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(In Japanese)単分子DNAから形成される環状DNAの作成方法

Patent code P130010100
Posted date Nov 26, 2013
Application number P2012-531803
Patent number P5780527
Date of filing Aug 22, 2011
Date of registration Jul 24, 2015
International application number JP2011068856
International publication number WO2012029577
Date of international filing Aug 22, 2011
Date of international publication Mar 8, 2012
Priority data
  • P2010-196719 (Sep 2, 2010) JP
Inventor
  • (In Japanese)水野 晋一
  • (In Japanese)長藤 宏司
  • (In Japanese)岡村 孝
Applicant
  • (In Japanese)学校法人久留米大学
Title (In Japanese)単分子DNAから形成される環状DNAの作成方法
Abstract (In Japanese)単分子DNAから形成される環状DNAからなり、複数分子DNAから形成される環状DNAを含まない、環状DNAの作成方法を提供する。本発明の方法により、単分子DNAのみから形成される環状DNA分子が確実に作成される。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

従来の遺伝子解析方法としてはベクター法が挙げられる。ベクター法では、解析対象遺伝子をベクターに組み込み、増殖させて得た遺伝子の全長の配列をシーケンサーにより決定する。しかし、ベクター法には培養操作が必要であるという問題がある他、シーケンサーで遺伝子の全長を解析する必要がある。

近年、遺伝子解析における、高速シーケンサーの開発がなされ、それに伴い遺伝子解析手段としてのメイトペア法が注目されている。

図1にメイトペア法による遺伝子解析の概略を模式的に示す。メイトペア法では、解析対象遺伝子の両末端に結合用塩基配列(制限酵素認識サイト)を結合させ、対象遺伝子を環状化する。そして、環状化された遺伝子を制限酵素認識サイトを中心に、通常TypeII制限酵素を用いて、その認識部位から前後の15塩基以上、好ましくは25塩基以上数十塩基以下で切り取り、これをPCRで増幅し、切り取られた部分遺伝子の塩基配列を決定する。これにより、対象遺伝子の両末端の配列が決定されると、既知の配列データを用いて遺伝子を特定することができる。メイトペアとは、1本のDNA断片の両端を解読した塩基配列の1組の配列データである。

一定塩基数の遺伝子を切り取る方法としては、TypeII制限酵素を用いて認識部位から離れた部位をカットすることで所定の塩基数を切り取る方法と、環状DNAをSonication等で物理的に裁断してリンカーにつけておいたビオチンで回収しその断片をPCRで増殖し配列を決定させる方法が実際に行われている。

即ち、メイトペア法では、DNAの両末端を結合させ、環状化した遺伝子において、結合部分の前後の一定の塩基配列を読み取ることによって、既知の遺伝子を特定することができる。基本的に遺伝子のヘッド部分とテイル部分の一部の塩基配列を読み取れば、その配列は遺伝子個々で確実に差別化出来るため、メイトペア法は、確実かつ簡便な遺伝子解析方法として採用されている(非特許文献1および2)。また、メイトペア法は、次世代のシーケンス解析に適用され、高速シーケンサーの登場により、ますます重要となってきている。

しかし、メイトペア法による遺伝子解析に供するためにDNAを環状化させる場合、単一の遺伝子、DNA(単一分子)による自己環状化以外に複数のDNA(複数分子)による環状化や複数分子(2分子以上)の直線的結合が起こる。複数分子による直線状分子は、その後の操作により環状分子と分離除去されるが、複数分子からなる環状分子は単分子からなる環状分子との分離はできず、夾雑物となる。複数分子環状物は下記に記載する理由により、個々の遺伝子解析を阻害し、分析特異性を大幅に低下させる。具体的には、図2に示すように3種類のcDNAを自己環状化させようとした場合、(B)に示すように、単分子DNAのみが環状化されている場合、メイトペア法により正確な配列によって遺伝子が特定できる。しかし、(B)のように単分子の環状化が起こる他、(C)のように環状化されない直線状のものが生じたり、(D)のように2つ乃至それ以上のcDNAでの環状化が生じたりしてしまう。(C)の場合はDNAエキソヌクレアーゼにより排除できるが、(D)のように複数cDNAが環状化されたものは環状化分子として認識され、排除することが出来ずメイトペア法遺伝子解析における夾雑物となる。

