電磁環境解析方法、電磁環境解析プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体
国内特許コード | P110003032 |
---|---|
整理番号 | Y02-P083 |
掲載日 | 2011年6月15日 |
出願番号 | 特願2002-197574 |
公開番号 | 特開2004-038774 |
登録番号 | 特許第3824561号 |
出願日 | 平成14年7月5日(2002.7.5) |
公開日 | 平成16年2月5日(2004.2.5) |
登録日 | 平成18年7月7日(2006.7.7) |
発明者 |
|
出願人 |
|
発明の名称 | 電磁環境解析方法、電磁環境解析プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体 |
発明の概要 |
【課題】大規模なFDTDシミュレーションを簡略化し、計算時間やメモリを削減する。 【解決手段】本実施の形態は、セルサイズの異なる独立したFDTD解析を複数回行うことで、広範囲の計算、もしくは非常に微細なモデルの電磁界解析を行う方法である。例えば、この図に示す二つの解析空間による計算法の場合、セルサイズの小さい内部解析空間20(Internal Analysis Space:IAS)で計算した変換面S上での電磁界を一時保存し、セルサイズの大きい外部解析空間30(External Analysis Space:EAS)に与え、さらに遠方界を計算する。IAS20内には、電磁界の発生源10が含まれる。発生源10としては、例えば、ダイポール、点電荷等の各種のものを与えることができる。 【選択図】図1 |
従来技術、競合技術の概要 |
一般に、FDTD法は時間と空間領域における電磁界の差分計算法である。FDTD法は時間領域計算法であることや、モデル化が容易なことから、近年電磁界解析で良く用いられる方法である。この計算手法は、差分計算法であることから、空間や時間のセルサイズが細かいほど計算精度がよいが、細かいセルによって空間をモデル化すると計算プロセスが増大するという短所がある。そこで、一般的に、例えば、セルサイズを波長の1/20以下程度の細かいセルサイズで設定すれば計算精度が保証されるが、プリント回路基板などの微細なモデルからの電磁界放射を計算する場合、必ずしも波長の1/20程度のセルサイズで解析モデルを構成することはない。電磁環境問題では、電波暗室内での3m法、10m法によるノイズ測定によって、放射ノイズを推定する方法が一般的であるが、全ての解析を細かいセルで構成することは難しく、FDTD法でシミュレーションする場合、散乱源からある一定距離離れた閉曲面上の電磁界から遠方電界を計算する手法が採られてきた。他にも、解析空間の途中でセルサイズを変えて計算するサブグリッド法や、散乱モデルをダイポールなどの等価モデルに置き換えて計算する手法なども一般的に用いられている。 |
産業上の利用分野 |
本発明は、電磁環境解析方法、電磁環境解析プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体に係る。特に、本発明は、電磁界解析法である有限差分時間領域法(Finite Difference Time Domain:FDTD method;以下FDTD法と略す)を改良した電磁環境の解析・計算手法に関し、あらゆる電磁界解析に応用が可能である。なお、本発明の電磁環境解析方法は、明細書中、FDTD-MAS法(Finite Difference Time Domain with Multiple-Analysis-Space Method)と呼ぶ。 |
特許請求の範囲 |
【請求項1】 マクスウェルの電磁界方程式を空間と時間領域で差分化することで数値計算によって電磁界を解析する有限差分時間領域法(FDTD法)を用いた電磁環境解析方法であって、 処理部は、電磁界の発生源が含まれる第1のセルサイズで分割された内部解析空間(IAS)で電磁界をFDTD法により第1の時間ステップで計算し、計算された内部解析空間の電磁界と、第1のセルサイズのRA倍(RAは2以上の整数)の第2のセルサイズで分割された外部解析空間(EAS)との変換面上での電磁界とを記憶部に保存する内部解析ステップと、 処理部は、変換面での電磁界を記憶部から読み込み、外部解析空間で電磁界をFDTD法により、第1の時間ステップのRA倍の第2の時間ステップで計算し、計算された外部解析空間の電磁界を記憶部に記憶する外部解析ステップと、 を含み、さらに、 (1)前記内部解析ステップは、 処理部は、第1の時間ステップにより、電気的特性が均一な空間又は散乱体・アンテナなどの放射源を含む空間における電界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第1の電界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、モデルに印加される信号を、予め数式又は実測データを用いてそれが記憶されている記憶部の信号ファイルから読取り、電界として設定するステップと、 処理部は、計算時刻が前記外部解析ステップの電界計算のタイミングである第2の時間ステップの整数倍であれば、処理部は、変換面上の電界を記憶部の変換面電界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第1の電界ファイルに記憶された内部解析空間の吸収境界面上の電界を書き換えるステップと、 