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(In Japanese)磁性薄膜及びそれを用いた磁気抵抗効果素子並びに磁気デバイス

Patent code P110004275
File No. A241P79
Posted date Jul 11, 2011
Application number P2008-513300
Patent number P4582488
Date of filing Apr 27, 2007
Date of registration Sep 10, 2010
International application number JP2007059226
International publication number WO2007126071
Date of international filing Apr 27, 2007
Date of international publication Nov 8, 2007
Priority data
  • P2006-123502 (Apr 27, 2006) JP
Inventor
  • (In Japanese)猪俣 浩一郎
  • (In Japanese)手束 展規
Applicant
  • (In Japanese)国立研究開発法人科学技術振興機構
Title (In Japanese)磁性薄膜及びそれを用いた磁気抵抗効果素子並びに磁気デバイス
Abstract (In Japanese)基板(2)と基板(2)上に形成するCo2Fe(Si1-xAlx)薄膜(3)とを備え、該薄膜(3)はL21又はB2構造を有し、かつ0<x<1である。室温において、強磁性を示し大きなスピン分極率が得られる。基板(2)とCo2Fe(Si1-xAlx)薄膜(3)の間にバッファ層(4)を挿入してもよい。この磁性薄膜を用いたトンネル磁気抵抗効果素子及び巨大磁気抵抗効果素子は、室温において、低電流、かつ、低磁界で大きなTMRとGMRが得られる。さらに、これらの磁気抵抗効果素子を用いた磁気デバイス、磁気ヘッド、磁気記録装置などの磁気装置を提供する。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

近年、強磁性層/非磁性金属層の多層膜からなる巨大磁気抵抗(GMR)効果素子、及び強磁性層/絶縁体層/強磁性層からなる強磁性スピントンネル接合(MTJ)素子が新しい磁界センサや不揮発性ランダムアクセス磁気メモリ(MRAM)素子として注目されている。巨大磁気抵抗効果素子には、膜面内に電流を流すタイプのCIP(Current In Plane)構造の巨大磁気抵抗効果素子と、膜面垂直方向に電流を流すタイプのCPP(Current Perpendicular to the Plane)構造の巨大磁気抵抗効果素子が知られている。巨大磁気抵抗効果素子の原理は磁性層と非磁性層の界面におけるスピン依存散乱にあるが、磁性体中でのスピン依存散乱(バルク散乱)の寄与もある。そのため一般に、バルク散乱の寄与が期待されるCPP構造の巨大磁気抵抗効果素子の方がCIP構造の巨大磁気抵抗効果素子よりもGMRが大きい。

このような巨大磁気抵抗効果素子は、強磁性層の一方に反強磁性層を近接させて強磁性層のスピンを固定させるスピンバルブ型が用いられている。CPP構造のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の場合、反強磁性層の比抵抗が200μΩ・cm程度とGMR膜に比べて2桁程度大きいため、GMR効果が薄められ、スピンバルブ型でCPP構造を有する巨大磁気抵抗効果素子の磁気抵抗の値は1%以下と小さい。そのため、CIP構造の巨大磁気抵抗効果素子はすでにハードディスクの再生ヘッドに実用化されているものの、CPP構造の巨大磁気抵抗効果素子はまだ実用にいたっていない。しかし、ハーフメタルのようなスピン分極率の大きい磁性材料が開発されれば、それを用いることで大きなバルク散乱が期待され、結果として大きなCPP-GMRが期待できる。

一方、MTJでは、外部磁場によって2つの強磁性層の磁化を互いに平行あるいは反平行に制御することにより膜面垂直方向のトンネル電流の大きさが互いに異なる、いわゆるトンネル磁気抵抗(TMR)効果が室温で得られる(非特許文献1参照)。このTMRは、用いる強磁性体と絶縁体との界面におけるスピン分極率Pに依存し、二つの強磁性体のスピン分極率をそれぞれP1,P2とすると、一般に下記(1)式(Jullierの式)で与えられることが知られている。

