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電子放出素子およびその製造方法

国内特許コード P110003534
整理番号 BE060P04
掲載日 2011年6月23日
出願番号 特願2005-342613
公開番号 特開2007-149505
登録番号 特許第4734532号
出願日 平成17年11月28日(2005.11.28)
公開日 平成19年6月14日(2007.6.14)
登録日 平成23年5月13日(2011.5.13)
発明者
  • 宮内 雅浩
  • 細野 秀雄
  • 神谷 利夫
  • 戸田 善丈
出願人
  • TOTO株式会社
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 電子放出素子およびその製造方法
発明の概要 【課題】低コストで作製可能で、安定性が高く、高度に電子を放出しうる電界電子放出型の電子放出素子を提供する。
【解決手段】 導電性基材と、該導電性基材の表面に形成される、酸化チタン、チタン水酸化物、チタン酸、およびチタン酸塩からなる群から選択される少なくとも一種を含んでなる緻密層と、該緻密層の表面に形成される、酸化チタン、チタン水酸化物、チタン酸、およびチタン酸塩からなる群から選択される少なくとも一種を含んでなるファイバ状物質とを含んでなる電子放出素子であって、前記ファイバ状物質にn型のキャリアが含まれることを特徴とする電子放出素子を提供する。
【選択図】図8
従来技術、競合技術の概要


近年、強電界を印加することにより電界電子放出する電子放出素子の研究が盛んにおこなわれている。電界放出型電子源は電子を放出するための加熱を必要せず消費電力も低い。このような電界放出型電子源を用いた薄型表示素子は自発光型であるため、液晶表示のようにバックライトを設ける必要が無い。また、原理的にはブラウン管などのCRTと同様の明るさが得られ、薄型で高精細な表示素子を実現することが可能である。電界放出型電子源は、電界を集中させるために先端の極率の小さい先鋭な材料を導電性基材に対して垂直に配向させる必要がある。
従来の電界放出型電子源として、例えば、C. A. Spindtらが開示しているような円錐形状の金属電子源が知られている(特許文献1(USP3665241))。この電子源は蒸着法によって作製され、大面積に加工する場合に形状のばらつきがあり、電子放出の均一性や信頼性に問題があった。
一方、カーボンナノチューブを利用した電界放出型の電子放出素子も提案されている(例えば、非特許文献1(W. A. Heerら、Science, 270, 1179 (1995))。カーボンナノチューブや金属は仕事関数が高いため、電子放出に必要なエネルギーが高いという欠点がある。また、前記円錐形状の金属電子源もカーボンナノチューブの電子源も製造には真空プロセスを必要とするため、製造するための装置が大掛かりなものになってしまい、製造コストが高くなる。
仕事関数の低い素材として、一般に酸化物が知られる。しかしながら、一般に酸化物は絶縁体で、電子放出源としての応用には結晶内に電子キャリアを導入しなければならない。酸化物の電界放出型電子放出源として、例えば、酸化亜鉛の微細組織を利用したものが報告されている(例えば非特許文献2(Q. Wangら、Appl. Phys. Lett. 83, 2253 (2003)))。しかしながら、ZnOは容易に光溶解する不安定な酸化物として知られ、その安定性、耐久性が懸念されている。
酸化物の微細組織として、中空ファイバ状の酸化チタンまたはチタン酸の粒子が報告されている(例えば特許文献2(特開平10-152323号)および非特許文献3(L. M. Peng et al., Adv. Mater. 14, 1208 (2002))参照)。また、中空ファイバ状の酸化チタンまたはチタン酸粒子の薄膜化も報告されている(例えば、非特許文献4(Z. R. Tian et al., J. Am. Chem. Soc.. 125, 12384 (2003))参照)。



【特許文献1】
USP3665241
【特許文献2】
特開平10-152323号
【非特許文献1】
W. A. Heer et al. Science, 270, 1179 (1995)
【非特許文献2】
Q. Wang et al. Appl. Phys. Lett. 83, 2253 (2003))
【非特許文献3】
L. M. Peng et al., Adv. Mater. 14, 1208 (2002)
【非特許文献4】
Z. R. Tian et al., J. Am. Chem. Soc.. 125, 12384 (2003)

産業上の利用分野


本発明は、電界放出型(冷陰極型)の電子放出素子、および、その製造方法に関する。本発明は電界放出ディスプレイ、エミッター、陰極線管、蛍光表示管、電子銃、ランプ等に利用される。

特許請求の範囲 【請求項1】
導電性基材と、
該導電性基材の表面に形成される、酸化チタン、チタン水酸化物、チタン酸、およびチタン酸塩からなる群から選択される少なくとも一種を含んでなる緻密層と、
該緻密層の表面に形成される、酸化チタン、チタン水酸化物、チタン酸、およびチタン酸塩からなる群から選択される少なくとも一種を含んでなるファイバ状物質とを含んでなる電子放出素子であって、前記ファイバ状物質にn型のキャリアが含まれることを特徴とする電子放出素子。

【請求項2】
前記n型のキャリアが酸素欠陥であることを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子。

【請求項3】
前記ファイバ状物質が、3~30nmの直径および50nm~1μmの長さを有する、請求項1ないし2に記載の電子放出素子。

【請求項4】
該ファイバ状物質の長軸が導電性基材に対して概ね垂直方向に配向している、請求項1~3に記載の電子放出素子。

【請求項5】
前記ファイバ状物質が中空ファイバである、請求項1~4のいずれか一項に記載の電子放出素子。

【請求項6】
前記中空ファイバが、3~8nmの内径、8~30nmの外径、50nm~1μmの長さを有する、請求項5に記載の電子放出素子。

【請求項7】
前記ファイバ状物質がアナターゼ型酸化チタンを含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の電子放出素子。

【請求項8】
前記ファイバ状物質の中にチタンイオン合計量に対して10モル%以下のアルカリ金属イオンおよび/またはアルカリ土類金属イオンを含有する、請求項1~5に記載の電子放出素子。

【請求項9】
前記緻密層の膜厚が1nm~20μmである、請求項1~8のいずれか一項に記載の電子放出素子。

【請求項10】
前記ファイバ状物質が、3nm~100μmの厚さを有する被膜を形成してなる、請求項1~9のいずれか一項に記載の電子放出素子。

【請求項11】
前記導電性基材が金属チタンを含んでなる、請求項1~10のいずれか一項に記載の電子放出素子。

【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の電子放出素子の製造方法であって、
金属チタンを含んでなる導電性基材をアルカリ性水溶液に接触させて反応させ、前記緻密層と前記ファイバ物質とを形成される工程を含んでなる、製造方法。

【請求項13】
前記アルカリ性水溶液中での反応が、強アルカリ性水溶液中、100~200℃で行われる、請求項12に記載の製造方法。

【請求項14】
前記アルカリ性水溶液中での反応後、前記導電性基材を酸性水溶液に漬浸する工程をさらに含んでなる、請求項12、13に記載の製造方法。

【請求項15】
前記アルカリ性水溶液での反応後、前記導電性基材を加熱する工程をさらに含み、加熱温度が50℃~800℃であることを特徴とする、請求項14に記載の製造方法。

【請求項16】
請求項15に記載の加熱が真空中での加熱であって、温度が400℃~600℃で行われる、請求項15に記載の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005342613thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO/SORST 透明酸化物のナノ構造を活用した機能開拓と応用展開 領域
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