処理部は、第1の電界と磁界ファイルに記憶された電界と磁界データを読取り、磁界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第1の磁界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、計算時刻が第2の時間ステップの(nEAS+1/2)倍であれば、変換面上の磁界を記憶部の第1の変換面磁界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第1の磁界ファイルに記憶された吸収境界面上の磁界を書き換えるステップと、 を含み、 (2)前記外部解析ステップは、 処理部は、第2の時間ステップにより、電気的特性が均一な空間における電界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第2の電界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、変換面上の電界を変換面電界ファイルから読取り、第2の電界ファイルに記憶された変換面上の電界を書き換えるステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第2の電界ファイルに記憶された吸収境界面上の電界を書き換えるステップと、 処理部は、第2の電界と磁界ファイルに記憶された電界と磁界データを読取り、その電磁界データとパラメータ及び/又はその他のデータとに基づき、磁界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第2の磁界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、変換面上の磁界を変換面磁界ファイルから読取り、第2の電界ファイルに記憶された変換面上の磁界を書き換えるステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第2の磁界ファイルに記憶された吸収境界面上の磁界を書き換えるステップと を含む電磁環境解析方法。 【請求項2】 マクスウェルの電磁界方程式を空間と時間領域で差分化することで数値計算によって電磁界を解析する有限差分時間領域法(FDTD法)を用いた電磁環境解析方法であって、 処理部は、電磁界の発生源が含まれる第1のセルサイズで分割された内部解析空間で電磁界を、電界と磁界とを第1のセルサイズの1/2ずれて配置して、且つ、電界は第1の時間ステップの整数次の時刻で、磁界は第1の時間ステップの半整数次の時刻で、FDTD法により計算し、計算された内部解析空間の電磁界と、第1のセルサイズのRA倍(RAは2以上の整数)の第2のセルサイズで分割された外部解析空間との変換面上での電磁界とを記憶部に保存する内部解析ステップと、 処理部は、変換面での電磁界を記憶部から読み込み、外部解析空間で電磁界を、電界と磁界とを第2のセルサイズの1/2ずれて配置し、且つ、電界は第2の時間ステップの整数次の時刻で、磁界は第2の時間ステップの半整数次の時刻で計算し、計算された外部解析空間の電磁界を記憶部に記憶する外部解析ステップと を含み、 さらに、 前記内部解析ステップは、 処理部は、第1のセルサイズで記憶部の第1の電界ファイル及び第1の磁界ファイルに電界配列及び磁界配列を設定し、記憶部に予め記憶されているパラメータを読み込むステップと、 処理部は、第1の時間ステップにより、読み込んだパラメータに基づき、電気的特性が均一な空間又は散乱体・アンテナなどの放射源を含む空間における電界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第1の電界ファイルに設定された領域に記憶するステップと、 処理部は、モデルに印加される信号を、予め数式又は実測データを用いてそれが記憶されている記憶部の信号ファイルから読取り、電界として設定するステップと、 処理部は、計算時刻が前記外部解析ステップの電界計算のタイミングである第2の時間ステップの整数倍であれば、処理部は、変換面上の電界を記憶部の変換面電界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第1の電界ファイルに記憶された内部解析空間の吸収境界面上の電界を書き換えるステップと、 処理部は、計算時刻を第1の時間ステップの1/2ずつ増やして磁界計算のタイミングとするステップと、 処理部は、第1の電界と磁界ファイルに記憶された電界と磁界データを読取り、その電磁界データとパラメータ及び/又はその他のデータとに基づき、磁界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第1の磁界ファイルに設定された領域に記憶するステップと、 処理部は、計算時刻が第2の時間ステップの(nEAS+1/2)倍であれば、変換面上の磁界を記憶部の第1の変換面磁界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第1の磁界ファイルに記憶された吸収境界面上の磁界を書き換えるステップと、 処理部は、計算時刻を第1の時間ステップの1/2増やして電界計算の次のタイミングとして、所望の時間計算が実行されるまで、電界及び磁界の計算処理を繰返すステップと を含む電磁環境解析方法。 