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RADIO DEVICE, DETECTING DEVICE, DETECTING SYSTEM, AND RADIO COMMUNICATION METHOD
RADIO DEVICE, DETECTING DEVICE, DETECTING SYSTEM, AND RADIO COMMUNICATION METHOD
外国特許コード
F170009034
整理番号
S2016-1151-N0
掲載日
2017年4月26日
出願国
世界知的所有権機関(WIPO)
国際出願番号
2016JP057168
国際公開番号
WO 2016158244
国際出願日
平成28年3月8日(2016.3.8)
国際公開日
平成28年10月6日(2016.10.6)
優先権データ
特願2015-070693 (2015.3.31) JP
発明の名称 (英語)
RADIO DEVICE, DETECTING DEVICE, DETECTING SYSTEM, AND RADIO COMMUNICATION METHOD
発明の概要(英語)
A radio device (10) is a device introduced into a living body (LB). The radio device (10) transmits a radio signal to the outside of the living body (LB) at a frequency that is higher than a maximum value frequency at which a loss coefficient, which is a ratio between an imaginary part of a dielectric constant of water and a real part of said dielectric constant, has a maximum value due to dipole polarization, said frequency being a frequency from among frequencies included in a frequency band comprising Ultra High Frequency (UHF), Super High Frequency (SHF), Extremely High Frequency (EHF) and Tremendously High Frequency (THF).
従来技術、競合技術の概要(英語)
BACKGROUND ART
Is introduced into the inside of a living organism is transmitted wirelessly by the wireless device signal, received by an external device located outside the living body to a wireless communication system has been known (for example, Non-Patent Document 1 and non-patent reference 2).
However, the living body includes, contains a number equivalent to the water. Therefore, from the inside of a living organism is the propagation of the signal to the outside of a living body, water by the propagation of the signal represented by the sufficiently high accuracy. In addition, the signal transmitted by the wireless device power, the loss caused by the propagation of water, the higher the frequency of signal increases, is considered to be.
Therefore, the wireless communication system, the transmission of signals by the wireless device as a frequency that is used, from 1MHz to 400MHz using a frequency.
出願人(英語)
※2012年7月以前掲載分については米国以外のすべての指定国
TOHOKU UNIVERSITY
発明者(英語)
SUEMATSU, Noriharu
KAMEDA, Suguru
