NITROGENATED AROMATIC RING N-OXIDE-BORANE COMPLEX
外国特許コード | F150008302 |
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整理番号 | S2013-0584-C0 |
掲載日 | 2015年4月10日 |
出願国 | 世界知的所有権機関(WIPO) |
国際出願番号 | 2014JP051137 |
国際公開番号 | WO 2014132704 |
国際出願日 | 平成26年1月21日(2014.1.21) |
国際公開日 | 平成26年9月4日(2014.9.4) |
優先権データ |
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発明の名称 (英語) | NITROGENATED AROMATIC RING N-OXIDE-BORANE COMPLEX |
発明の概要(英語) | A compound represented by formula (I) [wherein R1 represents an alkyl group having a fluorine atom, or an aryl group having a fluorine atom on the ring thereof; and the ring A represents a monocyclic aromatic ring containing 1 to 3 ring-constituting nitrogen atoms or a polycyclic aromatic ring containing the aforementioned aromatic ring as a partial structure thereof], which has high luminous efficiency in a solution state as well as a solid state and is chemically stable. |
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国際特許分類(IPC) |
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指定国 |
National States: AE AG AL AM AO AT AU AZ BA BB BG BH BN BR BW BY BZ CA CH CL CN CO CR CU CZ DE DK DM DO DZ EC EE EG ES FI GB GD GE GH GM GT HN HR HU ID IL IN IR IS JP KE KG KN KP KR KZ LA LC LK LR LS LT LU LY MA MD ME MG MK MN MW MX MY MZ NA NG NI NO NZ OM PA PE PG PH PL PT QA RO RS RU RW SA SC SD SE SG SK SL SM ST SV SY TH TJ TM TN TR TT TZ UA UG US UZ VC VN ZA ZM ZW ARIPO: BW GH GM KE LR LS MW MZ NA RW SD SL SZ TZ UG ZM ZW EAPO: AM AZ BY KG KZ RU TJ TM EPO: AL AT BE BG CH CY CZ DE DK EE ES FI FR GB GR HR HU IE IS IT LT LU LV MC MK MT NL NO PL PT RO RS SE SI SK SM TR OAPI: BF BJ CF CG CI CM GA GN GQ GW KM ML MR NE SN TD TG |
日本語項目の表示
発明の名称 | 含窒素芳香環N-オキシド-ボラン錯体 |
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発明の概要 | 溶液状態のみならず固体状態においても高い発光効率を有し、化学的に安定な式(I)〔R1はフッ素原子を有するアルキル基、又はフッ素原子を環上に有するアリール基、環Aは1ないし3個の環構成窒素原子を含む単環式芳香環又は該芳香環を部分構造として含む多環式芳香環を示す〕で表される化合物。 |
特許請求の範囲 |
[請求項1] 以下の一般式(I): [化1] 〔式中、R1は少なくとも1個のフッ素原子を有するアルキル基、又は少なくとも1個のフッ素原子を環上に有するアリール基を示し、環Aは1ないし3個の環構成窒素原子を含む単環式芳香環(該単環式芳香環は1又は2個以上の置換基を有していてもよく、2個以上の隣接する置換基は互いに結合して環を形成していてもよい)を示すか、又は環Aは1ないし3個の環構成窒素原子を含む単環式芳香環(該環構成窒素原子のうちの1つがN-オキシドを形成する)を部分構造として含む多環式芳香環(該多環式芳香環は該単環式芳香環以外の環に1個以上の環構成ヘテロ原子を含んでいてもよく、環上には1個又は2個以上の置換基を有していてもよく、2個以上の隣接する置換基は互いに結合して環を形成していてもよい)を示す〕で表される化合物。 [請求項2] R1がパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアリール基(ただし環上のフッ素原子のうちの少なくとも1個はパーフルオロアルキル基で置換されていてもよい)である請求項1に記載の化合物。 [請求項3] R1がトリフルオロメチル基、ペンタフルオロフェニル基、又はテトラフルオロ(トリフルオロメチル)フェニル基である請求項1に記載の化合物。 [請求項4] 環Aが1個又は2個の環構成窒素原子を含む5又は6員の芳香環(該芳香環は1個又は2個以上の置換基を有していてもよく、2個以上の隣接する置換基は互いに結合して環を形成していてもよい)である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の化合物。 [請求項5] 環Aがピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピロール環、又はイミダゾール環(該ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピロール環、又はイミダゾール環は1個又は2個以上の置換基を有していてもよく、2個以上の隣接する置換基は互いに結合して環を形成していてもよい)である請求項4に記載の化合物。 [請求項6] 環AがN-オキシドを形成する1個又は2個の環構成窒素原子を含む5又は6員の芳香環を部分構造として含む2環式、3環式、又は4環式芳香環(該縮合環は1個又は2個以上の置換基を有していてもよく、2個以上の隣接する置換基は互いに結合して環を形成していてもよく、上記部分構造の芳香環以外の環に1個以上の環構成ヘテロ原子を含んでいてもよい)である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の化合物。 [請求項7] 環Aがキノリン環、イソキノリン環、ナフチリジン環、フタラジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、カルボリン環、フェナントリジン環、アクリジン環、又はフェナントロリン環(該環は1個又は2個以上の置換基を有していてもよく、2個以上の隣接する置換基は互いに結合して環を形成していてもよい)である請求項6に記載の化合物。 [請求項8] 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の化合物を含む蛍光剤。 [請求項9] 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の化合物を含む蛍光剤としての使用。 |
明細書 |