【請求項3】 マクスウェルの電磁界方程式を空間と時間領域で差分化することで数値計算によって電磁界を解析する有限差分時間領域法(FDTD法)を用いた電磁環境解析方法であって、 処理部は、電磁界の発生源が含まれる第1のセルサイズで分割された内部解析空間で電磁界を、電界と磁界とを第1のセルサイズの1/2ずれて配置して、且つ、電界は第1の時間ステップの整数次の時刻で、磁界は第1の時間ステップの半整数次の時刻で、FDTD法により計算し、計算された内部解析空間の電磁界と、第1のセルサイズのRA倍(RAは2以上の整数)の第2のセルサイズで分割された外部解析空間との変換面上での電磁界とを記憶部に保存する内部解析ステップと、 処理部は、変換面での電磁界を記憶部から読み込み、外部解析空間で電磁界を、電界と磁界とを第2のセルサイズの1/2ずれて配置し、且つ、電界は第2の時間ステップの整数次の時刻で、磁界は第2の時間ステップの半整数次の時刻で計算し、計算された外部解析空間の電磁界を記憶部に記憶する外部解析ステップと を含み、 さらに、 前記外部解析ステップは、 処理部は、第2の電界ファイル及び第2の磁界ファイルに第1のセルサイズのRA倍(RAは2以上の整数)の第2のセルサイズで配列を設定し、パラメータの設定を行うステップと、 処理部は、第2の時間ステップにより、読み込んだパラメータに基づき、電気的特性が均一な空間における電界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第2の電界ファイルに設定された領域に記憶するステップと、 処理部は、変換面上の電界を変換面電界ファイルから読取り、第2の電界ファイルに記憶された変換面上の電界を書き換えるステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第2の電界ファイルに記憶された吸収境界面上の電界を書き換えるステップと、 処理部は、計算時刻を第2の時間ステップの1/2ずつ増やして磁界計算のタイミングとするステップと、 処理部は、第2の電界ファイルに記憶された電界データを読取り、その電界データとパラメータ及び/又はその他のデータとに基づき、磁界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第2の磁界ファイルに設定された領域に記憶するステップと、 処理部は、変換面上の磁界を変換面磁界ファイルから読取り、第2の磁界ファイルに記憶された変換面上の磁界を書き換えるステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第2の磁界ファイルに記憶された吸収境界面上の磁界を書き換えるステップと、 処理部1は、計算時刻を第2の時間ステップの1/2増やし、所望の時間計算が実行されるまで、電界及び磁界の計算処理を繰返すステップと を含む電磁環境解析方法。 【請求項4】 前記RAの値が奇数の場合、処理部は前記内部解析ステップの計算タイミングの磁界又は電界のデータを記憶部に記憶し、 一方、前記RAの値が偶数の場合、処理部は、前記内部解析ステップの計算タイミングの電界データと、隣接するタイミングの磁界のデータを平均し、前記記憶部に保存することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電磁環境解析方法。 【請求項5】 前記外部解析ステップで、処理部は、変換面での電磁界データを記憶部から読込み、―RA/2からRA/2までの範囲内で前記内部解析ステップで計算された電磁界データを平均することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電磁環境解析方法。 【請求項6】 計算の時間ステップは、単位セル内を進む電磁波の単位伝搬時間として定義され、Courantの安定化条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電磁環境解析方法。 【請求項7】 空間の境界面で電磁波が反射しない境界条件である吸収境界条件として、Perfect Matched Layers(PMLs)を用いたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電磁環境解析方法。 【請求項8】 前記内部解析ステップと前記外部解析ステップによる電磁界の解析を並列に行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電磁環境解析方法。 【請求項9】 前記セルサイズは、x、y、z方向でそれぞれ独立のサイズであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電磁環境解析方法。 【請求項10】 マクスウェルの電磁界方程式を空間と時間領域で差分化することで数値計算によって電磁界を解析する有限差分時間領域法(FDTD法)を用いた電磁環境解析処理をコンピュータに実行させるための電磁環境解析プログラムであって、 処理部は、電磁界の発生源が含まれる第1のセルサイズで分割された内部解析空間で電磁界をFDTD法により第1の時間ステップで計算し、計算された内部解析空間の電磁界と、第1のセルサイズの RA倍(RAは2以上の整数)の第2のセルサイズで分割された外部解析空間との変換面上での電磁界とを記憶部に保存する内部解析ステップと、 処理部は、変換面での電磁界を記憶部から読み込み、外部解析空間で電磁界をFDTD法により、第1の時間ステップのRA倍の第2の時間ステップで計算し、計算された外部解析空間の電磁界を記憶部に記憶する外部解析ステップと、 を含み、さらに、 (1)前記内部解析ステップは、 処理部は、第1の時間ステップにより、電気的特性が均一な空間又は散乱体・アンテナなどの放射源を含む空間における電界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第1の電界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、モデルに印加される信号を、予め数式又は実測データを用いてそれが記憶されている記憶部の信号ファイルから読取り、電界として設定するステップと、 