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(In Japanese)透明帯が菲薄化又は除去された哺乳動物卵又は胚を調製するための方法及び培地、該方法により調製された哺乳動物卵を用いた受精方法

Patent code P150011171
Posted date Jan 23, 2015
Application number P2012-533984
Patent number P5439677
Date of filing Sep 12, 2011
Date of registration Dec 27, 2013
International application number JP2011070687
International publication number WO2012036107
Date of international filing Sep 12, 2011
Date of international publication Mar 22, 2012
Priority data
  • P2010-203979 (Sep 13, 2010) JP
Inventor
  • (In Japanese)中潟 直己
  • (In Japanese)竹尾 透
Applicant
  • (In Japanese)国立大学法人熊本大学
Title (In Japanese)透明帯が菲薄化又は除去された哺乳動物卵又は胚を調製するための方法及び培地、該方法により調製された哺乳動物卵を用いた受精方法
Abstract (In Japanese)受精卵の透明帯が菲薄化又は除去された哺乳動物卵又は胚を調製する方法、該方法により調製された哺乳動物卵を用いた受精方法を提供する。
SH基を有する還元剤(例えば、還元型グルタチオン又はDTT)を含有する培地で、哺乳動物卵又は胚(例えば、未受精卵、受精卵又は発生初期胚)を処理又は培養することにより、哺乳動物卵又は胚の透明帯を菲薄化又は除去する方法である。かかる方法により提供される透明帯が菲薄化又は除去された哺乳動物卵又は胚(例えば、未受精卵、受精卵又は発生初期胚)は、体外受精、受精卵の移植、又は、遺伝子改変動物の作製において利用される発生初期胚の調製、において用いることにより受精率や発生率の向上が達成できる。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

受精に際しては、卵子の近傍に到来した精子は、卵透明帯に接触すると先体反応が生じ、頭部の先端にある先体が変化してヒアルロニダーゼ、アクロシン等の溶解酵素が放出され、これらの働きにより精子は透明帯を通過し、内部に存在する卵細胞に到達し、受精に到る。しかし、形成異常を起こした精子や凍結保存した精子では、受精能が低下しており、卵子と精子を混ぜ合わせるだけの通常の体外受精では受精卵の作製が困難である。そのため、哺乳動物の体外受精においては、受精率を高めるための様々な工夫が成されている。

現在,遺伝子の機能解析及びそれに関連した研究開発が、国家プロジェクトとして世界中で盛んに行われつつあるが、その中で重要な役割を果たしているのが遺伝子改変(Tg(Transgenic)及びKO(Knock Out))マウスである。KOマウスが次々と作られることから、今後、その数は、100万種を超えるものと考えられており、その系統維持には天文学的な数のマウスを飼育しなければならならず、これらマウスの維持管理が,世界中の実験動物施設においてきわめて深刻な問題になっている。そこで注目を集めているのが凍結精子によるこれらマウスの保存であるが、特に、実験動物として汎用されているC57BL/6系統マウスの精子は、凍結処理及び融解処理により損傷をうけ活力を低下し、透明帯を通過する力を欠いているものが多く、受精率が低い。

近年、C57BL/6系統マウス精子の改善された凍結法が報告されているが(非特許文献1)、操作が煩雑であることから、安定した高い受精率を得ることは難しく、一般には、せいぜい10~20%の受精率しか得られないのが現状である。

さらに、体外受精において、新鮮な卵子の使用が困難な場合には、凍結保存された卵子を用いることが行われているが、凍結融解により、透明帯が固くなり、凍結融解卵子を用いた場合には、新鮮な精子であっても、受精率が低下するという問題がある。

かかる状況下において、現在、受精能が低下した精子を用いた体外受精、或いは凍結保存した卵子を用いた体外受精において、効率的に受精卵を作製するために、以下のような生殖補助技術が利用されている。

比較的運動能が維持されている精子に対しては、透明帯部分切開法(PZD:Partial Zona-Pellucida Dissection(非特許文献2);ZIP:Partial Zona-Pellucida Incision by Piezo-micromanipulator(非特許文献3))やレーザー透明帯穿孔法(特許文献1)が利用されている。透明帯部分切開法は、注射針の先端(PZD)やピエゾマイクロマニュピレーターに接続したガラス毛細管の先端(ZIP)を用いて、卵子の透明帯をカットする方法であり、レーザー透明帯穿孔法は、レーザーにより卵子の透明帯に穴を空ける方法である。これらの方法により透明帯に作製されたスリットや穴から、精子が卵子内に侵入可能となり、受精率が向上する。

