PEPTIDE-PRESENTING PROTEIN AND PEPTIDE LIBRARY EMPLOYING SAME
外国特許コード | F150008218 |
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掲載日 | 2015年3月26日 |
出願国 | 世界知的所有権機関(WIPO) |
国際出願番号 | 2014JP061366 |
国際公開番号 | WO 2014175305 |
国際出願日 | 平成26年4月23日(2014.4.23) |
国際公開日 | 平成26年10月30日(2014.10.30) |
優先権データ |
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発明の名称 (英語) |
PEPTIDE-PRESENTING PROTEIN AND PEPTIDE LIBRARY EMPLOYING SAME
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発明の概要(英語) | The purpose of the present invention is to provide a method for screening peptides displaying high specificity to a target molecule. The problem is solved by a peptide-presenting protein presenting a peptide in a presentation region from 131-139 in an amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 54, wherein the peptide-presenting protein presents an amino acid sequence of 4-15 peptides inserted into the amino acid sequence of 131-139, or 1-9 amino acid sequences substituted into the amino acid sequence of 131-139, the chain length of the amino acid sequence corresponding to the amino acid sequence of 131-139 being 15 or less. |
従来技術、競合技術の概要(英語) |
BACKGROUND ART The function of binding to a target molecule with high specificity to an immunogenic peptide useful for drug discovery, in order to obtain them, various types of peptide display techniques and high throughput screening of generating peptide technologies have been developed. For specific presentation of the method include peptide libraries, phage display, presented method E. coli, or yeast is used in the present method or the like. For example, in phage, screening the peptides, as a fusion with a bacteriophage coat protein polypeptide is expressed. Peptide display phage particles, and the target substance is brought into contact with the immobilized microtiter plate, by performing affinity selection, a peptide having affinity for the target substance can be concentrated by a phage having (non-patent document 1). In a phage display library, concentrated and the displayed peptide to the phage, the gene encoding the corresponding 1 1 for the pair, the peptides of interest can be identified easily. In addition, can be easily amplified gene (growth), as a screening method for peptides, are widely used. |
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国際特許分類(IPC) |
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指定国 |
National States: AE AG AL AM AO AT AU AZ BA BB BG BH BN BR BW BY BZ CA CH CL CN CO CR CU CZ DE DK DM DO DZ EC EE EG ES FI GB GD GE GH GM GT HN HR HU ID IL IN IR IS JP KE KG KN KP KR KZ LA LC LK LR LS LT LU LY MA MD ME MG MK MN MW MX MY MZ NA NG NI NO NZ OM PA PE PG PH PL PT QA RO RS RU RW SA SC SD SE SG SK SL SM ST SV SY TH TJ TM TN TR TT TZ UA UG US UZ VC VN ZA ZM ZW ARIPO: BW GH GM KE LR LS MW MZ NA RW SD SL SZ TZ UG ZM ZW EAPO: AM AZ BY KG KZ RU TJ TM EPO: AL AT BE BG CH CY CZ DE DK EE ES FI FR GB GR HR HU IE IS IT LT LU LV MC MK MT NL NO PL PT RO RS SE SI SK SM TR OAPI: BF BJ CF CG CI CM GA GN GQ GW KM ML MR NE SN TD TG |
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発明の名称 |
ペプチド提示タンパク質及びそれを用いたペプチドライブラリー
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発明の概要 | 本発明の目的は、標的分子との特異性の高いペプチドのスクリーニング方法を提供することである。 前記課題は、配列番号54で表されるアミノ酸配列における131番~139番の提示領域にペプチドが提示されたペプチド提示タンパク質であって、前記提示が、4~15個のペプチドのアミノ酸配列を、前記131番~139番のアミノ酸配列に挿入、若しくは131番~139番のアミノ酸配列の1~9個のアミノ酸配列と置換するものであって、且つ131番~139番のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列の鎖長が15個以下である、ペプチド提示タンパク質によって解決することができる。 |
特許請求の範囲 |