処理部は、計算時刻が前記外部解析ステップの電界計算のタイミングである第2の時間ステップの整数倍であれば、処理部は、変換面上の電界を記憶部の変換面電界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第1の電界ファイルに記憶された内部解析空間の吸収境界面上の電界を書き換えるステップと、 処理部は、第1の電界と磁界ファイルに記憶された電界と磁界データを読取り、磁界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第1の磁界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、計算時刻が第2の時間ステップの(nEAS+1/2)倍であれば、変換面上の磁界を記憶部の第1の変換面磁界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第1の磁界ファイルに記憶された吸収境界面上の磁界を書き換えるステップと、 を含み、 (2)前記外部解析ステップは、 処理部は、第2の時間ステップにより、電気的特性が均一な空間における電界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第2の電界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、変換面上の電界を変換面電界ファイルから読取り、第2の電界ファイルに記憶された変換面上の電界を書き換えるステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第2の電界ファイルに記憶された吸収境界面上の電界を書き換えるステップと、 処理部は、第2の電界ファイルに記憶された電界データを読取り、その電界データとパラメータ及び/又はその他のデータとに基づき、磁界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第2の磁界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、変換面上の磁界を変換面磁界ファイルから読取り、第2の電界ファイルに記憶された変換面上の磁界を書き換えるステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第2の磁界ファイルに記憶された吸収境界面上の磁界を書き換えるステップと をコンピュータに実行させるための電磁環境解析プログラム。 【請求項11】 マクスウェルの電磁界方程式を空間と時間領域で差分化することで数値計算によって電磁界を解析する有限差分時間領域法(FDTD法)を用いた電磁環境解析処理をコンピュータに実行させるための電磁環境解析プログラムであって、 処理部は、電磁界の発生源が含まれる第1のセルサイズで分割された内部解析空間で電磁界を、電界と磁界とを第1のセルサイズの1/2ずれて配置して、且つ、電界は第1の時間ステップの整数次の時刻で、磁界は第1の時間ステップの半整数次の時刻で、FDTD法により計算し、計算された内部解析空間の電磁界と、第1のセルサイズのRA倍(RAは2以上の整数)の第2のセルサイズで分割された外部解析空間との変換面上での電磁界とを記憶部に保存する内部解析ステップと、 処理部は、変換面での電磁界を記憶部から読み込み、外部解析空間で電磁界を、電界と磁界とを第2のセルサイズの1/2ずれて配置し、且つ、電界は第2の時間ステップの整数次の時刻で、磁界は第2の時間ステップの半整数次の時刻で計算し、計算された外部解析空間の電磁界を記憶部に記憶する外部解析ステップと をコンピュータに実行させ、 さらに、 前記内部解析ステップは、 処理部は、第1のセルサイズで記憶部の第1の電界ファイル及び第1の磁界ファイルに電界配列及び磁界配列を設定し、記憶部に予め記憶されているパラメータを読み込むステップと、 処理部は、第1の時間ステップにより、読み込んだパラメータに基づき、電気的特性が均一な空間又は散乱体・アンテナなどの放射源を含む空間における電界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第1の電界ファイルに設定された領域に記憶するステップと、 処理部は、モデルに印加される信号を、予め数式又は実測データを用いてそれが記憶されている記憶部の信号ファイルから読取り、電界として設定するステップと、 処理部は、計算時刻が前記外部解析ステップの電界計算のタイミングである第2の時間ステップの整数倍であれば、処理部は、変換面上の電界を記憶部の変換面電界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第1の電界ファイルに記憶された内部解析空間の吸収境界面上の電界を書き換えるステップと、 処理部は、計算時刻を第1の時間ステップの1/2ずつ増やして磁界計算のタイミングとするステップと、 処理部は、第1の電界と磁界ファイルに記憶された電界と磁界データを読取り、その電磁界データとパラメータ及び/又はその他のデータとに基づき、磁界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第1の磁界ファイルに設定された領域に記憶するステップと、 処理部は、計算時刻が第2の時間ステップの(nEAS+1/2)倍であれば、変換面上の磁界を記憶部の第1の変換面磁界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第1の磁界ファイルに記憶された吸収境界面上の磁界を書き換えるステップと、 処理部は、計算時刻を第1の時間ステップの1/2増やして電界計算の次のタイミングとして、所望の時間計算が実行されるまで、電界及び磁界の計算処理を繰返すステップと をコンピュータに実行させるための電磁環境解析プログラム。 