メイトペア法での遺伝子解析は、対象遺伝子の両末端塩基配列により遺伝子を特定するものである。具体的には、個々の遺伝子の両末端に環状化のための結合用アダプターを結合させ、両アダプター部位で遺伝子を結合環状化させた後、アダプター部位を中心に一定数の塩基配列となるように、切断し、この結果当初遺伝子のそれぞれの末端からの一部分の塩基配列を解析することで遺伝子を特定する。従って、複数分子による環状化物では、アダプター部位が複数あり、アダプターに結合する両端はそれぞれ、異なる遺伝子の一末端となる。従って、上記したように、遺伝子解析にあたり、前記した2方法のいずれかにより、アダプターを中心に結合する両端の一定数の塩基配列となるように切断して遺伝子解析を行うことから、複数分子による環状化物より得られる、解析用の遺伝子断片は、異なる遺伝子のそれぞれの一末端を含むこととなり、一遺伝子の解析がなされない。

このように、メイトペア法による遺伝子解析においては、複数分子による環状化物の存在は、各遺伝子解析を阻害することとなる。

複数DNA分子の環状化の確率は通常数%から十数%と方法によって差はあるが、既知の遺伝子の解析においては、異常な塩基配列として認識され、解析配列からの排除がほぼ可能であることから、煩雑さが生じるが、若干精度が落ちるにすぎない。しかしながら、メイトペア法を、正常な遺伝子群のなかから融合遺伝子のような異常な遺伝子の存在の検出に用いる場合は、複数の正常な遺伝子が環状化した場合、あたかも異常遺伝子が存在すると判断されてしまうため、正確に融合遺伝子などの異常遺伝子の存在を確認することが出来なくなってしまう。

融合遺伝子とは、複数(2個)の遺伝子が結合して、新規機能の遺伝子を構築したものである。例えば癌細胞では、欠損や重複、組換え、転座といった染色体構造の異常がみられる。DNAレベルでの遺伝子の分断とつなぎ合わせが起こり、それぞれの切断点に構造遺伝子が存在すると融合遺伝子が形成される。

通常、融合遺伝子は細胞にとって致死的であったり、無意味であったり、多くの場合は臨床的に問題になることはない。しかし融合遺伝子から産生される融合タンパク質が細胞増殖の調節を阻害することにより、細胞増殖が異常に促進される場合、臨床的にも腫瘍等として顕著化してくる。

融合遺伝子は、主に造血系腫瘍で発現されるといわれていたが、近年、上皮性固形腫瘍においても融合遺伝子の関与が推測されている(非特許文献3)。そのなかで、前立腺癌と肺癌から、責任融合遺伝子が発見された(非特許文献4および5)。

このことから、融合遺伝子の解析、即ち存在の確認は、腫瘍(癌)等の新規な診断方法として注目されている。具体的には、病態に対応することが知られている既知の融合遺伝子を検出することにより、迅速な病態の診断が可能となる。さらに、新規な融合遺伝子の発見は、創薬ターゲットの発見にもつながる。

一方、従来、固形腫瘍においては染色体分析に限界があり、融合遺伝子の解析・確認は極めて困難であったが、最近、ManoらによるcDNA機能的発現解析法など、新規な方法が開発されてきているが、操作の煩雑性、精度の問題等により、いまだに不十分な技術である(特許文献1)。また、最近、各種の遺伝子次世代高速シーケンサーが開発され、遺伝子の高速シーケンス解析が格段に進歩しており、短時間での解析が可能となりつつある。このことから、腫瘍ゲノム・遺伝子の高速・大量塩基配列解析による融合遺伝子の探索が始まっている(非特許文献6)。

メイトペア法を用いたシークエンス解析により融合遺伝子を同定するためには、1つのcDNA分子から確実に1つの環状DNAを作成することが必須である。融合遺伝子をメイトペア法により解析する場合の模式図を図3に示す。しかし、図4に示すように、複数のcDNAが1つの環状DNAを形成してしまう可能性があり、メイトペア法を用いたシークエンス解析を行うと、正常遺伝子であってもあたかも融合遺伝子であるような結果がでてしまう。これを従来の遺伝子配列にはないという理由から排除すれば、同様に融合遺伝子も排除されることとなってしまい、融合遺伝子の存在を確認することが実質的に不可能になってしまう。

