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(In Japanese)直鎖状核酸分子懸架支持体、直鎖状核酸分子伸長方法および直鎖状核酸分子標本

Patent code P110004305
File No. RX08P28
Posted date Jul 11, 2011
Application number P2008-543157
Patent number P5167449
Date of filing Nov 7, 2007
Date of registration Jan 11, 2013
International application number JP2007072049
International publication number WO2008056816
Date of international filing Nov 7, 2007
Date of international publication May 15, 2008
Priority data
  • P2006-301633 (Nov 7, 2006) JP
Inventor
  • (In Japanese)加畑 博幸
  • (In Japanese)福家 有子
  • (In Japanese)水野 俊明
Applicant
  • (In Japanese)国立研究開発法人科学技術振興機構
Title (In Japanese)直鎖状核酸分子懸架支持体、直鎖状核酸分子伸長方法および直鎖状核酸分子標本
Abstract (In Japanese)染色体などの直鎖状核酸分子の新規な伸長技術を提供する。伸長された直鎖状核酸分子を複数の線状凸部の頂部の間で中空に懸架するための支持体は、直鎖状核酸分子と化学反応をしない材料からなる前記複数の線状凸部と、前記線状凸部の間の底部とからなる面を備える。伸長の際には、支持体の前記面の上に、直鎖状核酸分子を含む液体を静置する。次に、液体に含まれる直鎖状核酸分子にずり応力を与える。その結果、直鎖状核酸分子がファイバー状態に伸長されて複数の線状凸部の間に架け渡されて固定される。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

