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光パルス対生成装置、光検出装置、および光検出方法

Patent code P210017868
File No. (S2018-0528-N0)
Posted date 2021年8月23日
Application number 特願2020-519536
Date of filing 平成31年4月19日(2019.4.19)
International application number JP2019016860
International publication number WO2019220863
Date of international filing 平成31年4月19日(2019.4.19)
Date of international publication 令和元年11月21日(2019.11.21)
Priority data
  • 特願2018-093067 (2018.5.14) JP
Inventor
  • 三沢 和彦
  • 伊藤 輝将
Applicant
  • 国立大学法人東京農工大学
Title 光パルス対生成装置、光検出装置、および光検出方法
Abstract 予め定められた波長差の中心波長を各々有するとともに、略同一の目標時間波形とされた第1のパルス光と第2のパルス光を含む光パルス対を生成する光パルス対生成装置であって、入射パルス光を2分岐する分岐部と、前記分岐部で分岐された一方のパルス光を前記目標時間波形に整形するとともに中心周波数を設定して前記第1のパルス光とする第1の整形部と、前記分岐部で分岐された他方のパルス光を前記目標時間波形に整形して前記第2のパルス光とする第2の整形部と、を含む光パルス対生成装置、が提供される。
Outline of related art and contending technology

コヒーレントラマン散乱顕微鏡は、細胞や組織の中に存在する分子を非染色でかつ高速に画像化できるイメージング技術として知られている。コヒーレントラマン散乱顕微鏡は、コヒーレントアンチストークスラマン散乱(Coherent Anti-stokes Raman Scattering;CARS)や誘導ラマン散乱(Stimulated Raman Scattering;SRS)などの非線形光学過程を用いている。コヒーレントラマン散乱顕微鏡は、これらの非線形光学過程における光と分子との相互作用で生じたラマン散乱光を検出することにより取得した分子振動の情報を反映した信号のレベルを元にして、化学物質の濃度分布を光の回折限界レベル(一例として、1μm(micrometer)以下)の空間分解能で描画する装置である。例えば、Coherent Raman scattering microscopy, J.-X. Cheng and X. S. Xie Eds, (Taylor and Francis Books Inc., 2011).を参照。

従来、コヒーレントラマン散乱顕微鏡としていくつかの方式が知られているが、中でも、時間分解コヒーレントラマン散乱顕微鏡は、細胞や組織自体の背景ノイズを低減して、小さな分子の薬剤などが持つ特定の周波数の分子振動の信号を高いコントラストで検出できる手法として注目されている。例えば、A. Volkmer, L. D. Book, and X. S. Xie,“Time-resolved coherent anti-Stokes Raman scattering microscopy: Imaging based on Raman free induction decay,” Appl. Phys. Lett. 80, 1505-1507 (2002).を参照。

さらに近年、時間分解コヒーレントラマン顕微鏡の手法の発展形として、スペクトル集光法を用いて高いスペクトル分解能を達成する手法が提案されている。例えば、
P. K. Upputuri, L. Gong, and H. Wang, “Chirped time-resolved CARS microscopy with square-pulse excitation,” Opt. Express 22, 9611-9626 (2014). 及びT. Ito, Y. Obara and K. Misawa, “Single-beam phase-modulated stimulated Raman scattering microscopy with spectrally focused detection,” J. Opt. Soc. Am. B 34, 1005-1017 (2017). を参照。スペクトル集光法とは、例えば2つのフェムト秒パルスにそれぞれ同量の群遅延分散(線形チャープ)を与え、それらのうなりの周波数に対応したラマン振動ピークを選択的に励起、あるいはプローブすることにより、高い分解能の顕微分光を実現する手法である。例えば、T. Hellerer, A. M. K. Enejder and A. Zumbusch, “Spectral focusing: high spectral resolution spectroscopy with broad-bandwidth laser pulses,” Appl. Phys. Lett. 85, 25-27 (2004).を参照。

Field of industrial application

本開示は、光パルス対生成装置、光検出装置、および光検出方法、特に互いに近似する時間波形の光パルス対を生成する光パルス対生成装置、それを用いたラマン散乱を検出する光検出装置、および光検出方法に関する。

Scope of claims 【請求項1】
予め定められた波長差の中心波長を各々有するとともに、略同一の目標時間波形とされた第1のパルス光と第2のパルス光を含む光パルス対を生成する光パルス対生成装置であって、
入射パルス光を2分岐する分岐部と、
前記分岐部で分岐された一方のパルス光を前記目標時間波形に整形するとともに中心周波数を設定して前記第1のパルス光とする第1の整形部と、
前記分岐部で分岐された他方のパルス光を前記目標時間波形に整形して前記第2のパルス光とする第2の整形部と、を含む
光パルス対生成装置。

【請求項2】
前記第1の整形部は、前記一方のパルス光の前記目標時間波形に対応する帯域幅を有するとともに前記一方のパルス光の伝搬方向と交差する方向に回転可能とされた第1のバンドパスフィルタ、および前記一方のパルス光に可変の時間遅延を与える遅延部材を備え、
前記第2の整形部は、前記他方のパルス光の前記目標時間波形に対応する帯域幅を有する第2のバンドパスフィルタを備える
請求項1に記載の光パルス対生成装置。

