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(In Japanese)鉛フリー黄銅合金粉末、鉛フリー黄銅合金押出材およびその製造方法

Patent code P110005771
File No. RX03P82
Posted date Sep 13, 2011
Application number P2010-511043
Patent number P5376604
Date of filing Apr 24, 2009
Date of registration Oct 4, 2013
International application number JP2009058142
International publication number WO2009136552
Date of international filing Apr 24, 2009
Date of international publication Nov 12, 2009
Priority data
  • P2008-121475 (May 7, 2008) JP
Inventor
  • (In Japanese)近藤 勝義
  • (In Japanese)片野 元
  • (In Japanese)今井 久志
  • (In Japanese)上坂 美治
  • (In Japanese)小島 明倫
Applicant
  • (In Japanese)国立大学法人大阪大学
  • (In Japanese)サンエツ金属株式会社
Title (In Japanese)鉛フリー黄銅合金粉末、鉛フリー黄銅合金押出材およびその製造方法
Abstract (In Japanese)黄銅合金粉末は、α相とβ相の混合相からなる黄銅組成を有し、クロムを0.5~5.0質量%含有する。クロムは、黄銅の母相中に固溶する成分と、結晶粒界に析出する成分とを含む。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)


近年、環境問題が大きくクローズアップされており、合金開発においてもこの点の注意が必要である。6/4黄銅は、適度な強度および良好な機械的特性を有し、さらに非磁性であることから、機械部品として利用されるのみならず、ガス配管、水道配管、バルブなど広範囲に亘って利用されている。



6/4黄銅からなる部材の加工性を上げるために、通常、合金組成中に数%の鉛を含有させている。この鉛含有黄銅部材を水道配管に使用したとき、鉛が上水道中に溶け出すおそれがある。



上記の問題を解消するために、鉛レスの黄銅素材の開発が進められている。従来の開発例として、鉛の代わりにビスマスを添加したもの、特開2000-309835号公報(特許文献1)や国際公開公報WO98/10106(特許文献2)に開示されているようにスズを添加することによってγ相を析出させたもの、シリコンの微粒子を分散させたもの等がある。これらの開発技術の中には、鉛レスを実現するだけでなく、黄銅そのものの強度を同時に向上させて、応用範囲の拡大を図ったものもある。



しかしながら、ビスマスの添加は、鉛の添加と同程度の強度しか得られていないのが現状である。ビスマスおよび鉛は、共に、添加されることによって黄銅の強度を下げる元素であり、黄銅部材の強度向上には寄与しない。特開2000-309835号公報(特許文献1)や国際公開公報WO98/10106(特許文献2)に開示されているようにスズの添加によってγ相を析出させる方法は、黄銅部材の耐力値や引張強度などを向上させるが、黄銅部材の変形能が大きく低下して加工性に劣るようになる。それに加えて、γ相が起点となり脆性破壊するといった問題も生じてくる。シリコンの微粒子を分散させる方法は、黄銅合金部材の機械的強度の向上には寄与するが、部材の切削性が劣るようになるという欠点を有する。



第46回銅及び銅合金技術研究会講演大会講演概要集(2006)、pp.153-154、近藤勝義ほか(非特許文献1)には、「粉体プロセスによる完全鉛フリー快削性黄銅合金の特性」と題して、粉末冶金法を基調とした黒鉛粒子分散型快削性黄銅合金の作製法が開示されている。黒鉛添加のメリットは、完全鉛フリーにすることができるということと、リサイクルの際に溶融した黄銅上に黒鉛が浮くので分離が容易であるということにある。他方、添加した黒鉛による黄銅部材の強度向上は見込めない。そこで、黒鉛を添加するにあたっては、粉末冶金法を利用した黄銅部材の強度向上技術も考慮すべきである。



一般に、低融点金属を高温化で高融点金属中に溶融させようとすると、低融点金属の蒸気圧が高いために溶融中に急速に低融点金属が蒸発してしまい、所望の合金組成となるように制御することが困難である。



黄銅は、銅と亜鉛の合金である。この黄銅に高融点金属を添加すれば強度の向上が見込める可能性がある。しかしながら、亜鉛の沸点は907℃と低く、融点が1907℃のクロムや、融点が1902℃のバナジウムなどを添加するのは容易ではない。液相状態の黄銅の温度を上昇させて行けば必然的に亜鉛の蒸発量が増大し、急激に合金組成が銅リッチの方向へと変化してしまう。



高融点金属の溶融法としては、電子ビーム溶解法や水素プラズマアーク溶解法などがあるが、これらの方法は、大量生産に適した方法ではなく、希少金属の少量バッチ処理に用いられている。しかも、これらの方法では、低融点金属の蒸発を防ぐことはできない。



低融点金属中に、溶融した高融点金属を添加する方法も考えられるが、高融点金属をその融点まで加熱して溶解させるのは、工業的にみて、コスト的に見合わず、量産が困難である。そのため、一般的には、酸化物のテルミット反応を利用した方法や、より融点の低い母合金の添加などの方法が行なわれる。



