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(In Japanese)蛋白質の分解活性を測定するためのプローブ試薬

Patent code P130009622
File No. E088P10
Posted date Jul 17, 2013
Application number P2011-550970
Patent number P5954728
Date of filing Jan 21, 2011
Date of registration Jun 24, 2016
International application number JP2011051089
International publication number WO2011090159
Date of international filing Jan 21, 2011
Date of international publication Jul 28, 2011
Priority data
  • P2010-012084 (Jan 22, 2010) JP
Inventor
  • (In Japanese)宮脇 敦史
  • (In Japanese)平野 雅彦
Applicant
  • (In Japanese)国立研究開発法人科学技術振興機構
  • (In Japanese)国立研究開発法人理化学研究所
Title (In Japanese)蛋白質の分解活性を測定するためのプローブ試薬
Abstract (In Japanese)この発明は、N末側からC末端側に向かって順番に、蛍光蛋白質I、蛋白質の分解を停止させるペプチド(分解停止ペプチド)、スペーサーペプチド、蛍光蛋白質II、および分解を受ける蛋白質のそれぞれのアミノ酸配列を含んでなるプローブ試薬であって、ここで該分解を受ける蛋白質がユビキチン-プロテアソーム系で分解される蛋白質であり、および、該プローブ試薬のC末端側から分解を受けるがその分解は分解停止ペプチドで停止することを特徴とするプローブ試薬、該プローブ試薬をコードする核酸、あるいはプローブ試薬または核酸の使用に関する。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

細胞がもつ蛋白質の分解経路の1つとして、ユビキチン-プロテアソーム系がよく知られている。この反応系では、変性した蛋白質や折りたたみが異常な蛋白質にユビキチンとよばれる小型の蛋白質が複数個、鎖状に付加される。このユビキチン鎖は分解されるべき蛋白質としての目印となり、蛋白質の分解装置であるプロテアソームによって認識され破壊される。この系により、細胞内の異常な蛋白質の除去が行われる。しかし、ユビキチン-プロテアソーム系は、必ずしも細胞内の蛋白質の品質管理を行うためだけの系ではない。構造的、機能的に正常な蛋白質であっても、そのときの細胞の状態に応じて分解し、その活性を抑えることで種々の細胞機能の制御を行っている。これまでに多くの蛋白質がユビキチン-プロテアソーム系によってその存在量が制御されることが知られている。これらの蛋白質の機能としては、細胞周期の制御、遺伝子発現の調節、ストレス応答、DNAの修復など多種多様である。このように、細胞が示す多くの生命現象がこの系によって制御されていることから、ユビキチン-プロテアソーム系は細胞の正常な活性の維持に欠かせないものとされている。そのため、この蛋白質分解系の機能低下は細胞に危機的な影響を与える。アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患では、細胞内に異常な蛋白質の蓄積や凝集が観察されるが、これらの疾患の発症の原因としてユビキチン-プロテアソーム系の機能異常が示唆されている。またユビキチン-プロテアソーム系が、細胞周期やDNAの修復などにも関与することから、この系の破綻から細胞の癌化が誘導されることも知られている。このように、ユビキチン-プロテアソーム系が多くの重要な生命現象の制御を担っていることから、この反応系を精確かつ簡便に測定する手法を開発することは、細胞が示す生命現象のメカニズムの解明だけでなく、その異常によって誘発される疾患に対する治療法や薬剤の開発にも大きく貢献するものと思われる。

細胞内で行われるユビキチン-プロテアソーム系での蛋白質の分解の測定には、従来、ウェスタンブロッティングなどの生化学的な手法が用いられてきた。この手法では多数の細胞をまとめて破壊し、その成分を回収する。その中に含まれる測定対象とする蛋白質を、電気泳動で分子量に応じて分離、さらに特異的な抗体を利用した染色により検出する。これによりその蛋白質の存在量や分解活性が測定される。しかし、この手法では操作が煩雑で時間を要するうえ、生きている個々の細胞での測定が行えない。

近年、ホタルなどが示す生物発光反応に関わるルシフェリン、ルシフェラーゼや、オワンクラゲなどから得られた蛍光蛋白質を、細胞内の分子の動態をモニタするためのプローブ試薬として応用する技術が大いに発展した。これが顕微鏡イメージングの技術の進歩とあいまって、細胞内の特定の生理的活性を時空間的に可視化し、計測するための手法が一般化されてきた。プロテアソームでの蛋白質の分解活性についても、この手法により生きた細胞内で計測されるようになっている。この手法では、測定対象とされる蛋白質をルシフェラーゼや蛍光蛋白質と融合させたものをプローブ試薬としている(特許文献1)。この蛋白質が細胞に存在するときには、標識とされた発光あるいは蛍光が観察されるが、プロテアソームで分解されるときには融合されたルシフェラーゼや蛍光蛋白質も道連れとなっていっしょに分解されるため、発光や蛍光が観察されなくなる。したがって、これらの光強度の変動をモニタすることでこの蛋白質の分解活性を測定することができる。これまでにこの手法により、IκBα,p27,p53,HIF-1αなどといった蛋白質の分解の測定が行われている(特許文献2、非特許文献1~3)。しかし、これらのプローブ試薬では標識として使用されるルシフェラーゼや蛍光蛋白質が1種類であることから、発光または蛍光を1波長のみで測定している。このため、光の強度が、プローブ試薬の分布や発現量の不均一、細胞や組織の形態、退色などによる消光、励起光のむらなどといった蛋白質の分解活性に依存しない要因により影響を受けることで、定量的な測定が困難となっている。また分解活性が高まることで光量が減少した場合に、検出器の感度の不足やS/Nの低下が生じ、精確な測定が困難になるという問題もある。

