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オルソ・パラ変換促進方法および水素液化促進方法 コモンズ

国内特許コード P07A012633
整理番号 Q02E1-01
掲載日 2008年1月11日
出願番号 特願2002-327405
公開番号 特開2004-161517
登録番号 特許第4128070号
出願日 平成14年11月11日(2002.11.11)
公開日 平成16年6月10日(2004.6.10)
登録日 平成20年5月23日(2008.5.23)
発明者
  • 笠井 秀明
  • 中西 寛
  • 三浦 良雄
  • リフキ ムヒダ
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 オルソ・パラ変換促進方法および水素液化促進方法 コモンズ
発明の概要 【課題】高効率にオルソ・パラ変換を促進し、その結果水素液化を促進することができる、オルソ・パラ変換促進方法および水素液化促進方法を提供する。
【解決手段】水素供給源(1)から動的量子フィルター効果を有する基板へ水素を供給してその基板表面(2)で散乱させ、カートホイール型回転水素分子(4)、ヘリコプター型回転水素分子(5)および中間型回転水素分子(6)を空間的に分離し、それら散乱された水素分子の散乱角度方向に設置されたオルソ・パラ変換触媒(3)の触媒表面(3A)、(3B)、(3C)、(3D)に対しカートホイール型回転水素分子(4)とヘリコプター型回転水素分子(5)を配向が揃った状態で衝突させ、オルソ・パラ変換表面反応の回転軸選択性を利用してオルソ・パラ変換を促進する。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


近年、水素は広い分野での利用が期待されており、たとえばロケットなどの燃料として液体水素が用いられている。また近年のエネルギー問題を解決するため、水素エネルギーの利用が注目されており、それに関連して貯蔵手段としても液体水素が考えられているのであるが、水素を液体化するには以下のような問題がある。



室温等における気相での水素分子(H2)は2つのH原子からなり、その2つのH原子の陽子のスピンが平行状態であるオルソ水素と、スピンが反平行であるパラ水素の2種類の水素分子が存在しており、通常の気相の水素分子においてはオルソ水素とパラ水素は3:1の割合で存在している。しかしながら気相水素をそのまま液化した場合、パラ状態の方がオルソ状態よりもエネルギーが低いため、全体の75%を占めているオルソ水素はエネルギー的に安定なパラ水素に変換され、液体温度で決まる平衡状態になるまでオルソ水素からパラ水素に変換していき、この変換をオルソ・パラ変換と呼んでいる。



ところが実際にはオルソ・パラ変換は変換時間が約4.3年と極めて遅いため、水素の液化温度(-253℃)でもオルソ水素とパラ水素の比は3:1のまま存在している。そして貯蔵容器内で液化オルソ水素は数日、数週間の時間スケールで熱を発生しながらパラ水素に変換するのであるが、この変換時に発生する熱が貯蔵容器内の液化水素の蒸発を促し、液化水素の精製、貯蔵の妨げとなってしまうのである。



そこで、液化水素を精製する前に触媒等を用いて気相水素の75%を占めるオルソ水素をパラ水素に変換し高い純度でパラ水素を含む水素ガスを得る必要があり、従来のオルソ・パラ変換を促進させる方法としては、たとえば特開2001-12693(特許文献1)に記載されているように、酸化鉄(FeO3)や酸化クロム(CrO3)などの磁性体である酸化物表面の触媒を用いてオルソ水素とパラ水素の比を熱平衡値にもっていく方法が知られている。しかしながらそのような方法によっても、オルソ・パラ変換の促進効率は低いものであったことから、より高効率なオルソ・パラ変換の促進方法が求められていた。



そのような状況の中、この出願の発明の発明者らは、水素ガスを液化する際のオルソ・パラ変換速度を促進させる方法として、オルソ水素とパラ水素が混在する原料水素を、動的量子フィルター効果をもつ手段に供給し、量子フィルター効果をもつ手段によりカートホイール型回転水素分子、ヘリコプター型回転水素分子および中間型回転水素分子に対応する飛行速度にラベル付けする工程および飛行速度ラベル付けされた水素分子のいずれもがパラ水素に効率よく変換するオルソ・パラ変換反応触媒表面に対してカートホイール型回転で衝突させる工程を有する水素の液化方法を見出した(特願2001-274461)。



【特許文献1】
特開2001-12693号公報



しかしながら、この水素の液化方法を用いた場合にもオルソ・パラ変換効率は依然十分高いものではなかったため、この出願の発明の発明者等はこの水素の液化方法を発展させてオルソ・パラ変換効率をより向上させるため、さらなる研究を重ねた。



この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、高効率なオルソ・パラ変換促進方法およびそれを用いた水素液体化促進方法を提供することを課題としている。

産業上の利用分野


この出願の発明は、オルソ・パラ変換促進方法および水素液化促進方法に関するものである。さらに詳しくはこの出願の発明は、動的量子フィルター効果およびオルソ・パラ変換触媒表面の回転軸選択性を利用してオルソ・パラ変換効率を向上させるオルソ・パラ変換促進方法および水素液化促進方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
水素供給源から動的量子フィルター効果を有する基板へ水素を供給して基板表面で散乱させ、回転軸が基板表面に平行な状態で回転するカートホイール型回転水素分子、回転軸が基板表面に垂直な状態で回転するヘリコプター型回転水素分子および回転軸がそれらの間の角度に傾いた状態で回転する中間型回転水素分子を空間的に分離し、散乱された水素分子の各々の散乱角方向に設置された複数のオルソ・パラ変換触媒の触媒表面に対し、カートホイール型回転水素分子とヘリコプター型回転水素分子を配向が揃った状態で衝突させてオルソ・パラ変換させることを特徴とするオルソ・パラ変換促進方法。

【請求項2】
基板表面で散乱されたカートホイール型回転水素分子とヘリコプター型回転水素分子を、オルソ・パラ変換触媒の触媒表面に対し、回転軸が触媒表面に平行な状態で回転する状態で衝突させることを特徴とする請求項1に記載のオルソ・パラ変換促進方法。

【請求項3】
カートホイール型回転水素分子が最も強く散乱される散乱角方向では触媒表面が基板表面と平行になるようにオルソ・パラ変換触媒を設置し、ヘリコプター型回転水素分子が最も強く散乱される散乱角方向では触媒表面が基板表面と垂直になるようにオルソ・パラ変換触媒を設置し、それらオルソ・パラ変換触媒の間には、散乱された中間型回転水素分子の散乱角度を算出して触媒表面の法線方向が中間型回転水素分子の散乱角方向と一致するようにオルソ・パラ変換触媒を設置することを特徴とする請求項1または2に記載のオルソ・パラ変換促進方法。

【請求項4】
動的量子フィルター効果を有する基板が、Cu、Al、Ag、Pd、Pt、IrおよびNiからなる群から選択される金属又はそれら金属をベースとする合金で構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のオルソ・パラ変換促進方法。

【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のオルソ・パラ変換促進方法を用い、パラ水素を高い純度で含む水素ガスを確保し液化プロセスに供給することで、液化水素の蒸発を促すオルソ・パラ変換熱を除外することを特徴とする水素液化促進方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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