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雑音抑圧装置および雑音抑圧方法 UPDATE コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P130009819
掲載日 2013年8月13日
出願番号 特願2007-071688
公開番号 特開2008-236270
登録番号 特許第5115952号
出願日 平成19年3月19日(2007.3.19)
公開日 平成20年10月2日(2008.10.2)
登録日 平成24年10月26日(2012.10.26)
発明者
  • 田邉 造
  • 古川 利博
出願人
  • 学校法人東京理科大学
発明の名称 雑音抑圧装置および雑音抑圧方法 UPDATE コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】AR係数の推定を必要としないシンプルで雑音抑圧能力が高い、カルマンフィルタに基づく雑音抑圧装置および雑音抑圧方法を提供する。
【解決手段】雑音抑圧処理部150は、AR係数を用いないカルマンフィルタを内蔵している。従来手法が線形予測を用いてAR係数を推定した後、その結果を用いてカルマンフィルタを実行することで雑音抑圧を実現しているのに対し、本手法では、カルマンフィルタのみを用いて雑音抑圧を実現するべく、信号源からのクリアな信号のみを用いて状態方程式を構成し、そのクリアな信号と付加雑音信号を用いて観測方程式を構成することで、高い雑音抑圧を実現している。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


所望の情報に不必要な情報が混在した受信情報(付加雑音などにより破損した情報)から不必要な情報を取り除き、所望情報のみを抽出することは、音声や無線通信、画像、姿勢制御などの分野における重要な技術であり、近年盛んに研究開発が行われている。



例えば、音声分野における公知の雑音抑圧方法としては、単一のマイクロホンを用いた方法や、複数のマイクロホンから構成されるマイクロホンアレイを用いた方法が提案されている。



しかしながら、マイクロホンアレイを用いた方法では、雑音信号の数が増大すると、マイクロホンの数も比例して増加することが避けらず、コストが増大する。そのため、現在は、単一のマイクロホンを用いた雑音抑圧方法の開発が主流となっている。



単一のマイクロホンしか用いない従来の雑音抑圧方法のアルゴリズムとしては、以下のようなものが知られている。



非特許文献1記載のANC(適応ノイズキャンセラ)アルゴリズムは、音声信号の周期性を利用してノイズ信号を低減する。



非特許文献2には、線形予測に基づいた雑音抑圧アルゴリズムが記載されている。このアルゴリズムは、ピッチ推定や、雑音パワースペクトラム、雑音の平均方向に関する事前知識を必要としない。



また、上記アルゴリズムとは別に、カルマンフィルタに基づいた雑音抑圧アルゴリズムが、非特許文献3に提案されている。このアルゴリズムは、音声信号を自己回帰(AR:AutoRegressive)過程でモデル化する。さらに、このアルゴリズムは、自己回帰モデルの係数(以下「AR係数」という)を推定し、推定したAR係数を用いたカルマンフィルタに基づいて雑音抑圧を実行する。このアルゴリズムは、AR係数を推定する必要があるため、上記他のアルゴリズムとは本質的に異なっている。



カルマンフィルタに基づいたアルゴリズムの多くは、通常、2段階で動作する。すなわち、このようなアルゴリズムは、最初にAR係数を推定し、次に推定したAR係数を用いたカルマンフィルタに基づいて雑音抑圧を行う。
【非特許文献1】
J.R. Deller, J.G. Proakis, J.H.L. Hansen, "Discrete-Time Processing of Speech Signals," Macmillan Press, 1993
【非特許文献2】
A. Kawamura, K. Fujii, Y. Itoh and Y. Fukui, “A Noise Reduction Method Based on Linear Prediction Analysis,” IEICE Trans. Fundamentals, vol.J85-A, no.4, pp.415-423, May 2002
【非特許文献3】
W. Kim and H. Ko, "Noise Variance Estimation for Kalman Filtering of Noise Speech," IEICE Trans. Inf. & syst., vol.E84-D, no.1, pp.155-160, Jan 2001

産業上の利用分野


本発明は、カルマンフィルタに基づく雑音抑圧装置および雑音抑圧方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
所望の情報に雑音が混在した観測情報のみから前記所望情報を推定する雑音抑圧装置であって、
前記観測情報を取得する取得手段と、
有色雑音を駆動源として用いるカルマンフィルタを用いて、取得された前記観測情報から前記雑音を除去して前記所望情報を抽出する抽出手段と、を有し、
前記カルマンフィルタは、
状態空間モデルの状態方程式において自己回帰モデルの係数を使用しないように構成されている、
雑音抑制装置。

