TOP > 国内特許検索 > 電気化学反応器及びそれを使用した燃料ガスの製造方法
家畜排泄物及び下水処理場のメタン発酵で発生するバイオガスはメタン(CH4)60%及び二酸化炭素(CO2)40%を含んでいる。これらの反応により生成する水素及び一酸化炭素は種々の燃料として利用できる。また、二酸化炭素をバイオガスと再度混合することで、燃料のクローズドシステムの確立が可能となる。
従来、電極での酸化還元反応を利用して、CH4-CO2系ガスからH2-CO系燃料ガスを合成する方法として、Ni触媒を用いたメタンのCO2ドライリフォーミングがある。このドライリフォーミングは(1)式で表される。 CH4+CO2→2H2+2CO・・・(1)
しかしながら、ドライリフォーミングでは、(2)式に示すように、600℃未満の温度で一酸化炭素(CO)がCO2及びCに不均化反応を起こす。このため、600℃以上の高温で処理を行う必要がある。 2CO→CO2+C・・・(2)
一方、高温下では、(3)式に示すように、CH4の熱分解が進行し、析出する炭素がNi触媒を覆う。このため、触媒能が時間の経過とともに低下する。また、析出した炭素により、反応ガスの閉塞が生じる。 CH4→2H2+C・・・(3)
このように、従来のドライリフォーミングでは、どのような温度で処理を行っても、高効率で燃料ガスを合成することができない。
本発明は、酸化還元反応を利用した燃料ガスの合成に好適な電気化学反応器及びそれを使用した燃料ガスの製造方法に関する。
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