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(In Japanese)植物ウイルスの移行タンパク質と結合する植物タンパク質を利用したウイルス抵抗性の付与

Patent code P100000994
Posted date Sep 30, 2010
Application number P2003-526183
Patent number P3914993
Date of filing Sep 10, 2001
Date of registration Feb 16, 2007
International application number JP2001007858
International publication number WO2003022039
Date of international filing Sep 10, 2001
Date of international publication Mar 20, 2003
Inventor
  • (In Japanese)西口 正通
  • (In Japanese)丹生谷 博
  • (In Japanese)松下 保彦
Applicant
  • (In Japanese)国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
Title (In Japanese)植物ウイルスの移行タンパク質と結合する植物タンパク質を利用したウイルス抵抗性の付与
Abstract (In Japanese)植物ウイルスに対する抵抗性を植物に付与する方法を提供する。この方法は、植物ウイルスの移行タンパク質に結合するタンパク質をコードするポリヌクレオチドを、植物細胞に導入する工程を包含する。1つの実施形態では、上記ポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質は、配列番号2の1位~86位に示される配列を含む、または該配列において1もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、もしくは付加された配列を含み、かつ該植物ウイルスの移行タンパク質に結合する。1つの実施形態では、上記ポリヌクレオチドは、配列番号1の14位~271位に示されるヌクレオチド配列または該ヌクレオチド配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)


植物を侵す糸状菌および細菌は、細胞壁を壊す分解酵素などを分泌しながら植物に侵入する。これに対して植物RNAウイルスに属するタバコモザイクウイルス(TMV)およびトマトモザイクウイルス(ToMV)のような植物ウイルスは、細胞壁の分解酵素などの遺伝子をコードしておらず、物理的な傷からの侵入、昆虫または菌類の媒介によって初めて、細胞壁を乗り越えることができる。



いったん侵入したウイルスは、例えば、タバコモザイクウイルスでは、1日で106もの子孫をつくりだすような凄まじい増殖力を示す。これだけ増えれば植物が病気になるかという、そうではない。最初に感染を受ける細胞は、全体からするとごく一部であり、大半の細胞はまだ侵略を受けていない。多くの場合、葉の表面細胞が最初に感染を受け、葉肉細胞へと広がり、そこで次の複製を行う。そして周囲の葉肉細胞へと広がるという具合に、植物組織全体に広がっていく。このような植物ウイルスが隣り合った細胞へと広がる過程は、細胞間移行と呼ばれる。維管束鞘細胞、師部柔組織、伴細胞へと移行すると、次に師要素を通じて組織間の移行が開始される。この移行は、長距離移行と呼ばれる(細胞工学別冊、植物細胞工学シリーズ第8巻、秀潤社、146~155頁、第3章「ウイルス抵抗性のための戦略」第2項、渡辺雄一郎著、「植物ウイルスの細胞間移行」)。



ウイルスの感染に対する宿主植物の抵抗性反応としては、以下が挙げられる:(1)ウイルスの増殖量を抑える、あるいはウイルスが増殖してもほとんど病徴が現れない(トレランス);(2)ウイルスが初めに侵入した細胞でのみ増殖し得、周辺細胞へのウイルスの移行が妨げられているため、植物体の全身に広がらない(サブリミナル感染);(3)ウイルスは感染葉で増殖するが、感染葉から上位葉への長距離移行が抑制され、全身感染しない;および(4)ウイルスの感染初期に感染部位の組織が急速に壊死を起こし、局部壊死病斑が形成される。ウイルスが壊死組織内またはその周辺部に局在化し、従って全身感染が免れる(過敏感反応)。このような知見に基いて抵抗性機構をさらに解明するために、感染ウイルスと宿主植物の両方の観点から、生理生化学的分析および遺伝学的解析によって、ウイルス抵抗性の分子的研究がなされてきている(細胞工学別冊、植物細胞工学シリーズ第8巻、秀潤社、166~176頁、第3章「ウイルス抵抗性のための戦略」第3項、高橋英樹著、「ウイルスに対する宿主抵抗性」)。



