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明細書 :落下式衝撃試験装置の懸垂装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3148985号 (P3148985)
公開番号 特開2000-304669 (P2000-304669A)
登録日 平成13年1月19日(2001.1.19)
発行日 平成13年3月26日(2001.3.26)
公開日 平成12年11月2日(2000.11.2)
発明の名称または考案の名称 落下式衝撃試験装置の懸垂装置
国際特許分類 G01N  3/30      
FI G01N 3/30 Z
請求項の数または発明の数 4
全頁数 9
出願番号 特願平11-115121 (P1999-115121)
出願日 平成11年4月22日(1999.4.22)
審査請求日 平成11年5月12日(1999.5.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】391037397
【氏名又は名称】科学技術庁航空宇宙技術研究所長
発明者または考案者 【氏名】峯岸 正勝
【氏名】熊倉 郁夫
個別代理人の代理人 【識別番号】100080883、【弁理士】、【氏名又は名称】松隈 秀盛
審査官 【審査官】▲高▼見 重雄
参考文献・文献 特開 昭50-149363(JP,A)
実開 昭55-127252(JP,U)
実開 平6-53955(JP,U)
調査した分野 G01N 3/30
G01M 7/00
特許請求の範囲 【請求項1】
懸垂装置と、該懸垂装置に懸垂される重錘とを有し、該懸垂装置による上記重錘の懸垂の解除によって、上記重錘が自由落下し、該重錘の自由落下によって、床面上に載置された供試体、又は、上記重錘の下端に取付けられた供試体に衝撃荷重を与えるようにした落下式衝撃試験装置の懸垂装置において、
懸垂部と、
該懸垂部に回動自在に軸支され、上記重錘に設けられたピンと係合する懸垂用フックと、
ボールねじと、
該ボールねじを駆動するステッピングモータと、
該ステッピングモータを制御するコントローラと、
上記ボールねじと螺合して直線移動せしめられるナットと、
該ナット及び上記懸垂用フック間に取付けられたロッドとを有し、
上記ステッピングモータによるボールねじの駆動によって、上記ナットを移動させることによって、上記懸垂用フックを回動させて、該フックの上記重錘のピンとの係合を解除するようにしたことを特徴とする落下式衝撃試験装置の懸垂装置。

【請求項2】
上記懸垂用フックには、上記重錘に設けられたピンと係合する湾曲部と、該湾曲部の下側の傾斜部とが設けられると共に、
上記懸垂用フックと上記懸垂部との間に自動復帰用ばねが架張されてなり、
上記懸垂用フックの下降によって、上記傾斜部が上記ピンと接触しながら移動することによって、上記懸垂用フックが一の方向に回動して、上記湾曲部と上記ピンとの接触が開始され、上記自動復帰用ばねの張力によって、上記湾曲部と上記ピンとが係合するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の落下式衝撃試験装置の懸垂装置。

【請求項3】
上記落下式衝撃試験装置は、上記コントローラに接続されたドアスイッチが設けられた扉を有する枠体内に収容されてなり、
上記扉が開放状態のときは、上記モータの回転を停止するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の落下式衝撃試験装置の懸垂装置。

【請求項4】
上記コントローラには、上記モータの回転を停止するための緊急停止スイッチが接続されてなることを特徴とする請求項1に記載の落下式衝撃試験装置の懸垂装置。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は落下式衝撃試験装置の懸垂装置に関する。

【0002】
【従来の技術】落下式衝撃試験装置では、重錘を懸垂装置で懸垂し、その後、その懸垂状態を解除して、その重錘を自由落下させ、床面上に載置されている供試体上に落下せしめて、その供試体に衝撃荷重を与えてその供試体の衝撃試験を行う。その際、その供試体の変形、破壊等の状況を、光学式変位計で計測したり、高速度カメラで撮影する。

【0003】
この落下式衝撃試験装置の従来の懸垂装置の懸垂解除手段として、空気圧式アクチュエータを用いたものがある。

【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、供試体の変形、破壊等の状況を光学式変位計で計測する場合、データの計測条件によっても異なるが、通常使用する応答速度から、サンプリング速度は1μsec /wordであり、変位計のデータ記憶用メモリの記憶容量は4kwordであるため、このケースでは、4msec の間の変位の測定が可能である。又、サンプリング速度50倍遅い50μsec /wordの計測の場合でも、200msec の間の測定が最大となる。

