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明細書 :単結晶部材の作製方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B1)
特許番号 特許第3062603号 (P3062603)
登録日 平成12年5月12日(2000.5.12)
発行日 平成12年7月12日(2000.7.12)
発明の名称または考案の名称 単結晶部材の作製方法
国際特許分類 C30B 19/04      
FI C30B 19/04
請求項の数または発明の数 12
全頁数 6
出願番号 特願平11-193953 (P1999-193953)
出願日 平成11年7月8日(1999.7.8)
審査請求日 平成11年7月8日(1999.7.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】391012327
【氏名又は名称】東京大学長
発明者または考案者 【氏名】西永 頌
個別代理人の代理人 【識別番号】100059258、【弁理士】、【氏名又は名称】杉村 暁秀 (外2名)
審査官 【審査官】五十棲 毅
参考文献・文献 特開 平3-133182(JP,A)
特開 平4-349620(JP,A)
Y.Ujiie.et al.,”Epitaxial Lateral Overgrowth of GaAs on a Si Substrate”,Japanese Joournal of Applied Physics,Vol.28,No.3,Mar.,1989,pp.L 337 - L 339
K.J.Weber et al.,”Epitaxial lateral overgrowth of Si on(100)Si substrates by liqued-phase epitaxy”,Journal of Crystal Growth,Vol.186,Mar.,1998,pp.369 - 374
調査した分野 C30B 1/00 - 35/00
要約 【課題】 切断や研磨などの工程を経ることなく、単結晶基板として使用可能な単結晶部材を直接的に得るための、新たな作製方法を提供する。
【解決手段】 単結晶基板1上に非晶質膜2を形成する。次いで、フォトリソグラフィによって単結晶基板1の表面を選択的に除去し、窓部3を形成する。次いで、この窓部3を所定の元素が過飽和に溶解してなる過飽和溶液5に接触させ、窓部3を種結晶部として前記元素を構成要素として含有する単結晶4を単結晶基板1の表面に対し垂直な方向にエピタキシャル成長させる。そして、所定の時間が経過した後に、過飽和溶液5との接触を停止してエピタキシャル成長を停止させ、所定の大きさ及び形状の単結晶部材6を得る。
特許請求の範囲 【請求項1】
単結晶基板の表面に種結晶部を形成し、この種結晶部を所定の元素を過飽和に含有してなる溶液に接触させ、前記元素を構成要素として含有してなる単結晶を前記種結晶部から前記単結晶基板の表面に対して垂直方向に選択的にエピタキシャル成長させることにより、単結晶部材を作製することを特徴とする、単結晶部材の作製方法。

【請求項2】
前記種結晶部は、前記単結晶基板の表面上に非晶質膜を形成した後、この非晶質膜を選択的に除去し、前記単結晶基板の表面が露出するように形成した窓部からなることを特徴とする、請求項1に記載の単結晶部材の作製方法。

【請求項3】
前記窓部は線状であることを特徴とする、請求項2に記載の単結晶部材の作製方法。

【請求項4】
前記窓部の長さ方向が、前記単結晶部材の成長時における特異面の結晶軸方向と略垂直に形成することを特徴とする、請求項3に記載の単結晶部材の作製方法。

【請求項5】
前記種結晶部は、前記単結晶基板の表面に形成した凸部からなることを特徴とする、請求項1に記載の単結晶部材の作製方法。

【請求項6】
前記凸部は線状であることを特徴とする、請求項5に記載の単結晶部材の作製方法。

【請求項7】
前記凸部の長さ方向が、前記単結晶部材の特異面の結晶軸方向と略垂直に形成することを特徴とする、請求項6に記載の単結晶部材の作製方法。

【請求項8】
前記選択的なエピタキシャル成長は、ヒータ移送法によって行うことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一に記載の単結晶部材の作製方法。

【請求項9】
前記選択的なエピタキシャル成長は、温度勾配凝固法によって行うことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一に記載の単結晶部材の作製方法。

