとも3つの計測部を備えた6軸力センサを用いた6軸力の計測方法であって、
前記起歪体に発生した応力が、前記3軸方向の前記検出部に伝達される工程と、
これら検出部に装着された前記歪ゲージを用いて前記3軸方向の電気抵抗変化を検出し、各軸方向の並進力に変換する工程と、
これら並進力を用いて各軸周りのモーメントを算出する工程とを具備して6軸力を計測する6軸力の計測方法。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、6軸力それぞれの力を分散して受けることができる機構を有する6軸力センサおよびこれを用いた軸力の計測方法に関し、例えば、ロボットの歩行着地時に脚部で発生する6軸力を測定する6軸力センサおよびこれを用いた軸力の計測方法に関する。

【0002】
【従来の技術】6軸力とは、それぞれ直交した3軸(x,y,z)方向の並進力と、各軸周りのモーメントとを表している。一般的な6軸力センサは、力の成分に対して感度の異なる歪部を複数配置し、これら歪部の歪量を歪ゲージによって測定して各軸力を計測している。この中でも代表的な6軸力センサは、3組の平行平板状の構造を直列に3つ組み合わせたものがある。これは、力の成分に対する感度の異なる歪部を複数配置し、その歪量を歪ゲージによって測定することにより、各軸力を計測するという方法が用いられている。このように、歪部を直列に組み合わせた構成では、全ての計測部に全ての力がかかることとなる。そのため、非測定成分の力に対する剛性を高くする必要がある。

【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような6軸力センサは、各軸力間の多成分の力が干渉するという欠点を有する。

【0004】
そこで、本発明の他の目的は、各軸方向の並進力および各軸周りのモーメントが干渉されないように計測することができる、6軸力センサを提供することにある。

【0005】
また、本発明の他の目的は、それぞれ直交した3軸方向にかかる並進力を測定し、これら並進力から各軸周りのモーメントを算出し、6軸力を計測する方法を提供することにある。

【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、それぞれ直交した3軸方向の並進力と、これら3軸周りのモーメントとを出力して物体が移動するときの反力を計測する6軸力センサであって、ロッドの一端もしくは両端に球体もしくは多面体が設けられた起歪体と、前記球体もしくは多面体に前記3軸方向で接触し、それぞれの軸方向に歪ゲージが設けられた検出部とからなる計測部を具備し、前記起歪体に発生した応力が前記各検出部に伝達され、前記歪ゲージを用いて前記3軸方向の電気信号変化を検出し、各軸方向の並進力を測定する手段と、これら並進力、並びにこれら並進力により導かれる各軸周りのモーメントを出力する手段とを備え、前記反力を計測してなる。

【0007】
このような構成とすることにより、各軸方向の並進力のみを測定することができるので、他の成分に干渉されず、より正確な軸力を測定することができる。

【0008】
また、上記課題を解決するために、前記計測部は、少なくとも3つ備えられており、これら計測部は、一直線上にない。

【0009】
このような構成とすることにより、各軸方向の並進力の合力、並びに各軸周りの合モーメントを計測することができ、また、移動重心ZMP(Zero Moment Point)を測定することができる。

【0010】
さらに、上記課題を解決するために、前記検出部は、少なくとも前記球体もしくは多面体と接触する部分が平坦となっており、前記球体もしくは多面体に対して点接触されている。

【0011】
このような構成とすることにより、前記球体もしくは多面体と検出部とが点接触されているので、他の軸方向の並進力や各軸周りのモーメント成分の干渉をより受けにくくすることができる。

【0012】
さらに、上記課題を解決するために、ロッドの一端もしくは両端に球体もしくは多面体が設けられた起歪体と、各起歪体にそれぞれ接触され、それぞれ歪ゲージを装着された直交した3軸の検出部とからなる、少なくとも3つの計測部を備えた6軸力センサの6軸力の計測方法は、前記起歪体に発生した応力が、前記3軸方向の前記検出部に伝達される工程と、これら検出部に装着された前記歪ゲージを用いて3軸方向の電気抵抗変化を検出し、所定の操作を用いて各軸方向の並進力に変換する工程と、これら並進力を用いて各軸周りのモーメントを算出する工程とを具備する。