請求の範囲 [請求項1] 配列番号54で表されるアミノ酸配列における131番~139番の提示領域にペプチドが提示されたペプチド提示タンパク質であって、 前記提示が、4~15個のペプチドのアミノ酸配列を、前記131番~139番のアミノ酸配列に挿入、若しくは131番~139番のアミノ酸配列の1~9個のアミノ酸配列と置換するものであって、且つ131番~139番のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列の鎖長が15個以下である、ペプチド提示タンパク質。 [請求項2] 前記配列番号54で表されるアミノ酸配列における1番~130番のアミノ酸配列又は140番~238番のアミノ酸配列において、1又は複数のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、且つ蛍光発生活性を有する請求項1に記載のペプチド提示タンパク質。 [請求項3] 前記挿入又は置換される4~15個のペプチドの末端のアミノ酸配列が、制限酵素サイトを含む塩基配列から翻訳されたアミノ酸配列である、請求項1又は2に記載のタンパク質。 [請求項4] 請求項1~3のいずれか一項に記載のペプチド提示タンパク質及び表面提示タンパク質の融合タンパク質。 [請求項5] 請求項1~3のいずれか一項に記載のペプチド提示タンパク質、又は請求項4に記載の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。 [請求項6] 請求項5に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。 [請求項7] 請求項6に記載のベクターを含む宿主。 [請求項8] 前記提示されるペプチドがランダムなアミノ酸配列からなる複数のペプチドである、請求項7の宿主を含むライブラリー。 [請求項9] 配列番号54で表されるアミノ酸配列における131番~139番の提示領域にペプチドが提示可能なペプチド提示用タンパク質であって、 前記提示が、4~15個のペプチドのアミノ酸配列を、前記131番~139番のアミノ酸配列に挿入、若しくは131番~139番のアミノ酸配列の1~9個のアミノ酸配列と置換するものであって、且つ131番~139番のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列の鎖長が15個以下である、ペプチド提示用タンパク質。 [請求項10] 前記配列番号54で表されるアミノ酸配列における1番~130番のアミノ酸配列又は140番~238番のアミノ酸配列において、1又は複数のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、且つ蛍光発生活性を有する請求項9に記載のペプチド提示用タンパク質。 [請求項11] 前記挿入又は置換される4~15個のペプチドの末端のアミノ酸配列が、制限酵素サイトを含む塩基配列の翻訳されたアミノ酸配列である、請求項9又は10に記載のペプチド提示用タンパク質。 [請求項12] 前記請求項9~11のいずれか一項に記載のペプチド提示用タンパク質及び表面提示タンパク質の融合タンパク質。 [請求項13] 前記請求項9~11のいずれか一項に記載のペプチド提示用タンパク質及び請求項12に記載の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。 [請求項14] 請求項13に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。 [請求項15] 請求項14に記載のベクターを含む宿主。 [請求項16] (1)前記請求項14に記載のベクターに、 4~15個のペプチドであって、そのアミノ酸配列を、前記131番~139番の提示領域のアミノ酸配列に挿入、若しくは131番~139番の提示領域のアミノ酸配列の1~9個のアミノ酸配列と置換し、且つ131番~139番のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列の鎖長が15個以下であるペプチド、 をコードするヌクレオチドを組込み、発現ベクターを得る工程、及び (2)前記発現ベクターを宿主に導入する工程、 を含むライブラリーの構築方法。 [請求項17] (1)標的分子及び請求項8に記載のペプチドライブラリーを接触させる工程、 (2)標的分子に結合した宿主を回収する工程、 を含む標的分子に結合するペプチドのスクリーニング方法。 [請求項18] (3)前記回収した宿主を増幅する工程、 を更に含む請求項17に記載のペプチドのスクリーニング方法。 [請求項19] 前記接触工程(1)、宿主回収工程(2)及び増幅工程(3)を繰り返す、請求項18に記載のペプチドのスクリーニング方法。 |
明細書 |
明 細 書 発明の名称 : ペプチド提示タンパク質及びそれを用いたペプチドライブラリー 技術分野 [0001] 本発明は、ペプチド提示タンパク質及びそれを用いたペプチドライブラリーに関する。本発明によれば、標的分子に対して特異性の高いペプチドをスクリーニングすることができる。 背景技術 [0002] 標的分子に高い特異性をもって結合する機能性ペプチドは創薬にとって有用であり、それらを獲得するために、各種のペプチド提示技術によるペプチドライブラリーの作製とハイスループットなスクリーニング技術が多数開発されている。具体的なペプチドライブラリーのための提示法としては、ファージ提示法(ファージディスプレイ)、大腸菌提示法、又は酵母提示法などが用いられている。例えば、ファージディスプレイでは、スクリーニングされるペプチドは、バクテリオファージ被膜タンパク質へのポリペプチド融合体として発現される。ペプチドがディスプレイされたファージ粒子を、標的物質が固定化されたマイクロタイタープレートと接触させ、アフィニティセレクションを行うことにより、標的物質と親和性を有するペプチドを持ったファージを濃縮することができる(非特許文献1)。 ファージディスプレイ法では、濃縮されたファージに提示されたペプチドと、それをコードする遺伝子が1対1で対応するため、目的のペプチドが容易に特定可能である。また、遺伝子を容易に増幅(増殖)できるため、ペプチドのスクリーニング方法として、広範に用いられている。 先行技術文献 非特許文献 [0003] 非特許文献1 : 「サイエンス(Science)」(米国)1990年、第249巻、p.386-390 非特許文献2 : 「ネイチャー・バイオテクノロジー(Nature Biotechnology)」(英国)2006年、第24巻、p.79-88 発明の概要 発明が解決しようとする課題 [0004] しかしながら、従来のディスプレイ法で得られたペプチドは、標的分子と結合できるが、他の分子とも結合することが多かった。すなわち、標的分子との特異性が低いペプチドもスクリーニングされるため、医薬として実用化できないことが多かった。 従って、本発明の目的は、標的分子との特異性の高いペプチドのスクリーニング方法を提供することである。 課題を解決するための手段 [0005] 本発明者らは、スクリーニングされたペプチドの特異性が低いことについて、鋭意検討した結果、従来のディスプレイ法によって提示されたペプチドは、その構造が自由に変化できる条件でスクリーニングされているのではないかと考えた。そのため、候補ペプチドとして得られたペプチドの多くが標的物質以外の分子にも結合してしまうと考えた。 本発明者は、提示されるペプチドの構造の自由度を抑制する方法について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、superfolderGFP(非特許文献2;以下、sfGFPと称することがある)の131番~139番の領域にペプチドを組込むことにより、ペプチドの構造の自由度が抑制され、標的分子と特異的に結合することのできるペプチドをスクリーニングできることを見出した。 本発明は、こうした知見に基づくものである。 