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多層膜光学素子 新技術説明会

国内特許コード P110005852
整理番号 Q13404JP
掲載日 2011年10月21日
出願番号 特願2010-000588
公開番号 特開2011-141129
登録番号 特許第5669295号
出願日 平成22年1月5日(2010.1.5)
公開日 平成23年7月21日(2011.7.21)
登録日 平成26年12月26日(2014.12.26)
発明者
  • 今園 孝志
  • 小池 雅人
  • 河内 哲哉
出願人
  • 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
発明の名称 多層膜光学素子 新技術説明会
発明の概要 【課題】広い波長帯域で使用できる多層膜光学素子を単純な製造工程で得る。
【解決手段】この多層膜反射鏡10においては、平坦な基板11上に多層膜構造20が、その上に上部積層構造30が形成されている。多層膜構造20においては、第1の高密度物質層21と第1の低密度物質層22とが周期的に積層されている。上部積層構造30においては、第2の高密度物質層31と第2の低密度物質層32とが積層されている。多層膜構造20と上部積層構造30との界面において、第1の低密度物質層22と第2の低密度物質層32とが直接接するような積層順序とされる。従って、第2の高密度物質層31の材料が第1の高密度物質層21と等しく、かつ第2の低密度物質層32の材料が第1の低密度物質層22と等しい場合には、基板11側から、ABAB・・・ABABBAという順序の積層構造が形成される。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


X線領域における物質(バルク材料)の反射率は極めて低く、可視光領域で利用されるようなレンズ等の屈折光学素子も殆どないことが知られている。しかし、屈折率(複素屈折率の実部)が1より僅かに小さいため、PtやAu等の薄い単層膜を平滑な基板上に積層させた全反射ミラーが有効で、高い反射率を得ることが可能である。単層膜の全反射ミラーの場合、入射角が全反射領域から外れると反射率は著しく低下する。これを克服する手段としては、重元素からなる層と軽元素からなる層を周期的に交互に積層した多層膜が全反射領域より高角側でも高い反射率を得られることが知られ、平滑性の高い平面基板上にこの多層膜を形成すれば、X線に対して高い反射率をもつ平面鏡となる。基板を曲面とした場合でも同様に曲面鏡を得ることができ、レンズのないX線領域でもこれを用いて結像光学系を構成することができる。



こうした多層膜がもつ高いX線反射率は、重元素からなる層と軽元素からなる層の周期的構造によるBragg反射(あるいは回折)に起因する。すなわち、各層からの反射波が強めあうように入射角、波長、及び層厚が設定された場合に特に高い反射率が得られる。こうした多層膜を用いて構成されたX線用光学素子は、各種のX線光学機器(顕微鏡や望遠鏡等)において極めて有用である。



特に、この多層膜を回折格子の回折面上に形成し、回折格子における回折条件と、この多層膜におけるBragg回折条件とを整合させることにより、回折効率を高めることも可能である。例えば、特許文献1に示されるように、こうした構成の多層膜ラミナー型回折格子が知られている。



しかしながら、多層膜鏡においては、入射角を固定した場合、Bragg条件を満たす波長近傍しか高い反射率が得られない。従って、この鏡を使用できる波長帯域(反射幅)は極めて狭いという問題点がある。反射幅の狭帯化はX線のエネルギーが高いほど(短波長ほど)顕著となる。



この点を解消するために、例えば非特許文献1に記載された多層膜スーパーミラーという技術が知られている。多層膜スーパーミラーにおいては、多層膜の上部(表面側)ほど周期長Dを大きく、下部(基板側)ほどDを小さく、順次変化させることにより、長波長(低エネルギー)のX線は主に多層膜の上部で、短波長(高エネルギー)のX線は主に多層膜の下部でそれぞれ反射されるため、結果として短波長から長波長まで広い波長帯域のX線を反射させることができる。

産業上の利用分野


本発明は、X線領域での広い波長範囲で高い反射効率や回折効率をもつ多層膜光学素子の構造に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
基板上に、低密度物質層と、前記低密度物質層よりも密度が高い高密度物質層とが交互に周期的に積層されて形成された構造を具備する多層膜光学素子であって、
第1の低密度物質層と第1の高密度物質層とが交互に周期的に積層された多層膜構造が、前記第1の低密度物質層が前記多層膜構造における最上層となるように前記基板上に形成され、
前記第1の低密度物質層と同じ物質で構成された第2の低密度物質層が前記多層膜構造の最上層である前記第1の低密度物質層の上に接して形成され、前記第1の高密度物質層と同じ物質で構成された第2の高密度物質層が前記第2の低密度物質層と接し前記多層膜光学素子の最上層となるように形成され、
前記第1の低密度物質層と前記第1の高密度物質層を一対とする前記多層膜構造の周期長Dに対する前記第2の低密度物質層と前記第2の高密度物質層とからなる上部積層構造の厚さDの比、D/Dが1.0±0.05の範囲内であることを特徴とする多層膜光学素子。

【請求項2】
前記第1の高密度物質層の材料と前記第2の高密度物質層の材料がW又はNiであることを特徴とする請求項1に記載の多層膜光学素子。

【請求項3】
前記第1の低密度物質層の材料と前記第2の低密度物質層の材料がBC、B、C、SiOのいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層膜光学素子。

【請求項4】
前記基板は鏡面基板、回折格子基板、ゾーンプレート基板のいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の多層膜光学素子。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010000588thum.jpg
出願権利状態 登録


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