【0013】
このような方法とすることにより、各軸方向の並進力の合力、及び各軸周りの合モーメントとの6軸力を測定することができる。

【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。

【0015】
まず、第1の実施の形態について、図1ないし3を用いて説明する。本発明の第1の実施の形態にかかる6軸力センサの一部分(計測部1)の構成は、図1に示されている。この6軸力センサの計測部1は、ロッド2の先端に、好ましくはほぼ球形の球体3が設けられた起歪部4と、この球体3に対して点接触され、それぞれ直交した3軸方向に設けられた、前記球体と接触する部分が少なくともほぼ平坦となっている検出部5,6,7とを有する。この起歪部4は、荷重が入力されると変形し、各検出部5,6,7へとこの変形による応力が伝達される。また、これら検出部5,6,7には、それぞれの軸方向の歪を測定することができる歪ゲージ(図示せず)が設けられており、これら歪ゲージに伝達された応力によって生じる各歪ゲージの電気抵抗値(電気信号)の変化が、周知のブリッジ回路(図示せず)を介して電圧値として出力される。これら出力は、所定の処理回路(図示せず)などによって変換され、各軸方向の並進力が出力される。以下、このような周知の変換技術を所定の操作という。

【0016】
また、100kgf(約1kN)以上の力に耐え得るように、起歪部の球体3としては、高炭素クロム軸受け鋼、浸炭焼き入れ済のベアリング用の鋼球などで成形されることが好ましく、前記球体3と一体的に形成されるか、適当な手段によって接続されたロッド2としては、同様な剛性を有する鋼によって成形されることが好ましい。さらに、検出部5,6,7としては、球体3と同様な表面固さを有するように処理された、例えばダイス鋼で成形されることが好ましい。

【0017】
これら鋼の表面硬さは、センサの上に載置される、例えば、ロボットの体重の2ないし3倍程度の力が加えられても、球体3および検出部5,6,7に窪みや割れ、大きな変形などが生じないような硬さを有することが好ましい。このような材料を用いることによって、6軸力センサは、計測部の剛性が高くなるので、軽量化、小型化を図りながらも、人間程度の重量に対して、あるいは歩行時の衝撃力に対して破壊されにくくなる。

【0018】
さらに、球体3と検出部5,6,7との間には、これらの間の滑りを良くするためのグリースが塗布されていてもよい。また、起歪部の先端は、ほぼ球形としたが、検出部と点接触するものであれば、ある定点からの距離が一定とはならないような多少歪んだ球体もしくは多面体でもよい。

【0019】
次に、このような計測部1を8つ(AないしD、およびOないしR)有する場合の6軸力センサを図2および3を用いて説明する。例えば、人間型ロボットの脚にこの6軸力センサを装着する場合、床から反力を受ける足裏側に検出部を固定し、足首の関節側に起歪部を固定することが好ましい。

【0020】
このような8つの計測部から構成された6軸力センサを例として、6軸力を計測する。図2において、計測部の配置は、正6面体であり、ロボットなどの本体に対しては、例えば、正6面体の中心部で固定されているものとする。さらに、各計測部には、図2および3に示されているように、それぞれ直交した3軸方向にそれぞれ(Ax,-Ay,Az)、(Bx,By,Bz)、…、(-Rx,-Ry,-Rz)の力が与えられているものとし、各検出部に設けられた各軸方向の歪を計測する歪ゲージ(図示せず)を用い、さらに所定の操作を施して各軸方向の並進力を測定する。従って、例えば、x軸方向の並進力の合力Fxは以下のように表される。

【0021】
Fx=Ax+Bx+Cx+Dx-Ox-Px-Qx-Rx
同様にして、それぞれy軸方向、z軸方向の合力Fy,Fzも表すことができる。

【0022】
また、それぞれ直交した3軸の中心から各検出部までの距離をr、この中心と各検出部とを結んだ直線と、これら検出部の受けている力の方向のなす角とを例えばθAzとすると、x軸周りの合モーメントMxは、以下のように表される。

【0023】
Mx=rAzsinθAz+rAysinθAy+…+rRzsinθRz+rRysinθRy
同様にして、それぞれy軸方向、z軸周りの合モーメントMy,Mzも表すことができる。即ち、6軸力が計測される。

【0024】
次に、第2の実施の形態について、図4ないし15を用いて説明する。この第2の実施の形態では、この6軸力センサを人間型ロボットの脚に装着することによって、二足で歩行した場合に生じる床からの反力を計測する6軸力センサのアプリケーションについて記述する。

【0025】
まず、ロボットの体に対して、それぞれ直交した3軸の前後方向をx軸方向、左右方向をy軸方向、鉛直方向をz軸方向とする。また、各軸方向の並進力の合力をそれぞれFx,Fy,Fz、各軸周りの合モーメントをそれぞれMx,My,Mzとする。この場合、ロボットの足が床につく際には、6軸力のうち、Fz,Mx,Myが増加する。図4に示されているように、4つの計測部をロボットの足裏と同じか、多少大きな長方形の角付近に採ってロボットを支持する構造として、Fzの値に対するMx,Myの誤差を小さくする。このような構造とすると、6軸力センサの軽量化、小型化を図ることが可能であるので薄く設計することができるため、人間型ロボットもしくは人間の歩行に対する床からの反力の計測においても有利となる。

