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(In Japanese)アルカロイド類の生産方法 commons foreign

Patent code P110003611
File No. 1406
Posted date Jun 27, 2011
Application number P2009-519300
Patent number P5177573
Date of filing Jun 12, 2008
Date of registration Jan 18, 2013
International application number JP2008060759
International publication number WO2008153094
Date of international filing Jun 12, 2008
Date of international publication Dec 18, 2008
Priority data
  • P2007-155069 (Jun 12, 2007) JP
Inventor
  • (In Japanese)佐藤 文彦
  • (In Japanese)南 博道
Applicant
  • (In Japanese)国立大学法人京都大学
Title (In Japanese)アルカロイド類の生産方法 commons foreign
Abstract (In Japanese)本発明は、基質であるドーパミンを、モノアミンオキシダーゼ、ノルコクラウリン6-O-メチルトランスフェラーゼ、コクラウリン-N-メチルトランスフェラーゼおよび3'-ヒドロキシ-N-メチルコクラウリン-4'-O-メチルトランスフェラーゼの作用に供することを含む、アルカロイド類、例えば、レチクリンを生産する方法を提供する。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)


イソキノリンアルカロイドは6000種類にも及ぶ多様な化合物のクラスであり、モルヒネやベルべリン等有用医薬品を多く含んでおり、植物の生産する重要な有用二次代謝産物である。しかしその生産のほとんどは天然物からの抽出に依存していた。



鎮痛薬であるモルヒネ、コルヒチン、抗菌薬であるベルベリン、パルマチン、およびサンギナリン等のベンジルイソキノリンアルカロイドは、モクレン科、キンポウゲ科、メギ科、ケシ科、およびその他の多くの植物種において、チロシンから(S)-レチクリンを介して合成される。(S)-レチクリンは、多くのタイプのベンジルイソキノリンアルカロイドの生合成経路における分岐点中間体である。即ち、(S)-レチクリンは抗マラリア薬および抗癌薬の開発に有用な医薬上重要な非麻薬性アルカロイドである。しかしながら、植物を用いたラージスケールでのアルカロイドの産生は、植物における二次代謝の厳密な制御下では困難である。また、アルカロイドの化学合成は、アルカロイドの構造が複雑であるため困難である。



本発明者らは、高いアルカロイド生合成活性を有するオウレン細胞の遺伝子解析からアルカロイド生合成遺伝子を多数、単離・同定した。また、本発明者らは、これらの遺伝子をもちいた代謝工学により、新たな有用物質、特に、重要な中間代謝産物であるレチクリンを生産する方法を開発してきた(特許文献1)。



近年、植物代謝工学の、アルカロイド生合成経路の最終産物の量を増加させる試みへの適用により、選択された植物細胞が、工業的に適用され得る量の代謝産物を産生することができるようになった。代謝工学の発達とともに、中間体を基質として用いる、新たな有用新薬の開発が望まれるにいたっている。しかし、代謝中間体の蓄積についての植物代謝工学における成功例は数例しか報告されていない。



レチクリンの産生は、コデイノン還元酵素のRNAi によりトランスジェニックケシ植物において(非特許文献1)、そして、ベルベリン架橋酵素 (BBE)のRNAi によりトランスジェニックハナビシソウ細胞において報告されている(非特許文献2)。トランスジェニックケシは、レチクリンの産生に有効であるが、植物または培養細胞ごとに生成物の量が大きく変動すること、および植物または培養細胞は生育に長い時間がかかるという問題がある。コデイノン還元酵素のRNAiによるモルヒネ生合成における最終工程のノックダウンはレチクリンの蓄積を誘導したが、この蓄積のメカニズムを説明することはできなかった。ハナビシソウ細胞および根培養物においてBBEを抑制するためにアンチセンスを用いた研究では、レチクリンの蓄積は観察されなかった(非特許文献3および4)。



このように、形質転換体などにおいて重要な中間体であるレチクリンの生産が試行されるに至っている。しかし、植物体、あるいは、培養細胞を用いた系においては、その増殖に時間がかかること、また、多くの場合、生産物は混合物であるなどの問題がある。



