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明細書 :小型ラップサイロ用ハンドリング装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3072370号 (P3072370)
公開番号 特開2000-136095 (P2000-136095A)
登録日 平成12年6月2日(2000.6.2)
発行日 平成12年7月31日(2000.7.31)
公開日 平成12年5月16日(2000.5.16)
発明の名称または考案の名称 小型ラップサイロ用ハンドリング装置
国際特許分類 B66F  9/06      
B66F  9/18      
FI B66F 9/06 A
B66F 9/18
請求項の数または発明の数 1
全頁数 6
出願番号 特願平10-309896 (P1998-309896)
出願日 平成10年10月30日(1998.10.30)
審査請求日 平成10年10月30日(1998.10.30)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】591128729
【氏名又は名称】農林水産省四国農業試験場長
発明者または考案者 【氏名】宮崎 昌宏
【氏名】藤川 益弘
【氏名】関 浩二
【氏名】猪之奥 康治
【氏名】角川 修
【氏名】田中 宏明
個別代理人の代理人 【識別番号】100063565、【弁理士】、【氏名又は名称】小橋 信淳
審査官 【審査官】鳥居 稔
参考文献・文献 特開 昭60-176517(JP,A)
実開 平4-53794(JP,U)
実開 昭58-87799(JP,U)
実開 平3-72595(JP,U)
調査した分野 B66F 9/06 - 9/22
特許請求の範囲 【請求項1】
垂直方向に立設される昇降支柱(2)と、昇降支柱(2)の下端部に取付けられ、昇降支柱(2)が転倒しないように支持する前後の支持枠(3,4)と、この支持枠(3,4)に設けられた移動用車輪(5,6)と、上記昇降支柱(2)に人力または動力により昇降可能に支持されるラップサイロ挟持部(8)と、昇降支柱(2)の後側に設けられ、人力により操作される移動用ハンドル(13)と、を備え、
前記ラップサイロ挟持部(8)には、左右対をなして対向して設けられ、その一方が支点(10a)により支持されてシリンダ機構(11)により水平方向に移動可能な挟持アーム(9,10)と、この挟持アーム(9,10)の対向位置に設けられ、小型ベールラッパ(14)により調製されたラップサイロ(A)を傷つけることなく挟持すると共に挟持したラップサイロ(A)を垂直方向に回動可能に支持する支持マット(12,12)と、を設けたことを特徴とする小型ラップサイロ用ハンドリング装置。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重量が50kg程度の小型ラップサイロを挟持して昇降させ、姿勢を制御してハンドリングを行う小型ラップサイロ用ハンドリング装置に関する。

【0002】
【従来の技術】従来、圃場において牧草をロールベールに成形し、これをビニールフィルムやストレッチ(ポリエチレン)フィルムのようなラップにより密封して、牧草を発酵・貯蔵するようにしたラップサイロが知られている。このラップサイロの重量は、通常200~400kg、あるいはそれ以上もあり、そのハンドリングには、一般的には大型の乗用トラクタに装着したハンドラが用いられ、また、ラップサイロを積載して運搬するための大型の運搬車などが用意されている。

【0003】
一方、本出願人は、細断したトウモロコシを、外側にわら稈を配してロールベールに成形し、このロールベールに小型ベールラッパによってストレッチ(ポリエチレン)フィルムを二重に密封・被包して、重量が50kg程度の小型ラップサイロに調製する技術を開発した。この小型ラップサイロは、上記大型のラップサイロに比べてハンドリングがはるかに容易であり、また、細断したトウモロコシをラップサイロに調製する点で優位性が認められる。

【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、小型ラップサイロといえども50kg程度の重量があり、これを人力により安定よく縦積みに積み上げ、また、積み上げたラップサイロを安全に下ろすのは重労働であり、小型のラップサイロ用ハンドリング装置が望まれるところである。本発明はこのような事情に基いてなされたものであり、小型ベールラッパによって調製された小型のラップサイロを挟持して揚上させ、縦姿勢に姿勢制御して安定よく積み上げ、積み上げられたラップサイロを挟持して安全に下ろすことができる,小型ラップサイロ用ハンドリング装置を提供することを目的とする。

【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために本発明は、垂直方向に立設される昇降支柱2と、該昇降支柱2の下端部に取付けられ、昇降支柱2が転倒しないように支持する前後の支持枠3,4と、この支持枠3,4に設けられた移動用車輪5,6と、上記昇降支柱2に人力または動力により昇降可能に支持されるラップサイロ挟持部8と、昇降支柱2の後側に設けられ、人力により操作される移動用ハンドル13と、を備え、前記ラップサイロ挟持部8には、左右対をなして対向して設けられ、その一方が支点10aにより支持されてシリンダ機構11により水平方向に移動可能な挟持アーム9,10と、この挟持アーム9,10の対向位置に設けられ、小型ベールラッパ14により調製されたラップサイロAを傷つけることなく挟持すると共に挟持したラップサイロAを垂直方向に回動可能に支持する支持マット12,12と、を設けたことを特徴としている。