【0026】
図4および5は、ロボットに装着することができる6軸力センサの構造を示している。図4の(B)に示されているように、この6軸力センサ10は、ロボットの足裏に装着されるトッププレート11と、直立時および歩行時に床から反力(衝撃)を受けるボトムプレート12とを有する。また、図4の(A)においては、内部の図示のために、このトッププレート11は外されている。図4の(A)において、トッププレート11があると仮想し、このトッププレート11の中心をそれぞれ直交した3軸の中心とし、この中心に対して、図中、左右方向をx軸方向、上下方向をy軸方向、紙面に対して垂直方向をz軸方向とする。さらに、このトッププレート11には、y軸方向に延びて互いに離間した2本の直方体の角材13,14が装着されている。これら角材13,14の間には、これら角材13,14の間の距離よりも少し長く、これら角材13,14をそれぞれ貫通してx軸方向に延びたロッド15が中央に配置され、このロッド15は、両端がナット16,17で留められて、角材13,14に固定されている。さらに、これら角材13,14の間には、x軸方向に延び、互いに離間された2本のロッド18,19が配置されている。これら2本のロッド18,19の断面は、円形となっており、前記角材13,14付近でテーパ状に広がっている。また、これらロッド18,19が前記角材と接触する部分は、ほぼ平坦に成形されている。さらに、これらロッド18,19は、角材13,14を貫通して延びており、これらロッド18,19の両端にはそれぞれ球体20,21,22,23が設けられている。

【0027】
また、ボトムプレート12には、図5に示されているような、y,z方向にのみ歪を与えることができる検出部となっている構造体24,25が設けられている。特に、y方向の歪を測定する歪ゲージ26およびz方向の歪を測定する歪ゲージ27は、図示されているように装着されている。これら構造体24,25は、前記球体20,21,22,23を覆うように設けられており、これら球体20,21,22,23が、構造体24,25に対して接触している。さらに、これら構造体24,25の外方には、x軸方向にのみ歪を与えることができ、この方向の歪を測定する歪ゲージ(図示せず)が装着されている構造体28,29が設けられている。

【0028】
また、この6軸力センサ10は、第1の実施の形態と同様に、100kgf(約1kN)以上の力に耐え得るように、これら球体20,21,22,23としては、高炭素クロム軸受け鋼、浸炭焼き入れ済のベアリング用の鋼球などで成形されることが好ましく、これら球体20,21,22,23と一体的に形成されるか、適当な手段によって接続されたロッド18,19としては、同様な硬さおよび剛性を有する鋼によって成形されることが好ましい。さらに、構造体24,25,28,29としては、これら球体20,21,22,23と同様な表面固さを有するように処理された、例えばダイス鋼で成形されることが好ましい。

【0029】
これら鋼の表面硬さは、センサの上に載置されるロボットの体重の2ないし3倍程度の力が加えられても、これら球体20,21,22,23および構造体24,25,28,29に窪みや割れ、大きな変形などが生じないような硬さを有することが好ましい。本実施の形態においては、球体20,21,22,23は、例えば、表面硬さHRCが62ないし67の高炭素クロム軸受け鋼を用い、構造体24,25,28,29は、表面硬さHRCが65のダイス鋼を用いている。

【0030】
このような材料を用いることによって、6軸力センサは、計測部の剛性が高くなるので、軽量化、小型化を図りながらも、人間程度の重量に対して、あるいは歩行時の衝撃に対して破壊されにくくなる。

【0031】
6軸力は、所定の荷重を入力することができるフォースゲージ(図示せず)を用いて、例えば、図6に示されているような6軸力センサ10上の位置および方向(Cond.1,Cond.2)に力を入力することによって計測される。図中、Cond.1は、トッププレート11上であり、Cond.2は、計測部よりもやや上方のこの6軸力センサ10の側部である。まず、Cond.1の点にz軸方向下向きに図7に示されているような実線、破線、および点線となるように力を入力した。この実線はFx、破線はFy、点線はFzを表している。また、このような力に対するモーメントは、所定の操作によって算出され、図8に示されているように、実線、破線、および点線として表されている。この実線はMx、破線はMy、点線はMzを表している。このフォースゲージを用いて入力された荷重に対する6軸力センサ10の出力は、図7および8に示されているようなプロットによって表されている。これら図に示されているように、Fzはフォースゲージによって入力された荷重の増加に伴って増加したものの、Fx,Fyは、ほぼ0であった。また、所定の操作によって算出された3軸周りのモーメントは、Mx,Myが荷重に応じて増加したが、Mzは、ほぼ0であった。これら測定した値は、フォースゲージを用いて入力された力と良く一致(平均誤差は、Fz=0.56kgf(約5.49N),Mx=0.080kgf・m(約0.785N・m),My=0.038kgf・m(約0.373N・m))しているので、この6軸力センサ10は、所望の6軸力を計測している。