最近、全生合成工程を再構成するいくつかの試みが微生物システムにおいて調べられた(非特許文献5および6)。微生物システムは二次代謝産物の量だけでなく質の改善にも優れた能力を有する。というのは他の植物代謝産物は微生物システムに固有に存在しないからである。微生物システムは化学物質の生体内変換にいくつかの利点をもたらすが、それには、特に植物代謝産物については基質の入手可能性が制限されていることなどの欠点もある。微生物酵素遺伝子と植物由来遺伝子の組合せは多様な化合物の効率的かつ高生産性のシステムの確立のために有望である。



ベンジルイソキノリンアルカロイド経路においては、ノルコクラウリンからベルベリンまでのほぼすべての生合成遺伝子が単離されており、それらの活性は微生物システムにおいて示されている(非特許文献7および8)。ベンジルイソキノリンアルカロイド経路においてノルコクラウリンシンターゼ(以下、NCSとも称する)がドーパミンと4-ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド (以下、4-HPAAとも称する)とのカップリングを触媒することから、(S)-ノルコクラウリンを介して(S)-レチクリンが産生されることが明らかとなっている。(S)-ノルコクラウリンは次いでノルコクラウリン 6-O-メチルトランスフェラーゼ (以下、6OMTとも称する)の作用によってコクラウリンに変換され、コクラウリンは、コクラウリン-N-メチルトランスフェラーゼ (以下、CNMTとも称する)の作用によってN-メチルコクラウリンに変換され、N-メチルコクラウリンは、P450 ヒドロキシラーゼの作用によって3'-ヒドロキシ-N-メチルコクラウリン(以下、6-O-メチルラウダノソリンとも称する)に変換され、そして3'-ヒドロキシ-N-メチルコクラウリンは、3'-ヒドロキシ-N-メチルコクラウリン-4'-O-メチルトランスフェラーゼ (以下、4'OMTとも称する)の作用によって (S)-レチクリンに変換される(図1a参照)。
【特許文献1】
国際公開WO2005/033305号パンフレット
【非特許文献1】
Allen, R.S. et al. RNAi-mediated replacement of morphine with the nonnarcotic alkaloid reticuline in opium poppy. Nat. Biotechnol. 22, 1559-1566 (2004)
【非特許文献2】
Fujii, N., Inui, T., Iwasa, K., Morishige, T., & Sato, F. Knockdown of berberine bridge enzyme by RNAi accumulates (S)-reticuline and activates a silent pathway in cultured California poppy cells. Transgenic Research, 16:363-375(2007)
【非特許文献3】
Park, S.U., Yu, M., & Facchini, P.J. Antisense RNA-mediated suppression of benzophenanthridine alkaloid biosynthesis in transgenic cell cultures of California poppy. Plant Physiol. 128, 696-706 (2002)
【非特許文献4】
Park, S.U., Yu, M., & Facchini, P.J. Modulation of berberine bridge enzyme levels in transgenic root cultures of California poppy alters the accumulation of benzophenanthridine alkaloids. Plant Mol. Biol. 51, 153-164 (2003)
【非特許文献5】
Rathbone, D.A., & Bruce, N.C. Microbial transformation of alkaloids. Curr. Opin. Microbiol. 5, 274-281 (2002)
【非特許文献6】
Ro, D.K. et al. Production of the antimalarial drug precursor artemisinic acid in engineered yeast. Nature 440, 940-943 (2006)
【非特許文献7】
Minami, H., Dubouzet, E., Iwasa, K., & Sato, F. Functional analysis of norcoclaurine synthase in Coptis japonica. J. Biol. Chem. 282, 6274-6282 (2007)
【非特許文献8】
Morishige, T., Tsujita, T., Yamada, Y., & Sato, F. Molecular characterization of the S-adenosyl-L-methionine:3'-hydroxy-N-methylcoclaurine 4'-O-methyltransferase involved in isoquinoline alkaloid biosynthesis in Coptis japonica. J. Biol. Chem. 275, 23398-23405 (2000)

Field of industrial application (In Japanese)