【請求項12】 マクスウェルの電磁界方程式を空間と時間領域で差分化することで数値計算によって電磁界を解析する有限差分時間領域法(FDTD法)を用いた電磁環境解析処理をコンピュータに実行させるための電磁環境解析プログラムであって、 処理部は、電磁界の発生源が含まれる第1のセルサイズで分割された内部解析空間で電磁界を、電界と磁界とを第1のセルサイズの1/2ずれて配置して、且つ、電界は第1の時間ステップの整数次の時刻で、磁界は第1の時間ステップの半整数次の時刻で、FDTD法により計算し、計算された内部解析空間の電磁界と、第1のセルサイズのRA倍(RAは2以上の整数)の第2のセルサイズで分割された外部解析空間との変換面上での電磁界とを記憶部に保存する内部解析ステップと、 処理部は、変換面での電磁界を記憶部から読み込み、外部解析空間で電磁界を、電界と磁界とを第2のセルサイズの1/2ずれて配置し、且つ、電界は第2の時間ステップの整数次の時刻で、磁界は第2の時間ステップの半整数次の時刻で計算し、計算された外部解析空間の電磁界を記憶部に記憶する外部解析ステップと をコンピュータに実行させ、 さらに、 前記外部解析ステップは、 処理部は、第2の電界ファイル及び第2の磁界ファイルに第1のセルサイズのRA倍(RAは2以上の整数)の第2のセルサイズで配列を設定し、パラメータの設定を行うステップと、 処理部は、第2の時間ステップにより、読み込んだパラメータに基づき、電気的特性が均一な空間における電界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第2の電界ファイルに設定された領域に記憶するステップと、 処理部は、変換面上の電界を変換面電界ファイルから読取り、第2の電界ファイルに記憶された変換面上の電界を書き換えるステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第2の電界ファイルに記憶された吸収境界面上の電界を書き換えるステップと、 処理部は、計算時刻を第2の時間ステップの1/2ずつ増やして磁界計算のタイミングとするステップと、 処理部は、第2の電界ファイルに記憶された電界データを読取り、その電界データとパラメータ及び/又はその他のデータとに基づき、磁界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第2の磁界ファイルに設定された領域に記憶するステップと、 処理部は、変換面上の磁界を変換面磁界ファイルから読取り、第2の磁界ファイルに記憶された変換面上の磁界を書き換えるステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第2の磁界ファイルに記憶された吸収境界面上の磁界を書き換えるステップと、 処理部1は、計算時刻を第2の時間ステップの1/2増やし、所望の時間計算が実行されるまで、電界及び磁界の計算処理を繰返すステップと をコンピュータに実行させるための電磁環境解析プログラム。 【請求項13】 マクスウェルの電磁界方程式を空間と時間領域で差分化することで数値計算によって電磁界を解析する有限差分時間領域法(FDTD法)を用いた電磁環境解析処理をコンピュータに実行させるための電磁環境解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、 処理部は、電磁界の発生源が含まれる第1のセルサイズで分割された内部解析空間で電磁界をFDTD法により第1の時間ステップで計算し、計算された内部解析空間の電磁界と、第1のセルサイズの RA倍(RAは2以上の整数)の第2のセルサイズで分割された外部解析空間との変換面上での電磁界とを記憶部に保存する内部解析ステップと、 処理部は、変換面での電磁界を記憶部から読み込み、外部解析空間で電磁界をFDTD法により、第1の時間ステップのRA倍の第2の時間ステップで計算し、計算された外部解析空間の電磁界を記憶部に記憶する外部解析ステップと、 を含み、さらに、 (1)前記内部解析ステップは、 処理部は、第1の時間ステップにより、電気的特性が均一な空間又は散乱体・アンテナなどの放射源を含む空間における電界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第1の電界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、モデルに印加される信号を、予め数式又は実測データを用いてそれが記憶されている記憶部の信号ファイルから読取り、電界として設定するステップと、 処理部は、計算時刻が前記外部解析ステップの電界計算のタイミングである第2の時間ステップの整数倍であれば、処理部は、変換面上の電界を記憶部の変換面電界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第1の電界ファイルに記憶された内部解析空間の吸収境界面上の電界を書き換えるステップと、 処理部は、第1の電界と磁界ファイルに記憶された電界と磁界データを読取り、磁界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第1の磁界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、計算時刻が第2の時間ステップの(nEAS+1/2)倍であれば、変換面上の磁界を記憶部の第1の変換面磁界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第1の磁界ファイルに記憶された吸収境界面上の磁界を書き換えるステップと、 を含み、 (2)前記外部解析ステップは、 