1波長のみでの測光法で問題となる蛋白質の分解に依存しない要因の影響は、発光や蛍光を2波長で測定し、その強度の比をもとめることでキャンセルすることができる。Davisらの手法では、測定対象とする蛋白質、IκBαをコメツキムシ由来の緑色の発光を示すルシフェラーゼ(CBG68)と融合させて細胞に発現させた。またこれと同時にコメツキムシ由来の赤色の発光を示すルシフェラーゼ(CBR)を同じ細胞に発現させた。CBG68の発光量は、IκBαのプロテアソームでの分解活性に応じて増減を示す。一方、CBRの発光はその影響を受けないため対照として使用された。彼らはマルチウェルのプレートで培養された細胞群で発光測定を行っており、ウェル間の細胞数の違いなどに由来する発光量の差異を補正するために、IκBαの分解活性を緑/赤の発光強度の比として計測した(非特許文献4)。この手法では、1波長測光法と比べれば定量性を向上させてはいるが、2つのプローブ分子を個別に発現させるために、細胞間でこれらの発現量の比、すなわち発光強度の比を揃えることが困難であるという問題がある。また標識として使用されるルシフェラーゼや蛍光蛋白質の性質によっては、これらが細胞内に均一に分布せずその局在に違いが出てしまうというおそれもある。これらのことは、特に単一細胞レベルでの蛋白質の分解活性を測定したい場合にその精度を落とす要因となる。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は、生きている細胞内でユビキチン-プロテアソーム系に依存した特定の蛋白質分解活性を測定するための蛍光プローブ試薬に関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
N末側からC末端側に向かって順番に、
(1)蛍光蛋白質I、
(2)蛋白質の分解を停止させるペプチドである分解停止ペプチド、
(3)スペーサーペプチド、
(4)蛍光蛋白質II、および、
(5)プローブ試薬内の分解を受ける蛋白質であるデグロン蛋白質、
のそれぞれのアミノ酸配列を含んでなるプローブ試薬であって、
ここで該分解停止ペプチドが、p105由来であってかつ配列番号17のアミノ酸残基376~404において少なくともアミノ酸残基392~404を含むアミノ酸配列からなるペプチドであること、
該スペーサーペプチドが、配列番号17のアミノ酸残基405~440において少なくともアミノ酸残基405~409を含むアミノ酸配列からなるペプチド、或いは配列番号15のアミノ酸配列からなるペプチドであること、
該デグロン蛋白質が、ユビキチン-プロテアソーム系で分解される蛋白質であること、および、
該プローブ試薬のC末端側から分解を受けるがその分解は該分解停止ペプチドで停止すること、
を特徴とするプローブ試薬。

【請求項2】
 
前記蛍光蛋白質Iおよび前記蛍光蛋白質IIは、励起波長が異なる、蛍光波長が異なる、または、励起波長と蛍光波長の両方が異なるものである、請求項1に記載のプローブ試薬。

【請求項3】
 
前記蛍光蛋白質Iおよび前記蛍光蛋白質IIはそれぞれ、蛍光エネルギー移動(FRET)でのドナーとアクセプタである、請求項1または2に記載のプローブ試薬。

【請求項4】
 
核局在化シグナルまたは核外搬出シグナルをさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のプローブ試薬。

【請求項5】
 
請求項1~4のいずれか1項に記載のプローブ試薬をコードする核酸。

【請求項6】
 
請求項5に記載の核酸を発現可能に含むベクター。

【請求項7】
 
請求項6に記載のベクターを含む形質転換細胞。

【請求項8】
 
ユビキチン-プロテアソーム系の異常に関連する疾病細胞である、請求項7に記載の形質転換細胞。

【請求項9】
 
請求項1~4のいずれか1項に記載のプローブ試薬、請求項6に記載のベクター、あるいは請求項7または8に記載の形質転換細胞を用いて、プロテアソーム活性を制御する候補物質の存在下で細胞におけるユビキチン-プロテアソーム系での該プローブ試薬蛋白質の分解活性を測定することを含む、ユビキチン-プロテアソーム系の異常に関連する疾病の治療剤をスクリーニングする方法。

【請求項10】
 
前記プローブ試薬蛋白質の分解活性を、蛍光蛋白質Iと蛍光蛋白質IIの蛍光強度の比の変化として測定する、請求項9に記載の方法。

【請求項11】
 
前記細胞がユビキチン-プロテアソーム系の異常に関連する疾病細胞である、請求項9または10に記載の方法。

【請求項12】
 
請求項1~4のいずれか1項に記載のプローブ試薬または請求項6に記載のベクターと、疾病患者からの細胞または細胞抽出液とを接触させて該プローブ試薬蛋白質の分解活性を測定することを含む、ユビキチン-プロテアソーム系の異常と疾病との関連を調べる方法。

【請求項13】
 
プローブ試薬内の分解を受ける蛋白質であるデグロン蛋白質が疾病に関連する蛋白質である、請求項9または12に記載の方法。
IPC(International Patent Classification)
F-term
Drawing

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JP2011550970thum.jpg
State of application right Registered
Reference ( R and D project ) ERATO MIYAWAKI Life Function Dynamics AREA
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