本発明は、アルカロイド類、特にレチクリンの生産方法に関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
以下の工程を含む、基質であるドーパミンからアルカロイド類を生産する方法
ドーパミンを、モノアミンオキシダーゼの作用に供することによって、3,4-ジヒドロキシフェニルアセトアルデヒドを得る工程、
ドーパミンと3,4-ジヒドロキシフェニルアセトアルデヒドとを反応させることによって、3'-ヒドロキシノルコクラウリンを得る工程、
3'-ヒドロキシノルコクラウリンを、ノルコクラウリン6-O-メチルトランスフェラーゼの作用に供することによって、3'-ヒドロキシコクラウリンを得る工程、
3'-ヒドロキシコクラウリンを、コクラウリン-N-メチルトランスフェラーゼの作用に供することによって、3'-ヒドロキシ-N-メチルコクラウリンを得る工程、および、
3'-ヒドロキシ-N-メチルコクラウリンを、3'-ヒドロキシ-N-メチルコクラウリン-4'-O-メチルトランスフェラーゼの作用に供することによって、レチクリンを得る工程。

【請求項2】
 
アルカロイド類がレチクリンである、請求項1記載の方法。

【請求項3】
 
ノルコクラウリン6-O-メチルトランスフェラーゼ、コクラウリン-N-メチルトランスフェラーゼおよび3'-ヒドロキシ-N-メチルコクラウリン-4'-O-メチルトランスフェラーゼが、イソキノリンアルカロイド生産性植物由来のものである、請求項1または2に記載の方法。

【請求項4】
 
ドーパミンと3,4-ジヒドロキシフェニルアセトアルデヒドとの反応を、ノルコクラウリンシンターゼの存在下で行う、請求項1~3何れかに記載の方法。

【請求項5】
 
ノルコクラウリンシンターゼが、イソキノリンアルカロイド生産性植物由来のものである、請求項4記載の方法。

【請求項6】
 
基質としてドーパミンの他に、チラミン、2-フェニルエチルアミン、O-メチルチラミン、3-O-メチルドーパミン、5-ヒドロキシドーパミンおよびトリプタミンからなる群から選択されるアミンを共存させる請求項1~5いずれかに記載の方法。

【請求項7】
 
モノアミンオキシダーゼ、ノルコクラウリン6-O-メチルトランスフェラーゼ、コクラウリン-N-メチルトランスフェラーゼおよび3'-ヒドロキシ-N-メチルコクラウリン-4'-O-メチルトランスフェラーゼを発現する組換え宿主細胞を提供する工程、ここで、該組換え宿主細胞は、イソキノリンアルカロイド非生産性細胞に、モノアミンオキシダーゼ、ノルコクラウリン6-O-メチルトランスフェラーゼ、コクラウリン-N-メチルトランスフェラーゼおよび3'-ヒドロキシ-N-メチルコクラウリン-4'-O-メチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を導入することによって得られる、および、
ドーパミンの存在下に、該組換え宿主細胞を培養する工程、
を含む、ドーパミンからアルカロイド類を生産する方法。

【請求項8】
 
得られるアルカロイド類がレチクリンである、請求項7記載の方法。

【請求項9】
 
組換え宿主細胞がさらにノルコクラウリンシンターゼをコードする遺伝子を発現する、請求項7または8記載の方法。

【請求項10】
 
イソキノリンアルカロイド非生産性細胞が、大腸菌、酵母、枯草菌、糸状菌、昆虫細胞および哺乳類細胞からなる群から選択される、請求項7または8記載の方法。

【請求項11】
 
イソキノリンアルカロイド非生産性細胞が、大腸菌、酵母、枯草菌、糸状菌、昆虫細胞、哺乳類細胞およびイソキノリンアルカロイド非生産性植物細胞からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。

