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平坦な半極性窒化ガリウムの成長技術 実績あり

国内特許コード P110004263
整理番号 E067P12
掲載日 2011年7月11日
出願番号 特願2008-500965
公表番号 特表2008-533723
登録番号 特許第5706601号
出願日 平成18年3月10日(2006.3.10)
公表日 平成20年8月21日(2008.8.21)
登録日 平成27年3月6日(2015.3.6)
国際出願番号 US2006008595
国際公開番号 WO2006099138
国際出願日 平成18年3月10日(2006.3.10)
国際公開日 平成18年9月21日(2006.9.21)
優先権データ
  • 60/660283 (2005.3.10) US
発明者
  • トロイ・ジェー・ベーカー
  • ベンジャミン・エー・ハスケル
  • ポール・ティー・フィニ
  • スティーブン・ピー・デンバース
  • ジェームス・エス・スペック
  • シュウジ・ナカムラ
出願人
  • ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 平坦な半極性窒化ガリウムの成長技術 実績あり
発明の概要 平坦な半極性窒化物薄膜の大面積が基板の表面に平行であるような、ミスカットスピネル基板上への平坦な半極性窒化物薄膜の成長方法。平坦な薄膜と基板は(1)特定の方向にミスカットした{100}スピネル基板上に成長した{10-11}窒化ガリウム (GaN)、(2){110}スピネル基板上に成長した{10-13}窒化ガリウム (GaN)、(3){1-100}サファイヤ基板上に成長した{11-22}窒化ガリウム (GaN)、および(4){1-100}サファイヤ基板上に成長した{10-13}窒化ガリウム (GaN)である。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要

2.関連技術の説明
窒化ガリウム(GaN)およびアルミニウムとインジウムを組み込んだ窒化ガリウムの3元、4元化合物(AlGaN、InGaN、AlInGaN)の有用性は可視および紫外の光電子デバイスおよび高性能電子デバイスの作製に関して十分に確立している。これらのデバイスは通常は分子線エピタキシー(MBE)、有機金属気相成長法(MOCVD)、およびハイドライド気相成長法(HVPE)を含む成長技術を用いてエピタキシャルに成長される。

GaNおよびその合金は六方晶系ウルツ鉱型結晶構造において最も安定である。この構造は相互に120°回転関係にある2つ(あるいは3つ)の等価な基底面軸(a軸)によって表わされ、これらの軸はすべて主軸のc軸に直交する。III 族原子と窒素原子が結晶のc軸方向に交互にc面を占有する。ウルツ鉱型構造に含まれる対称要素の示すところによれば、III 族窒化物はc軸に沿ってバルクの自発分極をもち、またウルツ鉱型構造は圧電分極を示す。

電子デバイスおよび光電子デバイスのための現行の窒化物技術は極性のあるc方向に沿って成長する窒化物薄膜を用いている。しかしながら、III 族窒化物ベースの光電子および電子デバイスにおける従来のc面量子井戸構造は強い圧電分極および自発分極の存在によって望ましくない量子閉じ込めStark効果(QCSE)を示すことになる。c軸方向の強い内蔵電界は電子と正孔の空間分離を引き起こし、そのため、キャリアの再結合効率の制限、振動子強度の低下、および発光のレッドシフトを引き起こす。

GaN光電子デバイスにおける自発分極および圧電分極の効果を除くひとつの方法は、デバイスを結晶の非極性面上に成長することである。そのような面はGa原子とN原子を等しい数だけ含み、電荷中性である。さらに、引き続く非極性層はお互いに等価であるために、バルク結晶は成長方向に沿って分極しない。GaNにおけるこのような2つの対称等価な非極性面ファミリーは、まとめてa面として知られる{11-20}ファミリーと、まとめてm面として知られる{1-100}ファミリーである。例えば、上記で相互参照とした出願に記述されているようなカリフォルニア大学の研究者によってなされた進展にもかかわらず、残念ながら、非極性GaNの成長はまだ挑戦すべき課題が残っており、未だにIII 族窒化物の産業で広く採用されるには至っていない。