メイトペア法で、融合遺伝子をそのシーケンス解析によって検出しようとする場合には、複数遺伝子による環状化cDNAの排除が必須である。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は、単分子DNAのみから形成される環状DNAの作成方法、かかる方法に使用される新規アダプターおよび新規アダプターを含む環状DNA作成用キットに関する。

更には、上記の方法により得られた単分子環状DNAを用いた、遺伝子の同定及び/または検出方法に関する。とりわけ、種々の病態を引き起こす融合遺伝子の同定及び/または検出方法に関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
以下の工程を含む、単分子DNAから形成される環状DNAからなり、複数分子DNAから形成される環状DNAを含まない、環状DNAの作成方法:
1)各目的DNA分子の一方の末端に第一段階環状化用アダプター(A)を結合させ、他方の末端に、アダプター(b)と前記アダプター(A)を含む第二段階環状化用アダプター(B)を結合させる工程;ここで、アダプター(B)は、DNA分子にアダプター(b)側を介して結合して、アダプター(B)中のアダプター(A)は、DNA分子とアダプター(b)との結合の外側に位置する、
ここで、
アダプター(A)は、いずれのアダプター(A)の切断末端とも非特異的に結合する切断末端を生じさせる切断部位を含む:
アダプター(b)は、同一のアダプター(b)由来の切断末端にのみ特異的に結合する切断末端を生じさせる切断部位を含む;
2)アダプター(A)の切断部位において、工程1)で得られたDNA分子を切断する第一切断工程、
3)工程2)で得られたDNA分子の両末端を結合させて環状化させる第一段階環状化工程;
4)工程3)において、環状化せず直線状となった単分子および複数分子が結合したDNAを除去する工程;
5)アダプター(b)の切断部位において、工程3)および工程4)で得られた環状DNA分子を切断する第二切断工程、および、
6)工程5)で得られたDNA分子の両末端を結合させて環状化させる第二段階環状化工程。

【請求項2】
 
以下の工程を含む、単分子DNAから形成される環状DNAからなり、複数分子DNAから形成される環状DNAを含まない、環状DNAの作成方法:
1)各目的DNA分子の一方の末端に第一段階環状化用アダプター(A)を結合させ、他方の末端に、アダプター(b)と前記アダプター(A)を含む第二段階環状化用アダプター(B)を結合させる工程;ここで、アダプター(B)は、DNA分子にアダプター(b)側を介して結合して、アダプター(B)中のアダプター(A)は、DNA分子とアダプター(b)との結合の外側に位置する、
ここで、
アダプター(A)は、パリンドローム配列を認識する制限酵素サイトを含む二本鎖DNAであり、
アダプター(B)は、アダプター(b)と前記アダプター(A)を含み、アダプター(b)は、互いに逆向きに配向した互いに同一のニック作成酵素認識サイトまたは制限酵素サイトを含み、その逆向きに配向した互いに同一のニック作成酵素認識サイトまたは制限酵素サイトの間に、個々のアダプター(b)に固有の配列を有する二本鎖DNA配列を含む二本鎖DNAであり、該逆向きに配向した互いに同一のニック作成酵素認識サイトまたは制限酵素サイトによりアダプター(b)が開裂した場合、該開裂部位は、同一のアダプター(b)由来の開裂部位とのみ再結合するものである;
2)アダプター(A)に含まれる制限酵素サイトを認識する制限酵素により、工程1)で得られたDNA分子を切断する第一切断工程、
3)工程2)で得られたDNA分子の両末端をライゲーションさせて環状化させる第一段階環状化工程;
4)工程3)において、環状化せず直線状となった単分子および複数分子が結合したDNAを除去する工程;
5)アダプター(b)におけるニック作成酵素認識サイトまたは制限酵素サイトを認識するニック作成酵素または制限酵素により、工程3)および工程4)で得られた環状DNA分子を切断する第二切断工程、および、
6)工程5)で得られたDNA分子の両末端をライゲーションさせて環状化させる第二段階環状化工程。

【請求項3】
 
請求項2に記載の工程6)において、アダプター(b)が部分的に異なる切断配列部位を介して結合して環状化することにより形成される環状化DNAを、エンドヌクレアーゼを用いて分解する工程をさらに含む請求項2に記載の方法。

【請求項4】
 
アダプター(A)がパリンドローム配列を認識する制限酵素サイトXを含む二本鎖DNAであり、
アダプター(B)が下記構造y1-Y-y2-Xを有する互いに相補的な二本鎖DNAからなる二本鎖DNAである請求項2記載の方法:
【化1】
 