明 細 書 発明の名称 : 含窒素芳香環N-オキシド-ボラン錯体 技術分野 [0001] 本発明はピリジンN-オキシドボラン錯体などの新規な含窒素芳香環N-オキシド-ボラン錯体に関する。より具体的には、本発明は、溶液状態のみならず固体状態においても強く発光する性質を有する含窒素芳香環N-オキシド-ボラン錯体に関するものである。 背景技術 [0002] 発光性有機化合物は、生体標識材料、有機エレクトロニクス材料、化学センサー、及び有機レーザーなど幅広い分野で用いられており、新たな発光性材料の開発研究が盛んに行われている。とりわけX線や紫外線、又は可視光線の照射により発光する蛍光性有機化合物は上記の用途のほか有機蛍光塗料などにも利用可能であることから工業材料として多様な有用性が期待されている。 [0003] しかしながら、一般に発光性有機材料として用いられる分子は強固で平面性の高い分子が多いことから、溶液中では分子同士の接触や相互の干渉が少なく強く発光するものの、結晶状態などの固体状態では放出される電磁波のエネルギーが近傍の平面分子の影響を受けて減衰し、発光効率が著しく低下してしまう場合が多い。発光性有機材料は固体状態で用いられることも多いことから、溶液のみならず固体状態でも強い発光を示す材料の開発は重要な課題である。 [0004] 一方、ピリジンN-オキシド誘導体とボランとの錯体に関していくつかの報告があるが、この錯体は一般的に化学的に不安定であることから工業材料としては利用されていない。例えば、ピリジン-Nオキシド-BF3錯体及びキノリン-Nオキシド-BF3錯体が報告されており(Chemistry of Heterocyclic Compounds, 34, pp.941-949, 1999)、これらの錯体は比較的安定であるとされているが、工業材料として十分な安定性を有するものではない。また、上記刊行物にはこれらの錯体が蛍光性の物質であるとの教示もない。 [0005] ピリジンN-オキシド構造を部分構造として有するキノリンN-オキシド化合物に関して、8-アミノキノリン誘導体とジフルオロボロンとをキレート結合させた環状錯体が発光を示すとの報告がある(特開2000-138096号公報、Chemische Berichte, 102, pp.4025-4031, 1964)。この環状錯体は発光性を有しており電界発光材料として使用できるが、分子内の2つの窒素原子によりジフルオロボロンのキレートが安定化されており、キノリン骨格の8位のアミノ基が安定化及び発光特性に必須であると考えられる。 先行技術文献 特許文献 [0006] 特許文献1 : 特開2000-138096号公報 非特許文献 [0007] 非特許文献1 : Chemistry of Heterocyclic Compounds, 34, pp.941-949, 1999 非特許文献2 : Chemische Berichte, 102, pp.4025-4031, 1964 発明の概要 発明が解決しようとする課題 [0008] 本発明の課題は、溶液状態のみならず固体状態においても高い発光効率を有し、化学的に安定な化合物を提供することにある。 また、本発明の別の課題は、上記の特性を有し、かつ低分子量で容易に製造可能な化合物を提供することにある。 課題を解決するための手段 [0009] 本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ピリジンN‐オキシドなどの含窒素芳香環N-オキシド構造を有する化合物とトリフルオロメチル基などの電子吸引基を有するジフルオロボロン誘導体とを反応させることにより簡便かつ高収率に得られる錯体が高い安定性を有しており、例えばシリカゲルカラムクロマトグラフィーによっても精製可能であること、及びこの錯体が溶液状態のみならず固体状態において強い蛍光を発することができることを見出した。本発明は上記の知見に基づいて完成されたものである。 [0010] すなわち、本発明により、以下の一般式(I): [化1] 〔式中、R1は少なくとも1個のフッ素原子を有するアルキル基、又は少なくとも1個のフッ素原子を環上に有するアリール基を示し、環Aは1ないし3個の環構成窒素原子を含む単環式芳香環(該単環式芳香環は1又は2個以上の置換基を有していてもよく、2個以上の隣接する置換基は互いに結合して環を形成していてもよい)を示すか、又は環Aは1ないし3個の環構成窒素原子を含む単環式芳香環(該環構成窒素原子のうちの1つがN-オキシドを形成する)を部分構造として含む多環式芳香環(該多環式芳香環は該単環式芳香環以外の環に1個以上の環構成ヘテロ原子を含んでいてもよく、環上には1個又は2個以上の置換基を有していてもよく、2個以上の隣接する置換基は互いに結合して環を形成していてもよい)を示す〕で表される化合物が提供される。 [0011] 本発明の好ましい態様によれば、R1が2個以上のフッ素原子を有するアルキル基、又は2個以上のフッ素原子を環上に有するアリール基である上記の化合物;R1がパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアリール基(ただし環上のフッ素原子のうちの少なくとも1個はパーフルオロアルキル基で置換されていてもよい)である上記の化合物;R1がトリフルオロメチル基、ペンタフルオロフェニル基、又はテトラフルオロ(トリフルオロメチル)フェニル基である上記の化合物が提供される。 [0012] また、本発明の別の好ましい態様によれば、環Aが1個又は2個の環構成窒素原子を含む5又は6員の芳香環(該芳香環は1個又は2個以上の置換基を有していてもよく、2個以上の隣接する置換基は互いに結合して環を形成していてもよい)である上記の化合物;環Aがピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピロール環、又はイミダゾール環(該ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピロール環、又はイミダゾール環は1個又は2個以上の置換基を有していてもよく、2個以上の隣接する置換基は互いに結合して環を形成していてもよい)である上記の化合物;環AがN-オキシドを形成する1個又は2個の環構成窒素原子を含む5又は6員の芳香環を部分構造として含む2環式、3環式、又は4環式芳香環(該縮合環は1個又は2個以上の置換基を有していてもよく、2個以上の隣接する置換基は互いに結合して環を形成していてもよく、上記部分構造の芳香環以外の環に1個以上の環構成ヘテロ原子を含んでいてもよい)である上記の化合物;環Aがキノリン環、イソキノリン環、ナフチリジン環、フタラジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、カルボリン環、フェナントリジン環、アクリジン環、又はフェナントロリン環(該環は1個又は2個以上の置換基を有していてもよく、2個以上の隣接する置換基は互いに結合して環を形成していてもよい)である上記の化合物が提供される。 [0013] 別の観点からは、本発明により、上記の化合物を含む蛍光剤が提供される。さらに、上記の化合物の蛍光剤としての使用も本発明により提供される。 発明の効果 [0014] 本発明の化合物は溶液状態のみならず固体状態において強い蛍光を発する性質を有している。また、本発明の化合物は容易に入手可能な原料から簡便に収率よく合成することができ、例えばシリカゲルカラムクロマトグラフィーや再結晶などの通常の単離及び精製手段を適用しても分解しない程度の高い安定性を有している。また、環構造を適宜選択することにより至適な蛍光色を有する化合物を提供することも可能である。従って、本発明の化合物は蛍光剤として極めて有用であり、生体標識材料、有機エレクトロニクス材料、化学センサー、有機レーザー、及び有機蛍光塗料などの多様な用途に利用することができる。 発明を実施するための形態 [0015] 上記一般式(I)において、R1は少なくとも1個のフッ素原子を有するアルキル基、又は少なくとも1個のフッ素原子を環上に有するアリール基を示す。 [0016] アルキル基としては、分枝鎖、又は環上、あるいはそれらの組み合わせからなるアルキル基のいずれを用いてもよい。好ましくは炭素数1~6個程度のアルキル基を用いることができる。アルキル基はアルキル鎖中に二重結合又は三重結合を任意の個数含んでいてもよい。アリール基としては、フェニル基のほか、多環式アリール基を用いることができる。多環式アリール基としては、例えば2ないし4環式のアリール基を用いることができ、より具体的にはナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、ナフタセニル基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。該アリール基の環構成炭素原子のうちの1個又は2個以上がヘテロ原子(窒素原子、酸素原子、又はイオウ原子など)で置き換えられていてもよい。本明細書においてアリール基の用語は環構成ヘテロ原子を含むヘテロアリール基を包含しており、例えばピリジル基又はキノリル基などはアリール基に包含される。 [0017] 本明細書において、アルキル基又はアリール基という場合には、1又は2個以上の置換基を有するアルキル基又はアリール基を包含する。置換基の種類は特に限定されず、例えばアルキル基、アルコキシ基、アリール基、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、又はアミノ基など任意の置換基を用いることができ、また、置換基としてのアルキル基やアリール基などには他の置換基(例えば水酸基やハロゲン原子など)が1又は2個以上存在していてもよい。