植物ウイルスは、個々の細胞におけるゲノム複製、原形質連絡を介する細胞間移行、および師管部を介する長距離移行のような連続的な感染段階を介して増幅する(Carringtonら、(1996)Plant Cell 8,1669-1681;Bakerら,(1997)Science 276,726-733)。これらの段階において、ウイルス移行は、移行タンパク質(MP)と呼ばれる1つ以上のウイルスコードタンパク質によって促進される(Deomら(1992)Cell 69,221-224)。この移行タンパク質は、種々の宿主因子と相互作用すると考えられている(Carringtonら、前出;Bakerら、前出)。機能的ドメインは、タバコモザイクウイルス(TMV)およびキュウリモザイクウイルス(CMV)を含む多数の植物ウイルスのMPにおいて特徴付けられている。TMVにおいて、2つのRNA結合ドメインは、MPのC末端側半分において同定されている(Citovskyら,(1990)Cell 60,637-647)が、このようなドメインの1つのみが、CMV MP(3aタンパク質;Vaqueroら,(1997)J.Gen.Virol.78,2095-2099)のC末端から3分の1の部位において同定されている。このようなRNA結合能を利用して、ウイルスは、核タンパク質複合体として細胞間を移行する(LazarowitzおよびBeachy,(1999)Plant Cell 11,535-548)。異なるウイルスファミリー由来のMPが、管状構造を形成すること(van Lentら,(1991)J.Gen.Virol.72,2615-2623;Stormsら、(1995)Virology 214,485-493;Huangら、(2000)Virology 271,58-64)および原形質連絡を通過する物質のサイズ排除限界を増大させること(Wolfら、(1989)Science 246,377-379)が示されている。MPは、小胞体、細胞骨格、および原形質連絡を含む種々の小細胞構造と関連して見出されている(Tomeniusら、(1987)Virology 160,363-371;Atkinsら,(1991)J.Gen.Virol.72,209-211;Heinleinら(1995)Science 270,1983-1985;McLeanら,(1995)Plant Cell 7,2101-2114;Reichelら,(1999)Trends Plant Sci.4,458-463)。



ウイルスMPと相互作用する宿主因子が、近年関心を持たれている。トマトにおいて、Tm-2およびTm-22は、トマトモザイクウイルス(ToMV)に対する抵抗性遺伝子として報告されている(Hall,(1980).Euphytica 29,189-197;Fraser(1990)Annu.Rev.Phytopathol.28,179-200.25)。Tm-2またはTm-22表現型を克服する変異ウイルス株は、MPにおいてアミノ酸置換を有する。これは、MPと抵抗性遺伝子産物との間の相互作用を示唆する(Meshiら、(1989)Plant Cell 1,515-522;Weberら、(1993)J.Virol.67,6432-6438)。Nicotiana tabacumおよびArabidopsis thaliana DnaJファミリーにおける2つの相同タンパク質が、酵母ツーハイブリッドスクリーンにおいて、トマト黄化えそウイルス(TSWV)のMPと相互作用することが同定された(Soellickら、(2000)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97,2373-2378)。原形質連絡に局在するペクチンメチルエステラーゼは、TMV MPと相互作用することが見出された。このことは、この酵素がMPおよび/またはMP/RNA複合体を原形質連絡に導くことを示唆する(Dorokhovら、(1999)FEBS Lett.461,223-228;Chenら、(2000)EMBO J.19,913-920)。長距離ウイルス移行に必要なCMV 2bタンパク質(Dingら、(1995)EMBO J.14,5762-5772)が、細菌におけるペニシリン耐性に関与する原核タンパク質LytBと非常に類似するタバコタンパク質と相互作用することが報告された(Hamら、(1999)Mol.Cells 9,548-555)。Brignetiら(1998)EMBO J 17 6739 6746は、CMV 2bが、宿主植物において転写後遺伝子サイレンシングのサプレッサーとして機能することを提唱した。より近年では、Voinnetら、(2000)Cell 103,157-167は、ジャガイモXウイルスのMPが、N.benthamianaにおいて遺伝子サイレンシングシグナルの蔓延を防ぐことを報告した。



このように、植物ウイルスのMPに関する知見は多数存在するが、ウイルスに対する植物感染の防除および植物へのウイルスに対する抵抗性の付与に関連した報告は未だ存在しない。

Field of industrial application (In Japanese)


本発明は、植物ウイルスに対する抵抗性を植物に付与する方法に関する。より詳細には、植物ウイルスの移行タンパク質に結合するタンパク質を植物において発現させることにより、植物にウイルス抵抗性を付与する方法に関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 植物ウイルスに対する抵抗性を植物に付与する方法であって、該方法は、該植物ウイルスにおいて発現されて該植物ウイルスの移行タンパク質と相互作用するタンパク質をコードするポリヌクレオチドを、該植物の細胞に導入する工程を包含する、方法であって、
ここで、該ポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質が、配列番号2の1位~86位に示される配列を含む、または該配列において1もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、および/もしくは付加された配列を含み、かつ該植物ウイルスの移行タンパク質に結合するか、あるいは、
ここで、該ポリヌクレオチドが、配列番号1の14位~271位に示されるヌクレオチド配列または該ヌクレオチド配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、
方法。
【請求項2】
 前記植物ウイルスがTobamovirusである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
 前記植物ウイルスがトマトモザイクウイルス(ToMV)である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
 前記ポリヌクレオチドが、Brassica campestrisまたはArabidopsisthalianaに由来する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
 請求項1に記載の方法により作製された植物。
【請求項6】
 前記植物が単子葉植物あるいは双子葉植物である、請求項5に記載の植物。
【請求項7】
 前記植物がタバコである、請求項6に記載の植物。
IPC(International Patent Classification)
F-term
State of application right Registered


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