従って、本発明は、 [1]配列番号54で表されるアミノ酸配列における131番~139番の提示領域にペプチドが提示されたペプチド提示タンパク質であって、前記提示が、4~15個のペプチドのアミノ酸配列を、前記131番~139番のアミノ酸配列に挿入、若しくは131番~139番のアミノ酸配列の1~9個のアミノ酸配列と置換するものであって、且つ131番~139番のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列の鎖長が15個以下である、ペプチド提示タンパク質、 [2]前記配列番号54で表されるアミノ酸配列における1番~130番のアミノ酸配列又は140番~238番のアミノ酸配列において、1又は複数のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、且つ蛍光発生活性を有する[1]に記載のペプチド提示タンパク質、 [3]前記挿入又は置換される4~15個のペプチドの末端のアミノ酸配列が、制限酵素サイトを含む塩基配列から翻訳されたアミノ酸配列である、[1]又は[2]に記載のタンパク質、 [4]前記[1]~[3]のいずれかに記載のペプチド提示タンパク質及び表面提示タンパク質の融合タンパク質、 [5]前記[1]~[3]のいずれかに記載のペプチド提示タンパク質、又は[4]に記載の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド、 [6][5]に記載のポリヌクレオチドを含むベクター、 [7][6]に記載のベクターを含む宿主、 [8]前記提示されるペプチドがランダムなアミノ酸配列からなる複数のペプチドである、[7]の宿主を含むライブラリー、 [9]配列番号54で表されるアミノ酸配列における131番~139番の提示領域にペプチドが提示可能なペプチド提示用タンパク質であって、前記提示が、4~15個のペプチドのアミノ酸配列を、前記131番~139番のアミノ酸配列に挿入、若しくは131番~139番のアミノ酸配列の1~9個のアミノ酸配列と置換するものであって、且つ131番~139番のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列の鎖長が15個以下である、ペプチド提示用タンパク質、 [10]前記配列番号54で表されるアミノ酸配列における1番~130番のアミノ酸配列又は140番~238番のアミノ酸配列において、1又は複数のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、且つ蛍光発生活性を有する[9]に記載のペプチド提示用タンパク質、 [11]前記挿入又は置換される4~15個のペプチドの末端のアミノ酸配列が、制限酵素サイトを含む塩基配列の翻訳されたアミノ酸配列である、[9]又は[10]に記載のペプチド提示用タンパク質、 [12]前記[9]~[10]のいずれかに記載のペプチド提示用タンパク質及び表面提示タンパク質の融合タンパク質、 [13]前記[9]~[11]のいずれかに記載のペプチド提示用タンパク質及び[12]に記載の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド、 [14][13]に記載のポリヌクレオチドを含むベクター、 [15][14]に記載のベクターを含む宿主、 [16](1)前記[14]に記載のベクターに、4~15個のペプチドであって、そのアミノ酸配列を、前記131番~139番の提示領域のアミノ酸配列に挿入、若しくは131番~139番の提示領域のアミノ酸配列の1~9個のアミノ酸配列と置換し、且つ131番~139番のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列の鎖長が15個以下であるペプチド、をコードするヌクレオチドを組込み、発現ベクターを得る工程、及び(2)前記発現ベクターを宿主に導入する工程、を含むライブラリーの構築方法、 [17](1)標的分子及び[8]に記載のペプチドライブラリーを接触させる工程、(2)標的分子に結合した宿主を回収する工程、を含む標的分子に結合するペプチドのスクリーニング方法、 [18](3)前記回収した宿主を増幅する工程、を更に含む[17]に記載のペプチドのスクリーニング方法、及び [19]前記接触工程(1)、宿主回収工程(2)及び増幅工程(3)を繰り返す、[18]に記載のペプチドのスクリーニング方法、 に関する。 発明の効果 [0006] 本発明のペプチド提示タンパク質及びそれを用いたペプチドライブラリーによれば、標的分子に特異性の高いペプチドをスクリーニングすることができる。また、ペプチドを提示させる親タンパク質であるsfGFPは、蛍光タンパク質であるため、蛍光強度によって簡便に分子数を見積もることができる。従って、スクリーニングの際のペプチドの結合量を評価するのに有用である。本発明は、汎用されている提示技術(例えば、ファージ提示法、大腸菌提示法、酵母提示法、インビトロウイルス法、又はリボゾームディスプレイ法)に適用できる。従って、既存のハイスループットなスクリーニング技術に応用可能である。更に、本発明により得られるペプチドの配列情報、構造情報を基に分子標的治療薬の開発、ドラッグデリバリーシステムの開発が可能である。 図面の簡単な説明 [0007] [図1] sfGFPの全長のアミノ酸配列、及び131番から139番のアミノ酸配列(白抜き)を示した図である。 [図2] 実施例1~15及び比較例1~5で導入されたカスパーゼ3認識ペプチドのカスパーセ3による切断を示した写真である。 [図3] 実施例1~15及び比較例1~5のペプチド提示タンパク質の、蛍光強度を示したグラフである。 [図4] ペプチド提示タンパク質に組み込んだペプチド(m1(実施例1)、m6(実施例4)、m19(実施例13)、m7(比較例3))の分子動力学シミュレーションを示した図である。 [図5] 乳がん細胞で高頻度に過剰発現が起こるHER2タンパク質に結合するペプチドの配列(A)及びそのペプチドを組込んだペプチド提示タンパク質のHER2への結合(B)を示した図である。 [図6] 131番~137番における本発明のペプチド提示タンパク質であるm12(実施例6)、m15(実施例9)、m16(実施例10)、m19(実施例13)、m21(実施例15)、及びm22(実施例17)のアミノ酸配列(A)及び分子動力学シミュレーション(B)を示した図である。 発明を実施するための形態 [0008] [1]ペプチド提示タンパク質、ポリヌクレオチド、ベクター、及び宿主 《ペプチド提示タンパク質》 本発明のペプチド提示タンパク質は、配列番号54で表されるアミノ酸配列における131番~139番の提示領域にペプチドが提示されたペプチド提示タンパク質であって、前記提示が、4~15個(好ましくは4~14個、より好ましくは4~13個、更に好ましくは4~12個)のペプチドのアミノ酸配列を、前記131番~139番のアミノ酸配列に挿入、若しくは131番~139番のアミノ酸配列の1~9個のアミノ酸配列と置換するものであって、且つ131番~139番のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列の鎖長が15個以下(好ましくは14個以下、より好ましくは13個以下、更に好ましくは12個以下)である。また、131番~139番のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列の鎖長の下限は、好ましくは5個以上である。本発明のペプチド提示タンパク質は、配列番号54で表されるアミノ酸配列における1番~130番のアミノ酸配列又は140番~238番のアミノ酸配列において、1又は複数のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、且つ蛍光発生活性を有するペプチド提示タンパク質であってもよい。配列番号54で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質は、非特許文献2に記載のsfGFPであるが、本発明のペプチド提示タンパク質において、ペプチドが組込まれる親タンパク質としては、GFP系のタンパク質を用いることができる。すなわち、GFP又はGFP由来のGFP変異体タンパク質を、限定されることなく用いることができる。具体的な親タンパク質としては、GFP、YFP、CFP、BFP、又はRFPを挙げることができる。 本発明のペプチド提示タンパク質は、より好ましくは配列番号54で表されるアミノ酸配列における131番~138番の領域にペプチドが提示されたペプチド提示タンパク質であって、前記提示が、4~14個(好ましくは4~13個、より好ましくは4~12個)のペプチドのアミノ酸配列を、前記131番~138番のアミノ酸配列に挿入、若しくは131番~138番のアミノ酸配列の1~8個のアミノ酸配列と置換するものであって、且つ131番~138番のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列の鎖長が14個以下(好ましくは13個以下、より好ましくは12個以下)である。