処理部は、第2の時間ステップにより、電気的特性が均一な空間における電界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第2の電界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、変換面上の電界を変換面電界ファイルから読取り、第2の電界ファイルに記憶された変換面上の電界を書き換えるステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第2の電界ファイルに記憶された吸収境界面上の電界を書き換えるステップと、 処理部は、第2の電界と磁界ファイルに記憶された電界と磁界データを読取り、その電磁界データとパラメータ及び/又はその他のデータとに基づき、磁界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第2の磁界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、変換面上の磁界を変換面磁界ファイルから読取り、第2の磁界ファイルに記憶された変換面上の磁界を書き換えるステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第2の磁界ファイルに記憶された吸収境界面上の磁界を書き換えるステップと をコンピュータに実行させるための電磁環境解析プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。 【請求項14】 マクスウェルの電磁界方程式を空間と時間領域で差分化することで数値計算によって電磁界を解析する有限差分時間領域法(FDTD法)を用いた電磁環境解析処理をコンピュータに実行させるための電磁環境解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、 処理部は、電磁界の発生源が含まれる第1のセルサイズで分割された内部解析空間で電磁界を、電界と磁界とを第1のセルサイズの1/2ずれて配置して、且つ、電界は第1の時間ステップの整数次の時刻で、磁界は第1の時間ステップの半整数次の時刻で、FDTD法により計算し、計算された内部解析空間の電磁界と、第1のセルサイズのRA倍(RAは2以上の整数)の第2のセルサイズで分割された外部解析空間との変換面上での電磁界とを記憶部に保存する内部解析ステップと、 処理部は、変換面での電磁界を記憶部から読み込み、外部解析空間で電磁界を、電界と磁界とを第2のセルサイズの1/2ずれて配置し、且つ、電界は第2の時間ステップの整数次の時刻で、磁界は第2の時間ステップの半整数次の時刻で計算し、計算された外部解析空間の電磁界を記憶部に記憶する外部解析ステップと をコンピュータに実行させ、 さらに、 前記内部解析ステップは、 処理部は、第1のセルサイズで記憶部の第1の電界ファイル及び第1の磁界ファイルに電界配列及び磁界配列を設定し、記憶部に予め記憶されているパラメータを読み込むステップと、 処理部は、第1の時間ステップにより、読み込んだパラメータに基づき、電気的特性が均一な空間又は散乱体・アンテナなどの放射源を含む空間における電界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第1の電界ファイルに設定された領域に記憶するステップと、 処理部は、モデルに印加される信号を、予め数式又は実測データを用いてそれが記憶されている記憶部の信号ファイルから読取り、電界として設定するステップと、 処理部は、計算時刻が前記外部解析ステップの電界計算のタイミングである第2の時間ステップの整数倍であれば、処理部は、変換面上の電界を記憶部の変換面電界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第1の電界ファイルに記憶された内部解析空間の吸収境界面上の電界を書き換えるステップと、 処理部は、計算時刻を第1の時間ステップの1/2ずつ増やして磁界計算のタイミングとするステップと、 処理部は、第1の電界と磁界ファイルに記憶された電界と磁界データを読取り、その電磁界データとパラメータ及び/又はその他のデータとに基づき、磁界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第1の磁界ファイルに設定された領域に記憶するステップと、 処理部は、計算時刻が第2の時間ステップの(nEAS+1/2)倍であれば、変換面上の磁界を記憶部の第1の変換面磁界ファイルに記憶するステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第1の磁界ファイルに記憶された吸収境界面上の磁界を書き換えるステップと、 処理部は、計算時刻を第1の時間ステップの1/2増やして電界計算の次のタイミングとして、所望の時間計算が実行されるまで、電界及び磁界の計算処理を繰返すステップと をコンピュータに実行させるための電磁環境解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 【請求項15】 マクスウェルの電磁界方程式を空間と時間領域で差分化することで数値計算によって電磁界を解析する有限差分時間領域法(FDTD法)を用いた電磁環境解析処理をコンピュータに実行させるための電磁環境解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、 処理部は、電磁界の発生源が含まれる第1のセルサイズで分割された内部解析空間で電磁界を、電界と磁界とを第1のセルサイズの1/2ずれて配置して、且つ、電界は第1の時間ステップの整数次の時刻で、磁界は第1の時間ステップの半整数次の時刻で、FDTD法により計算し、計算された内部解析空間の電磁界と、第1のセルサイズのRA倍(RAは2以上の整数)の第2のセルサイズで分割された外部解析空間との変換面上での電磁界とを記憶部に保存する内部解析ステップと、 