【請求項2】
前記抽出手段は、
時刻nのみの観測情報に対して、時刻nまでの情報により前記所望情報を含む時刻n+1のシステムの状態量を推定した場合の推定誤差の第1相関値行列を算出する第1の相関演算部と、
時刻nのみの観測情報に対して、前記第1の相関演算部によって算出された前記推定誤差の第1相関値行列を用いて、時刻n+1までの情報による当該時刻での前記状態量の最適推定値ベクトルと、時刻nまでの情報による時刻n+1での前記状態量の最適推定値ベクトルと、前記観測情報を含む観測量の推定誤差ベクトルと、の関係を規定するための重み係数行列を算出する重み係数算出部と、
時刻nのみの観測情報に対して、時刻nまでの情報による時刻n+1での前記状態量の第1最適推定値ベクトルを算出する第1の最適推定値算出部と、
時刻nのみの観測情報に対して、前記重み係数算出部によって算出された前記重み係数行列を用いて、時刻n+1までの情報による当該時刻での前記状態量の第2最適推定値ベクトルを算出する第2の最適推定値算出部と、
時刻nのみの観測情報に対して、時刻n+1までの情報により当該時刻の前記状態量を推定した場合の推定誤差の第2相関値行列を算出する第2の相関演算部と、
を有する請求項1記載の雑音抑圧装置。

【請求項3】
前記第1の相関演算部は、
所定の状態遷移行列、与えられた駆動源ベクトルの共分散の要素値、および与えられたまたは前回前記第2の相関演算部によって算出された前記推定誤差の第2相関値行列を用いて、前記推定誤差の第1相関値行列の算出を行い、
前記重み係数算出部は、
前記第1の相関演算部によって算出された前記推定誤差の第1相関値行列、与えられた観測遷移行列、および与えられた雑音ベクトルの共分散の要素値を用いて、前記重み係数行列の算出を行い、
前記第1の最適推定値算出部は、
前記状態遷移行列、および、与えられたまたは前回前記第2の最適推定値算出部によって算出された前記状態量の第2最適推定値ベクトルを用いて、前記状態量の第1最適推定値ベクトルの算出を行い、
前記第2の最適推定値算出部は、
前記第1の最適推定値算出部によって算出された前記状態量の第1最適推定値ベクトル、前記重み係数算出部によって算出された前記重み係数行列、前記観測遷移行列、および時刻n+1のみにおける観測量を用いて、前記状態量の第2最適推定値ベクトルの算出を行い、
前記第2の相関演算部は、
前記重み係数算出部によって算出された前記重み係数行列、前記観測遷移行列、および前記第1の相関演算部によって算出された前記推定誤差の第1相関値行列を用いて、前記推定誤差の第2相関値行列の算出を行う、
請求項2記載の雑音抑圧装置。

【請求項4】
所望の情報に雑音が混在した観測情報のみから前記所望情報を推定する雑音抑圧方法であって、
前記観測情報を取得する取得ステップと、
有色雑音を駆動源として用いるカルマンフィルタを用いて、取得した前記観測情報から前記雑音を除去して前記所望情報を抽出する抽出ステップと、を有し、
前記カルマンフィルタは、
状態空間モデルの状態方程式において自己回帰モデルの係数を使用しないように構成されている、
雑音抑圧方法。

【請求項5】
前記抽出ステップは、
時刻nのみの観測情報に対して、時刻nまでの情報により前記所望情報を含む時刻n+1のシステムの状態量を推定した場合の推定誤差の第1相関値行列を算出する第1の相関演算工程と、
時刻nのみの観測情報に対して、前記第1の相関演算工程で算出した前記推定誤差の第1相関値行列を用いて、時刻n+1までの情報による当該時刻での前記状態量の最適推定値ベクトルと、時刻nまでの情報による時刻n+1での前記状態量の最適推定値ベクトルと、前記観測情報を含む観測量の推定誤差ベクトルと、の関係を規定するための重み係数行列を算出する重み係数算出工程と、
時刻nのみの観測情報に対して、時刻nまでの情報による時刻n+1での前記状態量の第1最適推定値ベクトルを算出する第1の最適推定値算出工程と、
時刻nのみの観測情報に対して、前記重み係数算出工程で算出した前記重み係数行列を用いて、時刻n+1までの情報による当該時刻での前記状態量の第2最適推定値ベクトルを算出する第2の最適推定値算出工程と、
時刻nのみの観測情報に対して、時刻n+1までの情報により当該時刻の前記状態量を推定した場合の推定誤差の第2相関値行列を算出する第2の相関演算工程と、
を有する請求項4記載の雑音抑圧方法。