【0005】
ところが、落下式衝撃試験装置の従来の懸垂装置の懸垂解除手段として、空気圧式アクチュエータを用い、懸垂装置に懸垂された重錘を、スプリングを圧縮する空気源を共通に用いて、空気式アクチュエータの力で、重錘から懸垂装置のフックを外すことによって、懸垂の解除を行っていた。この空気式アクチュエータを用いた懸垂装置は、重錘の自由落下の有効高さが約1000mmと低いため、重錘にスプリングの反発力を付加して落下に初速を与え、衝撃速度(最大13.4m/sec で、そのときの最大エネルギーは224Joule となる)を増大させるため、そのアクチュエータの作動時間が1~5秒の間でばらついて、一定でないため、次のような問題点があった。

【0006】
即ち、高速度カメラの撮影開始点や、変位計による計測開始点を正確に設定できないため、不必要な大量の撮影を行ったり、不必要な大量のデータを取得したり、撮影すべき場面を逃したり、計測すべきデータを計測し損なったりすることがあった。又、落下式衝撃試験装置の従来の懸垂装置の懸垂解除手段として、空気圧式アクチュエータを用いたものでは、重錘に供試体を取り付けることができなかった。

【0007】
かかる点に鑑み、本発明は、落下式衝撃試験装置の懸垂装置において、重錘の懸垂解除の時点を正確に制御することのできるものを提案しようとするものである。

【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、懸垂装置と、その懸垂装置に懸垂されると共に、その懸垂装置による重錘に対する懸垂を解除することによって、自由落下して、床面上に載置された供試体、又は、重錘の下端に取付けられた供試体に衝撃荷重を与える重錘とを有する落下式衝撃試験装置の懸垂装置において、懸垂部と、その懸垂部に回動自在に軸支され、重錘に設けられたピンと係合するフックと、ボールねじと、そのボールねじを駆動するステッピングモータと、ボールねじと螺合して直線移動せしめられるナットと、そのナット及びフック間に取付けられたロッドとを有し、ステッピングモータによるボールねじの駆動によって、ナットを移動させることによって、フックを回動させて、そのフックの重錘のピンとの係合を解除することによって、懸垂部による重錘の懸垂を解除するようにした落下式衝撃試験装置の懸垂装置である。

【0009】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態の落下式衝撃試験装置の懸垂装置を説明する。先ず、落下式衝撃試験装置の横断面図を示す図3を説明する。FLはフレーム(枠体)を示し、以下、このフレームFLについて説明する。1A~1Dは直角四辺形の頂点に植立された、互いに平行な4本の柱を示す。柱1D、1A間及び柱1B、1C間にそれぞれ壁2A、2Bが形成され、これら壁2A、2Bは互いに略平行に配されている。尚、図示せざるも、これら壁2A、2Bの一部には覗き窓が設けられている。

【0010】
柱1A、1Bの下半分には、柱1Aに取り付けた蝶番を軸として回動する片開きの透明耐衝撃性ガラス扉3Aが設けられている。柱1Bのガラス扉3Aが当たる部分には、ドアスイッチ4Aが取付けられており、このドアスイッチ4Aによって、ガラス扉3Aの開放状態を検出し得るようにしている。同様に、柱1C、1Dの下半分には、柱1Dに取り付けた蝶番を軸として回動する片開きの透明耐衝撃性ガラス扉3Cが設けられている。柱1Cのガラス扉3Cが当たる部分には、ドアスイッチ4Cが取付けられており、このドアスイッチ4Cによって、ガラス扉3Aの開放状態を検出し得るようにしている。

【0011】
柱1B、1Cの下半分には、それぞれ柱1B、1Cに取付けられた蝶番を軸として回動する両開きの透明耐衝撃性ガラス扉3Ba、3Bbが設けられている。壁2Bの中央部のガラス扉3Ba、3Bbが当たる部分にはドアスイッチ4Ba、4Bbが取り付けられており、これらドアスイッチ4Ba、4Bbによって、ガラス扉3Ba、3Bbの各別の開放状態を検出し得るようになされている。同様に、柱1D、1Aの下半分には、それぞれ柱1D、1Aに取付けられた蝶番を軸として回動する両開きの透明耐衝撃性ガラス扉3Da、3Dbが設けられている。壁2Aの中央部のガラス扉3Da、3Dbが当たる部分にはドアスイッチ4Da、4Dbが取り付けられており、これらドアスイッチ4Da、4Dbによって、ガラス扉3Da、3Dbの各別の開放状態を検出し得るようになされている。