一方、凍結融解後、全く運動性が認められない精子に対しては、一個の精子を卵細胞質に機械的に直接注入する卵細胞質内精子注入法(ICSI:Intra Cytoplasmic Sperm Injection)(非特許文献4)が一般に用いられている。

しかしながら、これらの方法は、特別な技術や装置が必要となり、汎用性が低いという問題がある。

透明帯はまた、受精卵(受精胚)を保護する機能も有する。透明帯は、卵子の周囲に存在する膜であり、受精卵は所定の時期までその透明帯で包囲・保護されて発達し、次に透明帯から脱出して着床する。

しかしながら、発生段階において、発生初期胚(胚盤胞期胚)が透明帯を孵化できないために、子宮への着床が障害される場合がある。かかる障害は、排卵誘発剤を用い卵胞を成熟させた時に得られた卵子の透明帯が固くなったり又は厚くなったりする場合の他、透明帯形成異常を有する卵子を用いた場合、凍結保存した卵子を用いて体外受精した場合、或いは受精卵(胚)を凍結保存したのち融解し子宮へ移植した場合に起こりやすい。

体外受精により得られた受精卵が着床しやすいように、子宮へ移植する前に、アシストハッチング法(透明帯開孔法)が利用されている。アシストハッチング法は、注射針やガラス毛細管の先端を利用して機械的に透明帯を切断する透明帯部分切開法(非特許文献2及び3)、レーザーにより透明帯に穴を空ける方法(特許文献1)、酵素により透明帯を溶解させる方法(非特許文献5)がある。

しかしながら、注射針やガラス毛細管の先端を利用する方法やレーザーにより透明帯に穴を空ける方法は、特別な装置と技術が必要となり、汎用性が低いという問題がある。酵素による方法は、胚へのダメージにより発生能が低下するという問題がある。

遺伝子改変動物、例えば遺伝子改変マウス(ノックアウトマウス)は、概ね、以下の手順で作製される。まず、ターゲッティングベクター(組換えDNA)を調製した後、エレクトロポレーション法などにより、そのターゲッティングベクターをES細胞に導入する。そして、相同的遺伝子組換えの起こったES細胞株を選別する。次に、胚盤胞期の受精卵にできる腔にマイクロマニュピレーターを用いてES細胞を注入し、キメラ胚を作製し、そのキメラ胚を偽妊娠マウスの子宮に移植する方法(インジェクションキメラ作製法)や、透明帯を除去した発生初期胚(例えば、8細胞期胚)を作製し、それにES細胞を加えて集合塊を作り、胚盤胞期まで培養して偽妊娠マウスの子宮に移植する方法(集合キメラ法)によりキメラを作製する。そして産仔(キメラマウス)を得る。次に、作製したキメラマウスと野生型マウスを交配し、生殖細胞が組換えES細胞由来の細胞により形成されているかどうかを確認する。そして、生殖細胞が組換えES細胞由来の細胞により形成されていることが確認されたマウス同士を交配し、得られた産仔の中からノックアウトマウスを選別する。

上記方法で用いられるマイクロマニュピレーター法は、特殊な装置と技術が必要となる。一方、集合キメラ法においては、発生初期胚の透明帯の除去が必要であるが、透明帯の除去には、酸性タイロード液(pH2)が利用されている(特許文献2)。酸性タイロード液を用いた場合は、酸性タイロード液自身が、細胞毒性が高いこと、そして、操作中にタンパク質フリーの条件で使用する必要があり、ディッシュ或いはガラスキャピラリーに発生初期胚が接着することにより、操作性が極めて低いという問題がある。

上記生殖補助技術の他にも、受精率を上げるために精子をシクロデキストリン誘導体並びにアミノ酸及び/又は解糖系中間体物質を含有する培地で精子を前培養する方法(特許文献3)、凍結融解精子を用いた場合に発生する過酸化水素による受精率の低下を防ぐために、還元型グルタチオン含有培地で前培養した精子に未受精卵を添加し、そして還元型グルタチオン存在下で受精する方法(非特許文献6)、ヒトの体外受精において妊娠効率を上げるための連続的培養系及びプロセス(特許文献4)など、培地や培養方法に関するものが提案されている。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は、体外受精や遺伝子改変動物の作製に用いることができる技術に関する。特には、本発明は、哺乳動物の未受精卵、受精卵、又は発生初期胚を処置する方法、及びそのために用いることができる培地に関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
以下の工程:
a.非ヒト哺乳動物の精子を、0.1mM以上20mM以下のシクロデキストリン及び0.1mM以上10mM以下のカルシウムを含有する培地で前培養する工程、
b.非ヒト哺乳動物の未受精卵の透明帯の菲薄化のために、該未受精卵を、還元型グルタチオンを0.25mM以上10mM以下の濃度で含有する培地に添加し、該還元型グルタチオンにより処理された未受精卵を調製する工程、及び
c.工程aで前培養した該精子を、工程b還元型グルタチオンで処理した該未受精卵の存在する培地中に添加し媒精を行う工程、
を含む受精方法。

