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縮合多環化合物の製造方法 UPDATE

国内特許コード P07P005574
整理番号 2006-007
掲載日 2008年1月11日
出願番号 特願2006-159347
公開番号 特開2007-326815
登録番号 特許第5023322号
出願日 平成18年6月8日(2006.6.8)
公開日 平成19年12月20日(2007.12.20)
登録日 平成24年6月29日(2012.6.29)
発明者
  • 小槻 日吉三
出願人
  • 国立大学法人高知大学
発明の名称 縮合多環化合物の製造方法 UPDATE
発明の概要 【課題】反応性が低いアントラキノン誘導体同士を、直接的に二量化により環縮合させて、立体選択的に収率良く、多環化合物を大量に製造できる方法を提供する。
【解決手段】縮合多環化合物の製造方法は、1,2,7,8位が未置換であってもよく3,6位が遊離の水酸基で置換され又は保護基によって保護された水酸基で置換され4,5位が未置換であるアントラキノン類を1×10~1×1010Paの高圧に晒し、その2分子を、10位の炭素原子同士と、該4,5位の何れか一方の炭素原子同士とで結合させ、二量体にする。
【選択図】なし。
従来技術、競合技術の概要


天然由来の縮合多環化合物の中には、生体内色素、抗菌作用や抗ウィルス作用等を有する生理活性物質、有機染料であるものが知られている。



非特許文献1に記載のステントリンC(Stentorin-C)は、下記化学式(2)で表わされ、ソライロラッパムシ(Stentor coeruleus)から光受容体色素として単離されたもので、フェナントロペリレン ジオン骨格を持つ縮合多環化合物であり、抗ヒト免疫不全ウィルス(抗HIV)作用を有している。ステントリンCは、すでに全合成されている。



例えば、非特許文献1及び2に、下記化学反応式〔1〕で示す通り、アントラキノン誘導体(10)が還元されたアントロン誘導体(11)を、そのメチレン部位でのカップリングにより二量化させて、meso体とdl体との1:1のジアステレオマー混合物(12)へ誘導した後、酸素雰囲気下で加熱して紫外線(UV)照射し酸化的光環化させ、さらに脱保護化して、ステントリンC(2)へ誘導する合成方法が開示されている。



【化1】




また、非特許文献3に、下記化学反応式〔2〕で示す通り、アントロン誘導体(11)を、酸化的二量化、引続き酸化的光環化させて、ステントリンC(2)とその異性体であるイソステントリンC(Isostentorin-C)(3)との1:1の混合物へ誘導する合成方法が開示されている。



【化2】




いずれの方法も、アントロン誘導体(11、13)の分子間での二量化の際の立体選択性が低いうえ、所望のステントリンC(2)の分離・精製が困難であるという問題がある。
また、非特許文献4に、下記化学反応式〔3〕で示す通り、アントラキノン誘導体(14)を、ウルマン(Ullmann)のカップリング反応により二量化させた誘導体(15)にした後、還元的分子内環化、引続く酸化的光環化、さらに脱保護化して、ステントリンC(2)へ誘導する合成方法が開示されている。この方法は、分子内環化・酸化的光環化での収率が著しく低いという問題がある。



【化3】




反応性が低いアントラキノン誘導体同士を、直接的に二量化させて、立体選択的に収率良くステントリンC(2)へ誘導する方法は、知られていない。



一方、特許文献1に、常圧下でジエンとして作用しないチオフェンと、無水マレイン酸とを無溶媒で、100~2000MPaの高圧条件下、ディールス-アルダー(Diels-Alder)反応により架橋させて、チオフェン誘導体を合成する方法が、記載されている。



【非特許文献1】
ディ.ダブリュー.キャメロン及びエー.ジー.リッチズ(D.W.Cameron and A.G.Riches)、「テトラへドロン レターズ(Tetrahedron Letters)」、1995年、第36巻、p.2331
【非特許文献2】
ディ.ダブリュー.キャメロン及びエー.ジー.リッチズ(D.W.Cameron and A.G.Riches)、「オーストラリアン ジャーナル オブ ケミストリー(Australian Journal of Chemistry)」、1997年、第50巻、p. 409
【非特許文献3】
エイチ.フォルク及びイー.メイラ(H.Falk and E.Mayr)、「モナトシェフテ フューア ケミー(Monatshefte fuer Chemie)」、1995年、第126巻、p.1311
【非特許文献4】
飯尾、善福及び野老山(H.Iio, K.Zenfuku, and T.Tokoroyama)、「テトラへドロン レターズ(Tetrahedron Letters)」、1995年、第36巻、p. 5921
【特許文献1】
特開2003-192688号公報

