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セルラーゼ基質としてのセルロースの改質への対向衝突処理の利用

国内特許コード P08A013606
整理番号 50085
掲載日 2008年8月22日
出願番号 特願2006-003885
公開番号 特開2007-185117
登録番号 特許第4296279号
出願日 平成18年1月11日(2006.1.11)
公開日 平成19年7月26日(2007.7.26)
登録日 平成21年4月24日(2009.4.24)
発明者
  • 森田 光博
  • 近藤 哲男
出願人
  • 国立大学法人九州大学
発明の名称 セルラーゼ基質としてのセルロースの改質への対向衝突処理の利用
発明の概要 【課題】新規なセルロース繊維の分解方法を提供する。
【解決手段】セルロース繊維を対向衝突処理し、得られた処理物にセルラーゼを作用させる。対向衝突処理の際、セルロース繊維を水に分散させて得た分散液を、一対のノズルから70~250MPaの高圧でそれぞれ噴射させると共に、その噴射流を互いに衝突させて粉砕する。従って、セルロース水溶液の酵素反応特性を高めることができる。対向衝突処理工程は、乳酸生産、メタン生産又はエタノール生産を目的とした、セルロース繊維を多く含有する有機性廃棄物の発酵に適用することができる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


セルロースは地球上に最も多く存在するバイオマス資源であり、循環型社会の構築にその利用用途の拡大が求められている。そのための障害として、水をはじめとする他の汎用溶媒に対してセルロースが不溶性を示し、加工性に乏しいことが挙げられる。本発明者らは、微結晶セルロースに水中で対向衝突処理を施し、その重合度を含めて化学構造を変化させることなく水溶液化することに成功した(特許文献1)。



一方、家畜排泄物や食品廃棄物等からメタンガスを得るシステムは、廃棄物の低減・再資源化という面からだけではなく、発生したメタンガスをエネルギーとして利用可能であることからも大変注目を集めている。しかしながら、従来のメタンガス発酵システムにおいては、メタンガスを精製した後の発酵残滓の処理が問題となる。現在、発酵残滓処理に関しては、適切な処理を行って土壌に還元する方式と浄化処理を行い放流する方式とがあり、また原料及び/又は発酵残滓に適切な処理を施すことにより、メタン発酵システムにおける利用効率を高め、発酵残滓の発生量自体を抑える試みが検討されてきている。



特許文献2は、有機性廃棄物のメタン発酵処理に係り、特に、セルロース性繊維分を多く含む畜産廃棄物(乳牛糞尿)、食品廃棄物(コーヒーかす、茶かす、紅茶かす等)等の有機性廃棄物のメタン発酵処理方法と装置に関するものである。ここでは、セルロース性繊維を多く含有する有機性廃棄物をメタン発酵処理する方法において、該有機性廃棄物又は該有機性廃棄物をメタン発酵処理して得られた処理液に、該処理液中の固形物を希釈する希釈水を混合して固液分離及び/又は脱水し、得られた固形物を粉砕工程で粉砕した後、該粉砕された固形物をメタン発酵工程に投入することを特徴とするメタン発酵処理方法が提案されている。そして、このような方法によれば、セルロース繊維系有機性廃棄物のメタン発酵処理を行った際、エネルギー回収量を増加させると同時に、廃棄物発生量を低減させることが可能であるとしている。



特許文献3は、有機性廃棄物としてのセルロース含有廃棄物を処理するのに効果的な有機性廃棄物の処理方法に関するものである。ここでは、有機性廃棄物を処理する方法において、前記廃棄物を機械的に微細破砕する廃棄物破砕工程と、破砕された廃棄物を可溶化する可溶化処理工程と、可溶化された可溶化液を嫌気性消化処理してメタンガスを回収する嫌気性消化工程と消化処理された消化液を固液分離する固液分離工程を設けたことを特徴とする有機性廃棄物の処理方法であって、前記有機性廃棄物がセルロース含有廃棄物であり、前記可溶化処理工程が、少なくともセルロース分解酵素を含む酵素により可溶化する酵素反応工程であることを特徴とする、有機性廃棄物の処理方法が提案されている。そして、このような方法によれば、有機性廃棄物からメタンガスを効率的に回収でき、特に、生物分解しにくいセルロースを含有する有機性廃棄物の処理に際し、有機性廃棄物を嫌気性微生物による分解がしやすい性状とし、嫌気性微生物によるメタン発酵を効率的に行うことができるとしている。



特許文献4は、メタン発酵処理システムにおける有機系残滓の前処理方法に関するものである。ここでは、原料の有機系残滓を破砕した後、加熱部に投入し、加熱部において攪拌しながらスチームを供給して有機系残滓の温度を高温側の加熱殺菌温度まで上昇させ、次いで温度が上昇した有機系残滓と、家畜ふん尿を混合殺菌部に投入し、混合して低温側の加熱殺菌温度に調整して所定時間維持し、次いで熱交換部において、家畜ふん尿との間接熱交換により、温度を発酵に適する温度に調整した後、メタン発酵槽に投入し、熱交換部における間接熱交換により予熱された家畜ふん尿を上記混合殺菌部に投入することを特徴とするメタン発酵処理システムにおける有機系残滓の前処理方法が提案されている。この方法においては発酵残滓は液肥として利用することが企図されているが、破砕した有機系残滓をスチームで加熱殺菌温度まで加熱するため、液肥としては好ましくない細菌や雑草の種子を、確実に、効率的に除去することができるほか、この発明により、高い温度により細胞壁を破壊するため、その後のメタン発酵の効率を上げることができるとしている。




【特許文献1】
特開2005-270891(特願2004-090799)
【特許文献2】
特開2002-248448号公報(特許第367901号)
【特許文献3】
特開2004-50143号公報
【特許文献4】
特開2004-195308号公報

産業上の利用分野


本発明は、対向衝突処理の利用に関する。より具体的には、対向衝突処理をセルラーゼ基質としてのセルロースの改質のために用いることに関する。本発明は、セルロースを多く含むバイオマス資源からの乳酸発酵、メタン発酵及びエタノール発酵に適用可能である。特に家畜糞尿を利用したメタン発酵の発酵残滓(消化液)への適用が期待できる。

特許請求の範囲 【請求項1】
セルラーゼの反応特性を高める方法であって:
セルラーゼの基質であるセルロース繊維を対向衝突処理する工程を含み;
対向衝突処理により改質されたセルロース繊維にセルラーゼを作用させることにより、セルラーゼの反応特性を高める、方法。

【請求項2】
セルロース繊維をセルラーゼで分解する方法において、セルロース繊維を対向衝突処理し、得られた処理物にセルラーゼを作用させることを特徴とする、セルロース繊維の分解方法。

【請求項3】
セルロース繊維を多く含む有機物を酵素又は微生物を用いて発酵する方法において、セルロース繊維を多く含有する有機物を対向衝突処理し、得られた処理物に酵素又は微生物を作用させることを特徴とする、有機物の発酵方法。

【請求項4】
酵素又は微生物が、メタン又はエタノールを生産するものである、請求項に記載の方法。

【請求項5】
セルロース繊維を多く含有する有機性廃棄物をメタン発酵する方法において、該有機性廃棄物、又は該有機性廃棄物をメタン発酵処理して得られた発酵残滓を対向衝突処理し、得られた処理物をメタン発酵工程に投入することを特徴とする、メタン発酵方法。

【請求項6】
有機性廃棄物が家畜排泄物である、請求項記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006003885thum.jpg
出願権利状態 登録
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