TMR=2P1P2/(1-P1P2) (1)
ここで、強磁性体のスピン分極率Pは、0<P≦1の値をとる。

バリアとなる絶縁体としてAl酸化膜を用いた場合、室温における現在得られているTMRの最大値は、CoFeB合金を用いた場合の約60%である。

MTJ素子は現在、ハードディスク用磁気ヘッドに実用化されており、また、将来は不揮発性ランダムアクセス磁気メモリ(MRAM)への応用が期待されている。MRAMでは、MTJ素子をマトリックス状に配置し、別に設けた配線に電流を流して磁界を印加することで、各MTJ素子を構成する二つの磁性層を互いに平行、反平行に制御することにより、“1”,“0”を記録させる。読み出しは、TMR効果を利用して行う。しかし、MRAMでは高密度化のために素子サイズを小さくすると、素子のバラツキに伴うノイズが増大し、TMRの値が現状では不足するという問題がある。従って、より大きなTMRを示す素子の開発が必要である。

上記(1)式からわかるように、P=1の磁性体を用いると無限に大きなTMRが期待される。P=1の磁性体はハーフメタルと呼ばれる。これまで、バンド構造計算によって、Fe3O4,CrO2,(La-Sr)MnO3,Th2MnO7,Sr2FeMoO6などの酸化物、NiMnSbなどのハーフホイスラー合金、及びCo2MnGe,Co2MnSi,Co2CrAlなどのL21構造をもつフルホイスラー合金などがハーフメタルとして知られている。

最近、MgOバリアとFeやFeCoBなどの強磁性層を用いることで、室温で200%以上の大きなTMRが得られている。しかし、これはMgOバリアと上記強磁性層の特殊なバンド構造を利用しており、それらの組み合わせを用いることではじめて大きなTMRが得られるものであり、強磁性層自体のスピン分極率が大きいというものではない。実際、Feのスピン分極率は0.4程度、FeCoBのそれは0.6程度であり、Al酸化膜バリアを用いた場合には上記のような大きなTMRは得られない。

フルホイスラー合金でL21構造を得るためには、通常、基板を300℃以上に加熱するか、室温で成膜後300℃以上の温度で熱処理することが必要である。しかし、L21構造が得られても、作製された薄膜が室温でハーフメタルであると認識された報告はない。実際、これらのハーフメタル材料を用いて作製されたトンネル接合素子では、いずれも室温のTMRは期待に反して小さく、バリアとしてAl酸化膜を用いた場合、Co2MnAlやCo2MnSiホイスラー合金を用いた場合の60~70%程度が最大であった。しかも、これらMnを含むホイスラー合金は界面で酸化されやすく、安定したTMRを得るのが困難である。また、酸化し易いために接合抵抗が大きく、通常、抵抗と面積の積(RA)が、107Ω・μm2以上になる。抵抗が高すぎると大容量MRAMへの適用が困難になる。

このようにハーフメタル薄膜の作製は実際には非常に困難である。その原因は、ハーフメタル特性は組成や原子配列の規則度に敏感であり、特にトンネル接合では、その界面においてハーフメタルの電子状態を得るのが困難であること、また、ハーフメタル薄膜はその構造を得るために基板加熱や熱処理を必要としており、それによって表面のラフネスが増大したり、界面が酸化したりすることなどにあると考えられる。

本発明者等は、これまで種々のフルホイスラー合金を用いたMTJ素子を作製してきたが、MgO基板上に作製したCo2FeAlフルホイスラー合金薄膜を用いた場合、室温で50%以上のTMRが安定して得られることを報告している(非特許文献2参照)。このときのCo2FeAlの構造はL21ではなく不規則構造のB2であり、この組成においてはL21構造を得るのは困難であることも見出している。

一方、最近、Co2FeSiフルホイスラー合金がハーフメタルになることが報告されている。この材料はバルクでL21構造が得られ易く、薄膜においてもL21構造が得られることを本発明者等は見出している。しかし、非特許文献3では、この材料を用いたトンネル接合では室温TMRは40%程度と小さく、ハーフメタルから期待されるような大きなTMRは得られないことが、本発明者等により報告された。