また、131番~138番のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列の鎖長の下限は、好ましくは4個以上である。この場合、本発明のペプチド提示タンパク質は、好ましくは配列番号54で表されるアミノ酸配列における1番~130番のアミノ酸配列又は139番~238番のアミノ酸配列において、1又は複数のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、且つ蛍光発生活性を有するペプチド提示タンパク質であってもよい。 本発明のペプチド提示タンパク質は、より好ましくは配列番号54で表されるアミノ酸配列における131番~137番の領域にペプチドが提示されたペプチド提示タンパク質であって、前記提示が、4~13個(好ましくは4~12個)のペプチドのアミノ酸配列を、前記131番~137番のアミノ酸配列に挿入、若しくは131番~137番のアミノ酸配列の1~7個のアミノ酸配列と置換するものであって、且つ131番~137番のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列の鎖長が13個以下(好ましくは12個以下)である。また、131番~137番のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列の鎖長の下限は、好ましくは4個以上である。この場合、本発明のペプチド提示タンパク質は、好ましくは配列番号54で表されるアミノ酸配列における1番~130番のアミノ酸配列又は139番~238番のアミノ酸配列において、1又は複数のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、且つ蛍光発生活性を有するペプチド提示タンパク質であってもよい。 なお、提示されるペプチドの長さが短い方が、タンパク質の凝集が抑制されることがある点で好ましい。また、提示される領域が131~139番の領域に比べて、131番~138番の領域、又は131番~137番の領域の場合、タンパク質の凝集が抑制されることがある点で好ましい。 [0009] 《ペプチド提示用タンパク質》 本発明のペプチド提示用タンパク質は、配列番号54で表されるアミノ酸配列における131番~139番の提示領域にペプチドが提示可能なペプチド提示用タンパク質であって、前記提示が、4~15個(好ましくは4~14個、より好ましくは4~13個、更に好ましくは4~12個)のペプチドのアミノ酸配列を、前記131番~139番のアミノ酸配列に挿入、若しくは131番~139番のアミノ酸配列の1~9個のアミノ酸配列と置換するものであって、且つ131番~139番のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列の鎖長が15個以下(好ましくは14個以下、より好ましくは13個以下、更に好ましくは12個以下)である。また、131番~139番のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列の鎖長の下限は、好ましくは5個以上である。 更に、本発明のペプチド提示用タンパク質は、配列番号54で表されるアミノ酸配列における1番~130番のアミノ酸配列又は140番~238番のアミノ酸配列において、1又は複数のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、且つ蛍光発生活性を有する前記のペプチド提示用タンパク質であってもよい。配列番号54で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質は、非特許文献2に記載のsfGFPであるが、本発明のペプチド提示用タンパク質において、ペプチドが組込まれる親タンパク質としては、GFP系のタンパク質を用いることができる。すなわち、GFP又はGFP由来のGFP変異体タンパク質を、限定されることなく用いることができる。具体的な親タンパク質としては、GFP、YFP、CFP、BFP、又はRFPを挙げることができる。 本発明のペプチド提示用タンパク質は、より好ましくは配列番号54で表されるアミノ酸配列における131番~138番の領域にペプチドが提示されたペプチド提示用タンパク質であって、前記提示が、4~14個(好ましくは4~13個、より好ましくは4~12個)のペプチドのアミノ酸配列を、前記131番~138番のアミノ酸配列に挿入、若しくは131番~138番のアミノ酸配列の1~8個のアミノ酸配列と置換するものであって、且つ131番~138番のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列の鎖長が14個以下(好ましくは13個以下、より好ましくは12個以下)である。また、131番~138番のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列の鎖長の下限は、好ましくは4個以上である。この場合、本発明のペプチド提示用タンパク質は、好ましくは配列番号54で表されるアミノ酸配列における1番~130番のアミノ酸配列又は139番~238番のアミノ酸配列において、1又は複数のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、且つ蛍光発生活性を有するペプチド提示タンパク質であってもよい。 本発明のペプチド提示用タンパク質は、より好ましくは配列番号54で表されるアミノ酸配列における131番~137番の領域にペプチドが提示されたペプチド提示用タンパク質であって、前記提示が、4~13個(好ましくは4~12個)のペプチドのアミノ酸配列を、前記131番~138番のアミノ酸配列に挿入、若しくは131番~137番のアミノ酸配列の1~7個のアミノ酸配列と置換するものであって、且つ131番~137番のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列の鎖長が13個以下(好ましくは12個以下)である。また、131番~137番のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列の鎖長の下限は、好ましくは4個以上である。この場合、本発明のペプチド提示用タンパク質は、好ましくは配列番号54で表されるアミノ酸配列における1番~130番のアミノ酸配列又は139番~238番のアミノ酸配列において、1又は複数のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、且つ蛍光発生活性を有するペプチド提示タンパク質であってもよい。 [0010] 本明細書において、「ペプチド提示タンパク質」とは、例えばsfGFPの131番~139番の領域に、ペプチドが提示されたタンパク質を意味する。例えば、131番~139番の領域に、ペプチドスクリーニングに用いる任意のペプチドが既に組込まれたsfGFPのタンパク質を意味する。具体的な1つの態様としては、本発明のペプチドライブラリーに含まれるベクターから発現されるタンパク質を意味する。 一方、本明細書において「ペプチド提示用タンパク質」とは、例えばsfGFPの131番~139番の領域に、ペプチドが提示可能なように設計されたタンパク質を意味する。例えば、131番~139番の領域に、ペプチドスクリーニングに用いる任意のペプチドが組込み可能であるが、まだスクリーニングされるペプチドが組込まれていないsfGFPのタンパク質を意味する。具体的な1つの態様としては、sfGFPの131番~139番の領域にペプチドが組込み可能に設計されたベクターから、翻訳されるタンパク質を意味する。従って、ペプチド提示用タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、任意のペプチドをコードするヌクレオチドを導入するための制限酵素サイトを有することが好ましい。 前記131番~139番の領域は、好ましくは131番~138番の領域であり、更に好ましくは131番~137番の領域である。