Top > Search of Japanese Patents > (In Japanese)生殖系列キメラを介して致死的魚類半数体に由来する生殖細胞から遺伝的に同一な配偶子を得る方法

(In Japanese)生殖系列キメラを介して致死的魚類半数体に由来する生殖細胞から遺伝的に同一な配偶子を得る方法

Patent code P130009639
Posted date Jul 17, 2013
Application number P2011-553871
Patent number P5843153
Date of filing Feb 9, 2011
Date of registration Nov 27, 2015
International application number JP2011052772
International publication number WO2011099528
Date of international filing Feb 9, 2011
Date of international publication Aug 18, 2011
Priority data
  • P2010-026904 (Feb 9, 2010) JP
Inventor
  • (In Japanese)山羽 悦郎
  • (In Japanese)荒井 克俊
  • (In Japanese)藤本 貴史
  • (In Japanese)斎藤 大樹
Applicant
  • (In Japanese)国立大学法人北海道大学
Title (In Japanese)生殖系列キメラを介して致死的魚類半数体に由来する生殖細胞から遺伝的に同一な配偶子を得る方法
Abstract (In Japanese)本発明は、魚類半数体生殖細胞を有する生殖系列キメラ魚類を得る方法、当該方法によって得られた半数体生殖細胞を有する生殖系列キメラ魚類、及び当該方法によって得られた生殖系列キメラ魚類が産するドナー半数体生殖細胞に由来する遺伝的に同一な配偶子を提供することを目的とする。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

世界人口の増加により、食糧を安定的に確保する必要がある。これまで、生産量の多くを天然資源の漁獲に依存してきた水産業においても、育種と養殖の技術向上が必要である。農作物においては、古くから選抜育種が続けられており、さらに2つの純系を掛け合わせたF1雑種による、雑種強勢を利用した生産性の向上が行われて来た。

植物育種の一技術として葯培養(花粉培養)がある。これは、葯全体を培地上で培養し、中に含まれる半数体の花粉(雄性配偶体)細胞の増殖を促す技術である。半数体のまま植物体ができれば、さらに、そのゲノムを倍加することにより植物体をホモ接合化し、その結果、稔性を持つ純系を作出することができる。純系を人為的に誘起できれば、それらが作出する配偶子はすべて遺伝的に同一なクローンとなることが期待される。従って、それらの異なるクローン同士を掛け合わせることによって、雑種強勢を持つヘテロクローン系統を作り出せる。すなわち、葯培養を用いて有用な遺伝子型の早期固定と育種年限短縮ができる。葯培養を介した育種が成功した例として、「ななつぼし」や「ふっくりんこ」といった北海道米の品種がある。他にもイネ、タバコ、小麦などにおいても葯培養による育種の成功例がある。

魚類の半数体は、人為雌性発生あるいは雄性発生により誘起できる。前者は正常な卵を紫外線照射などで遺伝的に不活性化した精子で受精することで、後者は遺伝的に不活化した卵を正常な精子で受精することにより得られる(非特許文献1)。しかしながら、このようにして得た半数体はほとんどの場合、致死である。これらの半数体から純系を作出するためには、第一卵割阻止により半数体胚の染色体を倍加する必要がある。この方法により作出した個体は完全同型接合体となるので、これらが産出する遺伝的に同一な配偶子を利用して新たな有用品種、クローン系統を短期間で作出することが可能になる(非特許文献1)。しかし、この方法を用いた半数体倍加の成功率は極めて低いことが報告されている(非特許文献1)。この理由として、第一卵割処理自体の副作用の問題と、同型接合化による悪性の劣性有害遺伝子の発現による死亡あるいは繁殖能力の低下が考えられる(非特許文献1)。そこで、以上の技術とは異なる方法によりクローン配偶子を誘起する安定的な技術が求められている。一般に半数体個体は脊椎動物では致死的であるが、半数体の胚に正常二倍体の胚を組み合わせて作製した半数体-二倍体キメラのキンギョCarassius auratusは生育することができる(非特許文献2)。また、器官が半数体細胞のみならず、二倍体細胞によっても構成されている半数体-二倍体モザイクのイワナSalvelinus leucomaenis成魚が報告されている(非特許文献3)。これらの報告は半数体細胞が正常二倍体細胞と混合して細胞器官や、個体を作るとき、半数体の致死性は緩和されることを示す。このことは、半数体個体は致死であるが、半数体細胞は正常二倍体個体の中で生存可能なことを示している。