【請求項2】
 
前記未受精卵がマウス未受精卵である請求項1に記載の受精方法。

【請求項3】
 
前記シクロデキストリンがメチル-β―シクロデキストリンである請求項1又は2に記載の受精方法。

【請求項4】
 
受精に用いる精子がマウス凍結精子であり、工程aの精子の前培養を少なくとも10分間行う、請求項1~3のいずれか一つに記載の受精方法。

【請求項5】
 
前記還元型グルタチオン濃度が、0.15mg/ml以上3.0mg/ml以下である、請求項1~4のいずれか一つに記載の受精方法。

【請求項6】
 
培地中の前記還元型グルタチオン濃度が、0.15mg/ml以上0.46mg/ml以下である、請求項5に記載の受精方法。

【請求項7】
 
前記工程cの媒精を、前記工程bと同じ培地中で前記未受精卵と前記精子を数時間共培養することにより行う、請求項5又は6に記載の受精方法。

【請求項8】
 
受精に用いる精子が、還元型グルタチオンを含まない培地で前培養されている新鮮精子、凍結精子、冷蔵精子又はそれらの組み合わせである、請求項1~7のいずれか一つに記載の受精方法。

【請求項9】
 
以下の培地(i)及び(ii)からなる受精用培地キット:
(i)非ヒト哺乳動物の精子を前培養するための、0.1mM以上20mM以下のシクロデキストリン及び0.1mM以上10mM以下のカルシウムを含有する精子前培養用培地、及び
(ii)非ヒト哺乳動物の卵と精子の受精を行うための、0.25mM以上10mM以下の濃度の還元型グルタチオンを含有する受精用培地。

【請求項10】
 
前記還元型グルタチオン濃度が、0.15mg/ml以上3.0mg/ml以下である、請求項9に記載の受精用培地キット。

【請求項11】
 
前記還元型グルタチオン濃度が、0.15mg/ml以上0.46mg/ml以下である、請求項10に記載の受精用培地キット。

【請求項12】
 
前記精子前培養用培地が、還元型グルタチオンを実質的に含有しない請求項9~11のいずれかひとつに記載の受精用培地キット。

【請求項13】
 
前記精子前培養用培地が、TYH培地、HTF培地、mR1ECM培地、BO培地KSOM培地、Dulbeccos ’s PBS培地、M2培地、PB1培地、Hanks培地、Hepes-TALP培地、Hoppe&Pitts培地、m-KRB培地、HIS培地、mTALP培地、mT培地、MCM培地、CCM培地、K-MCM培地、BWW培地、Whitten培地、BMOC培地、T6培地、HT6培地、Bavister-TALP培地、SOF培地、Menezo-B2培地、Ham’s培地、Medium199培地、MEM培地、mWM培地からなる群より選ばれる培地であり、かつ、前記受精用培地が、HTF培地、TYH培地、mR1ECM培地、BO培地、KSOM培地、Dulbeccos ’s PBS培地、M2培地、PB1培地、Hanks培地、Hepes-TALP培地、Hoppe&Pitts培地、m-KRB培地、HIS培地、mTALP培地、mT培地、MCM培地、CCM培地、K-MCM培地、BWW培地、Whitten培地、BMOC培地、T6培地、HT6培地、Bavister-TALP培地、SOF培地、Menezo-B2培地、Ham’s培地、Medium199培地、MEM培地、mWM培地からなる群より選ばれる培地である、請求項9~12のいずれか一つに記載の受精用培地キット。

【請求項14】
 
前記非ヒト哺乳動物がマウスである、請求項9~13のいずれか一つに記載の受精用培地キット。
IPC(International Patent Classification)
F-term
Drawing

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JP2012533984thum.jpg
State of application right Registered
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