(省略)
[構造中、
Xは、パリンドローム配列を認識する制限酵素サイトである二本鎖DNAであり;
y1およびy2は、互いに逆向きに配向した互いに同一のニック作成酵素認識サイトまたは制限酵素サイトを含む二本鎖DNAであり;
Yは、環状化させる個々のDNA分子に固有の配列を有する二本鎖DNA配列であって、nは1以上40以下の整数であり、N1~Nnは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、dAMP、dCMP、dGMPおよびdTMPからなる群から選択されるデオキシリボヌクレオチドであり、N’1~N’nは、前記N1~Nnに対してそれぞれ下記:
【表1】
 
(省略)
のデオキシリボヌクレオチドであり、ここで、kは1~nの整数である]。

【請求項5】
 
y1およびy2がニック作成酵素認識サイトを含む請求項4記載の方法。

【請求項6】
 
ニック作成酵素がNb.BtsIまたはNt.BspQIである請求項5記載の方法。

【請求項7】
 
y1およびy2が制限酵素サイトを含む請求項4記載の方法。

【請求項8】
 
下記構造y1-Y-y2-Xを有する互いに相補的な二本鎖DNAからなる環状DNA作成用アダプター:
【化2】
 
(省略)
[構造中、
Xは、パリンドローム配列を認識する制限酵素サイトである二本鎖DNAであり;
y1およびy2は、互いに逆向きに配向した互いに同一のニック作成酵素認識サイトまたは制限酵素サイトを含む二本鎖DNAであり;
Yは、環状化させる個々のDNA分子に固有の配列を有する二本鎖DNA配列であって、nは1以上40以下の整数であり、N1~Nnは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、dAMP、dCMP、dGMPおよびdTMPからなる群から選択されるデオキシリボヌクレオチドであり、N’1~N’nは、前記N1~Nnに対してそれぞれ下記:
【表2】
 
(省略)
のデオキシリボヌクレオチドであり、ここで、kは1~nの整数である]。

【請求項9】
 
y1およびy2がニック作成酵素認識サイトを含む請求項8記載のアダプター。

【請求項10】
 
ニック作成酵素がNb.BtsIまたはNt.BspQIである請求項9記載のアダプター。

【請求項11】
 
y1およびy2が制限酵素サイトを含む請求項8記載のアダプター。

【請求項12】
 
請求項8に記載のXにおける制限酵素サイトと同一の制限酵素サイトを含む二本鎖DNAからなるアダプター(A)と、請求項8~10のいずれかに記載のアダプター(B)とを含む、環状DNA作成用キット。

【請求項13】
 
請求項1から7いずれか記載の方法を用いる、cDNAライブラリーの作成方法。

【請求項14】
 
以下の工程を含む、請求項1から7いずれか記載の方法を用いて得られた環状DNA分子をメイトペア法に供することにより遺伝子を同定する方法:
1)請求項1から7いずれか記載の方法を用いて得られた環状DNA分子における、アダプター(B)の両側に隣接するそれぞれ15塩基以上600塩基以下の塩基配列を解読する工程;および、
2)解読した塩基配列を既知の遺伝子の両末端の配列と比較することにより、環状DNA分子に含まれる遺伝子を同定する工程。

【請求項15】
 
以下の工程を含む、請求項1から7いずれか記載の方法を用いて得られた環状DNA分子をメイトペア法に供することにより融合遺伝子を検出する方法:
1)請求項1から7いずれか記載の方法を用いて得られた環状DNA分子における、アダプター(B)の両側に隣接するそれぞれ15塩基以上600塩基以下の塩基配列を解読する工程;および、
2)解読した塩基配列を既知の遺伝子の両末端の配列と比較する工程、ここで、両末端の遺伝子が既知の相異なる遺伝子に対応する場合、環状DNA分子に含まれる遺伝子は融合遺伝子であると同定される。

【請求項16】
 
アダプター(B)の両側に隣接する両側の配列が、既知融合遺伝子の両側の末端に対応する、請求項15に記載の融合遺伝子の検出方法。

【請求項17】
 
アダプター(B)の両側に隣接する配列が、相異なる遺伝子の末端配列に対応し、かつ既知融合遺伝子の両側の末端には対応しないことにより、環状DNA分子に含まれる遺伝子が新規融合遺伝子であると同定される請求項15に記載の方法。
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