MOTOYOSHI, Mizuki
国際特許分類(IPC)
H01Q 5/10
共振アンテナ
H01Q 5/342
異なる伝搬モードのため
H04B 13/00
伝送媒体によって特徴づけられる伝送方式であって,グループH04B3/00~H04B11/00に分類されないもの
指定国
National States: AE AG AL AM AO AT AU AZ BA BB BG BH BN BR BW BY BZ CA CH CL CN CO CR CU CZ DE DK DM DO DZ EC EE EG ES FI GB GD GE GH GM GT HN HR HU ID IL IN IR IS KE KG KN KP KR KZ LA LC LK LR LS LU LY MA MD ME MG MK MN MW MX MY MZ NA NG NI NO NZ OM PA PE PG PH PL PT QA RO RS RU RW SA SC SD SE SG SK SL SM ST SV SY TH TJ TM TN TR TT TZ UA UG US UZ VC VN ZA ZM ZW
ARIPO: BW GH GM KE LR LS MW MZ NA RW SD SL SZ TZ UG ZM ZW
EAPO: AM AZ BY KG KZ RU TJ TM
EPO: AL AT BE BG CH CY CZ DE DK EE ES FI FR GB GR HR HU IE IS IT LT LU LV MC MK MT NL NO PL PT RO RS SE SI SK SM TR
OAPI: BF BJ CF CG CI CM GA GN GQ GW KM ML MR NE SN ST TD TG
日本語項目の表示
発明の名称
無線装置、検出装置、検出システム、及び、無線通信方法
発明の概要
無線装置(10)は、生体(LB)の内部に導入された装置である。無線装置(10)は、UHF(Ultra High Frequency)、SHF(Super High Frequency)、EHF(Extremely High Frequency)、及び、THF(Tremendously High Frequency)からなる周波数帯に含まれる周波数のうちの、水の誘電率の虚数部の、当該誘電率の実数部に対する比である損失係数が双極子分極によって極大値を有する極大値周波数よりも高い周波数にて、生体(LB)の外部へ無線による信号の送信を行なう。
特許請求の範囲
[請求項1]
生体の内部に導入された無線装置であって、
UHF(Ultra High Frequency)、SHF(Super High Frequency)、EHF(Extremely High Frequency)、及び、THF(Tremendously High Frequency)からなる周波数帯に含まれる周波数のうちの、水の誘電率の虚数部の、当該誘電率の実数部に対する比である損失係数が双極子分極によって極大値を有する極大値周波数よりも高い周波数にて、前記生体の外部へ無線による信号の送信を行なう、無線装置。
[請求項2]
請求項1に記載の無線装置であって、
前記極大値周波数は、22GHzである、無線装置。
[請求項3]
請求項1又は請求項2に記載の無線装置であって、
前記送信に用いられる全方向性アンテナを備える、無線装置。
[請求項4]
請求項1又は請求項2に記載の無線装置であって、
コイル面に形成され、且つ、前記生体の外部からの無線による信号の受信、及び、前記生体の外部からの無線による電力の受電の少なくとも一方に用いられるコイルと、
前記送信に用いられ、且つ、前記コイル面に直交する方向における信号の強度が他の方向における信号の強度よりも高い指向性アンテナと、
を備える、無線装置。
[請求項5]
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の無線装置であって、
前記送信に用いられる周波数よりも低い周波数にて、前記生体の外部からの無線による信号の受信、及び、前記生体の外部からの無線による電力の受電の少なくとも一方を行なう、無線装置。
[請求項6]
請求項5に記載の無線装置であって、
前記受信及び前記受電の少なくとも一方に用いられる周波数は、100kHz以上であり且つ50MHz以下である、無線装置。
[請求項7]
生体の外部に位置する検出装置であって、
UHF(Ultra High Frequency)、SHF(Super High Frequency)、EHF(Extremely High Frequency)、及び、THF(Tremendously High Frequency)からなる周波数帯に含まれる周波数のうちの、水の誘電率の虚数部の、当該誘電率の実数部に対する比である損失係数が双極子分極によって極大値を有する極大値周波数よりも高い周波数にて、前記生体の内部に導入された無線装置によって無線により送信された信号を受信し、前記受信した信号の強度に基づいて前記無線装置の位置を検出する、検出装置。
[請求項8]