【0006】
【作用】上記の構成により本発明の小型ラップサイロ用ハンドリング装置は、小型ベールラッパによって調製された小型ラップサイロを収容場所に縦姿勢に積み上げるときは、ハンドリング装置を移動用ハンドルを操作して移動用車輪により移動させてベールラッパに接近させ、ラップサイロ挟持部の挟持アームを下降させてシリンダ機構により支持マットを開閉操作して横姿勢になっているラップサイロの片側寄り部分を挟持し、ラップサイロ挟持部を上昇させてラップサイロを持ち上げる。この持ち上げ過程でラップサイロは、その自重により支持マットを回動させて縦姿勢となり、この状態でハンドリング装置を移動用車輪により収容場所に移動させる。そして、ラップサイロを所望高さに昇降調節して支持マットによるラップサイロの挟持を開放することで、ラップサイロは縦姿勢に積み上げられる。

【0007】
積み上げられたラップサイロを下ろすときは、ハンドリング装置を移動用ハンドルの操作で移動用車輪により移動させてラップサイロの積み上げ収容場所に接近させ、ラップサイロ挟持部の挟持アームを下ろすべきラップサイロに接近するよう上昇させ、シリンダ機構により挟持アームを開閉操作して縦姿勢のラップサイロの上部寄り部分(下部寄り部分でもよい)を支持マットにより挟持して持ち上げ、ハンドリング装置を移動用車輪によりラップサイロを下ろす場所まで移動させる。そして、ラップサイロ挟持部を下降させて、ラップサイロを縦姿勢のまま、あるいは、横姿勢に回動させて下ろし、支持マットによる挟持を開放する。

【0008】
このようなラップサイロの積み下ろし作業時に、作業者は、ハンドリング装置を移動用ハンドルの操作で移動用車輪により移動させる、ラップサイロ挟持部を人力または動力により昇降支柱に沿って昇降させる、挟持アームをシリンダ機構により開閉させる、ラップサイロの縦・横姿勢を制御、誘導する、といった程度の労力を要するのみで、一人の作業者により50kg程度のラップサイロを自由に積み下ろしすることができる。

【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1ないし図3において、符号1は小型ラップサイロ用ハンドリング装置で、このハンドリング装置1は、垂直方向に昇降支柱2を立設している。この昇降支柱2は転倒しないようにその下端部に、平面視がコ字状をした前側支持枠3と後側支持枠4とを設け、安定よく支持している。前側支持枠3及び後側支持枠4の各先端部に、普通の車輪からなる移動用車輪5及びキャスタからなる移動用車輪6を設け、ハンドリング装置1を手動により移動できるようにしている。昇降支柱2には、人力または動力により作動する昇降機構7を介してラップサイロ挟持部8が昇降可能に支持されている。

【0010】
ラップサイロ挟持部8には、左右対をなして水平方向に対向する固定挟持アーム9と移動挟持アーム10を設け、移動挟持アーム10は支点10aを中心に水平方向に回動可能であり、後端部をエアシリンダ11により回動するように連繋されている。このエアシリンダ11は、油圧シリンダ、あるいは他のシリンダ機構にしてもよいものである。両挟持アーム9,10の先端部の相対向する位置には、後述する小型ラップサイロAを傷つけることなく挟持すると共に、挟持したラップサイロAを垂直方向に回動可能に支持する支持マット12,12が設けられている。昇降支柱2の後側には、作業者がこれを握ってハンドリング装置1を移動させる移動用ハンドル13を設けている。

【0011】
一方、本発明による上記小型ラップサイロ用ハンドリング装置1とは別に、図4及び図5に示すような小型ベールラッパ14が設けられている。この小型ベールラッパ14は、細断したトウモロコシを、回転ロール15により外側にわら稈を配して回転させながらロールベールに成形し、このロールベールにストレッチ(ポリエチレン)フィルム16を二重に密封・被包して、重量が50kg程度の小型ラップサイロAを調製するものである。そして、調製されたラップサイロAは小型ラップサイロ用ハンドリング装置1によりハンドリングされる。

【0012】
このような構成の小型ラップサイロ用ハンドリング装置1においては、小型ベールラッパ14により調製されたラップサイロAを収容場所に縦姿勢に積み上げようとするときは、移動用ハンドル13を握ってハンドリング装置1を移動用車輪5,6により移動させてベールラッパAに接近させ、ラップサイロ挟持部8の挟持アーム9,10を昇降機構7の操作により下降させ、エアシリンダ11により移動挟持アーム10を支点10aを中心に回動させて支持マット12を開閉操作し、横姿勢になっているラップサイロAの一側寄り部分を固定挟持アーム9の支持マット12と共に挟持し、ラップサイロ挟持部8を昇降機構7の操作により上昇させてラップサイロAを持ち上げる。

【0013】
この支持マット12,12によるラップサイロAの持ち上げ過程で、ラップサイロAは横長姿勢の一側寄り部分が支持マット12,12により挟持されているので、その自重により支持マット12,12が回動して縦姿勢となる(図4及び図5参照)。この状態で移動用ハンドル13を握ってハンドリング装置1を移動用車輪5,6により収容場所まで移動させる。そして、収容場所に到着したならば、ラップサイロAを昇降機構7の操作により所望高さに昇降調節し、エアシリンダ11の操作により支持マット12,12を開いてラップサイロAの挟持を開放することで、ラップサイロAは縦姿勢に積み上げられる。