このような例として、フルオロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、フルオロフェニル基、トルイル基、ベンジル基などを例示することができるが、置換基の種類はこれらの特定の例に限定されることはない。 [0018] R1が示す少なくとも1個のフッ素原子を有するアルキル基の種類は特に限定されないが、例えば2個以上のフッ素原子を有するアルキル基が好ましく、アルキル基上の全ての水素原子(アルキル基が1個以上の置換基を有する場合には、その置換基以外の全ての水素原子)がフッ素原子で置換されていることが好ましい。特に好ましいのはアルキル基上の全ての水素原子がフッ素原子で置き換えられたパーフルオロアルキル基である。パーフルオロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などが例示される。 [0019] R1が示す少なくとも1個のフッ素原子を環上に有するアリール基としては、例えば少なくとも1個のフッ素原子を環上に有するフェニル基などを用いることができ、好ましくは2個以上のフッ素原子を環上に有するフェニル基を用いることができる。フェニル基の環上の全ての水素原子(フェニル基が環上に1個以上の置換基を有する場合には、その置換基以外の全ての水素原子)がフッ素原子で置換されている場合が好ましく、特に好ましいのはフェニル基の環上の全ての水素原子がフッ素原子で置き換えられたパーフルオロフェニル基である。また、フェニル基の環上に1又は2個以上のパーフルオロアルキル基(例えばトリフルオロメチル基)が存在しており、該パーフルオロアルキル基以外の水素原子が全てフッ素原子で置換された場合も特に好ましい。例えば、テトラフルオロ(トリフルオロメチル)フェニル基やトリフルオロビス(トリフルオロメチル)フェニル基などが例示されるが、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-トリフルオロメチルフェニル基などがさらに好ましい。 [0020] 上記一般式(I)において、環Aは1ないし3個の環構成窒素原子を含む単環式芳香環を示すか、又はN-オキシドを形成する上記単環式芳香環を部分構造として含む多環式芳香環を示す。 環Aが単環式芳香環の場合、環Aとして、例えば1個ないし3個の環構成窒素原子を含む5又は6員の芳香環を挙げることができる。より具体的には、環Aとしてピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、トリアジン環、ピロール環、又はイミダゾール環などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。該芳香環は1個又は2個以上の置換基を有していてもよく、2個以上の隣接する置換基は互いに結合して環を形成していてもよい。これらのうち、ピリジン環が好ましい。 [0021] また、環Aが、N-オキシドを形成する上記単環式芳香環を部分構造として含む多環式芳香環である場合、環Aとして、例えばN-オキシドを形成する1個又は2個の環構成窒素原子を含む5又は6員の芳香環を部分構造として含む2環式、3環式、又は4環式芳香環を挙げることができる。1個ないし3個の環構成窒素原子を含む上記単環式芳香環を部分構造として含む多環式芳香環において、部分構造となる単環式芳香環の環構成窒素原子の1つがN-オキシドを形成する。部分構造である1ないし3個の環構成窒素原子を含む単環式芳香環としてはピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、又はピラジン環が好ましく、ピリジン環がより好ましい。多環式芳香環としては2環式、3環式、又は4環式芳香環が好ましい。部分構造となる上記の5又は6員の芳香環以外の芳香環は1個以上の環構成ヘテロ原子を含んでいてもよい。環構成ヘテロ原子としては、窒素原子又は酸素原子が好ましい。より具体的には、環Aとして、例えばキノリン環、イソキノリン環、ナフチリジン環、フタラジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、カルボリン環、フェナントリジン環、アクリジン環、又はフェナントロリン環などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。該環は1個又は2個以上の置換基を有していてもよく、2個以上の隣接する置換基は互いに結合して環を形成していてもよい。 [0022] 上記の芳香環は1個又は2個以上の置換基を有していてもよく、環上における2個以上の隣接する置換基は互いに結合して環を形成していてもよい。置換基の種類は特に限定されず、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、又は部分飽和若しくは飽和のヘテロ環基(例えばモルホリニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ピロリジノ基などの5員又は6員のヘテロ環基)など任意の置換基を用いることができる。また、置換基としてのアルキル基やアリール基などには他の置換基(例えば水酸基やハロゲン原子など)が1又は2個以上存在していてもよい。このような例として、フルオロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、フルオロフェニル基、トルイル基、ベンジル基、ジフェニルアミノ基、スチリル基、又はフェニルエチニル基などを例示することができるが、置換基の種類はこれらの特定の例に限定されることはない。環上における2個以上の隣接する置換基が互いに結合して環を形成する場合としては、例えば、環上における隣接する2個のアルキル基が互いに結合して5ないし7員環を形成する場合などを挙げることができ、このようにして形成される環の環上にはさらに1個以上の置換基が存在していてもよい。置換基としては、例えば上記に例示したものなどを用いることができる。 [0023] 本発明の化合物における環Aの好ましい例としては、無置換のピリジン環、イソキノリン環、キノリン環、アクリジン環、ベンゾナフタレン環などのほか、1ないし3個の置換基(置換基はフェニル基、ナフチル基、アルコキシ基、アミノ基、アルケニル基、アルキニル基などを挙げることができ、これらの基はさらにアリール基又はアルキル基などで置換されていてもよい)で置換されたピリジン環、イソキノリン環、キノリン環、アクリジン環、ベンゾナフタレン環などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。特に好ましい環Aを以下に例示するが、環Aはこれらの特定の環構造に限定されることはない。 [0024] [化2] [0025] 別の好ましい環Aを以下に例示するが、環Aはこれらの特定の環構造に限定されることはない。また、これらの環AはR1がCF3である基:-O-BF2-CF3が結合した環Aとして例示するが、この基が結合したものに限定されることはない。 [化3] [0026] [化4] [0027] 本発明の化合物には置換基の種類により光学異性体又はジアステレオ異性体が存在する場合があるが、このような任意の異性体はいずれも本発明の範囲に包含される。また、本発明の化合物は水和物又は溶媒和物として存在する場合があり、置換基の種類によっては塩の形態で存在する場合もあるが、これらの物質も本発明の範囲に包含される。さらに、本発明の化合物は一般的には結晶として得られるが、任意の結晶多型も本発明の範囲に包含される。 [0028] 本発明の化合物は、一般的には導入すべきR1で置換されたトリフルオロボレート化合物の塩(R1BF3のカリウム塩など)を三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体で処理した後に環Aに対応するN-オキシド化合物を反応させることにより収率よく製造することができる。三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体との反応は通常はジクロロメタンなどの不活性溶媒中で室温で数分から1時間程度で完了する。N-オキシド化合物との反応は同様にジクロロメタンなどの不活性溶媒中で室温下に1時間から数日程度で完了する。原料化合物であるN-オキシド化合物及びR1BF3の塩は公知であるか、容易に入手可能な原料化合物から公知の方法により製造することが可能である。 [0029] 得られた化合物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーや再結晶などの通常の分離・精製操作により単離することができる。本明細書の実施例に本発明の一般式(I)に包含される化合物の製造方法を具体的に示したので、当業者はこの実施例を参照し、原料化合物及び反応条件を適宜選択することにより、一般式(I)に包含される化合物を容易に合成することができる。 [0030] 本発明の化合物は溶液状態のみならず固体状態において強い蛍光を発する性質を有している。本明細書において「蛍光」という用語は、発光の一態様として、X線、紫外線、及び/又は可視光線が照射された際にそのエネルギーを吸収することで電子が励起し、それが基底状態に戻る際に余分なエネルギーを電磁波として放出する現象を意味しており、いかなる意味においても限定的に解釈してはならず、最も広義に解釈しなければならない。固体状態での蛍光測定は一般的には絶対PL量子収率測定装置 C-9920-02(マルチチャンネル検出器 PMA-11、浜松ホトニクス株式会社)などを使用して行うことができるが、この特定の装置及び方法に限定されるわけではない。 [0031] 本発明の化合物は、上記の蛍光特性を有しており、安定な化合物であることから蛍光剤として好適に使用することができ、例えば、生体標識材料、有機エレクトロニクス材料、化学センサー、有機レーザー、又は有機蛍光塗料などの用途に利用することができるが、上記の特定の用途に限定されることはなく、多様な用途に応用できることは言うまでもない。 実施例 [0032] 以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。 例1:化合物1 [化5] [0033] アルゴン雰囲気下、トリフルオロ(トリフルオロメチル)ホウ酸カリウム (96.8 mg, 0.550 mmol)のジクロロメタン(1 mL)懸濁液に三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体(67.5 μl, 0.550 mmol)を滴下し、室温で20分攪拌した。反応液に4-フェニルピリジンN-オキシド(85.6 mg, 0.500 mmol)を加え、1時間攪拌した。ジクロロメタン/アセトン(1:1)溶液で反応液を希釈し、不溶物を濾別後、ジクロロメタン-アセトン(1:1)溶液で不溶物を洗浄した。濾液と洗浄液とを合わせて減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン-アセトン = 100:0 → 99:1)によって精製し、4-フェニルピリジンN-オキシド-BF2CF3錯体(122 mg, 84% yield)を白色固体として得た。 [0034] m.p.: 165℃; 1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ 7.61-7.68 (m, 3H), 7.98-8.05 (m, 2H), 8.38-8.43 (m, 2H), 8.87 (d, J = 7.2 Hz, 2H); 13C NMR (100 MHz, Acetone-d6) δ 125.8, 128.8, 130.6, 132.5, 135.1, 143.4, 154.1; 19F NMR (370 MHz, Acetone-d6) δ -161.2 (q, J = 44.7 Hz, 2F), -75.3 (q, J = 29.8 Hz, 3F); 11B NMR (130 MHz, Acetone-d6) δ -0.15 (m); ESI-MS: 312 (M+Na+). [0035] 例2 例1の方法と同様にして以下の化合物を製造した。化合物12及び13については酢酸エチルを用いた再結晶により精製を行った。 [0036] [化6] [0037] 化合物2 m.p.: 128 ℃; 1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ 7.56-7.65 (m, 3H), 7.86-7.91 (m, 2H), 8.23 (dd, J = 8.1 and 6.3 Hz, 1H), 8.75-8.81 (m, 1H), 8.82-8.87 (m, 1H), 9.10 (s, 1H); 13C NMR (100 MHz, Acetone-d6) δ 128.4, 128.9, 130.5, 131.2, 134.0, 140.7, 141.1, 141.6, 142.3; 19F NMR (370 MHz, Acetone-d6) δ -161.0 (q, J = 47.7 Hz, 2F), -75.2 (q, J = 29.8 Hz, 3F); 11B NMR (130 MHz, CD3CN) δ -0.76 (m); ESI-MS: 312 (M+Na+). [0038] 化合物3 m.p.: 130℃; 1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ 7.52-7.63 (m, 3H), 7.81-7.87 (m, 2H), 8.08 (ddd, J = 8.1, 6.3 and 1.3 Hz, 1H), 8.17 (dd, J = 8.1 and 1.8 Hz, 1H), 8.51 (td, J = 7.9 and 1.3 Hz, 1H), 8.95 (d, J = 6.7 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, Acetone-d6) δ 127.3, 129.2, 130.8, 130.9, 131.1, 131.9, 142.6, 144.1, 154.0; 19F NMR (370 MHz, Acetone-d6) δ -159.1 (q, J = 41.7 Hz, 2F), -75.5 (q, J = 23.8 Hz, 3F); 11B NMR (130 MHz, CD3CN) δ 0.46 (m); ESI-MS: 312 (M+Na+). [0039] 化合物4 m.p.: 139℃; 1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ 7.60 (ddd, J = 7.6, 4.7 and 1.1 Hz, 1H), 8.02 (td, J = 7.9 and 1.8 Hz, 1H), 8.17 (td, J = 7.0 and 2.2 Hz, 1H), 8.39 (dd, J = 8.1 and 0.9 Hz, 1H), 8.54-8.64 (m, 2H), 8.79-8.84 (m, 1H), 8.95 (d, J = 6.7 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, Acetone-d6) δ 126.6, 127.8, 128.2, 131.1, 137.3, 142.8, 144.1, 148.3, 150.9, 152.0; 19F NMR (370 MHz, Acetone-d6) δ -159.6 (q, J = 47.7 Hz, 2F), -75.6 (q, J = 35.8 Hz, 3F); 11B NMR (130 MHz, CD3CN) δ 0.46 (m); ESI-MS: 313 (M+Na+). [0040] 化合物5 m.p.: 149 ℃; 1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ 8.01-8.08 (m, 1H), 8.15 (dd, J = 8.5 and 6.3 Hz, 1H), 8.23-8.30 (m, 1H), 8.43 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.62 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 9.12 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 9.29 (d, J = 5.8 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, Acetone-d6) δ 119.3, 122.3, 130.1, 131.3, 131.5, 136.0, 139.6, 143.9, 145.1; 19F NMR (370 MHz, Acetone-d6) δ -160.4 (q, J = 41.7 Hz, 2F), -75.5 (q, J = 35.8 Hz, 3F); 11B NMR (130 MHz, CD3CN) δ 0.92 (m); ESI-MS: 286 (M+Na+). [0041] 化合物6 m.p.: 151 ℃; 1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ 8.02-8.08 (m, 1H), 8.15-8.22 (m, 1H), 8.34 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.49-8.62 (m, 3H), 9.77 (s, 1H); 13C NMR (100 MHz, Acetone-d6) δ 127.2, 128.3, 128.6, 130.3, 132.2, 135.6, 136.6, 136.6, 146.1; 19F NMR (370 MHz, Acetone-d6) δ -160.8 (q, J = 41.7 Hz, 2F), -75.2 (q, J = 29.8 Hz, 3F); 11B NMR (130 MHz, CD3CN) δ 0.76 (m); ESI-MS: 286 (M+Na+). [0042] 化合物7 m.p.: 166 ℃; 1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ 7.85-7.92 (m, 1H), 7.94-8.01 (m, 1H), 8.12 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.19 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.21-8.27 (m, 2H), 9.08 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 9.29 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 10.04 (d, J = 8.5 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, Acetone-d6) δ 123.3, 124.1, 125.5, 129.2, 130.1, 130.5, 132.2, 132.6, 133.1, 137.1, 138.9, 143.4, 145.6; 19F NMR (370 MHz, Acetone-d6) δ -159.0 (q, J = 41.7 Hz, 2F), -75.0 (q, J = 29.8 Hz, 3F); 11B NMR (130 MHz, CD3CN) δ 1.07 (m); ESI-MS: 336 (M+Na+). [0043] 化合物8 m.p.: 186 ℃; 1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ 7.95-8.01 (m, 2H), 8.38 (ddd, J = 9.0, 6.7 and 1.3 Hz, 2H), 8.54 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 8.82 (d, J = 9.4 Hz, 2H), 9.85 (s, 1H); 13C NMR (100 MHz, Acetone-d6) δ 119.2, 127.6, 128.8, 130.5, 138.1, 141.1, 145.8; 19F NMR (370 MHz, Acetone-d6) δ -156.9 (q, J = 44.7 Hz, 2F), -74.9 (q, J = 29.8 Hz, 3F); 11B NMR (130 MHz, CD3CN) δ 1.22 (m); ESI-MS: 336 (M+Na+). [0044] 化合物9 m.p.: 210 ℃; 1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ 7.42-7.51 (m, 3H), 7.55 (d, J = 16.6 Hz, 1H), 7.77 (dd, J = 7.9 and 1.6 Hz, 2H), 7.95 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 8.20-8.25 (m, 2H), 8.73 (d, J = 7.2 Hz, 2H); 13C NMR (100 MHz, Acetone-d6) δ 123.8, 124.9, 128.9, 129.9, 131.1, 136.3, 141.0, 143.1, 151.6; 19F NMR (370 MHz, Acetone-d6) δ -161.3 (q, J = 42.8 Hz, 2F), -75.3 (q, J = 27.0 Hz, 3F); 11B NMR (130 MHz, CD3CN) δ 0.61 (m); ESI-MS: 338 (M+Na+). [0045] 化合物10 m.p.: 191 ℃; 1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ 7.47-7.60 (m, 3H), 7.65-7.74 (m, 2H), 8.16-8.23 (m, 2H), 8.87 (d, J = 6.7 Hz, 2H); 13C NMR (100 MHz, Acetone-d6) δ 85.3, 102.4, 121.2, 129.7, 130.3, 131.6, 133.1, 137.5, 143.3; 19F NMR (370 MHz, Acetone-d6) δ -161.1 (q, J = 42.8 Hz, 2F), -75.4 (q, J = 27.0 Hz, 3F); 11B NMR (130 MHz, CD3CN) δ 0.61 (m); ESI-MS: 336 (M+Na+). [0046] 化合物11 m.p.: 152 ℃; 1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ 7.61-7.67 (m, 3H), 8.01 (dd, J = 6.9 and 2.9 Hz, 2H), 8.41 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 8.85 (d, J = 6.9 Hz, 2H); 13C NMR (100 MHz, Acetone-d6) δ 125.9, 128.8, 130.6, 132.5, 135.1, 143.4, 154.1; 19F NMR (370 MHz, DMSO-d6) δ -158.4 (s, 2F), -136.5 (s, 2F), -84.1 (s, 3F); 11B NMR (130 MHz, DMSO-d6) δ 1.53 (s); ESI-MS: 362 (M+Na+). [0047] 化合物12 m.p.: 199 ℃; 1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ 7.62-7.67 (m, 3H), 7.99-8.05 (m, 2H), 8.37-8.41 (m, 2H), 8.88 (d, J = 7.2 Hz, 2H); 13C NMR (100 MHz, Acetone-d6) δ 125.7, 128.8, 130.6, 132.4, 135.3, 143.6, 153.6; 19F NMR (370 MHz, Acetone-d6) δ -166.0 (td, J = 22.8 and 11.4 Hz, 2F), -159.5 (t, J = 19.9 Hz, 1F), -144.1--143.3 (br, 2F), -135.1 (td, J = 25.6 and 13.3 Hz, 2F);11B NMR (130 MHz, CD3CN) δ 4.28 (m). [0048] m.p.: 203 ℃; 1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ 7.60-7.68 (m, 3H), 7.98-8.06 (m, 2H), 8.42 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 8.91 (d, J = 6.7 Hz, 2H); 13C NMR (100 MHz, Acetone-d6) δ 125.8, 128.8, 130.6, 132.4, 135.2, 143.6, 153.8; 19F NMR (370 MHz, Acetone-d6) δ -145.0--144.6 (m, 2F), -144.6--143.9 (br, 2F), -133.4 (s, 2F), -56.7 (t, J = 20.3 Hz, 3F); 11B NMR (130 MHz, CD3CN) δ 3.97 (m). [0049] 例3 例1及び例2で得られた化合物について蛍光特性を評価した。アセトニトリル中での測定結果を表1に示す。 [0050] [表1] [0051] 例4 例1の方法と同様にして以下の化合物を製造した。 [0052] [化7] [0053] 化合物14 1H NMR (400 MHz, CD3CN) δ 7.02 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.17-7.25 (m, 6H), 7.38 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.40 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.75 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 8.03 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 8.52 (d, J = 7.2 Hz, 2H); 13C NMR (100 MHz, CD3CN) δ 121.0, 123.9, 125.7, 126.2, 127.2, 130.0, 130.8, 142.7, 147.2, 152.5, 153.3; 19F NMR (368 MHz, CD3CN) δ -161.5 (q, J = 34.2 Hz, 2F), -75.8~-75.3 (m, 3F); 11B NMR (125 MHz, CD3CN) δ 0.61 (m); IR (KBr, ν / cm-1) 3125, 1584, 1485, 1335, 1298, 1213, 1073, 909, 818, 762; HRMS (ESI) Calcd for C24H18BF5N2NaO+[M+Na+] 479.1325, Found 479.1309. [0054] 化合物15 1H NMR (400 MHz, CD3CN) δ 4.00 (s, 3H), 7.61 (s, 1H), 7.77 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 7.84 (dd, J = 8.5, 6.1 Hz, 1H), 8.45 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 8.74 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.89 (d, J = 6.1 Hz, 1H); 13C NMR (125 MHz, CD3CN) δ 57.2, 107.4, 120.9, 122.7, 129.0, 133.6, 135.3, 142.0, 142.2, 161.5; 19F NMR (368 MHz, CD3CN) δ -160.8 (q, J = 42.7 Hz, 2F), -75.8 (q, J = 28.5 Hz, 3F); 11B NMR (125 MHz, CD3CN) δ 1.07 (m); IR (KBr, ν / cm-1) 3131, 3101, 3025, 2963, 1899, 1719, 1339. 747, 724, 703; HRMS (ESI) Calcd for C11H9BF5NNaO2+[M+Na+] 316.0539, Found 316.0526. [0055] 化合物16 1H NMR (400 MHz, CD3CN) δ 2.58 (s, 3H), 7.87 (dd, J = 8.7, 6.2 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 8.06 (s, 1H), 8.46 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 8.79 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 9.00 (d, J = 6.2 Hz, 1H); 13C NMR (125 MHz, CD3CN) δ 21.6, 118.8, 122.1, 128.6, 131.8, 138.1, 138.4, 142.6, 143.2, 143.8; 19F NMR (368 MHz, CD3CN) δ -160.8 (q, J = 45.5 Hz, 2F), -75.8 (q, J = 31.3 Hz, 3F); 11B NMR (125 MHz, CD3CN) δ 1.07 (m); IR (KBr, ν / cm-1) 3104, 1590, 1520, 1435, 1382, 1330, 1278, 1221, 741, 689; HRMS (ESI) Calcd for C11H9BF5NNaO+[M+Na+] 300.0590, Found 300.0582. [0056] 化合物17 1H NMR (400 MHz, CD3CN) δ 7.96 (dd, J = 8.5, 6.3 Hz, 1H), 8.12 (dd, J = 9.4, 2.2 Hz, 1H), 8.35 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.54 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 8.83 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 9.09 (d, J = 6.3 Hz, 1H); 13C NMR (125 MHz, CD3CN) δ 121.3, 123.6, 128.8, 132.3, 136.7, 137.1, 138.3, 143.3, 145.2; 19F NMR (368 MHz, CD3CN) δ -160.7 (q, J = 45.5 Hz, 2F), -68.3 (q, J = 28.5 Hz, 3F); 11B NMR (125 MHz, CD3CN) δ 0.92 (m); IR (KBr, ν / cm-1) 3127, 1588, 1518, 1379, 1205, 1172, 829, 812, 742, 690; HRMS (ESI) Calcd for C10H6BClF5NNaO+[M+Na+] 320.0043, Found 320.0055. [0057] 化合物18 1H NMR (400 MHz, CD3CN) δ 7.95 (dd, J = 8.5, 6.0 Hz, 1H), 8.23-8.26 (m, 1H), 8.46 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 8.53 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.82 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 9.10 (d, J = 6.0 Hz, 1H); 13C NMR (125 MHz, CD3CN) δ 121.3, 123.7, 125.4, 132.3, 132.7, 138.7, 139.4, 143.3, 145.5; 19F NMR (368 MHz, CD3CN) δ -160.7 (q, J = 45.5 Hz, 2F), -75.8 (q, J = 28.5 Hz, 3F); 11B NMR (125 MHz, CD3CN) δ 0.91 (m); IR (KBr, ν / cm-1) 3093, 1585, 1435, 1377, 1239, 1204, 1176, 804, 739, 691; HRMS (ESI) Calcd for C10H6BBrF5NNaO+[M+Na+] 363.9538, Found 363.9555. [0058] 化合物19 1H NMR (500 MHz, CD3CN) δ 4.01 (s, 3H), 8.01 (dd, J = 8.1, 6.2 Hz, 1H), 8.65 (m, 2H), 8.96 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 9.05 (d, J = 8.1 Hz, 1H) 9.18 (d, J = 6.2 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CD3CN) δ 53.7, 120.0, 123.3, 131.2, 132.3, 132.8, 135.1, 141.3, 145.5, 146.7, 165.8; 19F NMR (368 MHz, CD3CN) δ -161.7 (q, J = 39.9 Hz, 2F), -76.9 (q, J = 34.2 Hz, 3F); 11B NMR (125 MHz, CD3CN) δ 0.92 (m); IR (KBr, ν / cm-1) 3052, 2965, 1587, 1389, 1368, 977, 794, 738, 692, 609; HRMS (ESI) Calcd for C12H9BF5NNaO3+[M+Na+] 