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成膜装置用マスキング機構 コモンズ

国内特許コード P110003433
整理番号 A051P353
掲載日 2011年6月21日
出願番号 特願2004-537609
登録番号 特許第4168425号
出願日 平成15年9月19日(2003.9.19)
登録日 平成20年8月15日(2008.8.15)
国際出願番号 JP2003011950
国際公開番号 WO2004027107
国際出願日 平成15年9月19日(2003.9.19)
国際公開日 平成16年4月1日(2004.4.1)
優先権データ
  • 特願2002-275365 (2002.9.20) JP
発明者
  • 鯉沼 秀臣
  • 山本 幸生
  • 松本 祐司
  • 高橋 竜太
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 成膜装置用マスキング機構 コモンズ
発明の概要 エッジ法線ベクトルが互いに120°をなす、第一のシングル作用エッジ(11a)、第二のシングル作用エッジ(11b)及び第三のシングル作用エッジ(11c)を有するマスク(11)と、マスク(11)を基板(12)に対して一軸方向(A)に移動させる駆動装置とからなり、同一の基板領域にエッジ毎に蒸着物質を変えて、マスク(11)を一軸方向(A)に一定速度で移動しながら蒸着することにより、膜厚勾配方向が互いに120°をなす三成分薄膜を重畳して三元系相図薄膜(13)を形成する。
従来技術、競合技術の概要


近年、高温超伝導現象、巨大磁気抵抗現象、高輝度蛍光現象、新触媒現象といった新たな物理現象が数多く発見されている。このような物理現象を発現する材料、組成の探査は、物質探査に要する時間を短縮するため、コンビナトリアル成膜装置で行われている。コンビナトリアル成膜装置を用いれば、同一真空工程で、発現可能性のある物質群のライブラリーを同一基板上に一度に形成でき、ライブラリーから新物質、新組成の発見、あるいはライブラリーの特性から理論的予測を得ることができる。従来法では100年かかる物質探査を、コンビナトリアル成膜装置を用いれば一ヶ月に短縮することができるといわれている。



コンビナトリアル成膜装置は、基板上の所望の部分のみに物質供給を限定する手段、種類の異なる薄膜の成膜手段、及び基板上の所望の部分の構造を解析する構造解析手段を必須としており、例えばレーザー蒸着装置を用いたコンビナトリアル成膜装置の場合には、複数のマスク装置、ターゲット切替装置、アブレーション・レーザ光導入装置、基板加熱用レーザ装置及び高エネルギー反射電子線回折装置(RHEED)等を備えている。



ところで近年、二元系,三元系の新物質の探査の要求が高まっている。例えば、プラズマディスプレイ用蛍光物質には、従来の電子線励起蛍光物質とは異なった特性を有する蛍光物質が必要であり、この蛍光物質は二元系,三元系の新物質で実現されると予測されている。



従来のコンビナトリアル成膜装置による二元系,三元系物質探査は、例えば図22に示すようにして行っている。図22は従来のコンビナトリアル成膜装置による二元系,三元系物質探査法を示す図である。図22(a)に示すように、基板上に複数の独立な試料を定義する、即ち基板上にピクセルを形成する多数のマスク穴を有するマスク1と、マスク1のマスク穴を選択的に覆うことによって蒸着されるピクセルを選択する遮蔽板形状のマスク2を用意し、基板、マスク1、及びマスク2の相対位置を調節してピクセルを選択すると共に蒸着物質を選択して蒸着する。この工程を繰り返して、ピクセル毎に所望の成分比を有する二元あるいは三元系相図薄膜を形成する。作製後のピクセル毎に所望の特性を測定して所望の特性を有するピクセルを見つけだし、このピクセルの成分比から所望の特性を実現するために最適な成分比を求めている。



また図22(b)に示すように、蒸着するピクセルがあらかじめ選択された複数のマスクを配置した回転円板を用い、この円板を順次回転させると共に蒸着物質を選択し、ピクセル毎に所望の成分比を有する二元あるいは三元系相図薄膜を形成し、作製後のピクセル毎に所望の特性を測定して所望の特性を有するピクセルを見つけだし、このピクセルの成分比から所望の特性を実現するために最適な成分比を求めている。



ところで、蛍光物質のように、有用な特性が得られる物質の成分比範囲が極めて狭い場合がある。このような場合、従来の方法によれば成分比が細かく変化したピクセルを極めて多く形成しなければならない。しかしながら、図22(a)に示した従来方法では、ピクセル毎に、複数のマスクの位置調整のための時間が必要であり、この時間のために極めて多くのピクセルを形成する場合には、初めに形成したピクセルと、最後に形成したピクセルとでは成膜条件が異なってしまう。例えば、時間の経過と共に生ずる制御不能な基板温度分布の変化、雰囲気組成の変化等により、再現性の良い、すなわち信頼性の高いデータが得られないという課題がある。