請求項7に記載の検出装置であって、
前記生体の内部への無線による信号の送信、及び、前記生体の内部への無線による電力の送電の少なくとも一方に用いられるコイルと、
前記受信に用いられる全方向性アンテナと、
を備える、検出装置。
[請求項9]
生体の内部に導入された無線装置と、
前記生体の外部に位置する検出装置と、
を備える検出システムであって、
前記無線装置は、
UHF(Ultra High Frequency)、SHF(Super High Frequency)、EHF(Extremely High Frequency)、及び、THF(Tremendously High Frequency)からなる周波数帯に含まれる周波数のうちの、水の誘電率の虚数部の、当該誘電率の実数部に対する比である損失係数が双極子分極によって極大値を有する極大値周波数よりも高い周波数にて、前記生体の外部へ無線による信号の送信を行ない、
前記検出装置は、
前記無線装置によって無線により送信された信号を受信し、前記受信した信号の強度に基づいて前記無線装置の位置を検出する、検出システム。
[請求項10]
無線装置を生体の内部に導入し、
前記無線装置が、UHF(Ultra High Frequency)、SHF(Super High Frequency)、EHF(Extremely High Frequency)、及び、THF(Tremendously High Frequency)からなる周波数帯に含まれる周波数のうちの、水の誘電率の虚数部の、当該誘電率の実数部に対する比である損失係数が双極子分極によって極大値を有する極大値周波数よりも高い周波数にて、前記生体の外部へ無線による信号の送信を行なう、無線通信方法。
[請求項11]
請求項10に記載の無線通信方法であって、
前記生体の外部に位置する検出装置が、前記無線装置によって無線により送信された信号を受信し、
前記検出装置が、前記受信した信号の強度に基づいて前記無線装置の位置を検出する、無線通信方法。
明細書
明 細 書 発明の名称 : 無線装置、検出装置、検出システム、及び、無線通信方法
技術分野
[0001]
本発明は、無線装置、検出装置、検出システム、及び、無線通信方法に関する。
背景技術
[0002]
生体の内部に導入された無線装置によって無線により送信された信号を、生体の外部に位置する外部装置が受信する無線通信システムが知られている(例えば、非特許文献1及び非特許文献2を参照)。
[0003]
ところで、生体は、水を相当に多く含む。従って、生体の内部から生体の外部への信号の伝搬は、水中の信号の伝搬によって十分に高い精度にて表される。また、無線装置により送信された信号の電力の、水中の伝搬によって生じる損失は、信号の周波数が高くなるほど大きくなる、と考えられている。
[0004]
このため、無線通信システムは、無線装置による信号の送信に用いられる周波数として、1MHzから400MHzまでの周波数を用いる。
先行技術文献 非特許文献
[0005]
非特許文献1 : 吉田、外2名、「人体における30MHz/400MHz帯デュアルモード通信の伝送路特性とBER評価」、信学技報、一般社団法人電子情報通信学会、平成26年12月、第114巻、第381号、p.19-24
非特許文献2 : 石渡、外4名、「体内深部-体外間の容量結合型無線情報伝送~空気中及び液体模擬生体中における電圧利得特性の評価~」、信学技報、一般社団法人電子情報通信学会、平成26年5月、第114巻、第61号、p.9-12
発明の概要 発明が解決しようとする課題
[0006]
ところで、400MHzの信号の波長は、約75cmである。また、ダイポールアンテナの長さは、波長の約4分の1である。このため、信号の送信にダイポールアンテナを用いる場合、無線装置の大きさは、相当に大きくなってしまう。
このように、上記無線装置においては、無線装置の大きさが過大になる虞があった。
[0007]
本発明の目的の一つは、信号の電力の損失を低減しながら、大きさを小さくすることが可能な無線装置を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0008]
一つの側面では、無線装置は、生体の内部に導入された装置である。
更に、この無線装置は、
UHF(Ultra High Frequency)、SHF(Super High Frequency)、EHF(Extremely High Frequency)、及び、THF(Tremendously High Frequency)からなる周波数帯に含まれる周波数のうちの、水の誘電率の虚数部の、当該誘電率の実数部に対する比である損失係数が双極子分極によって極大値を有する極大値周波数よりも高い周波数にて、上記生体の外部へ無線による信号の送信を行なう。
[0009]
他の一つの側面では、検出装置は、生体の外部に位置する装置である。
更に、この検出装置は、