344.0488, Found 344.0494. [0059] 化合物20 1H NMR (400 MHz, CD3CN) δ 2.65 (s, 3H), 7.93 (dd, J = 8.2, 7.0 Hz, 1H), 8.12-8.18 (m, 1H), 8.18 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.50 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.99 (s, 1H); 13C NMR (100 MHz, CD3CN) δ 18.6, 118.9, 129.3, 131.1, 131.3, 133.5, 135.1, 137.9, 143.2, 145.6; 19F NMR (368 MHz, CD3CN) δ -161.8 (q, J = 45.5 Hz, 2F), -76.8 (q, J = 31.3 Hz, 3F); 11B NMR (125 MHz, CD3CN) δ 1.22 (m); IR (KBr, ν / cm-1) 3854, 3735, 3649, 3126, 1598, 1520, 1381, 1336, 1285, 732; HRMS (ESI) Calcd for C11H9BF5NNaO+ [M+Na+] 300.0590, Found 300.0580. [0060] 化合物21 1H NMR (400 MHz, CD3CN) δ 3.06 (s, 3H), 7.78-7.87 (m, 2H), 7.93 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 8.11 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.85 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 9.05 (d, J = 6.5 Hz, 1H); 13C NMR (125 MHz, CD3CN) δ 23.9, 121.6, 129.0, 130.8, 132.1, 133.2, 139.2, 139.6, 145.2, 146.5; 19F NMR (368 MHz, CD3CN) δ -161.3 (q, J = 45.6 Hz, 2F), -76.1 (q, J = 31.3 Hz, 3F); 11B NMR (125 MHz, CD3CN) δ 0.92 (m); IR (KBr, ν / cm-1) 3127, 1524, 1211, 1163, 1078, 1022, 973, 896, 830, 755; HRMS (ESI) Calcd for C11H9BF5NNaO+ [M+Na+] 300.0590, Found 300.0589. [0061] 化合物22 1H NMR (400 MHz, CD3CN) δ 7.35-7.39 (m, 1H), 7.42-7.47 (m, 3H), 7.55 (d, J = 16.6 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.89 (dd, J = 8.5, 6.1 Hz, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.44 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.54 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.84 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.99 (d, J = 6.1 Hz, 1H); 13C NMR (125 MHz, CD3CN) δ 119.5, 122.6, 126.7, 126.9, 128.1, 129.8, 129.9, 132.2, 134.0, 134.5, 137.4, 139.0, 140.6, 143.5, 143.9; 19F NMR (368 MHz, CD3CN) δ -161.7 (q, J = 45.5 Hz, 2F), -76.9~-76.7 (m, 3F); 11B NMR (125 MHz, CD3CN) δ 0.89 (m); IR (KBr, ν / cm-1) 1596, 1518, 1389, 1337, 1074, 1022, 964, 900, 825, 744; HRMS (ESI) Calcd for C18H13BF5NNaO+[M+Na+] 388.0903, Found 388.0897. [0062] 化合物23 1H NMR (400 MHz, CD3CN) δ 7.44-7.50 (m, 3H), 7.64-7.67 (m, 2H), 7.94 (dd, J = 8.5, 6.3 Hz, 1H), 8.23 (dd, J = 9.0, 1.6 Hz, 1H), 8.43 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.56 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.87 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 9.07 (d, J = 5.4 Hz, 1H); 13C NMR (125 MHz, CD3CN) δ 87.7, 94.5, 119.8, 122.7, 123.1, 126.4, 129.8, 130.6, 131.6, 132.5, 132.8, 138.8, 139.0, 143.7, 145.2; 19F NMR (368 MHz, CD3CN) δ -161.7 (q, J = 39.9 Hz, 2F), -76.9~-76.7 (m, 3F); 11B NMR (125 MHz, CD3CN) δ 0.89 (m); IR (KBr, ν / cm-1) 3127, 2212, 1587, 1513, 1436, 1383, 1337, 1235, 757, 691; HRMS (ESI) Calcd for C18H11BF5NNaO+[M+Na+] 386.0746, Found 386.0761. [0063] 化合物24 1H NMR (400 MHz, CD3CN) δ 3.69 (t, J = 4.7 Hz, 4H), 3.91 (t, J = 4.7 Hz, 4H), 7.00 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.71-7.75 (m, 1H), 7.98-8.02 (m, 1H), 8.17 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.36 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.58 (d, J = 7.3 Hz, 1H); 13C NMR (125 MHz, CD3CN) δ 53.4, 66.9, 106.2, 119.3, 122.1, 127.0, 128.2, 134.8, 140.6, 143.4, 160.5; 19F NMR (368 MHz, CD3CN) δ -162.1 (q, J = 40.0 Hz, 2F), -76.9~-76.6 (m, 3F); 11B NMR (125 MHz, CD3CN) δ 0.90 (m); IR (KBr, ν / cm-1) 3113, 2868, 1369, 1335, 1312, 1243, 817, 685, 657, 620; HRMS (ESI) Calcd for C14H14BF5N2NaO2+[M+Na+] 371.0961, Found 371.0973. [0064] 化合物25 1H NMR (400 MHz, CD3CN) δ 7.86-7.98 (m, 2H), 8.02 (ddd, J = 8.7, 7.2, 1.3 Hz, 1H), 8.13 (ddd, J = 8.7, 7.2, 1.3 Hz, 1H), 8.35 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.60 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.66-8.76 (m, 2H), 9.64 (s, 1H); 13C NMR (100 MHz, CD3CN) δ 120.3, 123.9, 124.4, 124.6, 127.6, 131.3, 131.9, 132.4, 