【請求項3】
前記第1のバンドパスフィルタおよび前記遅延部材により前記波長差を走査する波長走査部が構成され、
前記第1のパルス光と前記第2のパルス光とは時間的に重畳されており、
前記波長走査部は、前記第1のバンドパスフィルタの回転角によって前記波長差を設定し、前記遅延部材の前記時間遅延によって前記第1のバンドパスフィルタの回転に伴う前記第1のパルス光と前記第2のパルス光との間の時間差を補償する
請求項2に記載の光パルス対生成装置。

【請求項4】
前記分岐部は前記第2のバンドパスフィルタで構成される
請求項2または請求項3に記載の光パルス対生成装置。

【請求項5】
前記第1のパルス光および前記第2のパルス光は立ち上がり時間よりも立下り時間の方が大きくされた非対称波形とされるとともに時間的に重畳されている
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光パルス対生成装置。

【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光パルス対生成装置を含み、励起パルス光、第1のプローブパルス光、および第2のプローブパルス光を用いて光検出を行う光検出装置であって、前記第1のパルス光が前記第1のプローブパルス光とされ、
光源パルス光を発生するレーザ光源と、
前記光源パルス光を2分岐して前記励起パルス光および前記入射パルス光とする光源分岐部と、
前記第2のパルス光を位相変調して第2のプローブパルス光とする変調部と、
前記励起パルス光、前記第1のプローブパルス光、および前記第2のプローブパルス光を合波し合波光を生成する合波部と、
前記合波光を試料に照射する照射部と、
前記合波光が前記試料に照射され前記励起パルス光により励起された分子振動を前記第1のプローブパルス光および第2のプローブパルス光によるヘテロダイン干渉を用いて検出する検出部と、
を含む光検出装置。

【請求項7】
前記第1のプローブパルス光および前記第2のプローブパルス光は立ち上がり時間よりも立下り時間の方が大きくされた非対称波形とされるとともに時間的に重畳され、かつ前記励起パルス光から予め定められた遅延時間だけ遅延している
請求項6に記載の光検出装置。

【請求項8】
前記励起パルス光は予め偏光されており、
前記第1のプローブパルス光の波長と前記第2のプローブパルス光の波長が異なり、
前記照射部が顕微鏡を含んで構成され、
前記検出部は、前記試料に照射された後の前記合波光から前記励起パルス光を除去する偏光子、前記第2のプローブパルス光を除去する光学フィルタ、および前記第1のプローブパルス光を受光する受光部を備える
請求項6または請求項7に記載の光検出装置。

【請求項9】
前記第1の整形部は前記波長差を走査する波長走査部を備え、前記波長走査部は前記一方のパルス光の前記目標時間波形に対応する帯域幅を有するとともに前記一方のパルス光の伝搬方向と交差する方向に回転可能とされた第1のバンドパスフィルタ、および前記一方のパルス光に可変の時間遅延を与える遅延部材を含み、
前記第1のバンドパスフィルタの回転角によって前記波長差を設定し、前記遅延部材の前記時間遅延によって前記第1のバンドパスフィルタの回転に伴う前記第1のプローブパルス光と前記第2のプローブパルス光との間の時間差を補償するように前記波長走査部を制御するとともに、前記目標時間波形に対応する帯域幅を有する第2のバンドパスフィルタを透過した第2のプローブパルス光に対して位相が線形に変化する領域と位相差2πだけ急峻に変化する接続領域を含むノコギリ型波形の変調信号による位相変調が施されるように前記変調部を制御する制御部をさらに含む
請求項8に記載の光検出装置。

【請求項10】
前記制御部は前記受光部から出力された受光信号を受け取るとともに、前記受光信号および前記変調信号によりロックインアンプを構成し、前記ロックインアンプによりヘテロダイン干渉の結果第1のプローブパルス光に施された振幅変調信号を誘導ラマン散乱信号に対応する信号として検出する
請求項9に記載の光検出装置。

【請求項11】
前記第1のバンドパスフィルタは前記第1のプローブパルス光に予め定められた奇数次高次分散を付与し、
前記第2のバンドパスフィルタは前記第2のプローブパルス光に前記予め定められた奇数次高次分散を付与する
請求項10に記載の光検出装置。

【請求項12】
光源パルス光を発生するレーザ光源、前記光源パルス光を3分岐して励起パルス光と予め定められた波形を有する第1のプローブパルス光と第2のプローブパルス光とする分岐部、前記第1のプローブパルス光を前記予め定められた波形に整形するとともに中心周波数を設定する第1の整形部、前記第2のプローブパルス光を前記予め定められた波形に整形する第2の整形部、前記第2のプローブパルス光に位相変調を施す変調部、前記励起パルス光、第1のプローブパルス光、および第2のプローブパルス光を合波し合波光を生成する合波部、および前記合波光を試料に照射する照射部を含む光検出装置を用いた分子振動の光検出方法であって、
前記第1のプローブパルス光の中心波長と前記第2のプローブパルス光の中心波長との差が前記分子振動の周波数に対応する波長差となるようにし、
前記予め定められた波形を、立ち上がり時間よりも立下り時間の方が大きい略同一の非対称波形とし、
前記第1のプローブパルス光および前記第2のプローブパルス光を時間的に重畳させるとともに前記励起パルス光から予め定められた遅延時間だけ遅延させ、
検出部により、前記合波光が前記試料に照射され前記励起パルス光により励起された分子振動を前記第1のプローブパルス光および第2のプローブパルス光によるヘテロダイン干渉を用いて検出する
光検出方法。
IPC(International Patent Classification)
F-term
Drawing

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State of application right 公開
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