【0012】
5は重錘で、この重錘5がその両側の直動軸受け7A、7Bを介して、壁2A、2Bのそれぞれ中央部に、上下に延在する如く取付けられた一対のレール6A、6Bに案内されて、上下に移動し得るように取付けられている。この重錘5は2枚の板を有し、その2枚の板の中央部貫通する如く、ピン5Aが取付けられている。

【0013】
次に、落下式衝撃試験装置及びその動作状態を示す縦断面図を示す図4を説明する。図4Aは重錘の懸垂状態を示し、図4Bは重錘の懸垂状態が解除されて、重錘が落下した状態を示す。尚、図4において、図3と対応する部分には、同一符号が付してある。図4A、Bにおいて、9は懸垂装置で、懸垂部9A及びその懸垂部9Aに取付けられた懸垂用フック9Bを備えている。懸垂部9Aは、その両側の直動軸受け10A、10Bを介して、フレームFLの壁2A、2Bのそれぞれ中央部に、上下に延在する如く取付けられた一対のレール6A、6Bに案内されて、上下に移動し得るように取付けられている。懸垂部9Aは、図示を省略するも、ワイヤロープの一端に取付けられ、そのワイヤロープが巻き取り器に巻き取られ、その巻き取り器がモータによって回転駆動され、これによって懸垂部9Aが上下に移動可能とされ、又、所定位置に固定せしめられる。又、この懸垂装置9は、例えば、数kg~200kg程度の懸垂能力を有する。このため、重錘5に供試体10を取り付けた状態で落下させることもできる。

【0014】
図4A、Bにおいて、懸垂装置9の懸垂部9Aは上下方向の所定位置に固定されている。そして、図4Aでは、懸垂部9Aに取付けられたフック9Bが重錘5に植立されたピン5Aと係合でしているので、重錘5は懸垂装置9に懸垂された状態にある。そして、供試体10が、重錘5の下方の床面11上にに載置されている。

【0015】
図4Bは、懸垂部9Aに取付けられた懸垂用フック9Bの重錘5のピンとの係合が解除され、即ち、懸垂装置9による重錘5の懸垂状態が解除さて、重錘5がその自重で落下して、床面PT上の供試体10に衝撃負荷を与え、供試体5が変形していることを示している。

【0016】
重錘5には、これに負荷重量を追加することができる。又、供試体10を重錘5の下端(下面)に、直接に、又は、供試体10の構造、重量等に応じた種々の取付け金具等を用いて固定し、懸垂装置9による重錘5に対する懸垂を解除して、供試体10を床面11に衝突せしめて、重錘5及び床面11にて、供試体10に衝撃荷重を与えるようにしても良い。

【0017】
供試体10としては、板、パイプ等の単純な形状のものの他に、航空機の構成要素自体、又は、そのの模型等の複雑な形状のものもあり、又、その材質も金属、複合材料等である。

【0018】
次に、図1を参照して、落下式衝撃試験装置の懸垂装置9の重錘5の懸垂解除手段を説明する。12はモータ、この例ではステッピングモータで、このステッピングモータ12は、送りねじ、この例では、高精度の送りねじであるボールねじ13を回転駆動する。このステッピングモータ12は、この例では、駆動トルクの大きな5相のステッピングモータである。ステッピングモータ12は、相数が大きい程、駆動トルクが大きくしかも低振動である。このステッピングモータ12はコントローラ14によって、その回動の有無が制御される。

【0019】
このコントローラ14には、緊急停止スイッチ15及びドアスイッチ4(図3のドアスイッチ4A、4Ba、4Bb、4C、4Da、4Db)が設けられている。緊急停止スイッチ15を操作すると、コントローラ14の制御によって、ステッピングモータ12の回転を停止させることができる。又、ドアスイッチ4を構成する図3のドアスイッチ4A、4Ba、4Bb、4C、4Da、4Dbのいずれかの少なくとも1つが、ガラス扉の開放状態によって、OFFとなっているときは、コントローラ14の制御によって、ステッピングモータ12が回転しないようになされている。

【0020】
16は、ボールねじ13に螺合されて直線移動するナットで、実線のナット16の位置Aから破線のナット16′の位置Bまでの範囲内を移動し得る。このナット16には、回動自在に板状のロッド17が取り付けられている。このロッド17には、両端を除いて幅の一定な長孔17aが形成され、その長孔17aに、懸垂用フック9B上に植立されているピン18が、相互に移動自在に係合するようになされている。