領域の長さが短い方が、ペプチド提示タンパク質が可溶化しやすい傾向があるからである。更に、挿入されるペプチドの長さは、好ましくは4~15個であり、より好ましくは4~14個であり、更に好ましくは4~13個であり、最も好ましくは4~12個である。挿入されるペプチドの長さが短い方が、ペプチド提示タンパク質が可溶化しやすい傾向があるからである。 [0011] (提示領域:131番~139番のアミノ酸配列) sfGFPのアミノ酸配列における131番~139番のアミノ酸配列は「KEDGNLGH」(配列番号55)である。この9個のアミノ酸配列の領域を、4~15個(好ましくは4~14個)のアミノ酸配列からなるペプチドに置換した場合、ペプチドの構造自由度が制限され、安定した構造でsfGFP上に提示される。そのため、ペプチドライブラリーとして用いることにより、標的分子に対して特異性の高いペプチドをスクリーニングすることができる。 提示領域が131番~139番のアミノ酸配列の場合、挿入又は置換されるアミノ酸配列は4~15個であり、好ましくは4~14個であり、131番~139番のアミノ酸配列の1部を含んでいてもよい。従って、131番~139番のアミノ酸配列を欠失することなく、4~6個のアミノ酸配列が挿入されてもよい。また、131番~139番のアミノ酸配列の1~9個のいずれかの数のアミノ酸配列を欠失させ、合計で5~15個、好ましくは5~14個となるように外来のアミノ酸配列を組込んでもよい。 提示領域は、好ましくは131番~138番のアミノ酸配列である。この場合、挿入又は置換されるアミノ酸配列は4~14個であり、好ましくは4~13個であり、131番~138番のアミノ酸配列の1部を含んでいてもよい。従って、131番~138番のアミノ酸配列を欠失することなく、4~6個のアミノ酸配列が挿入されてもよい。また、131番~138番のアミノ酸配列の1~8個のいずれかの数のアミノ酸配列を欠失させ、合計で4~14個、好ましくは4~13個となるように外来のアミノ酸配列を組込んでもよい。 更に、効率的にペプチドライブラリーを構築するためには、挿入又は置換されるペプチドの両末端のアミノ酸配列が、制限酵素サイトを含む塩基配列の翻訳されたアミノ酸配列であることが好ましい。ペプチドの組み込みに用いられる制限酵素サイトは、限定されるものではないが、例えばBamHI、EcoRI、ScaI、SalI、SphI、PstI、NcoI、NheI、SspI、NotI、SacI、PvuII、MfeI、HindIII、SbfI、EagI、EcoRV、AvrII、BstXI、PciI、HpaI、AgeI、BsmBI、BspQI、SapI、KpnI又はBsaIを用いることができる。例えば、挿入又は置換される4~14個のペプチドの両末端のアミノ酸配列はこれらの制限酵素が認識する塩基配列を含むヌクレオチドから翻訳されるアミノ酸配列であってもよい。 なお、このような制限酵素サイトから翻訳されるペプチドをリンカーペプチドと称することがある。 [0012] (アミノ酸の欠失、置換、挿入、及び/又は付加) 前記のように、本発明の「ペプチド提示タンパク質」、及び「ペプチド提示用タンパク質」の親タンパク質は、GFP系のタンパク質を用いることができるが、GFP系のタンパク質をコードするアミノ酸配列において、1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、且つ蛍光発生活性を有するタンパク質であってもよい。 本発明において、「アミノ酸配列において、1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸」とは、GFP系のタンパク質であることを意味するか、又は部位特異的突然変異誘発法等の周知の方法により、又は天然に生じ得る程度の数個の数のアミノ酸の置換等により改変がなされたことを意味する。アミノ酸の改変の個数は、好ましくは1~15個、より好ましくは1~10個、更に好ましくは1~5個、更により好ましくは1~3個、最も好ましくは1個である。 本発明のポリペプチドの改変アミノ酸配列の例は、好ましくは、そのアミノ酸が、1又は数個(好ましくは、1、2、3又は4個)の保存的置換を有するアミノ酸配列であることができる。 [0013] 本明細書において「保存的置換」とは、1若しくは数個のアミノ酸残基を、別の化学的に類似したアミノ酸残基で置き換えることを意味する。例えば、ある疎水性残基を別の疎水性残基によって置換する場合、ある極性残基を同じ電荷を有する別の極性残基によって置換する場合などが挙げられる。このような置換を行うことでできる機能的に類似のアミノ酸は、アミノ酸毎に当該技術分野において公知である。非極性(疎水性)アミノ酸としては、例えば、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニンなどが挙げられる。極性(中性)アミノ酸としては、例えば、グリシン、セリン、スレオニン、チロシン、グルタミン、アスパラギン、システインなどが挙げられる。陽電荷をもつ(塩基性)アミノ酸としては、アルギニン、ヒスチジン、リジンなどが挙げられる。また、負電荷をもつ(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などが挙げられる。また、化学的に類似していない場合でも、アミノ酸の構造が類似したアミノ酸残基で置き換えてもよい。例えばアスパラギン酸(D)からアラニン(A)への置換、アスパラギン(E)からアラニン(A)への置換、チロシン(Y)からフェニルアラニン(F)への置換などを挙げることができる。 [0014] (融合タンパク質) 本発明の融合タンパク質は、本発明のペプチド提示タンパク質、又はペプチド提示用タンパク質と、表面提示タンパク質とが融合したタンパク質である。 本明細書において、表面提示タンパク質とは、後述の宿主の表面に提示されるタンパク質を意味する。例えば、宿主がファージの場合は、ファージの表面タンパク質を意味する。また、宿主が細菌の場合は、細菌表面タンパク質を意味する。更に、宿主が酵母の場合は、酵母の表面タンパク質を意味し、宿主が動物細胞の場合は、動物細胞の表面タンパク質を意味する。 ペプチド提示タンパク質、又はペプチド提示用タンパク質と、宿主の表面たんぱく質とが融合することにより、ペプチド提示タンパク質は、宿主の表面に提示されることができる。従って、本発明のペプチドライブラリーを用いて、目的ペプチドのアフィニティーセレクション(スクリーニング)を行う場合、容易に目的ペプチドの濃縮を行うことができる。 [0015] ファージの表面タンパク質としては、限定されるものではないが、M13ファージのg3p、g8p、又はT7ファージのG10を挙げることができる。 細菌の表面タンパク質、例えば大腸菌の表面タンパク質としては、限定されるものではないが、OmpAを挙げることができる。 酵母の表面タンパク質としては、限定されるものではないが、Flo1、αアグルチニン、又はAGA2を挙げることができる。 動物細胞の表面タンパク質としては、限定されるものではないが、human Toll-like receptor 4、EGFR、LDL receptor、angiotensin II receptor、又はPDGFRを挙げることができる。 [0016] (ポリヌクレオチド) 本発明のポリヌクレオチドは、本発明のペプチド提示タンパク質をコードするポリヌクレオチド(以下、ペプチド提示ポリヌクレオチドと称することがある)、ペプチド提示用タンパク質をコードするポリヌクレオチド(以下、ペプチド提示用ポリヌクレオチドと称することがある)、又は融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド(以下、融合ポリヌクレオチドと称することがある)である。融合ポリヌクレオチドは、ペプチド提示タンパク質又はペプチド提示用タンパク質と、表面提示タンパク質との間に存在することのあるリンカーポリペプチドをコードするヌクレオチドを含んでもよい。なお、配列番号53の塩基配列は、sfGFPをコードするヌクレオチドの塩基配列である。 [0017] (ベクター) 本発明のポリヌクレオチドは、限定されるものではないが、ベクターに組み込むことによって、容易に増幅させることができる。