UHF、SHF、EHF、及び、THFからなる周波数帯に含まれる周波数のうちの、水の誘電率の虚数部の、当該誘電率の実数部に対する比である損失係数が双極子分極によって極大値を有する極大値周波数よりも高い周波数にて、上記生体の内部に導入された無線装置によって無線により送信された信号を受信し、上記受信した信号の強度に基づいて上記無線装置の位置を検出する。
[0010]
他の一つの側面では、検出システムは、生体の内部に導入された無線装置と、上記生体の外部に位置する検出装置と、を備える。
更に、上記無線装置は、
UHF、SHF、EHF、及び、THFからなる周波数帯に含まれる周波数のうちの、水の誘電率の虚数部の、当該誘電率の実数部に対する比である損失係数が双極子分極によって極大値を有する極大値周波数よりも高い周波数にて、上記生体の外部へ無線による信号の送信を行ない、
上記検出装置は、
上記無線装置によって無線により送信された信号を受信し、上記受信した信号の強度に基づいて上記無線装置の位置を検出する。
[0011]
他の一つの側面では、無線通信方法は、
無線装置を生体の内部に導入し、
上記無線装置が、UHF、SHF、EHF、及び、THFからなる周波数帯に含まれる周波数のうちの、水の誘電率の虚数部の、当該誘電率の実数部に対する比である損失係数が双極子分極によって極大値を有する極大値周波数よりも高い周波数にて、上記生体の外部へ無線による信号の送信を行なう。
発明の効果
[0012]
信号の電力の損失を低減しながら、無線装置の大きさを小さくすることができる。
図面の簡単な説明
[0013]
[図1]
水の損失電力の周波数に対する変化を表すグラフである。
[図2]
水の誘電率の周波数に対する変化を表すグラフである。
[図3]
実験により測定された水の損失電力の周波数に対する変化を表すグラフである。
[図4]
第1実施形態の検出システムの構成を表す図である。
[図5]
図4の無線装置の構成を表す図である。
[図6]
第2実施形態の検出システムの構成を表す図である。
[図7]
図6の無線装置の構成を表す図である。
発明を実施するための形態
[0014]
誘電体における信号の伝搬によって生じる、信号の電力の損失Pは、数式1により表される。誘電体における信号の伝搬によって生じる、信号の電力の損失Pは、損失電力とも表される。αは、信号の周波数に対して一定である係数を表す。fは、信号の周波数を表す。ε
r
’は、誘電体の誘電率の実数部を表す。ε
r
’’は、誘電体の誘電率の虚数部を表す。誘電率の虚数部ε
r
’’を誘電率の実数部ε
r
’により除した値ε
r
’’/ε
r
’は、損失係数、又は、誘電正接とも表される。
[数1]
[0015]
例えば、周波数fに対して損失係数が一定である場合、損失Pは、数式1により表されるように、周波数fに比例して増加する。図1の点線は、周波数fに対して損失係数が一定である場合における、損失Pの周波数fに対する変化を表す。図1において、横軸及び縦軸の両方は、対数目盛を用いている。
[0016]
ところで、一例として、水の誘電率の実数部ε
r
’、及び、水の誘電率の虚数部ε
r
’’は、UHF、SHF、EHF、及び、THFからなる周波数帯に含まれる周波数に対して、図2により表されるように変化する。UHFは、300MHzから3GHzまでの周波数帯である。SHFは、3GHzから30GHzまでの周波数帯である。EHFは、30GHzから300GHzまでの周波数帯である。THFは、300GHzから3THzまでの周波数帯である。従って、UHF、SHF、EHF、及び、THFからなる周波数帯は、300MHzから3THzまでの周波数帯である。
[0017]
図2において、横軸は、対数目盛を用い、縦軸は、線形目盛を用いている。図2の実線は、水の誘電率の実数部ε
r
’を表し、図2の点線は、水の誘電率の虚数部ε
r
’’を表す。水の誘電率の虚数部ε
r
’’は、22GHzの近傍の周波数f
m
において双極子分極によって極大値を有するとともに、2THzの近傍において原子分極によって極大値を有する。
[0018]
図2により表される水の誘電率の変化に基づいて、本願の発明者は、水の損失係数が、UHF、SHF、EHF、及び、THFからなる周波数帯に含まれる周波数に対して、双極子分極によって、ある極大値周波数にて極大値を有するように変化する、という知見を得た。更に、本願の発明者は、UHF、SHF、EHF、及び、THFからなる周波数帯においては、極大値周波数よりも高い着目周波数に対する水の損失係数の、極大値周波数に対する水の損失係数の比が、極大値周波数の当該着目周波数に対する比よりも小さい、という知見を得た。
[0019]
上記知見によれば、UHF、SHF、EHF、及び、THFからなる周波数帯に含まれる周波数のうちの、極大値周波数よりも高い周波数に対して、水中の信号の伝搬によって生じる、信号の電力の損失Pは、極大値周波数に対する電力の損失よりも小さい。
[0020]
図1の実線は、UHF、SHF、EHF、及び、THFからなる周波数帯における、水中の信号の伝搬によって生じる、信号の電力の損失Pの、周波数fに対する変化を表す。損失Pは、UHF、SHF、EHF、及び、THFからなる周波数帯において、極大値周波数f