【0021】
フック9Bの、図1において、上方の部分で、軸18によって、点Pの回りに回動自在に、懸垂部9Aに取付けられている。又、このフック9Bの、図1において、上方の部分で、軸18とは離間した部分と、懸垂部9Aとの間に、フック9Bを定位置に復帰させるためのコイルばね19が架張されている。

【0022】
そして、ナット16が点Aに位置するときは、フック9Bの湾曲部9Baに、点Oに位置する重錘5のピン5Aが係合して、懸垂部9Aが、フック9B及びピン5Aの係合によって、荷重wを有する重錘5を懸垂している。このときの軸18の点P及びピン5Aの点Oからの鉛直線L1 、L2 間の差分dによるモーメントと、フック9Bを定位置に復帰させるためのコイルばね19の弾性力によって、フック9Bは点Pを軸として点Oを時計方向に押す力、即ち、フック9Bとピン18との間の係合を保持する力が作用している。尚、SLは、フック9Bの下側の傾斜部である。

【0023】
そして、光学式変位計や高速度カメラをコントローラ14に接続しておく。ステッピングモータ12がボールねじ13を駆動して、ナット16が16′にて示す点Bの位置まで移動すると、ロッド17の移動により、フック9Bを、コイルばね19の弾性力に抗して、フック9Bを一点鎖線で示す9B′の位置まで反時計方向に回動させ、これにより、フック9Bの湾曲部9Baの先端の点Sが、ピン5Aの下端を通過すると、重錘5の自重によって、フック9Bの湾曲部9Baと、重錘5のピン5Aとの係合が解除され、即ち、懸垂装置9の懸垂部9Aにより重錘5の懸垂状態が解除されて、重錘5は自由落下するが、このとき、光学式変位計の計測が開始され、又、高速度カメラの撮影が開始されて、その後の供試体11(図4参照)の破壊、変形状態が計測され、又は、高速度撮影される。

【0024】
尚、ナット16は点Bの位置に所定時間留まった後、コントローラ14のプログラムに基づく制御によって、ステッピングモータ12が回転して、点Aの位置まで戻される。

【0025】
次に、図2を参照して、懸垂用フックの自動復帰動作の説明を行う。図4Bに示すように、落下して停止している重錘5′に対し、懸垂装置9の懸垂部9Aが下降する。かくすると、フック9Bの傾斜部SLが重錘5′のピン5A′に接触し、コイルばね19によるフック9Bの反時計方向の回動偏倚と、懸垂装置9の懸垂部9Aの自重とによって、フック9B′の傾斜部SLがピン5Aを滑り、反時計方向に回動し、フック9Bの点Sがピン5A′を通過した後、コイルバネ19の弾性力によって、フック9B′が時計方向に回動して、ピン5A′が、フック9B′の湾曲部9Baと係合し、このとき懸垂装置9の懸垂部9Aの下降は停止し、懸垂装置9の懸垂部9Aが、そのフック9Bによって重錘5′が懸垂された状態で、所定高さ位置まで上昇し、再び、落下式衝撃試験が行われる。

【0026】
上述の実施の形態によれば、懸垂部9Aに回動自在に軸支され、重錘5に設けられたピン5Aと係合する懸垂用フック9Bと、ボールねじ13と、そのボールねじ13を駆動するステッピングモータ12と、ボールねじ13と螺合して直線移動せしめられるナット16と、そのナット16及び懸垂用フック9B間に取付けられたロッド17とを有し、ステッピングモータ12によるボールねじ13の駆動によって、ナット16を移動させることによって、懸垂用フック9Bを回動させて、その懸垂用フック9Bの重錘5のピン5Aとの係合を解除することによって、懸垂部9Aによる重錘5の懸垂を解除するようにしたので、コントローラ14によって、ステッピングモータ12の回転速度、回転方向、ステップ数等を任意に制御し得るところから、ボールネジ13上のナット16の移動を正確に制御することができ、これによって、重錘5の重量の大小に拘らず、重錘5の懸垂解除の時点、即ち、重錘9Bが懸垂用フック9Bから離脱する時点を頗る正確に制御することができる。