また、図22(b)に示した従来方法では、回転操作だけでマスクの位置調整ができるのでその分、時間がかからずに作製できるが、真空装置の容積には制限があるために、搭載できるマスク数に制限があり、成分比が細かく変化したピクセルを極めて多く形成することは困難である。このため、物質の成分比範囲を極めて細かく探査しなければならない場合には、従来、二元系について下記に示す方法で行われている。



図23は、従来の二元系相図薄膜の作製方法を説明する図である。同図(a)に示すように、物質AまたはBの蒸発流に垂直に配置され、開口部を有するマスク1と、マスク1に平行に走査できる遮蔽板形状のマスク2を有し、基板をマスク1の開口部にまたがって配置する。次に、(b)に示すように、物質Aを蒸発させながら、マスク2をx方向に走査する。マスク2を一定速度でx方向に走査すれば、基板上に蒸着される物質Aの膜厚は、蒸発流に晒されている時間に比例するから、マスクの走査方向、すなわちx方向に一定割合で厚くなるA物質からなる膜厚分布が得られる。次に、(c)に示すように、蒸着する物質をBに替え、図23(b)とは逆位置から-x方向に走査すれば、-x方向に一定割合で厚くなるB物質からなる膜厚分布が得られる。(c)の右側に示したように、このようにして作製したA,B物質の膜厚分布は、x方向にA物質の膜厚が、0から100%まで連続変化し、B物質の膜厚が100から0%まで連続変化した積層膜が得られる。蒸着するA,B物質の厚さは極めて薄く、A,B物質が接触すると同時に基板温度で決まる二元系物質の安定な状態に混合する。A物質の蒸着とB物質の蒸着の上記工程を繰り返すことにより、所定の膜厚の二元系相図薄膜を形成する。



この方法によれば、x方向に成分比が連続変化した、すなわち、成分比が細かく変化した二元系相図薄膜が得られ、また、極めて短時間で作製できるので信頼性の高いデータが得られる。この方法は、いわば開口部を有する一枚のマスクの基板に対する一軸上の相対直線運動により形成する方法といえる。さらには、マスクの開口部の一辺、即ちマスクエッジの基板に対する一軸上の相対直線運動により形成する方法といえる。この方法を拡張して、互いに120°をなす三軸上でマスクエッジを基板に対して相対直線運動させることにより、三元系相図薄膜が得られることは明かである。

産業上の利用分野


本発明は、三元系相図に対応した薄膜を作製するための成膜装置用のマスキング機構に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一枚のマスクと、このマスクを基板に対して一軸方向に移動させる駆動装置とからなり、
上記マスクが、上記一軸方向と90°+α(0°≦α<90°)をなす辺を有し、
このマスクは、第一の開口部と第二の開口部を有し、
上記第一の開口部が上記一軸方向に対して30°+αをなす辺を有し、上記第二の開口部が上記一軸方向に対して-30°+αをなす辺を有し、
上記マスクの上記一軸方向と90°+αをなす辺を第一のシングル作用エッジとし、上記一軸方向に対して30°+αをなす辺を第二のシングル作用エッジとし、上記一軸方向に対して-30°+αをなす辺を第三のシングル作用エッジとすることを特徴とする、成膜装置用マスキング機構。

【請求項2】
一枚のマスクと、このマスクを基板に対して一軸方向に移動させる駆動装置とからなり、
上記マスクは、第一のシングル作用エッジ、第二のシングル作用エッジ及び上記一軸方向に底辺を有し他の二辺を作用エッジとする三角形状のダブル作用エッジを有し、
上記第一のシングル作用エッジの法線単位ベクトルが上記一軸方向と30°をなし、上記第二のシングル作用エツジの法線単位ベクトルが上記一軸方向と-30°をなすことを特徴とする、成膜装置用マスキング機構。

【請求項3】
一枚のマスクと、このマスクを基板に対して一軸方向に移動させる駆動装置とからなり、
上記マスクは、少なくとも上記一軸方向に底辺を有する三角形状の開口部と、上記一軸方向に直交する辺とを有し、
上記三角形状の開口部の底辺以外の二辺と上記一軸方向に直交する辺とをトリプル作用エッジとし、
上記三角形状の開口部の移動の速度と、上記一軸方向に直交する辺の移動の速度とをそれぞれ選択することにより、これらの移動速度で定まる所定の方向に膜厚勾配を形成することを特徴とする、成膜装置用マスキング機構。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004537609thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 単一分子・原子レベルの反応制御 領域
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