【請求項10】
前記単結晶基板はSi単結晶基板であり、前記単結晶部材はSi単結晶部材であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一に記載の単結晶部材の作製方法。

【請求項11】
前記単結晶基板は、その表層部にIII-V族化合物半導体を有し、前記単結晶部材は前記III-V族化合物半導体からなることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一に記載の単結晶部材の作製方法。

【請求項12】
前記単結晶基板は、その表層部に酸化物を有し、前記単結晶部材は前記酸化物からなることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一に記載の単結晶部材の作製方法。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は単結晶部材の作製方法に関し、さらに詳しくは、半導体および酸化物単結晶基板として好適に使用することのできる単結晶部材の作製方法に関する。

【0002】
【従来の技術】シリコン集積回路、各種光デバイス、電子デバイス、並びに太陽電池などのデバイスには半導体および酸化物材料からなる単結晶基板が使用される。これらの単結晶基板は、引き上げ法(チョクラルスキー法)、水平/垂直ブリッジマン法、及び浮遊帯溶融法などによって、半導体および酸化物材料からなる大型単結晶を成長させた後、結晶切断機などの機械的方法によって前記単結晶部材を所定の大きさに切断することにより作製していた。さらに、このようにして作製した単結晶基板を電子/光デバイスに使用するに際しては、前記単結晶基板の表面を鏡面研磨していた。

【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記単結晶の直径が大きくなると、これを切断するための装置が大型化・複雑化するという問題があった。さらに、前記単結晶には上記のような切断工程に耐えるような機械的強度が要求されることから、単結晶基板の厚さを大きくする必要があり、上記したような従来法ではデバイスに対する結晶の利用効率は極めて悪い。また、切断時において前記単結晶基板に大きなせん断力が作用するために、前記単結晶基板が損失したり、切断面に深い破砕層が形成されたりする場合があった。さらに、電子/光デバイスに使用するためには鏡面研磨が不可欠であり、さらく多くの加工工程が必要となる。

【0004】
本発明は、上記切断や研磨などの工程を経ることなく、単結晶基板として使用可能な単結晶部材を直接的に得るための、新たな作製方法を提供することを目的とする。

【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決すべく、単結晶部材を作製するに際して単結晶基板を使用し、この単結晶基板の表面に種結晶部を形成する。そして、この種結晶部を所定の元素を過飽和に含有してなる溶液に接触させ、前記元素を構成要素として含有してなる単結晶を前記種結晶部から前記単結晶基板の表面に対して垂直方向に選択的にエピタキシャル成長させることにより、単結晶部材を作製することを特徴とする。

【0006】
このように、本発明は、単結晶基板の表面上に種結晶部を形成し、この種結晶部を中心として目的とする単結晶部材を垂直方向に選択的にエピタキシャル成長させて得るものである。したがって、前記種結晶部の大きさ及び形状を適宜に選択することによって、得ようとする単結晶部材の断面形状が決定される。そして、前記単結晶基板の表面に垂直方向の選択的なエピタキシャル成長を適宜に調節することによって、所望の大きさ及び形状の単結晶部材を得ることができる。

【0007】
本発明によれば、選択的なエピタキシャル成長のみで所望の大きさ及び形状を有する単結晶部材を得ることができる。したがって、このような単結晶部材を単結晶基板として使用する場合において、選択的なエピタキシャル成長のみで所望の大きさ及び形状の単結晶基板を直接的に得ることができるため、従来のような切断や研磨などの工程を必要としない。したがって、単結晶を切断する際の損失や破砕層の形成などの問題を回避することができる。さらには、複雑な切断装置なども必要とせず、所望する単結晶基板の作製行程をも簡易化することができる。

【0008】
さらに、本発明の作製方法は、単結晶部材を単結晶基板の表面に対して垂直方向にエピタキシャル成長させて得るため、単結晶基板に転位が存在している場合においても、この転位の大部分が結晶外に出るため単結晶部材は低転位となる。したがって、単結晶基板の結晶性に影響されることなく結晶性に優れた単結晶部材を得ることができる。