m
にて極大値を有するように変化する。
図3は、UHF、SHF、EHF、及び、THFからなる周波数帯に含まれる周波数のうちの、極大値周波数f
m
よりも高い周波数に対する、水中の信号の伝搬によって生じる、信号の電力の損失Pを実験により測定された結果を表す。図3において、横軸は、線形目盛を用い、縦軸は、対数目盛を用いている。
[0021]
そこで、後述する各実施形態において、生体の内部に導入された無線装置は、UHF、SHF、EHF、及び、THFからなる周波数帯に含まれる周波数のうちの、水の誘電率の虚数部の、当該誘電率の実数部に対する比である損失係数が双極子分極によって極大値を有する極大値周波数よりも高い周波数にて、生体の外部へ無線による信号の送信を行なう。
[0022]
これによれば、極大値周波数にて信号の送信が行なわれる場合よりも、無線装置により送信された信号の電力の、生体の内部から生体の外部への伝搬によって生じる損失を低減できる。更に、極大値周波数よりも低い周波数にて信号の送信が行なわれる場合よりも、送信に用いられるアンテナを含む無線回路を小さくすることができる。この結果、極大値周波数よりも低い周波数にて信号の送信が行なわれる場合よりも、無線装置の大きさを小さくすることができる。
このようにして、後述する各実施形態の無線装置によれば、信号の電力の損失を低減しながら、無線装置の大きさを小さくすることができる。
[0023]
以下、本発明の、無線装置、検出装置、検出システム、及び、無線通信方法、に関する各実施形態について図4乃至図7を参照しながら説明する。
[0024]
<第1実施形態>
(構成)
図4に表されるように、第1実施形態の検出システム1は、無線装置10と、給電装置20と、検出装置30と、を備える。
[0025]
本例では、無線装置10は、無線チップである。無線装置10は、無線タグ、IC(Integrated Circuit)タグ、RF(Radio Frequency)タグ、又は、RFID(Radio Frequency Identifier)であってもよい。例えば、無線装置10は、半導体を用いて形成される。
[0026]
無線装置10は、生体LBの内部に導入される。無線装置10が生体LBによって摂取されることは、無線装置10が生体LBの内部に導入されることの一例である。例えば、無線装置10は、生体LBの口を通って生体LBによって摂取されてよい。無線装置10は、薬品又は食品に取り付けられてよい。また、無線装置10は、薬品又は食品に混入されてよい。
[0027]
また、無線装置10は、血管の内部、又は、器官の内部に、針又は管等を介して直接に導入されてもよい。また、無線装置10は、生体LBの内部に埋設されることにより生体LBの内部に導入されてもよい。
また、無線装置10は、カプセル等の容器に収容された装置であってもよい。例えば、無線装置10は、カプセル内視鏡装置であってもよい。
[0028]
無線装置10は、図5に表されるように、平板状であり且つ正方形状を有する。例えば、無線装置10の各辺の長さは、1mmである。なお、無線装置10は、正方形状と異なる形状(例えば、円形状、楕円形状、又は、多角形状等)を有してもよい。
[0029]
無線装置10は、コイル11と、アンテナ12と、を備える。
コイル11は、無線装置10の外縁部に位置する。コイル11は、所定のコイル面にて、無線装置10の外縁に沿って巻回される。
[0030]
無線装置10は、生体LBの内部に導入された状態において、コイル11を用いて、電磁誘導方式に従って、生体LBの外部からの無線による信号の受信、及び、生体LBの外部からの無線による電力の受電を行なう。本例では、無線装置10は、生体LBの外部に位置する給電装置20からの受信及び受電を行なう。
[0031]
生体LBの外部からの無線による信号の受信、及び、生体LBの外部からの無線による電力の受電に用いられる周波数(換言すると、第1の周波数)は、後述する、生体LBの外部への無線による信号の送信に用いられる周波数(換言すると、第2の周波数)よりも低い。本例では、上記受信及び上記受電に用いられる周波数は、100kHz以上であり且つ50MHz以下である。本例では、上記受信及び上記受電に用いられる周波数は、13.56MHzである。なお、上記受信に用いられる周波数は、上記受電に用いられる周波数と異なっていてもよい。
[0032]
無線装置10は、給電装置20から受電された電力によって動作する。更に、無線装置10は、給電装置20から受信された信号に従って無線装置10の動作を制御する。
[0033]
アンテナ12は、コイル11の内側に位置する。本例では、アンテナ12は、無線装置10の対角線に沿って延びる1組のダイポールアンテナである。アンテナ12は、全方向性アンテナ(換言すると、オムニアンテナ)の一例である。全方向性アンテナは、特定の平面において、信号の強度が方向に対して一定である。なお、アンテナ12は、無線装置10の2つの対角線にそれぞれ沿って延びる2組のダイポールアンテナであってもよい。また、アンテナ12は、ダイポールアンテナと異なる全方向性アンテナであってもよい。
