POLYMER SUPPORTED BORON CATALYST AND METHOD FOR PRODUCING MICHAEL ADDITION REACTION PRODUCT USING THAT CATALYST
外国特許コード | F110005799 |
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整理番号 | E07618WO |
掲載日 | 2011年9月22日 |
出願国 | 世界知的所有権機関(WIPO) |
国際出願番号 | 2011JP052731 |
国際公開番号 | WO 2011/111460 |
国際出願日 | 平成23年2月9日(2011.2.9) |
国際公開日 | 平成23年9月15日(2011.9.15) |
優先権データ |
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発明の名称 (英語) | POLYMER SUPPORTED BORON CATALYST AND METHOD FOR PRODUCING MICHAEL ADDITION REACTION PRODUCT USING THAT CATALYST |
発明の概要(英語) | Disclosed is a polymer supported boron catalyst where boron that may be used in a Michael addition reaction is supported on a polymer and a method for producing a carbon-carbon addition product by a Michael addition reaction using this polymer supported boron catalyst. This polymer supported boron catalyst has a boron compound such as NaBH4 supported on a styrene polymer. In a liquid phase in the presence of this polymer supported boron catalyst, (a) a nucleophilic agent such as CH2(R1)2 (In the formula, R1 represents an electron-withdrawing group such as COR7 (In the formula, R7 represents a hydrocarbon group.), -NO2 or -CN) and (b) a vinyl compound represented by CH2=CH(COR9) (In the formula, R9 represents a hydrocarbon group are reacted in a Michael addition reaction to produce an addition product represented by CH(R1)2-CH2-CH2(COR9). (In the formula, R1 and R9 are the same as above.)). |
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国際特許分類(IPC) |
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参考情報 (研究プロジェクト等) | ERATO KOBAYASHI Highly Functionalized Reaction Environments AREA |
日本語項目の表示
発明の名称 | 高分子担持ホウ素触媒及びこの触媒を用いたマイケル付加反応生成物の製法 |
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発明の概要 | 【課題】本発明は、マイケル付加反応へ応用することのできるホウ素を高分子に固定化した高分子担持ホウ素触媒及びこの高分子担持ホウ素触媒を用いてマイケル付加反応により炭素-炭素付加生成物を製造する方法を提供する。【解決手段】本発明の高分子担持ホウ素触媒は、NaBH4などのホウ素化合物をスチレン系高分子に担持させて成る。この高分子担持ホウ素触媒の存在下液相で、(a)CH2(R1)2(式中、R1は、COR7(式中、R7は炭化水素基を表す。)、-NO2、-CNなどの電子求引性基を表す。)で表される求核剤と、(b)CH2=CH(COR9)(式中、R9は炭化水素基を表す。)で表されるビニル化合物とを反応させて、マイケル付加反応によりCH(R1)2-CH2-CH2(COR9)(式中、R1、R9は上記と同じ。)で表される付加生成物を製造する。 |
特許請求の範囲 |
【請求項1】液相で、高分子担持ホウ素触媒の存在下で、 (a)CH(R1)m(R2)3-m(式中、R1は、それぞれ独立して、COR7、COOR8、-NO2又は-CNを表し(式中、R7及びR8は、それぞれ、炭化水素基を表す。)、R2は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、mは1又は2を表す。)で表される求核剤と、 (b)CR3R4=C(R5)n(R6)2-n(式中、R5は、それぞれ独立して、COR9、COOR10、-NO2又は-CNを表し(式中、R9及びR10は、それぞれ、炭化水素基を表す。)を表し、R3、R4及びR6は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、nは1又は2を表す。)で表されるビニル化合物とから、マイケル付加反応により、 C(R1)m(R2)3-m-CR3R4-CH(R5)n(R6)2-n (式中、R1~R6、m、nは上記と同様を表す。)で表される付加生成物を製造する方法であって、該高分子担持ホウ素触媒が、XBH4(式中、Xは、アルカリ金属又は4級アンモニウムイオンを表す。)で表されるホウ素化合物を水酸基を有するスチレン系高分子に担持させて成る、マイケル付加反応生成物の製法。 