また、ペプチド提示タンパク質、又は融合タンパク質として、容易に発現させることができる。 前記ポリヌクレオチドを組込むベクターとしては、宿主細胞において複製可能である限り、プラスミド、ファージ、又はウイルス等のいかなるベクターも用いることができる。例えば、pBR322、pBR325、pUC118、pUC119、pKC30、pCFM536等の大腸菌プラスミド、pUB110等の枯草菌プラスミド、pG-1、YEp13、YCp50等の酵母プラスミド、λgt110、λZAPII等のファージのDNA等が挙げられ、哺乳類細胞用のベクターとしては、バキュロウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス等のウイルスDNA、SV40とその誘導体等が挙げられる。ベクターは、複製開始点、選択マーカー、プロモーターを含み、必要に応じてエンハンサー、転写終結配列(ターミネーター)、リボソーム結合部位、ポリアデニル化シグナル等を含んでいてもよい。 例えば、本発明のライブラリーとして用いる場合、M13ファージベクター、又はT7ファージベクターを用いることが好ましい。ファージディスプレイのベクターとして用いることができるからである。 [0018] (宿主) 本明細書において「宿主」とは、前記ベクターが組込まれ、ペプチド提示タンパク質又は融合タンパク質を発現できる限りにおいて、限定されるものでなく、ファージ、細菌、酵母、昆虫細胞、又は動物細胞を挙げることができる。例えば、ファージベクターの宿主としては、M13ファージ、fdファージ、又はT7ファージを挙げることができる。 また、細菌のベクターの宿主としては、大腸菌、ストレプトミセス、又は枯草菌を挙げることができる。更に、酵母ベクターの宿主としては、パン酵母、又はメタノール資化性酵母を挙げることができる。昆虫細胞ベクターの宿主としては、ドロソフィラS2、スポドプテラSf9を挙げることができる。更に、動物細胞ベクターの宿主としては、CHO、COS、BHK、3T3、C127を挙げることができる。 [0019] [2]ライブラリー 本発明のライブラリーは、ペプチド提示ライブラリーであり、提示されるペプチドは任意のアミノ酸配列を有するものである。本発明のペプチド提示ライブラリーは、標的分子に結合するペプチドをスクリーニングするために用いることができる。従って提示されるペプチドは、ランダムなアミノ酸配列からなる複数(多種類)のペプチドが含まれているものが好ましい。また、本発明のライブラリーは、前記の宿主を含むライブラリーであり、ファージディスプレイ、又は細菌、酵母、昆虫細胞、若しくは動物細胞の細胞ディスプレイのライブラリーを挙げることができる。 本発明のライブラリーを用いたスクリーニングに供される提示ペプチドの長さは特に限定されるものではないが、例えば4~15であり、好ましくは4~14であり、より好ましくは4~13である。 [0020] [3]ライブラリーの構築方法 本発明のライブラリーの構築方法は、(1)本発明のペプチド提示用タンパク質をコードするポリペプチドを含むベクターに、4~15個(好ましくは4~14個)のペプチドであって、そのアミノ酸配列を、前記131番~139番の提示領域のアミノ酸配列に挿入、若しくは131番~139番の提示領域のアミノ酸配列の1~9個のアミノ酸配列と置換し、且つ131番~139番の提示領域のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列の鎖長が15個以下(好ましくは14個以下)であるペプチド、をコードするヌクレオチドを組込み、ベクターを得る工程、及び(2)前記ベクターを宿主に導入する工程、 を含む。ライブラリーは、具体的にはペプチド提示ライブラリーであり、任意のペプチドを提示することのできるライブラリーである。 本発明のライブラリーの構築方法は、好ましくは(1)本発明のペプチド提示用タンパク質をコードするポリペプチドを含むベクターに、4~14個(好ましくは4~13個)のペプチドであって、そのアミノ酸配列を、前記131番~138番の提示領域のアミノ酸配列に挿入、若しくは131番~138番の提示領域のアミノ酸配列の1~8個のアミノ酸配列と置換し、且つ131番~138番の提示領域のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列の鎖長が14個以下(好ましくは13個以下)であるペプチド、をコードするヌクレオチドを組込み、ベクターを得る工程、及び(2)前記ベクターを宿主に導入する工程、を含む。 [0021] ライブラリーの構築方法に用いるベクターは、ペプチド提示用タンパク質をコードするポリペプチドを含むベクターであり、任意のポリペプチドコードするポリヌクレオチドを、例えば制限酵素サイトにより、容易に組込むことができる。 組込まれるヌクレオチドがコードするポリペプチドの長さは、特に限定されるものではないが、例えば4~15であり、好ましくは4~14であり、より好ましくは4~13である。 [0022] ベクターの構築及びベクターの宿主への導入は、公知の方法を用いることができる。例えば、宿主がファージである場合、制限酵素のクローニングサイトを持つベクターアームに提示するペプチドのライブラリー遺伝子をライゲーションによって組込む。得られたライゲーション溶液を、ファージタンパク質を含むパッケージング溶液と混合し、ファージ粒子を形成させる。このファージ粒子を大腸菌(例えば、BLT5403)に感染させることによってファージライブラリーを構築することができる。 [0023] (ライブラリー遺伝子) ライブラリーに組込む遺伝子は、公知の方法で調整することができる。 例えば、ランダムなアミノ酸をコードするNNKコドン(NはA、G、C、Tのいずれかの塩基、KはGもしくはTのいずれかの塩基)を任意のアミノ酸をコードするコドンと部位特異的に置換する。置換には当該領域を含むオリゴDNAを化学合成し、制限酵素を利用して組込む、あるいはPCRを用いてベクター全長を複製する方法が用いられる。 [0024] [4]スクリーニング方法 本発明のスクリーニング方法は、(1)標的分子及び前記のペプチドライブラリーを接触させる工程、(2)標的分子に結合した宿主を回収する工程、 を含み、好ましくは(3)前記回収した宿主を増幅する工程を更に含む。本発明のスクリーニング方法は、前記接触工程(1)、宿主回収工程(2)及び増幅工程(3)を繰り返し、標的分子に結合するペプチドを濃縮することが好ましい。前記接触工程(1)における標的分子及びペプチドライブラリーの接触は、標的分子を不溶性担体(例えば、ウエル又はディッシュ)に固相化して行うことができる。 本発明のスクリーニング方法は、本発明のライブラリーを用いる以外は、公知の方法に従って行うことができる。例えば、宿主としてファージを用いたファージライブラリーのスクリーニングは、以下のようにことができる。プレートなどに、固相化した標的分子と、ファージライブラリーとを接触させることにより反応させる。洗浄によって標的分子と結合しなかったファージを除去する。標的分子に結合したファージを回収し、大腸菌に感染させ、溶菌、そして増殖させる。溶菌後の培養上清、又は精製したファージを、更に固相化した標的分子と反応させる(パンニングさせる)ことによって、標的分子に特異的な結合分子を提示したファージを濃縮する。最終的にファージをクローン化し、提示ペプチドをシークエンスにより同定する。 得られたペプチドは、標的分子と結合することができるペプチドである。本発明のスクリーニング方法では、ペプチドが本発明のペプチド提示用タンパク質に提示されているため、ペプチドの構造が安定し、標的分子に特異性の高いペプチドをスクリーニングすることができる。 実施例 [0025] 以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。 [0026] 《参考例1:sfGFP発現ベクターの構築》 本参考例では、sfGFPを発現するベクターを構築した。 Enhanced GFP(EGFP)の遺伝子を持つベクターpGEX-6P-3-PTD-3-ODD-EGFP(Kizaka-Kondohら、Clin. Cancer. Res.、2009年、15巻、3433-3441頁)を鋳型として、プライマー(配列番号1及び2)(表2)を用いて、KOD FX(TOYOBO)にてPCRを行い、両端に制限酵素Bam HI及びEco RI認識部位が付加された0.7kbのEGFP遺伝子断片を得た。