処理部は、変換面での電磁界を記憶部から読み込み、外部解析空間で電磁界を、電界と磁界とを第2のセルサイズの1/2ずれて配置し、且つ、電界は第2の時間ステップの整数次の時刻で、磁界は第2の時間ステップの半整数次の時刻で計算し、計算された外部解析空間の電磁界を記憶部に記憶する外部解析ステップと をコンピュータに実行させ、 さらに、 前記外部解析ステップは、 処理部は、第2の電界ファイル及び第2の磁界ファイルに第1のセルサイズのRA倍(RAは2以上の整数)の第2のセルサイズで配列を設定し、パラメータの設定を行うステップと、 処理部は、第2の時間ステップにより、読み込んだパラメータに基づき、電気的特性が均一な空間における電界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第2の電界ファイルに設定された領域に記憶するステップと、 処理部は、変換面上の電界を変換面電界ファイルから読取り、第2の電界ファイルに記憶された変換面上の電界を書き換えるステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第2の電界ファイルに記憶された吸収境界面上の電界を書き換えるステップと、 処理部は、計算時刻を第2の時間ステップの1/2ずつ増やして磁界計算のタイミングとするステップと、 処理部は、第2の電界ファイルに記憶された電界データを読取り、その電界データとパラメータ及び/又はその他のデータとに基づき、磁界の計算を行い、計算結果を配列として記憶部の第2の磁界ファイルに設定された領域に記憶するステップと、 処理部は、変換面上の磁界を変換面磁界ファイルから読取り、第2の磁界ファイルに記憶された変換面上の磁界を書き換えるステップと、 処理部は、空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を計算し、第2の磁界ファイルに記憶された吸収境界面上の磁界を書き換えるステップと、 処理部1は、計算時刻を第2の時間ステップの1/2増やし、所望の時間計算が実行されるまで、電界及び磁界の計算処理を繰返すステップと を処理をコンピュータに実行させるための電磁環境解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 |
国際特許分類(IPC) |
|
Fターム | |
画像
※ 画像をクリックすると拡大します。 |
|
出願権利状態 | 登録 |
英語項目の表示
発明の名称 | METHOD AND PROGRAM FOR ANALYZING ELECTROMAGNETIC ENVIRONMENT AND RECORDING MEDIUM RECORDED WITH THE PROGRAM |
---|---|
発明の概要 |
PROBLEM TO BE SOLVED: To reduce a calculation time and a memory by simplifying large-scale FDTD (finite differential time domain) simulation. SOLUTION: The form of this implementation is a method for performing electromagnetic field analysis of a wide range calculation or a very small model by performing independent FDTD analysis with different cell sizes a plurality of times. For example, for a calculation method by the two analysis spaces shown in this Figure, an electromagnetic field on a conversion surface S calculated in an internal analysis space (IAS) 20 of a small cell size is temporarily stored and given to an external analysis space (EAS) 30 of a large cell size, and in addition, a far field is calculated. An electromagnetic field generation source 10 is included in the IAS 20. For example, various objects such as a dipole and point charge can be given as the generation source 10. |
『 電磁環境解析方法、電磁環境解析プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体』に関するお問合せ
- 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 知的財産マネジメント推進部
- URL: http://www.jst.go.jp/chizai/
-
E-mail:
- Address: 〒102-8666 東京都千代田区四番町5-3
- TEL: 03-5214-8293
- FAX: 03-5214-8476