【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を発明の実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1~4は、本発明の単結晶部材の作製方法における好適な態様の一例を示す行程図である。本態様においては、前記単結晶部材を単結晶基板の表面上に形成した非晶質膜を選択的に除去して形成した窓部から成長させるところに特徴を有する。

【0010】
最初に図1に示すように、単結晶基板1上に非晶質膜2を化学気相成長法などで形成する。次いで、非晶質膜2に、フォトリソグラフィなどの微細加工技術を施すことによって所定箇所を選択的に除去し、図2に示すような窓部3を形成する。次いで、窓部3を所定の元素を過飽和に含有してなる過飽和溶液5に接触させる。そして、過飽和溶液5の温度を徐々に低下させると、図3に示すように、窓部3を種結晶部として前記元素を構成要素として含有してなる単結晶4が、単結晶基板1の表面と垂直な方向に選択的にエピタキシャル成長する。次いで、所定の時間が経過した後、過飽和溶液5との接触を終了し、図4に示すように単結晶基板1の表面上において単結晶部材6を得る。単結晶部材は小さな力を加えると根元7において容易にへき開するので、独立した単結晶部材を得ることができる。

【0011】
窓部3の深さは、0.01μm~10μmであることが好ましく、さらには0.1μm~1μmであることが好ましい。これによって、窓部3が種結晶部として有効に作用し、単結晶の選択的エピタキシャル成長を効率よく行うことができる。

【0012】
また、窓部3は、図2に示すように単結晶基板1の表面が露出するように形成することが必要である。これによって、単結晶基板1の表面上に形成される単結晶4が単結晶基板1の結晶方位を引き継ぐようになるため、単結晶4の選択的なエピタキシャル成長が可能になり、大型の単結晶部材6を容易に形成することができる。

【0013】
窓部3の底面3Aの大きさ及び形状は、所望する単結晶部材6の断面形状及び断面の大きさによって任意に選択する。本発明の作製方法によって単結晶基板を直接的に形成する場合は、底面3Aを線状に形成する。すなわち、窓部3を縦長に形成することによって、長方形状の断面形状を有する単結晶基板を直接得ることができる。

【0014】
このように窓部3を線状に形成するとともに、単結晶基板1の表面が露出するように形成する場合は、窓部3の長さ方向が単結晶部材4の成長時における特異面の結晶軸方向と略垂直に形成することが好ましい。これによって、単結晶が選択的にエピタキシャル成長する際に、窓部3の幅方向にはファセット4A,4Bが形成されるので、このファセットに垂直な方向にはエピタキシャル成長は生じず、単結晶基板1の表面に対し垂直な方向にのみ単結晶がエピタキシャル成長する。したがって、長方形状の断面形状を有する単結晶基板を効率よく、簡易に形成することができる。

【0015】
例えば、単結晶基板1として、ダイヤモンド構造又は閃亜鉛鉱構造を有する単結晶材料を使用する場合、前記特異面の結晶軸方向は<111>方向及びこれと等価な方向、または<100>方向およびこれと等価な方向であるので、窓部3の長さ方向は成長する単結晶部材の側面4A,4Bが<111>方向及びこれと等価な方向、または<100>およびこれと等価な方向となるように窓部3を形成する。なお、ここでいう「特異面」とは、結晶成長学的に成長速度の遅い結晶面(結晶面方位)を有する面のことを言う。

【0016】
単結晶基板1として使用することのできる単結晶材料は、得ようとする単結晶部材の種類に応じて任意に選択することができる。本発明においては、単結晶部材をエピタキシャル成長によって形成するため、単結晶基板1の表層部と単結晶部材6とを構成する単結晶材料の種類は同じであることが好ましいがこれに限る必要はない。