産業上の利用分野


本発明は、高圧下でアントラキノン類を環縮合させて、多環化合物を製造する方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記化学式
【化1】


(式中、炭素上の数字は位置番号)で表わされるアントラキノン骨格を有し、
1,2,7,8位が未置換であり、又は該1,2,7,8位のうち1,8位が該未置換であることに代えて遊離の水酸基で置換され又はアルキル基、アラルキル基及びアシル基から選ばれる保護基によって保護された水酸基で置換され及び/又は該1,2,7,8位のうち2,7位の少なくとも一方が該未置換であることに代えてアルキル基で置換されており、
且つ3,6位が遊離の水酸基で置換され又はアルキル基、アラルキル基及びアシル基から選ばれる保護基によって保護された水酸基で置換され
且つ4,5位が未置換であるアントラキノン類を
重合防止剤存在下、水酸化物存在下でのアルカリ条件下、1×10~1×1010Paの高圧に晒し、その2分子を、10位の炭素原子同士と、該4位の炭素同士又は該5位炭素原子同士とで二量化をするようそれぞれ直接結合させ、二量体に縮合する工程を有することを特徴とする縮合多環化合物の製造方法。

【請求項2】
該二量体に縮合する工程の後、該二量体に光を照射して、該アントラキノン類の該2分子に存していた該4位の炭素同士と該5位の炭素原子同士とのうち前記二量化で結合しなかった方の炭素原子同士を直接結合させることによりさらに縮合させてフェナントロペリレン ジオン類にする工程を有することを特徴とする請求項1に記載の縮合多環化合物の製造方法。

【請求項3】
該アントラキノン類の該3,6位の少なくともいずれかがアルキル基、アラルキル基及びアシル基から選ばれる該保護基によって保護された水酸基で置換されており、
該フェナントロペリレン ジオン類にする工程の後、該フェナントロペリレン ジオン類から、該アントラキノン類の該3,6位の少なくとも何れかに存していた該保護基によって保護された水酸基中のその保護基を、ヨウ化水素酸存在下の酸性条件下で開裂させ遊離の水酸基にす工程を有することを特徴とする請求項2に記載の縮合多環化合物の製造方法。

【請求項4】
該アントラキノン類の該3,6位のうちの一方が該遊離の水酸基で置換され該3,6位のうちの他方がアルキル基、アラルキル基及びアシル基から選ばれる該保護基によって保護された水酸基で置換され、該アントラキノン類の該1,8位が遊離の水酸基で置換され又はアルキル基、アラルキル基及びアシル基から選ばれる保護基によって保護された水酸基で置換され、該アントラキノン類の該2,7位の少なくとも一方がアルキル基で置換されていることを特徴とする請求項に記載の縮合多環化合物の製造方法。

【請求項5】
該アントラキノン類が、下記化学式(1)
【化2】


(化学式(1)中、Rはアルキル基、アラルキル基及びアシル基から選ばれる該保護基)で表されるものであり
該ヨウ化水素酸存在下の酸性条件下で開裂させ遊離の水酸基にする工程によって、該保護基を開裂させることにより、下記化学式(2)
【化3】


で表されるステントリンCにすることを特徴とする請求項4に記載の縮合多環化合物の製造方法。

【請求項6】
3,4,5-トリアルコキシ安息香酸エステルにアルキルマグネシウムハライド又はアルケニルマグネシウムハライドを反応させてから還元と引続く酸化とを経ることによってエステル基をアルデヒド基に変換した4-アルキル又はアルケニル-3,5-ジアルコキシベンズアルデヒドと、2-アルコキシ-4-トリアルキルシロキシ安息香酸N,N-ジアルキルアミドのオルトリチオ体とを、反応させた後、酸存在下の酸性条件下でのラクトン化反応、接触還元触媒存在下で水素ガス雰囲気下での接触還元反応、酸無水物存在下での分子内フリーデル・クラフツ反応、酸素雰囲気下での酸素による酸化反応及び、塩化アルミニウム存在下の酸性条件下でのアルコキシ開裂反応の順で反応させる工程により得られたものを、該アントラキノン類として用いることを特徴とする請求項1に記載の縮合多環化合物の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 登録
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