【0027】

【0028】
更に、上述の実施の形態において、懸垂用フック9Bには、重錘5に設けられたピン5Aと係合する湾曲部9Baと、その湾曲部9Baの下側の傾斜部SLとが設けられると共に、懸垂用フック9Bと懸垂部9Aとの間に自動復帰用ばね19が架張されてなり、懸垂用フック9Bの下降によって、傾斜部SLがピンと接触しながら移動することによって、懸垂用フック9Bが一の方向に回動して、湾曲部9Baとピン5Aとの接触が開始され、自動復帰用ばね19の張力によって、湾曲部9Baとピン5Aとが係合するようにしたので、懸垂用フック9Bを容易に重錘5のピン5Aに係合させることができる。

【0029】
更に、上述の実施の形態において、落下式衝撃試験装置は、コントローラ14に接続されたドアスイッチ4が設けられた扉3A、3Ba、3Bb、3C、3Da、3Dbを有するフレーム(枠体)FL内に収容されてなり、扉が開放状態のときは、モータ12の回転を停止するようにしたので、落下式衝撃試験装置の試験中に、人が誤って扉を開けたときでも、重錘の自由落下によって人が被害を受けるのを回避することができる。

【0030】
更に、上述の実施の形態において、コントローラ14には、モータ12の回転を停止するための緊急停止スイッチ15が接続されてなるので、必要時にはいつでも、懸垂装置の懸垂用フックによる重錘の懸垂の解除を停止して、落下式衝撃試験装置自体の障害や人に与える被害を回避することができる。

【0031】
【発明の効果】第1の本発明によれば、懸垂装置と、その懸垂装置に懸垂される重錘とを有し、その懸垂装置による重錘の懸垂の解除によって、重錘が自由落下し、その重錘の自由落下によって、床面上に載置された供試体、又は、重錘の下端に取付けられた供試体に衝撃荷重を与えるようにした落下式衝撃試験装置の懸垂装置において、懸垂部と、その懸垂部に回動自在に軸支され、重錘に設けられたピンと係合する懸垂用フックと、ボールねじと、そのボールねじを駆動するステッピングモータと、そのステッピングモータを制御するコントローラと、ボールねじと螺合して直線移動せしめられるナットと、そのナット及び懸垂用フック間に取付けられたロッドとを有し、ステッピングモータによるボールねじの駆動によって、ナットを移動させることによって、懸垂用フックを回動させて、そのフックの重錘のピンとの係合を解除するようにしたので、コントローラによって、ステッピングモータの回転速度、回転方向、ステップ数等を任意に制御し得るところから、ボールネジ上のナットの移動を正確に制御することができ、これによって、重錘の重量の大小に拘らず、重錘の懸垂解除の時点、即ち、重錘が懸垂用フックから離脱する時点を頗る正確に制御することができる。

【0032】

【0033】
第2の本発明によれば、第1の本発明の落下式衝撃試験装置の懸垂装置において、懸垂用フックには、重錘に設けられたピンと係合する湾曲部と、その湾曲部の下側の傾斜部とが設けられると共に、懸垂用フックと懸垂部との間に自動復帰用ばねが架張されてなり、懸垂用フックの下降によって、傾斜部がピンと接触しながら移動することによって、懸垂用フックが一の方向に回動して、湾曲部とピンとの接触が開始され、自動復帰用ばねの張力によって、湾曲部とピンとが係合するようにしたので、第1の本発明と同様の効果が得られると共に、懸垂用フックを容易に重錘のピンに係合させることのできる落下式衝撃試験装置の懸垂装置を得ることができる。

【0034】
第3の本発明によれば、第1の本発明の落下式衝撃試験装置の懸垂装置において、落下式衝撃試験装置は、コントローラに接続されたドアスイッチが設けられた扉を有する枠体内に収容されてなり、扉が開放状態のときは、モータの回転を停止するようにしたので、第1の本発明と同様の効果が得られると共に、落下式衝撃試験装置の試験中に、人が誤って扉を開けたときでも、重錘の自由落下によって人が被害を受けるのを回避することのできる落下式衝撃試験装置の懸垂装置を得ることができる。

【0035】
第4の本発明によれば、第1の本発明の落下式衝撃試験装置の懸垂装置において、コントローラには、モータの回転を停止するための緊急停止スイッチが接続されてなるので、第1の本発明と同様な効果が得られると共に、必要時にはいつでも、懸垂装置の懸垂用フックによる重錘の懸垂の解除を停止して、落下式衝撃試験装置自体の障害や人に与える被害を回避することのできる落下式衝撃試験装置の懸垂装置を得ることができる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3