132.8, 133.8, 135.7, 137.6, 148.3; 19F NMR (368 MHz, CD3CN) δ -160.21 (q, J = 39.9 Hz, 2F), -75.9~-75.3 (m, 3F); 11B NMR (125 MHz, CD3CN) δ 1.01 (m); IR (KBr, ν / cm-1) 3091, 1877, 1622, 1528, 1505, 1461, 1398, 1342, 1312, 1116; HRMS (ESI) Calcd for C14H9BF5NNaO+[M+Na+] 336.0590, Found 336.0606. [0065] 化合物26 1H NMR (400 MHz, CD3CN) δ 2.24 (s, 3H), 7.41-7.47 (m, 2H), 7.53-7.59 (m, 3H), 7.81 (dd, J = 8.1, 6.7 Hz, 1H), 8.23 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.69 (d, J = 6.7 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CD3CN) δ 20.1, 126.8, 129.3, 130.06, 130.13, 131.1, 140.7, 140.99, 141.02, 141.03, 143.9, 153.6; 19F NMR (368 MHz, CD3CN) δ -159.0 (q, J = 39.9 Hz, 2F), -76.0 (q, J = 28.5 Hz, 3F); 11B NMR (125 MHz, CD3CN) δ 0.46 (m); IR (KBr, ν / cm-1) 3140, 1599, 1478, 1453, 1338, 1243, 1173, 1072, 1025, 958; HRMS (ESI) Calcd for C13H11BF5NNaO+[M+Na+] 326.0746, Found 326.0758. [0066] 化合物27 1H NMR (400 MHz, CD3CN) δ 8.26-8.40 (m, 2H), 8.42-8.51 (m, 2H), 9.64 (s, 1H), 9.80 (s, 1H); 13C NMR (100 MHz, CD3CN) δ 128.3, 129.2, 130.0, 131.0, 137.3, 138.8, 143.9, 155.4; 19F NMR (368 MHz, CD3CN) δ -160.4 (q, J = 45.5 Hz, 2F), -75.8 (q, J = 34.2 Hz, 3F); 11B NMR (125 MHz, CD3CN) δ 0.89 (m); IR (KBr, ν / cm-1) 3097, 1620, 1577, 1460, 1385, 1351, 1282, 1223, 937, 760. [0067] 化合物28 1H NMR (400 MHz, CD3CN) δ 7.57-7.64 (m, 2H), 7.66-7.73 (m, 1H), 7.90 (dd, J = 6.7, 4.6 Hz, 1H), 8.18-8.24 (m, 2H), 8.99-9.05 (m, 1H), 9.22 (dd, J = 4.6, 1.6 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CD3CN) δ 122.7, 129.4, 130.6, 132.1, 134.1, 151.9, 160.2, 161.7; 19F NMR (368 MHz, CD3CN) δ -159.2 (q, J = 45.5 Hz, 2F), -75.9 (q, J = 34.2 Hz, 3F); 11B NMR (125 MHz, CD3CN) δ 0.61 (m); IR (KBr, ν / cm-1) 3119, 1600, 1552, 1497, 1466, 1247, 1188, 1089, 908, 841. [0068] 化合物29 1H NMR (400 MHz, CD3CN) δ 5.87 (s, 2H), 7.30-7.41 (m, 5H), 7.67 (dd, J = 8.3, 6.3 Hz, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.56 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.57 (d, J = 6.3 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CD3CN) δ 51.3, 119.7, 128.8, 129.5, 130.0, 134.8, 136.4, 138.4, 138.5, 143.8, 149.9; 19F NMR (368 MHz, CD3CN) δ -160.5 (q, J = 45.5 Hz, 2F), -75.3 (q, J = 34.2 Hz, 3F); 11B NMR (125 MHz, CD3CN) δ 0.98 (m); IR (KBr, ν / cm-1) 3109, 1634, 1508, 1454, 1409, 1350, 1292, 1091, 896, 798. [0069] 化合物30 1H NMR (400 MHz, CD3CN) δ 7.52-7.61 (m, 4H), 7.68 (dd, J = 8.5, 6.7 Hz, 1H), 7.99-8.05 (m, 2H), 8.35 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.56 (dd, J = 6.7, 0.9 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CD3CN) δ 97.1, 121.1, 124.2, 127.7, 128.0, 130.4, 133.2, 138.9, 142.7, 152.1, 165.8; 19F NMR (368 MHz, CD3CN) δ -160.4 (q, J = 45.5 Hz, 2F), -75.6 (q, J = 45.5 Hz, 3F); 11B NMR (125 MHz, CD3CN) δ 0.89 (m); IR (KBr, ν / cm-1) 3140, 1561, 1477, 1443, 1389, 1282, 1168, 1092, 904, 791; HRMS (ESI) Calcd for C14H9BF5NNaO2+[M+Na+] 352.0539, Found 352.0552. [0070] 化合物31 1H NMR (400 MHz, CD3CN) δ 3.71 (s, 3H), 7.44-7.60 (m, 6H), 8.53 (s, 1H); 19F NMR (368 MHz, CD3CN) δ -162.5 (q, J = 39.9 Hz, 2F), -75.4 (q, J = 28.5 Hz, 3F); 11B NMR (125 MHz, CD3CN) δ 0.28 (m). [0071] 化合物32 1H NMR (400 MHz, CD3CN) δ 3.57 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 7.57-7.63 (m, 5H), 7.69 (s, 1H), 7.90 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 8.23 (d, J = 8.1 Hz, 2H); 19F NMR (368 MHz, CD3CN) δ -161.1 (q, J = 39.9 Hz, 2F), -75.8 (q, J = 45.5 Hz, 3F); 11B NMR (125 MHz, CD3CN) δ 0.31 (m). [0072] 例5 例1及び例2で得られた化合物について蛍光特性を評価した。テトラヒドロフラン(THF)、およびアセトニトリル(MeCN)中での光物性測定結果を表2に示す。 [0073] [表2] [1] 最長吸収波長 [2] 励起波長:270 nm [3] 励起波長:290 nm [4] 励起波長:310 nm [5] 相対量子収率の標準物質:2-アミノピリジン(aq.H2SO4、φF = 0.66) [6] 相対量子収率の標準物質:硫酸キニーネ(aq.H2SO4、φF = 0.55) [0074] 例6 例1、例2、及び例4で得られた化合物について蛍光特性を評価した。固体状態における光物性測定結果を表3に示す。 [0075] [表3] |
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