この断片をBam HI及びEco RIで切断し、予めBam HI及びEco RIで切断しておいたクローニングベクターpGEM-3Zf(+)(プロメガ)に連結した。これにより、EGFP遺伝子が挿入されたベクターpGEM-EGFPを得た。 ベクターpGEM-EGFPを鋳型としてプライマー(配列番号3-16)(表2)を用いて、PfuUltra High fidelity DNA Polymerase(アジレント・テクノロジー)にてPCRを行い、部位特異的に9ヶ所のアミノ酸を置換するための変異を導入してsfGFP遺伝子が挿入されたベクターpGEM-sfGFPを得た。このベクターをBam HI及びEco RIで切断してBam HI-Eco RI断片を得た。この断片をGST融合タンパク質発現用ベクターpGEX-6P-3(GEヘルスケア)のBam HI部位とEco RI部位に連結し、sfGFP遺伝子を挿入したベクターpGEX-sfGFPを得た。pGEX-sfGFPは、5.6kbpの大きさであり、tacプロモーターの下流にGST及びsfGFPの構造遺伝子の塩基配列をこの順で有する。従って、pGEX-sfGFPは、GST及びsfGFPを、この順に1つの融合タンパク質として大腸菌細胞内に発現する。 [0027] 《実施例1~17》 本実施例では、sfGFPの131番~139番のアミノ酸配列に、カスパーゼ3の認識ペプチドを導入したペプチド提示タンパク質を作成した。 参考例1で構築したベクターpGEX-sfGFPを鋳型として、プライマー(配列番号17、18、23-28、31-46、58-59、64-71)(表2)を用いて、PfuUltra High fidelity DNA PolymeraseにてPCRを行い、部位特異的にCaspase-3認識ペプチド配列(DEVD)を組み込んだsfGFPを発現するためのベクターpGEX-m1(実施例1)、pGEX-m4~pGEX-m6(実施例2~4)、pGEX-m10~pGEX-m22(実施例5~実施例17)を得た。置換されたペプチドの長さ及び位置を表1に示す。なお、実施例16(m10)及び実施例17(m22)で得られたペプチド提示タンパク質は、不溶化しやすかった。 [0028] 《比較例1~5》 本比較例では、sfGFPの131番~139番のアミノ酸配列の領域以外のアミノ酸配列に、カスパーゼ3の認識ペプチドを導入したペプチド提示タンパク質を作成した。 プライマーとして、配列番号19及び20(比較例1)、配列番号21及び22(比較例2)、配列番号29及び30(比較例3)、配列番号60及び61(比較例4)、配列番号62及び63(比較例5)のプライマーを用いた以外は、実施例1の操作を繰り返して、ベクターpGEX-m2(比較例1)、pGEX-m3(比較例2)、pGEX-m7(比較例3)、pGEX-m8(比較例4)、pGEX-m9(比較例5)を得た。置換されたペプチドの長さ及び位置を表1に示す。 [0029] [表1] [0030] 《ペプチド提示タンパク質の発現及び精製》 前記実施例1~17及び比較例1~5で得られたベクターを用いて、ペプチド提示タンパク質の発現及び精製を行った。 前記発現ベクターpGEX-sfGFP、pGEX-m1~pGEX-m22を、ヒートショック法で大腸菌Escherichia Coli BL21-CodonPlus(DE3)株(アジレント・テクノロジー)にそれぞれ導入した。発現ベクターが導入された大腸菌を、50mLのLBA培地(0.01%アンピシリンを含む、1%Bacto Tryptone、0.5%Bacto Yeast extract、1%NaCl培地)中で37℃にてO.D.600=0.5になるまで培養した。イソプロピル-β-チオガラクトピラノシドを0.1mMになるように培養液に添加し、20℃にて一晩培養してGST融合タンパク質を発現させた大腸菌を得た。 [0031] タンパク質を発現させた大腸菌を遠心操作により集菌し、20mLのリン酸緩衝液(PBS)に再懸濁した。得られた菌体は3回の凍結融解及び超音波により破砕し、その後に終濃度1%のTriton x-100を加え、氷上で30分静置した。次に、菌体液を5000rpm、10分、4℃で遠心し、タンパク質の含まれる上清を回収した。次に、PBSで洗浄したGSTアガロースビーズに回収した溶液を加え、4℃で一晩ゆっくり回転させながらGST融合タンパク質を吸着させた。ビーズをPBSで洗い、更にPrescission Cleavage Buffer(0.05M Tris-HCl(pH7.0)、0.15M NaCl、1mM EDTA、1mM DTT)で洗った。次に、GSTと、sfGFP又はsfGFP改変体(sfGFP-m1~sfGFP-m22)を切り離すために1mLのPrescission Cleavage Buffer及び5μLのPrescission Protease(GEヘルスケア)を加え、室温で4時間反応させた後4℃で一晩反応させた。次に、3000rpm、15分、4℃で遠心して上清を回収し、10kDa cutの限外ろ過によりPBSに置換し、およそ5mgのペプチド提示タンパク質(sfGFP-m1~m9及びsfGFP-m11~m21)を得た(以下、pGEX-m1~m9及びpGEX-m11~m21から得られたペプチド提示タンパク質を、それぞれm1~m9及びm11~m21と称することがある)。sfGFP-m10及びsfGFP-m22は、封入体で発現した。 [0032] 《提示ペプチドのカスパーゼ3による切断》 pGEX-m1~m9及びm11~m21から得られたペプチド提示タンパク質は、カスパーゼ3認識ペプチド配列(DEVD)が組込まれている。この提示ペプチドの構造自由度を検討のために、ペプチド提示タンパク質のカスパーゼ3による切断を行った。 10μMのペプチド提示タンパク質m1~m9及びm11~m21をカスパーゼ3反応バッファー(20mM Pipes(pH7.2)、100mM NaCl、0.1%CHAPS、10%スクロース、10mM DTT)中で、4mU/mLのヒトカスパーゼ3(Sigma-Aldrich)と37℃で24時間反応させた。コントロールとしてsfGFPを用いた。反応液は15%アクリルアミドゲルで電気泳動し、Hybond ECL membranes(GEヘルスケア)に20V電圧一定で1時間転写した。次に5%スキムミルクでブロッキングを行い、一次抗体(ラビットポリクローナル抗GFP抗体)を4℃で一晩反応させ、二次抗体(HRP結合抗ラビットIgG抗体)を室温で1時間反応させ、ECL prime(GEヘルスケア)を添加して切断断片を検出した。この結果、m2(比較例1)、m3(比較例2)、m7(比較例3)、m8(比較例4)、m9(比較例5)はカスパーゼ3に分解された。一方、m1(実施例1)、m4(実施例2)、m5(実施例3)、m6(実施例4)、m11(実施例5)、m12(実施例6)、m13(実施例7)、m14(実施例8)、m15(実施例9)、m16(実施例10)、m17(実施例11)、m18(実施例12)、m19(実施例13)、m20(実施例14)、m21(実施例15)ではほとんど切断されなかった(表1及び図2)。これはsfGFPの131番~139番の領域に、アミノ酸長5-14の認識ペプチドを組み込んだ場合、カスパーゼ3に結合されないことを示し、これ以外の領域ではカスパーゼ3が結合可能であることを示している。すなわち、sfGFPの131番~139番の領域に組込まれたペプチドは、構造的に固定されており、ペプチドの構造自由度が制限されていると考えられた。 [0033] 《ペプチド提示タンパク質の蛍光強度》 ペプチドを組込むことによるペプチド提示タンパク質の蛍光強度への影響を検討した。 ペプチド提示タンパク質(m1~m9及びm11~m21)を、バッファー(20mM Pipes(pH7.2)、100mM NaCl、0.1%CHAPS、10スクロース、10mM DTT)で10μMに調整して蛍光を測定した(励起/蛍光波長=480/510nm)。