【請求項6】
前記第1の相関演算工程は、
所定の状態遷移行列、与えられた駆動源ベクトルの共分散の要素値、および与えられたまたは前回前記第2の相関演算工程で算出した前記推定誤差の第2相関値行列を用いて、前記推定誤差の第1相関値行列の算出を行い、
前記重み係数算出工程は、
前記第1の相関演算工程で算出した前記推定誤差の第1相関値行列、与えられた観測遷移行列、および与えられた雑音ベクトルの共分散の要素値を用いて、前記重み係数行列の算出を行い、
前記第1の最適推定値算出工程は、
前記状態遷移行列、および、与えられたまたは前回前記第2の最適推定値算出工程で算出した前記状態量の第2最適推定値ベクトルを用いて、前記状態量の第1最適推定値ベクトルの算出を行い、
前記第2の最適推定値算出工程は、
前記第1の最適推定値算出工程で算出した前記状態量の第1最適推定値ベクトル、前記重み係数算出工程で算出した前記重み係数行列、前記観測遷移行列、および時刻n+1のみにおける観測量を用いて、前記状態量の第2最適推定値ベクトルの算出を行い、
前記第2の相関演算工程は、
前記重み係数算出工程で算出した前記重み係数行列、前記観測遷移行列、および前記第1の相関演算工程で算出した前記推定誤差の第1相関値行列を用いて、前記推定誤差の第2相関値行列の算出を行う、
請求項5記載の雑音抑圧方法。

【請求項7】
所望の情報に雑音が混在した観測情報のみから前記所望情報を推定するための雑音抑圧プログラムであって、
コンピュータに、
前記観測情報を取得する取得ステップと、
有色雑音を駆動源として用いるカルマンフィルタを用いて、取得した前記観測情報から前記雑音を除去して前記所望情報を抽出する抽出ステップと、前記カルマンフィルタは、状態空間モデルの状態方程式において自己回帰モデルの係数を使用しないように構成されている、
を実行させるための雑音抑制プログラム。

【請求項8】
前記抽出ステップは、
時刻nのみの観測情報に対して、時刻nまでの情報により前記所望情報を含む時刻n+1のシステムの状態量を推定した場合の推定誤差の第1相関値行列を算出する第1の相関演算工程と、
時刻nのみの観測情報に対して、前記第1の相関演算工程で算出した前記推定誤差の第1相関値行列を用いて、時刻n+1までの情報による当該時刻での前記状態量の最適推定値ベクトルと、時刻nまでの情報による時刻n+1での前記状態量の最適推定値ベクトルと、前記観測情報を含む観測量の推定誤差ベクトルと、の関係を規定するための重み係数行列を算出する重み係数算出工程と、
時刻nのみの観測情報に対して、時刻nまでの情報による時刻n+1での前記状態量の第1最適推定値ベクトルを算出する第1の最適推定値算出工程と、
時刻nのみの観測情報に対して、前記重み係数算出工程で算出した前記重み係数行列を用いて、時刻n+1までの情報による当該時刻での前記状態量の第2最適推定値ベクトルを算出する第2の最適推定値算出工程と、
時刻nのみの観測情報に対して、時刻n+1までの情報により当該時刻の前記状態量を推定した場合の推定誤差の第2相関値行列を算出する第2の相関演算工程と、
を有する請求項7記載の雑音抑圧プログラム。

【請求項9】
前記第1の相関演算工程は、
所定の状態遷移行列、与えられた駆動源ベクトルの共分散の要素値、および与えられたまたは前回前記第2の相関演算工程で算出した前記推定誤差の第2相関値行列を用いて、前記推定誤差の第1相関値行列の算出を行い、
前記重み係数算出工程は、
前記第1の相関演算工程で算出した前記推定誤差の第1相関値行列、与えられた観測遷移行列、および与えられた雑音ベクトルの共分散の要素値を用いて、前記重み係数行列の算出を行い、
前記第1の最適推定値算出工程は、
前記状態遷移行列、および、与えられたまたは前回前記第2の最適推定値算出工程で算出した前記状態量の第2最適推定値ベクトルを用いて、前記状態量の第1最適推定値ベクトルの算出を行い、
前記第2の最適推定値算出工程は、
前記第1の最適推定値算出工程で算出した前記状態量の第1最適推定値ベクトル、前記重み係数算出工程で算出した前記重み係数行列、前記観測遷移行列、および時刻n+1のみにおける観測量を用いて、前記状態量の第2最適推定値ベクトルの算出を行い、
前記第2の相関演算工程は、
前記重み係数算出工程で算出した前記重み係数行列、前記観測遷移行列、および前記第1の相関演算工程で算出した前記推定誤差の第1相関値行列を用いて、前記推定誤差の第2相関値行列の算出を行う、
請求項8記載の雑音抑圧プログラム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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