GaN光電子デバイスにおける分極の効果を低減あるいは、可能ならば除去するための他の方法は、デバイスを結晶の半極性面上に成長することである。「半極性面」という用語は、Miller指数h、i、kのうちの2つがゼロでなく、Miller指数lもゼロではない色々な面のことをいう。c面GaNへテロエピタキシーにおいてよく見られる半極性面のいくつかの例は{11-22}、{10-11}、および{10-13}面などであり、これらはピットのファセットに見られる。これらの面はまた、本発明者らが平坦な薄膜の形態で成長したことのある面と偶然同じである。ウルツ鉱型結晶構造の半極性面の他の例は{10-12}、{20-21}および{10-14}であるが、これらに限定されるものではない。窒化物結晶の分極ベクトルはそのような面内にはなく、またそのような面に垂直でもなく、むしろ面の表面法線に対していくらか傾いた角度で存在している。たとえば、{10-11}と{10-13}はc面に対してそれぞれ62.98°と32.06°である。

分極の他の原因は圧電分極である。これは、非同一の組成の(それ故に格子定数が異なる)(Al,In,Ga,B)N層が窒化物へテロ構造において成長されるときに起こるような、材料が圧縮または引張り歪を受ける場合に起こる。例えば、GaNテンプレート上の薄いAlGaN層は面内引張り歪をもち、GaNテンプレート上の薄いInGaN層は面内圧縮歪をもつ。これらは共にGaNに格子整合するために生じるものである。それ故に、GaN上のInGaN量子井戸に対しては、圧電分極の向きはInGaNやGaNの自発分極の向きと反対である。GaNに格子整合したAlGaN層は圧電分極の向きがAlGaNやGaNの自発分極の向きと同一である。

c面窒化物を用いることに対して半極性面を用いることが有する利点は分極の合計が低減することである。特定の面上に特殊な合金組成を用いれば分極をゼロにすることさえ出来る。そのようなシナリオは将来出版される科学雑誌において詳しく議論されるであろう。重要なことはc面窒化物構造に比べて分極が低減するということである。

GaNのバルク結晶は入手できない。それゆえ結晶を単純に切断して、引き続くデバイスの再成長のために表面を出すのは不可能である。一般的にはGaN薄膜は、最初はヘテロエピタキシーで、即ちGaNと適度な格子整合を有する別の基板結晶上に成長される。

半極性GaN面はc面に配向したストライプにパターン形成された側壁上に作製されてきた。ニシヅカら[非特許文献1]はこの技術によって{11-22}InGaN量子井戸を成長した。彼らは半極性面{11-22}の内部量子効率がc面の内部量子効率より高く、それが分極の低減によるものであることも実証した。

しかしながら、半極性面を作製するこの方法はエピタキシャル横方向成長(ELO)からの加工品であり、本発明のそれに比べて著しく異なる。ELOはGaNやその他の半導体の欠陥を低減するために用いられている。マスク材料のストライプをパターン形成する工程を含み、GaNのマスク材料にはしばしはSiO2 が用いられる。GaNはマスク間の開口窓から成長し、やがてマスク上に成長する。GaNはそこで横方向成長によって合体して連続した膜を形成する。このストライプのファセットは成長パラメータによって制御できる。ストライプが合体する前に成長を止めると小面積の半極性面を露出させることが出来る。表面積はせいぜい幅10μm程度である。さらに、半極性面は基板表面に平行ではない。加えて、この表面積は半極性LEDへ加工するには小さすぎる。さらには、傾斜面にデバイス構造を作製することは、通常の面上にデバイス構造を形成するのに比べてはるかに困難である。

本発明は、大面積(Al,In,Ga)Nが基板表面に平行である、半極性窒化物の平坦な薄膜の成長技術を記述している。例えば、試料はしばしば10mm×10mm或いは2インチ径の基板上に成長されるが、これは半極性窒化物成長の前例である数μm幅の面積と対比すべきものである。
【非特許文献1】
Nishizuka,K.,Applied Physics Letters,Vol.85,No.15,11 October,2004

産業上の利用分野

本発明は平坦な半極性窒化ガリウムの成長技術に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
(a)基板および該基板の表面の方位を、窒化物薄膜の所望の半極性方位に基づいて選択する工程と、
(b)前記基板を、酸素を除去するために排気され、一つ以上のガスで充填されるハイドライド気相成長法(HVPE)または有機金属気相成長法(MOCVD)反応装置の中に装着する工程と、
(c)前記反応装置を昇温する工程と、
(d)前記昇温する工程中に、前記基板の表面上にガスの組み合わせを流す工程であって、
(i)前記ガスの組み合わせがアンモニア、水素、および窒素のうち一つ以上からなり、
(ii)前記ガスの組み合わせが前記基板および前記窒化物薄膜の所望の半極性方位に基づいて選択されることを特徴とする工程と、
(e)成長温度に達したら10torrから1000torrの間の成長圧力および900℃以上1200℃以下の成長温度で、HVPEまたはMOCVDを用いて前記基板の表面上に半極性窒化物薄膜を成長する工程と、
(f)前記半極性窒化物薄膜を保護するためにガスの存在下で前記反応装置を降温する工程であって、
前記半極性窒化物薄膜が(Al,In,Ga,B)N薄膜であり、
前記半極性窒化物薄膜の成長表面が成長しても平坦で安定であり、
前記半極性窒化物薄膜の前記成長表面が前記基板の表面に平行で少なくとも10mm×10mmの表面積を有することを特徴とする工程とを備えることを特徴とする、窒化物薄膜を成長する方法。