特開平10-168533号公報(特許文献3)には、亜鉛中に合金成分を添加する方法が開示されている。この公報には、クロムの添加には母合金を使用したと記載されているが、Zn-Crの熱平衡状態図を見ると、クロムは亜鉛にほとんど固溶しないことがわかる。言い換えれば、亜鉛のマトリクス中に、化合物としてのZn17CrまたはZn13Crが分散した状態になることが理解できる。この母合金を亜鉛に添加した場合、亜鉛の成分比率が増えるだけで、クロム化合物に変化は起こらない。このように、非固溶元素でかつ高融点の金属を低融点金属中に溶解させることは、非常に困難であり、他の手法を開発する必要がある。



銅中へのクロムの添加は、亜鉛含有合金に比べて進んでいる。代表的なものとして、特開平11-209835号公報(特許文献4)や特開2006-124835号公報(特許文献5)に開示された手法がある。これらの公報に開示された方法では、銅中にクロム、ジルコニウム、テルル、イオウ、鉄、シリコン、チタンまたはリンの含有を行なっている。いずれも析出型の銅合金であり、強化相として銅・ジルコニウム化合物等の析出を行うものであるが、亜鉛含有の合金と異なり、高温でも合金化が可能であるので、これらの材料作製を容易にしている。



鉛レス黄銅の開発過程で、黒鉛を添加する手法として粉末冶金法を適用することが有効であることが知られている。これは、黒鉛と黄銅の混合が、粉末を使うことによって可能となったことが大きな理由である。通常の溶製法で黒鉛添加を試みたとしても、両者の比重の違いから、黒鉛は、黄銅の溶湯上に浮いてしまい、黄銅中に分散させることができない。

Field of industrial application (In Japanese)


本発明は、高強度黄銅合金に関するものであり、特に環境や人体に有害な鉛を含有しない黄銅合金粉末および黄銅合金押出材に関するものである。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
α相とβ相の混合相からなる黄銅組成を有し、水アトマイズ法によって急冷凝固した鉛フリー黄銅合金粉末であって、
クロムを0.5~5.0質量%含有し、
前記クロムは、黄銅の母相中に固溶する成分と、結晶粒界に析出する成分とを含む、鉛フリー黄銅合金粉末。

【請求項2】
 
前記黄銅の母相中に固溶する成分は、母相中に固溶して分散する成分と、母相中に析出物として分散する成分とを含む、請求項1に記載の鉛フリー黄銅合金粉末。

【請求項3】
 
前記クロムの含有量は、1.0~2.4質量%である、請求項1に記載の鉛フリー黄銅合金粉末。

【請求項4】
 
前記粉末中に、ニッケル、マンガン、ジルコニウム、バナジウム、チタン、シリコン、アルミニウムおよびスズからなる群から選ばれた少なくとも一つの元素を含む、請求項1に記載の鉛フリー黄銅合金粉末。

【請求項5】
 
α相とβ相の混合相からなる黄銅組成を有し、水アトマイズ法によって急冷凝固した黄銅合金粉末の集合体を押出加工することによって得られる鉛フリー黄銅合金押出材であって、
クロムを0.5~5.0質量%含有し、前記クロムが黄銅の母相中に固溶する成分と、結晶粒界に析出する成分とを含む、鉛フリー黄銅合金押出材。

【請求項6】
 
0.2%耐力値が300MPa以上である、請求項5に記載の鉛フリー黄銅合金押出材。

【請求項7】
 
引張強度が500MPa以上である、請求項5に記載の鉛フリー黄銅合金押出材。

【請求項8】
 
前記黄銅合金粉末に対して0.2~2.0重量%の黒鉛粒子を添加して混合した後に、この混合粉末集合体を押出加工することによって得られる、請求項5に記載の鉛フリー黄銅合金押出材。

【請求項9】
 
前記添加黒鉛粒子の粒子径は、1μm~100μmの範囲内にある、請求項8に記載の鉛フリー黄銅合金押出材。

【請求項10】
 
当該黄銅合金押出材の結晶粒のサイズが5μm以下である、請求項5に記載の鉛フリー黄銅合金押出材。

【請求項11】
 
前記結晶粒界に存在するクロム析出物の直径が100nm~500nmである、請求項5に記載の鉛フリー黄銅合金押出材。

【請求項12】
 
α相とβ相の混合相からなる黄銅組成を有し、クロムを0.5~5.0質量%含有する鉛フリー黄銅合金粉末を水アトマイズ法によって作製する工程と、
前記水アトマイズ法によって急冷凝固した黄銅合金粉末の集合体を押出加工する工程とを備える、鉛フリー黄銅合金押出材の製造方法。

【請求項13】
 
前記押出加工時の加熱温度は650℃以下である、請求項12に記載の鉛フリー黄銅合金押出材の製造方法。

【請求項14】
 
前記押出加工に先立ち、前記黄銅合金粉末に対して0.2~2.0重量%の黒鉛粒子を添加して混合する工程を備える、請求項12に記載の鉛フリー黄銅合金押出材の製造方法。
IPC(International Patent Classification)
F-term
Drawing

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JP2010511043thum.jpg
State of application right Registered
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