【非特許文献1】
T. Miyazaki and N. Tezuka, “Spin polarized tunneling in ferromagnet/insulator/ferromagnet junctions", J. Magn. Magn. Mater, L39, p.1231, 1995
【非特許文献2】
Okamura et al., Appl. Phys. Lett., Vol.86, pp.232503-1-232503-3, 2005
【非特許文献3】
Inomata et al., J. Phys. D, Vol.39, pp.816-823, 2006

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は、スピン分極率の大きい磁性薄膜及びそれを用いた磁気抵抗効果素子並びに磁気デバイスに関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
基板上に形成されるCo2Fe(Si1-xAlx)磁性薄膜で成り、
上記Co2Fe(Si1-xAlx)磁性薄膜はL21又はB2構造の結晶構造を有し、かつ、0<x<1であることを特徴とする、磁性薄膜。

【請求項2】
 
前記基板が、熱酸化Si,ガラス,MgO単結晶,GaAs単結晶,Al2O3単結晶の何れか一つから成ることを特徴とする、請求の範囲1に記載の磁性薄膜。

【請求項3】
 
前記基板と前記Co2Fe(Si1-xAlx)磁性薄膜との間にバッファ層が配設されていることを特徴とする、請求の範囲1又は2に記載の磁性薄膜。

【請求項4】
 
基板と、フリー層となる強磁性層と、トンネル層となる絶縁層と、ピン層となる強磁性層と、を含み、
上記強磁性層の何れかが、上記基板上に形成されるL21又はB2構造の結晶構造を有するCo2Fe(Si1-xAlx)(ここで、0<x<1)磁性薄膜から成ることを特徴とする、トンネル磁気抵抗効果素子。

【請求項5】
 
基板と、フリー層となる強磁性層と、トンネル層となる絶縁層と、ピン層となる強磁性層と、を含み、
上記フリー層となる強磁性層が、上記基板上に形成されるL21又はB2構造の結晶構造を有するCo2Fe(Si1-xAlx)(ここで、0<x<1)磁性薄膜から成ることを特徴とする、トンネル磁気抵抗効果素子。

【請求項6】
 
前記基板が、熱酸化Si,ガラス,MgO単結晶,GaAs単結晶,Al2O3単結晶の何れか一つから成ることを特徴とする、請求の範囲4又は5に記載のトンネル磁気抵抗効果素子。

【請求項7】
 
前記基板と前記Co2Fe(Si1-xAlx)(ここで、0<x<1)磁性薄膜との間にバッファ層が配設されていることを特徴とする、請求の範囲4~6の何れかに記載のトンネル磁気抵抗効果素子。

【請求項8】
 
基板と、フリー層となる強磁性層と、非磁性金属層と、ピン層となる強磁性層と、を含み、
上記強磁性層の何れかが、上記基板上に形成されるL21又はB2構造の結晶構造を有するCo2Fe(Si1-xAlx)(ここで、0<x<1)磁性薄膜から成り、膜面垂直方向に電流を流すことを特徴とする、巨大磁気抵抗効果素子。

【請求項9】
 
基板と、フリー層となる強磁性層と、非磁性金属層と、ピン層となる強磁性層と、を含み、
上記フリー層となる強磁性層は、上記基板上に形成されるL21又はB2構造の結晶構造を有するCo2Fe(Si1-xAlx)(ここで、0<x<1)磁性薄膜から成り、膜面垂直方向に電流を流すことを特徴とする、巨大磁気抵抗効果素子。

【請求項10】
 
前記基板が、熱酸化Si,ガラス,MgO単結晶,GaAs単結晶,Al2O3単結晶の何れか一つから成ることを特徴とする、、請求の範囲8又は9に記載の巨大磁気抵抗効果素子。

【請求項11】
 
前記基板と前記Co2Fe(Si1-xAlx)(ここで、0<x<1)磁性薄膜との間にバッファ層が配設されていることを特徴とする、請求の範囲8~10の何れかに記載の巨大磁気抵抗効果素子。