【請求項12】
 
モノアミンオキシダーゼ、ノルコクラウリンシンターゼ、ノルコクラウリン6-O-メチルトランスフェラーゼ、コクラウリン-N-メチルトランスフェラーゼおよび3'-ヒドロキシ-N-メチルコクラウリン-4'-O-メチルトランスフェラーゼを発現する組換え宿主細胞を提供する工程、ここで、該組換え宿主細胞は、イソキノリンアルカロイド非生産性細胞に、モノアミンオキシダーゼ、ノルコクラウリンシンターゼ、ノルコクラウリン6-O-メチルトランスフェラーゼ、コクラウリン-N-メチルトランスフェラーゼおよび3'-ヒドロキシ-N-メチルコクラウリン-4'-O-メチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を導入することによって得られる、および、
該組換え宿主細胞から、モノアミンオキシダーゼ、ノルコクラウリンシンターゼ、ノルコクラウリン6-O-メチルトランスフェラーゼ、コクラウリン-N-メチルトランスフェラーゼおよび3'-ヒドロキシ-N-メチルコクラウリン-4'-O-メチルトランスフェラーゼを含む酵素抽出液を得る工程、および、
該酵素抽出液とドーパミンとの混合液を提供し、該混合液からアルカロイド類を産生させる工程、
を含む、ドーパミンからアルカロイド類をインビトロで生産する方法。

【請求項13】
 
得られるアルカロイド類がレチクリンである、請求項12に記載の方法。

【請求項14】
 
モノアミンオキシダーゼ、ノルコクラウリンシンターゼ、ノルコクラウリン6-O-メチルトランスフェラーゼ、コクラウリン-N-メチルトランスフェラーゼおよび3'-ヒドロキシ-N-メチルコクラウリン-4'-O-メチルトランスフェラーゼを発現する細胞群を提供する工程、ここで、該細胞群は、それぞれ、モノアミンオキシダーゼ、ノルコクラウリンシンターゼ、ノルコクラウリン6-O-メチルトランスフェラーゼ、コクラウリン-N-メチルトランスフェラーゼおよび3'-ヒドロキシ-N-メチルコクラウリン-4'-O-メチルトランスフェラーゼからなる群から選択される1以上の酵素を発現する2以上の細胞からなり、少なくとも1種類の、イソキノリンアルカロイド非生産性細胞を含有する、
該細胞群から、モノアミンオキシダーゼ、ノルコクラウリンシンターゼ、ノルコクラウリン6-O-メチルトランスフェラーゼ、コクラウリン-N-メチルトランスフェラーゼおよび3'-ヒドロキシ-N-メチルコクラウリン-4'-O-メチルトランスフェラーゼを含む酵素抽出液を得る工程、
該酵素抽出液とドーパミンとの混合液を提供し、該混合液からアルカロイド類を産生させる工程、
を含む、ドーパミンからアルカロイド類をインビトロで生産する方法。

【請求項15】
 
得られるアルカロイド類がレチクリンである、請求項14に記載の方法。

【請求項16】
 
該酵素抽出液とドーパミンとの混合液に、S-アデノシルメチオニンを添加することをさらに含む、請求項12~15いずれかに記載の方法。

【請求項17】
 
該イソキノリンアルカロイド非生産性細胞が、大腸菌、酵母、枯草菌、糸状菌、昆虫細胞、哺乳類細胞およびイソキノリンアルカロイド非生産性植物細胞からなる群から選択される、請求項12~16いずれかに記載の方法。

【請求項18】
 
レチクリンが、(S)-レチクリンである、請求項12~17いずれかに記載の方法。

【請求項19】
 
ドーパミンの他のアミンを基質として共存させる、請求項7~18いずれかに記載の方法。

【請求項20】
 
ドーパミンの他のアミンがチラミン、2-フェニルエチルアミン、O-メチルチラミン、3-O-メチルドーパミン、5-ヒドロキシドーパミンおよびトリプタミンからなる群から選択される、請求項19に記載の方法。

【請求項21】
 
モノアミンオキシダーゼ、ノルコクラウリン6-O-メチルトランスフェラーゼ、コクラウリン-N-メチルトランスフェラーゼおよび3'-ヒドロキシ-N-メチルコクラウリン-4'-O-メチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子が導入された組換え微生物。

【請求項22】
 
さらに、ノルコクラウリンシンターゼをコードする遺伝子が導入された請求項21記載の組換え微生物。
IPC(International Patent Classification)
F-term
State of application right Registered
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