【0017】
例えば、Si単結晶部材を作製する場合は、単結晶基板1を単結晶Siから構成するが、Si単結晶部材をエピキャシタル成長させることが可能な単結晶基板ならSi以外の結晶材料でも良い。また、III -V族化合物半導体単結晶部材を作製する場合は、単結晶基板1の表層部に前記部材と同じIII -V族化合物半導体を有していることが好ましい。具体的には、前記部材と同じ化合物半導体の単結晶から単結晶基板1を構成する他、任意の基板上に前記部材と同じIII -V族化合物半導体を堆積させたものを用いる。その他、III -V属半導体単結晶はじめ格子定数が近い他の結晶材料を用いても良い。また、酸化物単結晶部材を作製する場合も、単結晶基板1の表層部に前記部材と同じ酸化物を有していることが好ましく、具体的には、前記部材と同じ酸化物の単結晶から単結晶基板1を構成する他、任意の基板上に前記部材と同じ酸化物を堆積させたものを用いることができる、その他として、エピキシャル成長が可能な半導体、金属単結晶から単結晶基板1を構成することもできる。

【0018】
非晶質膜2に使用することのできる材料についても、本発明の目的を達成できれば特に限定されるものではなく、任意の材料から構成することができる。例えば、シリコン酸化膜、シリコン室化膜、カーボン、及びタングステンを例示することができる。また、酸化物単結晶部材を作製するに際して酸化物単結晶基板を使用する場合においては、非晶質膜の代わりに白金、パラジウム、及びタンタルなどの高融点金属からなる高融点金属膜を使用することができる。

【0019】
過飽和溶液5は、単結晶部材を構成する元素を過飽和に含有していることが必要である。例えば、Si単結晶からなる部材を作製するに際しては、過飽和溶液5はSiを過飽和に含有していることが必要である。また、III -V族化合物半導体単結晶からなる部材を作製するに際しては、過飽和溶液5は、III 族元素を溶媒として用いるときはV族元素を、その他の場合はIII族元素及びV族元素を過飽和に含有していることが必要である。そして、過飽和溶液5は所定の溶媒中に上記Siなどの元素を溶解させて形成する。所定の溶媒として、例えば、Siを溶解させるに際しては、Sn、In、Ga、Au、Biなどの金属溶媒を使用することができる。

【0020】
単結晶4を選択的にエピタキシャル成長させるための具体的な手段は、特に限定されるものではない。しかしながら、ヒータ移送法や温度勾配凝固法を用いることが望ましい。これらの方法によれば、単結晶4中に過飽和溶液5に向かって正の温度勾配が存在するために、溶液成長において典型的に生じる組成的過冷却を抑制することができ、所望の大きさ及び形状の単結晶部材を簡易に作製することができる。

【0021】
図5~7は、本発明による単結晶部材の作製方法における好適な態様の他の例を示す行程図である。本態様においては、種結晶部を単結晶基板の表面に形成した凸部から構成しているところに特徴を有している。

【0022】
本態様においては、最初に、単結晶基板11の表面にフォトリソグラフィとエッチングなどによって単結晶基板1の表面を部分的に除去し、図5に示すような凸部13を形成する。次いで、凸部13を所定の元素を過飽和に含有してなる過飽和溶液5に接触させる。そして、過飽和溶液の温度を徐々に低下させると、図6に示すように、凸部13を種結晶部として前記元素を構成要素として含有してなる単結晶14が、単結晶基板11の表面に対し垂直な方向に選択的にエピタキシャル成長する。次いで、所定の時間が経過した後、過飽和溶液5との接触を終了すると、図7に示すように単結晶基板11の表面上において単結晶部材16を得る。

【0023】
凸部13の高さは10μm~5mmであることが好ましく、さらには10μm~1mmであることが好ましい。これによって、凸部13が種結晶部として有効に作用し、単結晶14の選択的なエピタキシャル成長を効果的に行うことができ、大型の単結晶部材16を簡易に作製することができる。