ドジョウMisgurnus anguillicaudatusには一部の野生集団においてクローン二倍体系統が存在する(非特許文献4)。このドジョウはクローンに由来する三倍体が産出する半数性卵のもつマイクロサテライトマーカー座の分析から異質な半数体ゲノムを2組持つことが示唆され、雑種起源であることが推定されている(非特許文献5)。自然クローンドジョウの雌は、母親の体細胞と遺伝的に同一な非還元二倍体卵を形成し(非特許文献6)、雌性発生により父性精子の遺伝的関与なしに発生することでクローン系統を維持している(非特許文献7)。一方、雄では、稀に生じるクローン二倍体-三倍体モザイクは二倍性精子を形成し(非特許文献8)、クローンを人為性転換した雄も二倍性精子を形成することが知られている(非特許文献9)。クローンドジョウ雌雄にみられる非還元配偶子形成には、細胞学的観察から、「減数分裂前の核内分裂(premeiotic endomitosis)」の機構が関与することが明らかにされてきた(非特許文献6、非特許文献10)。すなわち、染色体の倍加により生じた同一の染色体に起源する2本の姉妹染色体があたかも相同染色体のように複製、対合し、二価染色体を形成する。そして通常の減数分裂と同じ様式で2回の連続した分裂を行うことにより非還元卵を形成する。交叉、組み換えは生じるが、もともと同じ姉妹染色体間でのエレメントの交換であるので遺伝的変異は生じない。
以上の結果は、雑種起源等により、異質な染色体の対合が困難となった時、未解明の分子細胞機構により、減数分裂前に染色体の倍加が起きることを示唆している。従って、対合するべき染色体を持たない半数体の生殖細胞では、特別な処理をしなくても、自律的に染色体が倍加する可能性が考えられる。もし、この様なことが起これば、葯培養におけるゲノム倍加と同様な現象が魚類半数体生殖細胞においても期待しうる。

二倍体のホストに移植された始原生殖細胞(以下、「PGC」又は「PGCs」ともいう。)は、半数体であっても、ホスト内で生存する可能性がある。さらに移植されたこの半数性PGCsがホスト内で減数分裂前の核内分裂を行えば、葯培養と同様にホモ接合化が生じ、遺伝的に同一の配偶子形成が生じる可能性が考えられる。従って、以上のメカニズムにより、クローン配偶子を得ることが可能になると期待される。しかしながら、魚類において、半数体PGCsがホスト内で増殖し、かつ機能的な配偶子へ分化しうるか否かは不明であった。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は、魚類半数体生殖細胞を有する生殖系列キメラ魚類を得る方法、当該方法によって得られた半数体生殖細胞を有する生殖系列キメラ魚類、及び当該方法によって得られた生殖系列キメラ魚類が産するドナー半数体生殖細胞に由来する遺伝的に同一な配偶子に関するものである。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
a) ドジョウ、キンギョ又はゼブラフィッシュの卵(1n)、或いは
ドジョウ、キンギョ又はゼブラフィッシュの精子(1n)
の一方を遺伝的に不活化した後に媒精させて半数体ドナー受精卵(1n)を得る工程と、
b) ホスト魚類である、ドジョウ、キンギョ又はゼブラフィッシュの受精卵(3N)を得る工程と、
c) 前記半数体ドナー受精卵(1n)から発生した半数体ドナー胚(1n)から得たドナー始原生殖細胞(1n)を、
前記ホスト魚類である、ドジョウ、キンギョ又はゼブラフィッシュの受精卵由来の、不妊化されたホスト胚(3N)に移植する工程を含む、
ドナー始原生殖細胞(1n)由来の精原細胞(2n)を有し、遺伝的に同一な配偶子(1n)を生産するキメラ魚類を得る方法。

【請求項2】
 
卵又は精子の一方の遺伝的不活化が、紫外線照射又は放射線照射によって行われる、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
 
前記ホスト魚類の受精卵(3N)は、通常の倍数性の卵(1N)と四倍体魚(4N)の二倍体精子(2N)による受精によって得られるホスト魚類の受精卵(3N)である、請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】
 
前記ドナーは、色彩変異体又は遺伝子組換え体である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。

【請求項5】
 
前記ホスト胚(3N)は、前記ホスト受精卵のデットエンド遺伝子をノックダウンすることにより不妊化されている、不妊のホスト胚である、請求項1に記載の方法。

【請求項6】
 
前記ノックダウンは、デッドエンドアンチセンスモルホリノオリゴヌクレオチドを前記ホスト受精卵に注入する、請求項5に記載の方法。

【請求項7】
 
半数体ドナー受精卵及びホスト受精卵を区別するために、夫々に別のマーカーを導入する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。

【請求項8】
 
前記マーカーが蛍光mRNAである、請求項7に記載の方法。

【請求項9】
 
前記蛍光mRNAが、GFP nos 1 3’UTR mRNA又はDsRed nos 1 3’UTR mRNAである、請求項8に記載の方法。

【請求項10】
 
前記移植が、割球移植法、単一始原生殖細胞移植法、多価始原生殖細胞移植法、又は胚盤移植法によって行われる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。

【請求項11】
 
ドナー又はホスト受精卵を得た後に卵膜除去を行う、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。

【請求項12】
 
請求項1~11のいずれか一項に記載の方法によって得られたキメラ魚類からドナー始原生殖細胞由来の遺伝的に同一な配偶子(1n)を得る方法。
IPC(International Patent Classification)
F-term
State of application right Registered
Please contact us by E-mail or facsimile if you have any interests on this patent.


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close