[0034]
無線装置10は、生体LBの内部に導入された状態において、アンテナ12を用いて、電波方式に従って、生体LBの外部への無線による信号の送信を行なう。本例では、無線装置10は、生体LBの外部に位置する検出装置30への送信を行なう。
[0035]
本例では、無線装置10は、図示しないメモリを備え、メモリに予め記憶されている情報を表す信号を生体LBの外部へ送信する。例えば、情報は、無線装置10に固有の情報、又は、無線装置10を識別する情報である。
[0036]
なお、無線装置10は、センサを備え、センサにより検出された物理量を表す信号を送信してもよい。例えば、物理量は、温度、pH、又は、特定の物質の量若しくは濃度等である。また、無線装置10は、カメラを備え、カメラにより撮影された映像又は画像を表す信号を送信してもよい。
[0037]
生体LBの外部への無線による信号の送信に用いられる周波数は、UHF、SHF、EHF、及び、THFからなる周波数帯に含まれる周波数のうちの、水の誘電率の虚数部の、当該誘電率の実数部に対する比である損失係数が双極子分極によって極大値を有する極大値周波数よりも高い周波数である。本例では、極大値周波数は、22GHzである。従って、本例では、上記送信に用いられる周波数は、22GHzよりも高く且つ3THz以下である。本例では、上記送信に用いられる周波数は、60GHzである。
[0038]
図4に表されるように、給電装置20は、コイル21と、制御装置22と、を備える。
コイル21は、所定のコイル面にて巻回される。例えば、コイル面は、生体LBの正面又は背面に向かう方向に直交するように配置される。
[0039]
給電装置20は、コイル21を用いて、電磁誘導方式に従って、生体LBの内部への無線による信号の送信、及び、生体LBの内部への無線による電力の送電を行なう。本例では、給電装置20は、生体LBの内部に位置する無線装置10への送信及び送電を行なう。
[0040]
本例では、給電装置20は、無線装置10を制御する信号を生体LBの内部へ送信する。例えば、無線装置10を制御する信号は、無線装置10を起動する(換言すると、無線装置10に動作を開始させる)信号、無線装置10に信号を送信させる信号、無線装置10に物理量を検出させる信号、又は、無線装置10に映像若しくは画像を撮影させる信号等である。
[0041]
給電装置20において、生体LBの内部への無線による信号の送信、及び、生体LBの内部への無線による電力の送電に用いられる周波数は、無線装置10において、生体LBの外部からの無線による信号の受信、及び、生体LBの外部からの無線による電力の受電に用いられる周波数とそれぞれ同じである。
制御装置22は、コイル21に流れる電流を制御する。
[0042]
検出装置30は、アンテナ31と、制御装置32と、を備える。
アンテナ31は、アンテナ面に位置する1組のダイポールアンテナである。例えば、アンテナ面は、生体LBの表面に向かう方向に直交するように配置される。
[0043]
検出装置30は、アンテナ31を用いて、電波方式に従って、生体LBの内部からの無線による信号の受信を行なう。本例では、検出装置30は、生体LBの内部に位置する無線装置10からの受信を行なう。
[0044]
検出装置30において、生体LBの内部からの無線による信号の受信に用いられる周波数は、無線装置10において、生体LBの外部への無線による信号の送信に用いられる周波数と同じである。
[0045]
制御装置32は、アンテナ31を用いて受信された信号の強度に基づいて無線装置10の位置を検出する。本例では、制御装置32は、受信された信号の強度が、所定の閾値よりも大きい場合に、アンテナ31から、アンテナ面に直交する方向に延びた直線上の位置を、無線装置10の位置として検出する。
[0046]
本例では、上記閾値は、予め定められる。なお、上記閾値は、所定の期間において受信された信号の強度に基づいて定められてもよい。この場合、例えば、上記閾値は、所定の期間において受信された信号の強度の平均値に基づいて定められてよい。
[0047]
本例では、制御装置22及び制御装置32は、集積回路(例えば、LSI(Large Scale Integration)等)により実現される。なお、制御装置22及び制御装置32のそれぞれは、処理装置と記憶装置とを備え、処理装置が記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、上記機能を実現してもよい。
[0048]
(動作)
次に、検出システム1の動作について説明する。
先ず、無線装置10は、生体LBの内部に導入される。その後、所定のタイミングにて、給電装置20は、生体LBの内部に位置する無線装置10への無線による電力の送電、及び、生体LBの内部に位置する無線装置10への無線による信号の送信を、コイル21を用いて第1の周波数(本例では、13.56MHz)にて行なう。
[0049]