【0024】
また、凸部13の上面13Aの大きさ及び形状は、得ようとする単結晶部材の断面の大きさ及び断面形状に依存して決定される。しかしながら、本発明の方法によって単結晶基板を直接的に形成する場合においては、上面13Aを線状に形成することが好ましい。すなわち、凸部13を縦長に形成することにより長方形状の断面を有する単結晶基板を直接的に作製することができる。さらに、このように縦長の凸部を形成する場合は、上記の窓部の場合と同様の理由から、凸部13の長さ方向が単結晶14の成長時における特異面の結晶軸方向と略垂直であることが好ましい。

【0025】
単結晶基板11として使用する可能な材料としては、上記図1~4において説明した態様の場合と同じものを使用することができる。また、単結晶14を選択的にエピタキシャル成長させる具体的な手段についても、上記態様と同様の手段を用いることができる。

【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
本実施例においては、図1~4に示すような態様に基づいて実験を行った。単結晶基板1には厚さ0.4mmのGaAs(110)単結晶基板を用いた。そして、この単結晶基板1上に化学気相成長法を用いてSiO2 からなる非晶質膜2を厚さ0.4μmに形成した。次いで、フォトリソグラフィによって非晶質膜2を選択に除去して、線状すなわち縦長の窓部3を形成した。なお、窓部3の底面3Aの長さは3cmであり、幅は0.3mmであった。

【0027】
次いで、この窓部3を750℃においてAsを過飽和に含有してなるGa金属溶媒からなる過飽和溶液5に接触させた。そして、過飽和溶液5の温度を徐々に低下させることによって、凹部3内からGaAs単結晶4を選択的にエピタキシャル成長させた。次いで、20時間経過の後、過飽和溶液との接触を終了させ、エピタキシャル成長を停止し、GaAs単結晶部材を得た。得られたGaAs単結晶部材は、縦が2cmであり、横が3cmであり、厚さが0.3mmであった。GaAs単結晶部材の結晶性をX線トポグラフ法によって調べたところ、転位の発生はほとんど見られず、良好な結晶性を有していることが確認された。

【0028】
実施例2
本実施例においては、図5~7に示すような態様に基づいて実験を行った。単結晶基板11には実施例1と同様に、厚さ0.4mmのGaAs(110)単結晶基板を用いた。そして、フォトリソグラフィによって単結晶基板11を選択に除去して、線状すなわち縦長の凸部13を形成した。なお、凸部13の高さは0.1mmであり、凸部13の上面13Aの長さは3cmであり、幅は0.3mmであった。次いで、この凸部13を750℃においてAsを過飽和に含有してなるGa金属溶媒からなる過飽和溶液5に接触させた。そして、過飽和溶液5の温度を徐々に低下させることによって、凸部13内からGaAs単結晶14を選択的にエピタキシャル成長させた。

【0029】
次いで、20時間経過の後、過飽和溶液との接触を終了させ、エピタキシャル成長を停止し、GaAs単結晶部材を得た。得られたGaAs単結晶部材は、縦が2cmであり、横が3cmであり、厚さが0.3mmであった。GaAs単結晶部材の結晶性をX線トポグラフによって調べたところ、転位の発生はほとんど見られず、良好な結晶性を有していることが確認された。

【0030】
以上、実施例1及び2から明らかなように、本発明にしたがって作製した単結晶部材は転位の発生がほとんどなく、良好な結晶性を有していることが分かる。さらには、エピタキシャル成長のみで板状の単結晶部材を得ることができ、切断や研磨などを行うことなく、前記単結晶部材を単結晶基板として使用できることが分かる。

【0031】
以上、具体例を挙げながら、発明の実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明したが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りあらゆる変更や変形が可能である。

【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、選択的なエピタキシャル成長のみで所望の大きさ及び形状を有するとともに、転位などのほとんどない結晶性に優れた単結晶部材を得ることができる。したがって、従来のような切断や研磨などの工程を必要とせず、エピタキシャル成長のみで単結晶基板として使用可能な単結晶部材を簡易に得ることができる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図7】
5
【図6】
6