ペプチドの構造自由度が制限されているm1(実施例1)、m4(実施例2)、m5(実施例3)、m6(実施例4)、m11(実施例5)、m12(実施例6)、m13(実施例7)、m14(実施例8)、m15(実施例9)、m16(実施例10)、m17(実施例11)、m18(実施例12)、m19(実施例13)、m20(実施例14)、m21(実施例15)では蛍光が見られたが、m2(比較例1)、m3(比較例2)、m7(比較例3)、m8(比較例4)、m9(比較例5)では蛍光が消失していた(表1及び図3)。すなわち、sfGFPの131番~H139番の領域に、アミノ酸長5-14の認識ペプチドを組み込んだ場合は、GFPの蛍光が維持されることが示された。 [0034] 《解析例1:K131-H139領域の構造的ゆらぎの検討》 作製したペプチド提示タンパク質に組み込んだペプチドの構造自由度が制限されていれば、分子動力学シミュレーションにおいてK131-H139領域は構造的なゆらぎが小さくなると考えられた。 カスパーゼ3に分解されにくいsfGFP、m1(実施例1)、m6(実施例4)、m19(実施例13)の分子動力学シミュレーションを実施した。コントロールとしてカスパーゼ3に分解されるm7(比較例3)を用いた。これらのタンパク質の初期構造はsfGFPの結晶構造(PDB ID:2B3P)より作成した。計算を簡便にするために蛍光団を構成する2アミノ酸(65T,66Y)はグリシン残基に置換した。Amber 11 program package(Amber)のff99SB力場を利用して初期構造から熱力学的な安定構造を計算した。分子動力学シミュレーションはAmber 11のSanderモジュールを利用し、GB/SA溶媒モデルにおいて10ナノ秒の計算を行い、平衡状態に達した4.5ナノ秒~10ナノ秒の構造を用いてゆらぎを評価した。 [0035] 結果を図4に示す。縦軸は4.5ナノ秒~10ナノ秒のシミュレーションにおける各残基のゆらぎの大きさを表し、横軸は残基番号を表す。sfGFP、m1(実施例1)、m6(実施例4)、m19(実施例13)のK131-H139領域のゆらぎは、ほとんどの残基で0.1ナノメートル以内に収まっていた。しかし、m7(比較例3)では最大で0.3ナノメートル程度まで大きくなっており、K131-H139領域は大きくゆらぐことが示された。従って、カスパーゼ3に分解されにくい改変体では、ゆらぎはほとんどなく、組み込んだペプチドの構造自由度が制限されていることが示された。 [0036] 《実施例16~20》 本実施例では、乳癌マーカータンパク質HER2に結合することが報告されている5種のペプチドをsfGFPの131番~139番のアミノ酸配列の領域に組み込み、発現ベクター及び精製タンパク質を得た。 プライマーとして、配列番号47及び48(実施例16)、配列番号49及び50(実施例17)、配列番号51及び52(実施例18)、配列番号72及び73(実施例19)、配列番号74及び75(実施例20)のプライマーを用いた以外は、実施例1の操作を繰り返して、ベクターpGEX-mH1(実施例16)、pGEX-mH2(実施例17)、pGEX-mH3(実施例18)、pGEX-mH4(実施例19)、及びpGEX-mH5(実施例20)を得た。置換されたペプチドの長さ及び位置を図5(A)に示す。mH1は「KEDGKCCYSLGH」(配列番号55)、mH2は「KEDGCDGFYACGH」(配列番号56)、mH3は「KEDGFHAHPGH」(配列番号57)、mH4は「KEDGWYAWMLGH」(配列番号76)、そしてmH5は「KEDGWYSWLLGH」(配列番号77)である。 更に、ベクターpGEX-mH1、pGEX-mH2、pGEX-mH3、pGEX-mH4、及びpGEX-mH5を用いたことを除いては、前記「ペプチド提示タンパク質の発現及び精製」の操作を繰り返して、ペプチド提示タンパク質を得た(以下、pGEX-mH1~mH5から得られたペプチド提示タンパク質を、それぞれmH1~mH5と称することがある)。 [0037] 乳がん細胞で高頻度に過剰発現が起こるHER2タンパク質は、乳がんの治療標的・イメージング標的として有用であり、マウス生体内でも機能するペプチドが報告されている。mH1のペプチドは、ファージライブラリーよりスクリーニングされ、隣り合うシステイン間でS-S結合を持ち、部分的に構造が制限されている(Karassevaら、J. Protein Chem.、2002年、21巻、287-296頁)。mH2のペプチドはHER2結合抗体の結合表面を参考にデザインされたペプチドで、環状化されて構造が制限された状態で結合活性を持つ(Parkら、Nat. Biotechnol.、2000年、18巻、194-198頁)。mH3のペプチドは自由に構造を取れる条件のin silicoスクリーニングにより選抜された(Nakajimaら、Breast Cancer、2008年、15巻、65-72頁)。mH4及びmH5のペプチドはmH1のペプチドと同時にスクリーニングされ、構造は制限されていない。mH1及びmH2は既にマウス生体内で機能することが報告されていた(Deutscher SL、Chem. Rev.、2010年、110巻、3196-3211頁)。 [0038] 《HER2ペプチドを組み込んだペプチド提示タンパク質の癌細胞への結合》 2.5×10 4個のHER2陽性N87胃がん細胞及びHER2陰性SUIT-2膵がん細胞を8wellスライドチャンバー培養プレート中で16時間培養した。細胞は4%パラホルムアルデヒドリン酸バッファーと15分反応させて固定し、PBS溶液で洗浄、3%ウシ血清アルブミン/TBSTで15分ブロッキングした。次に2μMのペプチド提示タンパク質(mH1、mH2、mH3、mH4、又はmH5)を添加して4℃で16時間インキュベートし、蛍光顕微鏡観察により結合性を評価した。この結果、mH1及びmH2ではN87細胞への特異的な結合が見られたが、mH3、mH4、及びmH5は結合しなかった(図4(B))。つまり、構造が制限されている条件でスクリーニングされたペプチドを組み込んだ場合には同様に高い結合性が見られ、構造が自由に変化する条件でスクリーニングされたペプチドを組み込んでも結合は見られなかった。前者は既にマウス生体内でも機能することが分かっている。従って、sfGFPのK131-H139領域にペプチドを組み込み評価に利用することで、生体内でも機能する特異性の高い標的結合ペプチドを簡便に高感度にスクリーニングできることが示された。 [0039] [表2-1] [0040] [表2-2] [0041] 《解析例2:K131-L137領域の構造的ゆらぎの検討》 K131-L137領域における本発明のペプチド提示タンパク質であるm12(実施例6)、m15(実施例9)、m16(実施例10)、m19(実施例13)、m21(実施例15)、及びm22(実施例17)の分子動力学シミュレーションを実施した。陽性コントトールとして、sfGFPを用いた。m12(実施例6)、m15(実施例9)、m16(実施例10)、m19(実施例13)、m21(実施例15)、及びm22(実施例17)を用いた以外は、解析例1の操作を繰り返した。 [0042] アミノ酸配列を図6(A)に示し、解析結果を図6(B)に示す。縦軸は4.5ナノ秒~10ナノ秒のシミュレーションにおける各残基のゆらぎの大きさを表し、横軸はアミノ酸配列を表す。カスパーゼ3に分解されにくい改変体は、ゆらぎはほとんどなく、組み込んだペプチドの構造自由度が制限されていることが示された。 産業上の利用可能性 [0043] 本発明のペプチド提示タンパク質及びそれを用いたペプチドライブラリーは標的分子に特異的に結合することのできるペプチドのスクリーニングに用いることができる。本発明のペプチドライブラリーによって、スクリーニングされたペプチドは、医薬の有効成分として、有効用いることができる。 以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。 |
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『 PEPTIDE-PRESENTING PROTEIN AND PEPTIDE LIBRARY EMPLOYING SAME 』に関するお問合せ
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- TEL: 03-5734-3817
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