これにより、無線装置10は、生体LBの外部に位置する給電装置20からの無線による電力の受電を、コイル11を用いて第1の周波数にて行なう。無線装置10は、受電された電力により動作することにより、生体LBの外部に位置する給電装置20からの無線による信号の受信を、コイル11を用いて第1の周波数にて行なう。
[0050]
そして、無線装置10は、受電された電力により動作するとともに、受信された信号に従って無線装置10の動作を制御することにより、生体LBの外部への無線による信号の送信を、アンテナ12を用いて第2の周波数(本例では、60GHz)にて行なう。
[0051]
本例では、検出装置30は、検出装置30のユーザによって保持される。ユーザは、検出装置30のアンテナ面を、生体LBの表面に向かう方向に直交するように配置しながら、生体LBの表面を走査するように、検出装置30を移動させる。
[0052]
検出装置30は、生体LBの内部からの無線による信号の受信を、アンテナ31を用いて第2の周波数にて行なう。
アンテナ31から、アンテナ面に直交する方向に延びた直線の近傍に、無線装置10が位置している場合、検出装置30は、強度が閾値よりも大きい信号を、アンテナ31を用いて第2の周波数にて受信する。従って、この場合、検出装置30は、アンテナ31から、アンテナ面に直交する方向に延びた直線上の位置を、無線装置10の位置として検出する。
[0053]
以上、説明したように、第1実施形態の無線装置10は、UHF、SHF、EHF、及び、THFからなる周波数帯に含まれる周波数のうちの、水の誘電率の虚数部の、当該誘電率の実数部に対する比である損失係数が双極子分極によって極大値を有する極大値周波数よりも高い周波数にて、生体LBの外部へ無線による信号の送信を行なう。
[0054]
これによれば、極大値周波数にて信号の送信が行なわれる場合よりも、無線装置10により送信された信号の電力の、生体LBの内部から生体LBの外部への伝搬によって生じる損失を低減できる。更に、極大値周波数よりも低い周波数にて信号の送信が行なわれる場合よりも、送信に用いられるアンテナ12を含む無線回路を小さくすることができる。この結果、極大値周波数よりも低い周波数にて信号の送信が行なわれる場合よりも、無線装置10の大きさを小さくすることができる。
このようにして、無線装置10によれば、信号の電力の損失を低減しながら、無線装置10の大きさを小さくすることができる。
[0055]
更に、第1実施形態の無線装置10において、生体LBの外部への無線による信号の送信に用いられるアンテナ12は、全方向性アンテナである。
[0056]
これによれば、生体LBの外部に位置する検出装置30が、無線装置10により送信された信号を受信する確率を高めることができる。この結果、例えば、検出装置30は、無線装置10の位置を高い精度にて検出できる。
[0057]
加えて、第1実施形態の無線装置10は、生体LBの外部への無線による信号の送信に用いられる周波数よりも低い周波数にて、生体LBの外部からの無線による信号の受信、及び、生体LBの外部からの無線による電力の受電の両方を行なう。
[0058]
これによれば、生体LBの外部から信号を受信する確率、及び、生体LBの外部からの電力を受電する確率、の両方を高めることができる。
[0059]
更に、第1実施形態の検出装置30は、UHF、SHF、EHF、及び、THFからなる周波数帯に含まれる周波数のうちの、水の誘電率の虚数部の、当該誘電率の実数部に対する比である損失係数が双極子分極によって極大値を有する極大値周波数よりも高い周波数にて受信した信号の強度に基づいて無線装置10の位置を検出する。
[0060]
これによれば、極大値周波数にて信号の受信が行なわれる場合よりも、無線装置10により送信された信号の電力の、生体LBの内部から生体LBの外部への伝搬によって生じる損失を低減できる。更に、極大値周波数よりも低い周波数にて信号の受信が行なわれる場合よりも、受信された信号の強度と無線装置10の位置との相関を高めることができる。この結果、極大値周波数よりも低い周波数にて信号の受信が行なわれる場合よりも、無線装置10の位置を高い精度にて検出できる。
このようにして、検出装置30によれば、無線装置10の位置を高い精度にて検出できる。
[0061]
なお、検出システム1は、無線装置10による、生体LBの外部からの受電及び受信の一方又は両方を行なわないように構成されていてもよい。
無線装置10による、生体LBの外部からの受電及び受信の両方が行なわれない場合、検出システム1は、給電装置20を省略してよい。更に、この場合、無線装置10は、コイル11を省略してよい。
また、無線装置10による、生体LBの外部からの受電が行なわれない場合、無線装置10は、電力を蓄電する容量を備えていてもよい。この場合、無線装置10は、容量に蓄電された電力によって動作してよい。
また、無線装置10による、生体LBの外部からの受電が行なわれない場合、無線装置10は、電力を生成してもよい。この場合、無線装置10は、生成した電力によって動作してよい。
[0062]