【請求項2】液相で、高分子担持ホウ素触媒の存在下で、 (a)CH(R1)m(R2)3-m(式中、R1は、それぞれ独立して、COR7、COOR8、-NO2又は-CNを表し(式中、R7及びR8は、それぞれ、炭化水素基を表す。)、R2は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、mは1又は2を表す。)で表される求核剤と、 (b’)CR3R4=C(R11)n(R6)2-n(式中、R11はCH(OH)R9(式中、R9は、炭化水素基を表す。)を表し、R3、R4及びR6は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、nは1又は2を表す。)で表されるビニル化合物とから、マイケル付加反応により、 C(R1)m(R2)3-m-CR3R4-CH(COR9)n(R6)2-n (式中、R1~R4、R6、R9、m、nは上記と同様を表す。)で表される付加生成物を製造する方法であって、該高分子担持ホウ素触媒が、XBH4(式中、Xは、アルカリ金属又は4級アンモニウムイオンを表す。)で表されるホウ素化合物を水酸基を有するスチレン系高分子に担持させて成る、マイケル付加反応生成物の製法。 【請求項3】前記高分子担持ホウ素触媒が、更にケッチェンブラックを含む請求項1又は2に記載の製法。 【請求項4】前記スチレン系高分子が、下式(化1) 【化学式1】(式中、x、y及びzは構成モノマーのモル比を表し、(x+y+z)に対してyは0~60%、zは10~60%、xは0であってもよい残部を表し、oは0~5の整数、pは0~6の整数を表す。)で表される請求項1~3のいずれか一項に記載の製法。 【請求項5】mが2である請求項1~4のいずれか一項に記載の記載の製法。 【請求項6】nが1である請求項1~5のいずれか一項に記載の製法。 【請求項7】R2が水素原子である請求項1~6のいずれか一項に記載の製法。 【請求項8】R3及びR4が水素原子である請求項1~7のいずれか一項に記載の製法。 【請求項9】R6が水素原子である請求項1~8のいずれか一項に記載の製法。 【請求項10】XBH4(式中、Xは、アルカリ金属又は4級アンモニウムイオンを表す。)で表されるホウ素化合物を下式(化1) 【化学式1】(式中、x、y及びzは構成モノマーのモル比を表し、(x+y+z)に対してyは0~60%、zは10~60%、xは0であってもよい残部を表し、oは0~5の整数、pは0~6の整数を表す。)で表されるスチレン系高分子に担持させて成るマイケル付加反応用高分子担持ホウ素触媒。 【請求項11】更にケッチェンブラックを含む請求項10に記載の触媒。 |
明細書 |
【発明の名称】高分子担持ホウ素触媒及びこの触媒を用いたマイケル付加反応生成物の製法 【技術分野】 この発明は、高分子担持ホウ素触媒を用いたマイケル付加反応により炭素-炭素付加生成物を製造する方法に関する。 【背景技術】 α,β-不飽和カルボニル化合物に求核剤を付加させるマイケル付加反応は、炭素-炭素結合反応として様々な物質の合成に利用されている。 【先行技術文献】 【特許文献】
【非特許文献】
【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 本願発明は、マイケル付加反応へ応用することのできるホウ素を高分子に固定化した高分子担持ホウ素触媒及びこの高分子担持ホウ素触媒を用いてマイケル付加反応により炭素-炭素付加生成物を製造する方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 本発明者らは新規に高分子担持ホウ素触媒を開発し、液相で、この高分子担持ホウ素触媒の存在下で、求核剤と特定のビニル化合物とを反応させると、炭素-炭素付加生成物が生成することを見出し、本発明を完成させるに至った。 また本発明は、XBH4(式中、Xは、アルカリ金属又は4級アンモニウムイオンを表す。)で表されるホウ素化合物を下式(化1) 【発明を実施するための最良の形態】 本発明で用いる高分子担持ホウ素触媒は、XBH4で表されるホウ素化合物をスチレン系高分子に担持させて成る。 本発明で用いるスチレン系高分子はスチレンモノマーをベースとした高分子であり、水酸基を必須に有する。このスチレン系高分子は、その主鎖又はベンゼン環に水酸基を有する親水性側鎖を有するものが好ましい。 このようなスチレン系高分子として、例えば、下式(化2) このスチレン系高分子は、更に任意に、下式(化4) 本発明で用いるスチレン系高分子として、下記の高分子が挙げられる。 この触媒に、更にケッチェンブラックを含有させてもよい。ケッチェンブラックは導電性カーボンブラックで、性能の優秀さ、品質の安定性で優れている。プラスチック・ゴムなどに混練りすることで、従来のカーボンブラックに比べ少量の添加量で同等の導電性を付与することと併せて高い評価を得ている活性炭であり、またケッチェンブラックは他のカーボンブラックと異なり、中空シェル状の構造を持っているため、特異的な性能を発揮する活性炭である。 ホウ素化合物を担持した高分子は、エポキシ基などの架橋性官能基を含む場合、架橋することができる。特に、水酸基とエポキシ基を含む場合にはこれらが反応するので好ましい。 本発明においては、液相で、この高分子担持ホウ素触媒の存在下で、求核剤と特定のビニル化合物とを反応させる。 もう一方の反応基質であるビニル化合物は求電子剤としての役割があるため、ビニル基の一端に少なくとも一つの電子求引性基(R5)を有し、次式で表される。 また上記(b)ビニル化合物の代わりに下記(b’)ビニル化合物を用いてもよい。 この反応は液相で行なわれる。 その結果、次式で表される付加生成物が合成される。 【実施例】 以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。 製造例1 製造例2 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 実施例6 実施例7 実施例8 実施例9 実施例10 上記の反応の反応時間ごとのマイケル付加生成物と生成が予想された中間体(1-フェニル-3-ブテン-1-オン)の収率を下表に示す。 参考例1 実施例11 実施例12 |
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