【請求項2】
少なくとも直径2インチの表面積を有する前記平坦な半極性窒化物薄膜の表面積が前記基板表面に平行であることを特徴とする請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記平坦な半極性窒化物薄膜が<011>方向にミスカットした{100}スピネル基板上に成長した{10-11}窒化ガリウム (GaN)であることを特徴とする請求項1に記載の方法。

【請求項4】
前記平坦な半極性窒化物薄膜がAlN、InN、AlGaN、InGaN、またはAlInNであることを特徴とする請求項1に記載の方法。

【請求項5】
前記平坦な半極性窒化物薄膜が{110}スピネル基板上に成長した{10-13}窒化ガリウム (GaN)であることを特徴とする請求項1に記載の方法。

【請求項6】
前記平坦な半極性窒化物薄膜が{1-100}サファイヤ基板上に成長した{11-22}窒化ガリウム (GaN)であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項7】
前記平坦な半極性窒化物薄膜が{1-100}サファイヤ基板上に成長した{10-13}窒化ガリウム(GaN)であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項8】
前記平坦な半極性窒化物薄膜が成長した後に、該平坦な半極性窒化物薄膜上に1つ以上のデバイス層を成長する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。

【請求項9】
前記平坦な半極性窒化物薄膜上にデバイス層を成長する工程は、前記デバイス層にn型およびp型ドーパントをドーピングする工程と、再成長層に1つ以上の量子井戸を成長する工程とを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。

【請求項10】
前記デバイス層から発光ダイオードを作製する工程をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の方法。

【請求項11】
請求項1に記載の方法を用いて成長した平坦な半極性窒化物薄膜。

【請求項12】
前記半極性窒化物膜が窒化ガリウム(GaN)膜であることを特徴とする請求項1に記載の方法。

【請求項13】
(f)前記基板がサファイヤで、前記表面が該サファイヤの{1-100}表面であり、
(i)前記ガス流が、{10-13}GaNである平坦な半極性GaN薄膜を得るために前記成長温度で前記アンモニアが流されるように前記反応装置を前記成長温度へ昇温しながら流される前記窒素および前記水素からなり、
(ii)前記ガス流が、{11-22}GaNである平坦な半極性GaN薄膜を得るために前記アンモニアが低温で流されるように前記反応装置を前記成長温度へ昇温しながら流される前記アンモニアからなり、
(g)前記基板がスピネル基板であり、前記表面が前記スピネルの{110}表面であるとき、{10-13}GaNである前記半極性GaN薄膜を得るために、窒化を促進する条件下で前記温度を上昇し、
(h)前記基板がスピネル基板であり、前記表面が<011>方向にミスカットされた前記スピネルの{100}表面であるとき、{10-11}GaNである平坦な半極性GaN膜を得るために、窒化を促進する条件下で前記温度を上昇することを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項14】
前記半極性窒化物薄膜がc面窒化物構造のデバイス構造と比べて、圧電分極を含む分極の効果の合計が低減することを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項15】
前記半極性窒化物薄膜が、c面極性窒化物薄膜上に成長されたデバイス層と比べて、前記半極性膜上に成長されたデバイス層における分極が低減し、該分極はデバイス層から生じ、前記膜は非同一組成である故に格子定数が異なることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項16】
前記半極性窒化物薄膜が単結晶であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項17】
前記半極性窒化物薄膜が{20-21}窒化物薄膜であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項18】
前記半極性窒化物薄膜が{10-14}窒化物薄膜であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項19】
前記半極性窒化物薄膜が{10-12}窒化物薄膜であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項20】
前記成長がハイドライド化学気相成長法であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
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JP2008500965thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 中村不均一結晶プロジェクト 領域
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