また、検出システム1は、検出装置30による、無線装置10の位置の検出を行なわないように構成されていてもよい。
[0063]
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の検出システムについて説明する。第2実施形態の検出システムは、第1実施形態の検出システムに対して、検出装置が給電装置を含む点において相違している。以下、第2実施形態の検出システムの、第1実施形態に対する相違点を中心として説明する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と共通する又は対応する符号が用いられる。
[0064]
図6に表されるように、第2実施形態の検出システム1Aは、給電装置20を省略するとともに、第1実施形態の無線装置10及び検出装置30に代えて、無線装置10A及び検出装置30Aを備える。
[0065]
図7に表されるように、無線装置10Aは、第1実施形態の無線装置10に対して、アンテナ12に代えて、アンテナ12Aを備える点で相違する。
アンテナ12Aは、コイル11の内側に位置する。本例では、アンテナ12Aは、円形状を有するパッチアンテナである。なお、パッチアンテナは、円形状と異なる形状(例えば、楕円形状、正角形状、又は、多角形状等)を有してもよい。
[0066]
アンテナ12Aは、指向性アンテナの一例である。指向性アンテナは、特定の方向における信号の強度が他の方向における信号の強度よりも高い。本例では、アンテナ12Aは、無線装置10Aのコイル面に直交する方向における信号の強度が他の方向における信号の強度よりも高い。なお、アンテナ12Aは、パッチアンテナと異なる指向性アンテナであってもよい。
[0067]
図6に表されるように、検出装置30Aは、第1実施形態の検出装置30に対して、制御装置32に代えて、制御装置32A及びコイル33Aを備える点で相違する。
[0068]
コイル33Aは、検出装置30Aのアンテナ面と平行なコイル面にて巻回される。本例では、コイル面は、アンテナ面と一致する。
検出装置30Aは、コイル33Aを用いて、電磁誘導方式に従って、生体LBの内部への無線による信号の送信、及び、生体LBの内部への無線による電力の送電を行なう。本例では、検出装置30Aは、生体LBの内部に位置する無線装置10Aへの送信及び送電を行なう。
[0069]
検出装置30Aにおいて、生体LBの内部への無線による信号の送信、及び、生体LBの内部への無線による電力の送電に用いられる周波数は、無線装置10Aにおいて、生体LBの外部からの無線による信号の受信、及び、生体LBの外部からの無線による電力の受電に用いられる周波数とそれぞれ同じである。
制御装置32Aは、第1実施形態の制御装置32の機能に加えて、コイル33Aに流れる電流を制御する機能を有する。
[0070]
第2実施形態の検出システム1Aによれば、第1実施形態の検出システム1と同様の作用及び効果を奏することができる。
[0071]
更に、第2実施形態の無線装置10Aにおいて、アンテナ12Aは、生体LBの外部への無線による信号の送信に用いられ、且つ、コイル面に直交する方向における信号の強度が他の方向における信号の強度よりも高い指向性アンテナである。
[0072]
これによれば、生体LBの外部に位置する検出装置30Aからの受信及び受電の少なくとも一方が行なわれた場合に、検出装置30Aが、無線装置10Aにより送信された信号を受信する確率を高めることができる。この結果、例えば、検出装置30Aは、無線装置10Aの位置を高い精度にて検出できる。
[0073]
加えて、第2実施形態の検出装置30Aは、生体LBの内部への無線による信号の送信、及び、生体LBの内部への無線による電力の送電の両方に用いられるコイル33Aを備える。更に、検出装置30Aにおいて、生体LBの内部からの無線による信号の受信に用いられるアンテナ31は、全方向性アンテナである。
[0074]
これによれば、生体LBの内部に導入された無線装置10Aへの送信及び送電の少なくとも一方が行なわれた場合に、無線装置10Aにより送信された信号を受信する確率を高めることができる。
[0075]
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において当業者が理解し得る様々な変更が加えられてよい。例えば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、上述した実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。
符号の説明
[0076]
1,1A 検出システム
10,10A 無線装置
11 コイル
12,12A アンテナ
20 給電装置
21 コイル
22 制御装置
30,30A 検出装置
31 アンテナ
32,32A 制御装置
33A コイル
LB 生体
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公報
WO 2016158244(PDF,1013KB)