染色体は、遺伝情報を保持する巨大分子であるデオキシリボ核酸(DNA)を含んでいるが、自然状態では直径数μmの大きさに凝集している。DNAの配列や遺伝子を決定する従来の手法では、DNAを断片化してシーケンスを決定するので、解析により得られた各配列がうまくつながらないという問題や、全シーケンスを決定するとき時間と費用がかかるという問題があった。染色体をファイバー状に伸長できれば、DNAについての各種の解析が容易になる。このため、DNAの伸長や、伸長したDNA(DNAファイバー)についての解析が報告されている。また、DNAファイバーを用いたFISH法(蛍光・イン・シトゥ・ハイブリダイゼーション法)も報告されている。
たとえば、ContiおよびBensimonの論文(Genomics 80,135(2002))では、DNAファイバーを得るため、DNAを含む溶液にスライドガラスを沈めて、続いて引き上げる。このとき、スライドガラスの表面に付着したDNAの端部が乾燥して表面上に固定される。さらにスライドガラスを引き上げていくと、端部に続く部分が表面上に伸長され固定されていく。これにより0.24mmの長さの繊維状のDNA断片が得られている。なお、この技術で伸長したDNAは損壊しやすいことが知られている(Frans M.van de Rijke et al.,″DNA Fiber-FISH Staining Mechanism″,J.Histochem.Cytochem.48,743-745(2000))。
一本鎖DNAを伸長して固定したファイバーを、ナノアーキテクチャ法(ナノメートルサイズの複数の機能体を自在に連結させて高次化する技術)に応用することが報じられている(たとえば、居城邦治,「DNAを鋳型とした機能性分子の配列制御」,高分子49,781(2000))。種々の部材を組み上げて集合体を作製する際、組み立てのための鋳型として一本鎖DNAファイバーを活用すると、各部材群の位置決めと部材同士の連結の順番決めを行うことが可能となる。具体的にはつぎのとおりである。DNAは二重らせん体であるが、これは2分子の一本鎖DNAが互いに対合することで形成されている。この二重らせんの内部では、アデニン塩基とチミン塩基の間、そして、シトシン塩基とグアニン塩基の間で、それぞれ塩基特異的な水素結合が構築されている。よって、2分子の一本鎖DNAの塩基の並びは互いに相補的である。二重らせん内部の水素結合は昇温やアルカリ添加などによる変性処理によって解消されるため、可逆的に1分子の二重らせんを元の2分子の一本鎖DNAへと戻すことが可能である。一本鎖DNAファイバーを構成する塩基の並び(塩基配列)は、それ自体が直鎖状に示された番地である。すなわち、つぎの3要素、一本鎖DNAファイバー、ファイバー上の指定位置と塩基配列相補的に結合すること(ハイブリダイゼーション)ができる一本鎖DNA(プローブDNA)、そしてこのプローブDNAに把持されて運搬される部材、を用意すると、部材群は、それらを把持している各々のプローブDNAの塩基配列に応じて、一本鎖DNAファイバー上の指定配列へと誘導され、特異的な水素結合を形成して停留される。これを繰り返すことで、任意の部材同士を設計どおりに一列に配置させ、互いに結合させ、集合体へと成長させることができる。この場合、一本鎖DNAファイバーは溶液中に懸架されているほうが、機能分子の並びが容易になる。
上述のContiおよびBensimonのDNAファイバー化技術では、スライドガラスの上にDNAファイバーを採取する段階でDNAファイバーが断片化されていた。これは、採取時の風乾にともなって気液界面メニスカスが発生し、このメニスカスにおいてはDNAファイバーが切れやすいためである。DNAを長く伸長するには気液界面での表面張力について職人的技術が必要であり、この方法によるファイバー化は再現性が低かった。また、この技術で伸長したDNAの二重らせん構造は、表面特異的で無作為な損壊(らせん間隔とねじれの乱れや、二重らせんのうちの一本鎖の切断)を受ける。
また、上述のContiおよびBensimonの技術で得られるDNAファイバーは、DNA二重らせんが基板の表面に圧着することによって形成される。すなわち、二重らせんを構成する2分子の一本鎖DNAは、両者共に基板表面に拘束されている。したがって、FISH法の工程の内のひとつである二重らせんの変性(2分子の一本鎖DNA双方が解離し合って、外部から別の一本鎖DNAを受容すること)は阻害を受けやすい。阻害を受けることを避け、変性の効率を高める工夫が、より有効なFISH法の実現に求められている。
DNAファイバーを対象にしたFISH法やナノアーキテクチャ法の工程において、二重らせんの変性のあとにはプローブのハイブリダイゼーションが行われる。このプローブは、たとえば蛍光標識された外来の一本鎖DNAである。ハイブリダイゼーションは、解離した2分子の一本鎖DNAのうちのいずれかと塩基配列特異的に結合することである。ところが、上述のContiおよびBensimonの技術で得られるDNAファイバーに関しては、DNAが基板に近接しているため表面から立体障害を被っており、プローブがDNAファイバーと接触し、結合し、ハイブリダイゼーションを果たすことが困難である。このハイブリダイゼーションの効率を高める有効な解決策は、従来のFISH法やナノアーキテクチャ法には不在である。
