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種々の疾病の原因が遺伝子レベルで明らかにされつつあり、遺伝子に欠陥のある細胞に外部から遺伝子を導入することによって疾病を治療しようとする遺伝子治療に関する臨床研究が活発に行われている。しかしその一方で、かかる遺伝子治療の治療実績は十分とは言えないのが現状である。この原因の一つとして遺伝子導入効率の低さが挙げられ、その改善を目的として遺伝子導入剤の改良が試みられている。
従来の遺伝子治療で用いられているベクターの多くはウイルスベクターである。しかし、ウイルスベクターは、ベクターの中から増殖能力があるウイルスを完全に除外できる保証が得られないこと、さらに導入遺伝子を含むウイルスのゲノムが染色体に組み込まれる際に他の遺伝子を不活性化したり活性化したりする可能性を有するといった欠点が指摘されている。一方、非ウイルス性ベクターの開発も行われ、カチオニックリポソーム、カチオニックリピッド、カチオニックペプチドなどのいわゆるカチオニックキャリアーに関する報告が数多くなされている。しかしながら、現在市販されている遺伝子導入剤の多くは、血清の存在により、その遺伝子導入効率が著しく低下することが知られている。
また、特開2001-103969号公報には、シクロデキストリンとデンドリマーとの結合体であって、前記シクロデキストリンがα、β又はγシクロデキストリンであり、前記デンドリマーがポリアミドアミン型であることを特徴とするシクロデキストリン・デンドリマー結合体を遺伝子導入ベクターとして使用できることが記載されている。しかしながら、特開2001-103969号公報に記載の遺伝子導入ベクターを用いて遺伝子導入を行った場合も、血清が培地中に存在すると遺伝子導入効率が低下するという問題があった。
本発明は、糖で修飾したシクロデキストリン・デンドリマー結合体、該結合体からなる遺伝子導入剤、及び該結合体を用いて細胞に遺伝子を導入する方法に関する。