【0032】
また、図6に示されているCond.2の点に、y軸正の方向に図9の実線、破線、および点線となるように力を入力した。この実線はFx、破線はFy、点線はFzを表している。また、このような力に対するモーメントは、所定の操作によって算出され、図10に示されているように、実線、破線、および点線として表されている。この実線はMx、破線はMy、点線はMzを表している。このフォースゲージを用いて入力された荷重に対する6軸力センサ10の出力は、図9および10に示されているようなプロットによって表されている。これら図示されているように、Fyはフォースゲージによって入力された荷重の増加に伴って増加したものの、Fx,Fzは、ほぼ0であった。また、所定の操作によって算出された3軸周りのモーメントは、Mz,Mzが荷重に応じて増加したが、Myは、ほぼ0であった。これら測定した値は、フォースゲージを用いて入力された力と良く一致(平均誤差は、Fy=0.26kgf(約2.55N),Mx=0.054kgf・m(約0.530N・m),Mz=0.128kgf・m(約1.26N・m))しているので、この6軸力センサ10は、所望の軸力を計測している。即ち、この6軸力センサ10は、目的とする各軸方向の並進力のみ測定し、他の軸方向の並進力や各軸周りのモーメントの干渉をほとんど受けないことが示されている。

【0033】
さらに、図11に示されているように、この6軸力センサ10のトッププレート11に3×4の格子を仮想した。この格子の各点にフォースゲージを用いて入力した力の大きさと、このセンサ10を用いて計算された移動重心ZMPの位置との平均誤差は、例えば、図12(図11中、最も左上の格子点に力を入力した)に示されているように、この6軸力センサ10にかかる力が小さいときには、非常に大きな誤差が生じたが、人間程度の体重に近くなるように、このセンサ10にかかる力が大きくなったときには、ZMP位置の誤差は小さくなり、数mm程度に抑えられ得る。図11に示されているように、この6軸力センサ10のトッププレート11の格子点に10kgf(約0.1kN)以上の力を入力された場合のZMP位置の誤差は、小さく抑えられる。

【0034】
これらZMP位置の変化を計測するために、4つの計測部を有する6軸力センサを示したが、これら計測部が一直線上に配置されていなければ、これら計測部は少なくとも3つあればよく、足裏のZMP位置を計測することができるように配置されていることが好ましい。

【0035】
次に、この6軸力センサ10を用いて実際の人間型ロボットを用いる代わりに、人間の歩行に対する軸力を計測し、さらにこの歩行によって移動するZMPを測定する。ここで人間の前向き方向は、x軸の負の方向である。約1.6秒周期の歩行による各軸方向の並進力の測定結果を図13に示し、各軸周りのモーメントの測定結果を図14に示している。ここで、図13中の実線はFx、破線はFy、点線はFzを表している。また、図14中の実線はMx、破線はMy、点線はMzを表している。図13に示されているように、Fzは、最大約65ないし70kgf(約0.63ないし0.69kN)の荷重がかけられている。図14に示されているように、My,Mzは、負から正の値に、Mxは、正から負の値に変化しており、また、Myは、Mx,Mzに比べて非常に大きなモーメントを有する。

【0036】
また、図15には、各軸の並進力、および各軸周りのモーメントの測定結果と、これら並進力およびモーメントが生じた時刻と同時刻に生じていた計算されたZMP位置とを示している。ここで、実線はx軸方向のZMP位置の変化を表し、破線はy軸方向のZMP位置の変化を表している。このZMPは、片足支持時に後ろから前に、および右から左に向かって移動していることが示されている。この6軸力センサ10は、このようにZMPを測定することができるので、ロボットの重心を逐一把握することができ、歩行の安定化に役立ち得る。

【0037】
さらに、本実施の形態によれば、人間もしくは人間程度の重量を有するロボットの歩行着地時にかかる荷重や衝撃にも破壊されることなく、6軸力およびZMPを計測することが可能である。

【0038】
また、この6軸力センサをロボットの代わりに人間の足に装着して試したが、この6軸力センサをロボットの手や関節などに使用してもよく、また、床などに埋め込んだり、並べたりすることによって、ある程度の重量を有する人間、ロボット、もしくは他の生命体の歩行着地時にかかる力(6軸力)を計測することも可能である。

【0039】
さらに、これら実施の形態では、このセンサを床からの反力を測定するものとして記述したが、その他、反力がかかる状態であれば、これら実施の形態に限定されるものではない。

【0040】
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14