FISH法においては、たとえばプローブ結合の有無により遺伝子の有無が、あるいは、ファイバー上におけるプローブの存在場所により遺伝子の分布が解析される。ハイブリダイゼーションが実施される際、通例、プローブの量はDNAファイバーの量よりも大過剰である。このとき、プローブの大多数は、DNAファイバーを載せた基板表面と同一の表面上に非特異的に吸着し、強い輝度の蛍光バックグランドを発する。このバックグランドは、DNAファイバーと特異的なハイブリダイゼーションを果たした意義のあるプローブが発する蛍光よりも強い。このことは、解析結果であるはずの光シグナルの検出を困難にすることであり、たとえば前述の遺伝子の有無の同定を阻害する。
また、電気浸透流を用いてDNAの伸長が可能である(たとえばK.Terao,H.Kabata,and M.Washizu,J.Phys,Condens.Matter 18,S654(2006))。ガラス板上に固定された染色体を電気浸透流の中におくことによりDNAをたとえば約0.8mmの長さまで伸長できる。しかし、この方法では、電気浸透流がない状態では、DNAは元のように折りたたまれてしまう。また、電気浸透流を用いるための専用の機材が必要であった。また、専用機材の中の電気浸透流における伸長DNAは、顕微鏡の視野内に収まらないため観察が困難であった。
ガラス板上に一端が固定された染色体を電気浸透流の中におく方法では、電気浸透流がない状態では、DNAは元のように折りたたまれてしまう。また、電気浸透流を用いるための専用の機材が必要であった。また、専用機材の中の電気浸透流における伸長DNAは、顕微鏡の視野内に収まらないため観察が困難であった。
国際公開WO2004/083429A1に記載されたDNA断片増幅のための反応装置では、基板の上に複数の柱状体が形成され、柱状体の表面には、DNA断片の増幅対象部分の配列と相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドが付着されている。柱状体は、DNA断片が固定可能な任意の形状の突起部である。柱状体の間隔は、増幅対象部分の両側に設けられた固定用部分の間の距離と同等、または、それよりわずかに短くする。増幅対象部分を含むDNA断片は、伸長させた状態で導入されて、柱状体の表面のオリゴヌクレオチドとの化学結合により柱状体に固定される。このとき、増幅対象部分の2つの固定用部分のうち一方又は両方が柱状体に固定される。こうして、増幅対象部分が伸長された状態でポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)が行われる。この方法では、DNA断片の伸長は反応装置の外部で行わねばならず、また、増幅対象が異なるごとに、それに対応した反応装置を作成しなければならない。
DNAに関して、たとえば田畑仁らの総説(表面科学24,677(2003))によると、高分子としての電気特性を科学的興味から解明しようとする基礎研究、ならびに、Kerenらの論文(Science 302,1380(2003))によると、直鎖という構造特性を電気回路配線のための足場に転用しようとする応用開発が試みられている。それらはたとえば、DNAを伸長したあとで、DNAに内在すると予測されている電気伝導度を測定すること、あるいは、DNAをカーボンナノチューブで部分的に被覆することである。しかし、DNAは凝集する性質と折りたたまれる性質があるため、厳密な計測に要求されるDNA分子の数と配向を制御することが困難であった。
DNAの電気伝導を厳密に決定するとき、本来は、孤立したDNAファイバー単独を測定対象にすべきであるが、実際は、塊状もしくは膜状に凝集した複数のDNA分子が計測されている。また、このとき、DNA分子の凝集体はたとえばマイカ平板の上に乱雑に固着されているため、測定環境(平板近傍の水和、気液雰囲気、イオンなどの導電性夾雑物の存在、DNA濃度の不均一、DNA構造の不整合)は不確定であった。これを解決するには、一定不変の測定環境を提供できる大量の溶液中においてDNAをファイバー状に固定し測定することである。つまり、DNAファイバーは表面から離れた位置に懸架されることが好ましい。
直鎖状高分子の一例として二重らせんDNAを電気回路の配線に用いるためには、より長いDNA分子を取り扱う必要がある。しかしながら、従来は3000bp長から50000bp長まで(1ミクロンから16ミクロン)の比較的短い、そして、入手が容易な限られた種類のDNAのみが取り扱われている。また、一本の配線(この場合、1分子のDNAファイバー)上に複数の通電点(結節点)が設けられる必要があるが、実現されていない。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は、染色体などの直鎖状核酸分子のファイバー状態への伸長やハイブリダイゼーションに関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
複数の線状凸部と、前記線状凸部の間の底部とからなる面を備え、
前記線状凸部は、直鎖状核酸分子と化学反応をしない材料からなり、
伸長された直鎖状核酸分子を前記複数の線状凸部の頂部の間で中空に懸架するための支持体。

