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機能性植物、その機能性植物を生産するために使用されるプロモーター、ならびにその利用法

国内特許コード P100000999
掲載日 2010年9月30日
出願番号 特願2003-577613
登録番号 特許第4113952号
出願日 平成14年3月22日(2002.3.22)
登録日 平成20年4月25日(2008.4.25)
国際出願番号 JP2002002817
国際公開番号 WO2003079769
国際出願日 平成14年3月22日(2002.3.22)
国際公開日 平成15年10月2日(2003.10.2)
発明者
  • 大槻 寛
  • 大島 正弘
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 機能性植物、その機能性植物を生産するために使用されるプロモーター、ならびにその利用法
発明の概要 本発明は、所望の遺伝子を植物の所望の部位に任意に発現させるための系を構築することを課題とする。特異的発現を行う少なくとも1つのプロモーターおよび該プロモーターに作動可能に連結された遺伝子を含む、植物であって、該プロモーターの特異性は、該プロモーターを含有する遺伝子が含まれるcDNAデータベースにおける該プロモーターを含有する遺伝子の発現頻度に基づいて決定される、植物によって解決される。cDNAデータベースとしては、ゲノム計画で公表されたものが利用され得る。
従来技術、競合技術の概要


遺伝子工学が発展する中、トランスジェニック植物を作製するための種々の方法が開発されている。トランスジェニック植物において特定の遺伝子を特異的に発現させるためには、発現を促進するためのプロモーターのような遺伝エレメントをその特定の遺伝子に作動可能に連結させた混合物を形質転換などにより植物に導入することが必要である。
植物における遺伝子発現を調節するプロモーターは、植物遺伝子工学の必須エレメントである。植物における選択された遺伝子の発現に有用なプロモーターがが種々存在する(BENFEY P N;REN L;CHUA N-H,EMBO J,9(6).1990.1685-1696.,1990)。プロモーター領域の特定は、当該分野で周知の方法に基づいて実施され得る。簡単に述べると、プロモーター領域の候補配列およびレポーター遺伝子(例えば、GUS遺伝子)を作動可能に連結した発現カセットを構築する。構築した発現カセットを用いて適切な植物細胞を形質転換し、形質転換細胞を植物に再分化する。形質転換植物におけるレポーター遺伝子の発現を、適切な検出系(例えば、色素染色)を利用して検出する。検出結果に基づいて、プロモーター領域およびその発現特性を確認し得る。
細胞(例えば、植物細胞)において遺伝子を発現させるためには、その遺伝子は、通常細胞においてある酵素によって認識されるプロモーターに作動可能に連結されなければならない。プロモーターまたは転写調節領域といわれる、通常遺伝子の5’非コード領域(すなわち、コード領域のすぐ5’の領域)に存在する領域は、mRNA転写物を産生するために遺伝子の転写を開始させる。次いで、mRNAは、コードされたポリペプチドを得るために、細胞のリボソームで翻訳される。
プロモーターは、代表的には、約500~1500塩基を含み、そしてその制御下で遺伝子の調節された発現を提供し得る。トランスジェニック植物における異種遺伝子または遺伝子の選択された配列の発現には、代表的には、構成的プロモーター、すなわち、常時かつほとんどの組織に植物全体において産物の発現を誘導するプロモーターが使用されている。
植物において選択された遺伝子を発現するためにウイルス由来のプロモーターが利用されている。そのようなプロモーターを有する既知のウイルス遺伝子の例としては、ウイルスのカリモウイルスファミリー(二本鎖DNAウイルスの1群)で見いだされるものが挙げられ、そしてカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)35S(Balazsら,1982;Guilleyら,1982;Odellら,1985;Odellら,1987;Odellら,1988;TOmmerupら,1990;Jeffersonら,1987a;Jefferson,1987b)およびCaMV 19Sプロモーター(Fraleyら,1994)、およびゴマノハグサモザイクウイルス(FMV)(Rogers,1995)プロモーターが挙げられる。
植物における遺伝子発現を調節するために有用でありそして細菌供給源から得られるプロモーター、例えば、Agrobacterium由来プロモーターもまた同定および単離されている。このようなプロモーターには、Agrobacterium T-DNAオパインシンターゼ遺伝子に由来するものが挙げられ、そしてノパリンシンターゼ(nos)プロモーター(Rogers,1991)、オクトピンシンターゼ(ocs)プロモーター(LeisnerおよびGelvin,1988)、およびマンノピンシンターゼ(mas)プロモーターが挙げられる。
CaMV35Sプロモーターは高発現系でも弊害が多い。構成的に高発現つまりあらゆる組織で常に遺伝子産物を多量に生産しつづけていることから植物個体内部の限りある代謝産物を不必要に無用の組織で浪費する結果となり、生育量の低下や収量性の減少が生じる恐れがある。構成的な高発現により利用可能部位において遺伝子産物が蓄積していることに対する消費者の不信感は大きく、また構成的な高発現は植物体内におけるサイレンシング機構の誘導を招く恐れがある。
その上構成的発現を提供するために効果的な植物プロモーター(植物供給源に由来するプロモーター)でさえ、ほとんど知られていない。わずかな例としては、hsp80、カリフラワーに由来する熱ショックタンパク質80(BrunkeおよびWilson,1993)、およびトマトユビキチンプロモーター(Pictonら,1993)が挙げられる。これらのプロモーターは、形質転換された植物組織において異種核酸配列の構成的発現を導くために使用され得るが、CaMV 35Sプロモーターと同様に、構成的に高発現つまりあらゆる組織で常に遺伝子産物を多量に生産しつづけていることから植物個体内部の限りある代謝産物を不必要に無用の組織で浪費する結果となり、生育量の低下や収量性の減少が生じる恐れがあるという問題がある。構成的な高発現により利用可能部位において遺伝子産物が蓄積していることに対する消費者の不信感は大きく、また構成的な高発現は植物体内におけるサイレンシング機構の誘導を招く恐れがある。
従って、従来のプロモーターでは、所望の機能的発現を実現するトランスジェニック植物を作製することは困難である。

産業上の利用分野


本発明は、機能性植物、その機能性植物を生産するために使用されるプロモーター、ならびにその利用法に関する。詳細には、cDNAライブラリーのデータベースを利用して特異的プロモーターを得ることにより機能性植物を作製する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
配列番号1に示す配列からなるプロモーターおよび該プロモーターに作動可能に連結された該プロモーターとは異なる由来の遺伝子を含む形質転換植物。

【請求項2】
イネである、請求項1に記載の形質転換植物。

【請求項3】
前記遺伝子は、病害抵抗性遺伝子または虫害抵抗性遺伝子である、請求項1に記載の形質転換植物。

【請求項4】
前記遺伝子は、ビタミン合成遺伝子、糖合成遺伝子、脂質合成遺伝子、ポリケチド合成遺伝子、光合成系遺伝子、機能性成分合成遺伝子および転写因子からなる群より選択される遺伝子である、請求項1に記載の形質転換植物。

【請求項5】
配列番号1に示す配列からなるプロモーター。

【請求項6】
請求項に記載のプロモーターを含む発現カセット。

【請求項7】
カルスにおける前記プロモーターとは異なる由来の遺伝子の発現を特異的に誘導する、請求項に記載の発現カセット。

【請求項8】
配列番号1に示す配列からなるプロモーターおよび該プロモーターに作動可能に連結された該プロモーターとは異なる由来の遺伝子を含む植物から得られる形質転換植物の利用可能部位。

【請求項9】
葉、茎または果実である、請求項に記載の利用可能部位。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2003577613thum.jpg
出願権利状態 登録


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