【0014】
収容場所に積み上げられたラップサイロAを下ろすときは、ハンドリング装置1を移動用ハンドル13を握って移動用車輪5,6により移動させてラップサイロAの積み上げ位置に接近させ、昇降機構7の操作によりラップサイロ挟持部8の挟持アーム9,10を下ろすべきラップサイロAに接近するよう上昇させ、エアシリンダ11の操作により挟持アーム10の支持マット12を開閉操作して縦姿勢のラップサイロAの上部寄り部分(下部寄り部分でもよい)を支持マット12,12により挟持して昇降機構7の操作により縦姿勢に持ち上げ、ハンドリング装置1をラップサイロAを下ろす場所まで移動させる。そして、ラップサイロ挟持部8を昇降機構7の操作により下降させ、ラップサイロAを縦姿勢のまま、あるいは、横姿勢に回動させて下ろし、エアシリンダ11の操作により支持マット12,12による挟持を開放ればよい。

【0015】
このように、ラップサイロAの積み下ろし作業時に作業者は、ハンドリング装置1を移動用ハンドル13を握って移動用車輪5,6により移動させる、ラップサイロ挟持部8を昇降機構7の操作を人力または動力により行い、昇降支柱2に沿って昇降させる、挟持アーム9,10をエアシリンダ11により開閉させる、ラップサイロAの縦・横姿勢を制御、誘導する、といった程度の労力を要するのみであり、一人の作業者により50kg程度のラップサイロを自由に積み下ろしできる。

【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明による小型ラップサイロ用ハンドリング装置によれば、垂直方向に立設される昇降支柱2と、該昇降支柱2の下端部に取付けられ、昇降支柱2が転倒しないように支持する前後の支持枠3,4と、この支持枠3,4に設けられた移動用車輪5,6と、上記昇降支柱2に人力または動力により昇降可能に支持されるラップサイロ挟持部8と、昇降支柱2の後側に設けられ、人力により操作される移動用ハンドル13と、を備え、前記ラップサイロ挟持部8には、左右対をなして対向して設けられ、その一方が支点10aにより支持されてシリンダ機構11により水平方向に移動可能な挟持アーム9,10と、この挟持アーム9,10の対向位置に設けられ、小型ベールラッパ14により調製されたラップサイロAを傷つけることなく挟持すると共に挟持したラップサイロAを垂直方向に回動可能に支持する支持マット12,12と、を設けたので、以下の作用効果を奏することができる。

【0017】
小型ベールラッパ14によって調製された小型ラップサイロAを収容場所に縦姿勢に積み上げるときは、ハンドリング装置1を移動用ハンドル13の操作で移動用車輪5,6により移動させてベールラッパAに接近させ、ラップサイロ挟持部8の挟持アーム9,10を下降させてシリンダ機構11により支持マット12を開閉操作して横姿勢になっているラップサイロAの一側寄り部分を挟持し、ラップサイロ挟持部8を上昇させてラップサイロAを持ち上げる。この持ち上げ過程でラップサイロAは、その自重により支持マット12,12を回動させて縦姿勢となり、この状態でハンドリング装置1を移動用車輪5,6により収容場所に移動させる。そして、ラップサイロAを所望高さに昇降調節して支持マット12,12によるラップサイロAの挟持を開放することで、ラップサイロAを縦姿勢に積み上げることができる。

【0018】
積み上げられたラップサイロAを下ろすときは、ハンドリング装置1を移動用ハンドル13の操作で移動用車輪5,6により移動させてラップサイロAの積み上げ収容場所に接近させ、ラップサイロ挟持部8の挟持アーム9,10を下ろすべきラップサイロAに接近するよう上昇させ、シリンダ機構11により挟持アーム9,10を開閉操作して縦姿勢のラップサイロAの上部寄り部分(下部寄り部分でもよい)を支持マット12,12により挟持して持ち上げ、ハンドリング装置1を移動用車輪5,6によりラップサイロAを下ろす場所まで移動させる。そして、ラップサイロ挟持部8を下降させて、ラップサイロAを縦姿勢のまま、あるいは、横姿勢に回動させて下ろし、支持マット12,12による挟持を開放すればよい。

【0019】
このようなラップサイロAの積み下ろし作業時に、作業者は、ハンドリング装置1を移動用ハンドル13の操作で移動用車輪5,6により移動させる、ラップサイロ挟持部8を人力または動力により昇降支柱2に沿って昇降させる、挟持アーム9,10をシリンダ機構11により開閉させる、ラップサイロAの縦・横姿勢を制御、誘導する、といった程度の労力を要するのみで、一人の作業者により50kg程度のラップサイロAを少ない労力で自由に積み下ろしすることができる。
図面
【図3】
0
【図4】
1
【図1】
2
【図2】
3
【図5】
4