【請求項2】
 
前記底部の幅は、当該底部の両側の前記線状凸部の頂部の間に渡された直鎖状核酸分子が弾性により伸びても当該底部に接触しない値を備えることを特徴とする請求項1に記載された支持体。

【請求項3】
 
前記複数の線状凸部が同心円をなすことを特徴とする請求項1に記載された支持体。

【請求項4】
 
前記複数の線状凸部が同心多角形をなすことを特徴とする請求項1に記載された支持体。

【請求項5】
 
前記複数の線状凸部が網目を形成することを特徴とする請求項1に記載された支持体。

【請求項6】
 
前記線状凸部および前記底部の少なくとも一方が多孔性材料からなることを特徴とする請求項1に記載された支持体。

【請求項7】
 
前記複数の線状凸部は高さが一定でないことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載された支持体。

【請求項8】
 
さらに、前記面に対向するふた材を備え、このふた材の前記面に対応する面は、前記支持体に被された状態で前記線状凸部に当接可能な突状部を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載された支持体。

【請求項9】
 
請求項1~8のいずれかに記載の支持体において、前記複数の線状凸部の間の前記底部は、電荷を帯びた材料または人為的に荷電処理した材料からなる電気浸透流もしくは電気泳動流を生成する表面であり、前記線状凸部の間が前記電気浸透流もしくは前記電気泳動流の流路であり、前記流路で直鎖状核酸分子が搬送されることを特徴とする支持体。

【請求項10】
 
請求項1~8のいずれかに記載されている支持体と、
前記直鎖状核酸分子懸架支持体の前記複数の線状凸部の間に中空状態で架け渡されて固定されているファイバー状態の直鎖状核酸分子と
からなる直鎖状核酸分子標本。

【請求項11】
 
前記直鎖状核酸分子が、さらに、加熱、減圧または浸潤のいずれかによって溶解もしくは脆化可能な高分子可塑物質で被覆されていることを特徴とする請求項10に記載されている直鎖状核酸分子標本。

【請求項12】
 
ファイバー化可能であるが、ファイバー化されていない直鎖状核酸分子を含む液体を、複数の線状凸部と前記線状凸部の間の底部とからなる面を備え前記線状凸部が直鎖状核酸分子と化学反応をしない材料からなる支持体の前記面の上に静置し、
次に、前記直鎖状核酸分子懸架支持体の上の前記直鎖状核酸分子にずり応力を与え、その結果、前記直鎖状核酸分子がファイバー状態になって複数の前記線状凸部の頂部の間に架け渡されて固定される
直鎖状核酸分子伸長方法。

【請求項13】
 
前記ずり応力は、前記支持体を前記面に垂直な回転軸のまわりに回転して、回転により生じる遠心力により生じることを特徴とする請求項12に記載された直鎖状核酸分子伸長方法。

【請求項14】
 
さらに、ファイバー状態の前記直鎖状核酸分子をプローブとハイブリダイズすることを特徴とする請求項12または13に記載された直鎖状核酸分子伸長方法。

【請求項15】
 
直鎖状核酸分子を前記支持体に固定した後に、前記支持体の前記面と可視化のためのカバーガラスとの間に退色剤を封入して、前記直鎖状核酸分子を可視化することを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載された直鎖状核酸分子伸長方法。

【請求項16】
 
前記直鎖状核酸分子が1本鎖DNAまたは複数鎖DNAであり、直鎖状核酸分子を含む液体を前記支持体の前記面の上に静置するとき、さらに、可視化剤を加えて前記直鎖状核酸分子を可視化することを特徴とする請求項12から15のいずれかに記載された直鎖状核酸分子伸長方法。

【請求項17】
 
前記支持体として、前記線状凸部の間の底部が硬化後に溶解可能な高分子可塑物質で満たされ、前記高分子可塑物質が硬化されている前記支持体を用いることを特徴とする請求項12または13に記載された直鎖状核酸分子伸長方法。

【請求項18】
 
前記支持体はマイクロ流路であり、前記複数の線状凹部は流れ方向に配置され、前記ずり応力は、電気浸透流により生じることを特徴とする請求項12に記載された直鎖状核酸分子伸長方法。

【請求項19】
 
直鎖状核酸分子と化学反応をしない材料からなる複数の線状凸部と、前記線状凸部の間の底部とからなる面と、
前記複数の線状凸部の間に中空状態で架け渡され固定されたファイバー状態の直鎖状核酸分子とを備える
回路基板。

【請求項20】
 
前記ファイバー状態の直鎖状核酸分子が導電性物質あるいは金属で被覆されていることを特徴とする請求項19に記載された回路基板。
IPC(International Patent Classification)
F-term
Drawing

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JP2008543157thum.jpg
State of application right Registered
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