【請求項12】
 
基板と、該基板上に形成されるL21又はB2構造の結晶構造を有するCo2Fe(Si1-xAlx)(ここで、0<x<1)磁性薄膜と、を有することを特徴とする、磁気デバイス。

【請求項13】
 
前記磁気デバイスは、フリー層となる強磁性層を有するトンネル磁気抵抗効果素子又は巨大磁気抵抗効果素子を備え、
上記フリー層が、前記基板上に形成されるCo2Fe(Si1-xAlx)(ここで、0<x<1)磁性薄膜で成ることを特徴とする、請求の範囲12に記載の磁気デバイス。

【請求項14】
 
前記基板が、熱酸化Si,ガラス,MgO単結晶,GaAs単結晶,Al2O3単結晶の何れか一つから成ることを特徴とする、請求の範囲12又は13に記載の磁気デバイス。

【請求項15】
 
前記基板と前記Co2Fe(Si1-xAlx)(ここで、0<x<1)磁性薄膜との間にバッファ層が配設されていることを特徴とする、請求の範囲12~14の何れかに記載の磁気デバイス。

【請求項16】
 
基板と、該基板上に形成されるL21又はB2構造の結晶構造を有するCo2Fe(Si1-xAlx)(ここで、0<x<1)磁性薄膜と、を有することを特徴とする、磁気装置。

【請求項17】
 
前記磁気装置は、フリー層となる強磁性層を有するトンネル磁気抵抗効果素子又は巨大磁気抵抗効果素子を備え、
上記フリー層が前記基板上に形成されるCo2Fe(Si1-xAlx)(ここで、0<x<1)磁性薄膜で成ることを特徴とする、請求の範囲16に記載の磁気装置。

【請求項18】
 
前記基板が、熱酸化Si,ガラス,MgO単結晶,GaAs単結晶,Al2O3単結晶の何れか一つから成ることを特徴とする、請求の範囲16又は17に記載の磁気装置。

【請求項19】
 
前記基板と前記Co2Fe(Si1-xAlx)(ここで、0<x<1)磁性薄膜との間にバッファ層が配設されていることを特徴とする、請求の範囲16~18の何れかに記載の磁気装置。

【請求項20】
 
前記磁気装置が、磁気ヘッド、該磁気ヘッドを用いた磁気記録装置、MRAM、ハードディスク駆動装置を含むことを特徴とする、請求の範囲16~19の何れかに記載の磁気装置。

【請求項21】
 
前記バッファ層が、Cr,Ta,V,Nb,Ru,Fe,FeCo合金,フルホイスラー合金のうち少なくとも一つから成ることを特徴とする、請求の範囲3に記載の磁性薄膜。

【請求項22】
 
前記バッファ層が、Cr,Ta,V,Nb,Ru,Fe,FeCo合金,フルホイスラー合金のうち少なくとも一つから成ることを特徴とする、請求の範囲7に記載のトンネル磁気抵抗効果素子。

【請求項23】
 
前記バッファ層が、Cr,Ta,V,Nb,Ru,Fe,FeCo合金,フルホイスラー合金のうち少なくとも一つから成ることを特徴とする、請求の範囲11に記載の巨大磁気抵抗効果素子。

【請求項24】
 
前記バッファ層が、Cr,Ta,V,Nb,Ru,Fe,FeCo合金,フルホイスラー合金のうち少なくとも一つから成ることを特徴とする、請求の範囲15に記載の磁気デバイス。

【請求項25】
 
前記バッファ層が、Cr,Ta,V,Nb,Ru,Fe,FeCo合金,フルホイスラー合金のうち少なくとも一つから成ることを特徴とする、請求の範囲19に記載の磁気装置。
IPC(International Patent Classification)
F-term
Drawing

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JP2008513300thum.jpg
State of application right Registered
Reference ( R and D project ) CREST Creation of Nanodevices and System Based on New Physical Phenomena and Functional Principles AREA
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