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(In Japanese)ヒト型抗体を産生するB細胞の作製方法

Patent code P150011216
Posted date Jan 28, 2015
Application number P2012-544298
Patent number P5904468
Date of filing Nov 17, 2011
Date of registration Mar 25, 2016
International application number JP2011076533
International publication number WO2012067188
Date of international filing Nov 17, 2011
Date of international publication May 24, 2012
Priority data
  • P2010-258404 (Nov 18, 2010) JP
Inventor
  • (In Japanese)金山 直樹
  • (In Japanese)大森 齊
Applicant
  • (In Japanese)国立大学法人岡山大学
Title (In Japanese)ヒト型抗体を産生するB細胞の作製方法
Abstract (In Japanese)細胞外刺激により外因性Creリコンビナーゼ遺伝子の発現が誘導され、発現されたCreリコンビナーゼにより外因性AID(activation induced cytidine deaminase)遺伝子の向きを反転させることにより、AID発現を誘導することおよび停止させることが可能な非ヒト脊椎動物B細胞の抗体遺伝子をヒト抗体遺伝子に置換することを含む、ヒト型抗体を産生するB細胞の作製方法。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

生体内の免疫系による産生される抗体は、その特異的な標的認識能力を利用して試薬のみならず、最近では医薬、診断薬への応用が進んでいる。生体内では、抗原刺激を受けて産生されてくる抗体の親和性が経時的に上昇してくる。これを親和性成熟と呼ぶが、活性化されて盛んに分裂する抗原特異的B細胞において、抗体可変部遺伝子に高頻度体細胞突然変異が起こり、生じた多様な変異B細胞集団から、高親和性を獲得したB細胞クローンが厳密に選択されることにより進行する。この原理を利用して、動物への反復免疫とハイブリドーマ作製によるモノクローナル抗体の作製は広く使われているが、抗体取得には多大な労力と時間がかかり、種間の保存性の高い抗原に対する抗体は免疫寛容のため取得するのが困難であるほか、生理活性のある抗体の取得も難しいといわれている。動物では作製が困難なこれらの抗体が医薬に有用である場合が多く、そのため免疫寛容がないin vitro技術であるファージディスプレー法が現在よく用いられている。ファージディスプレー法では、ハイブリドーマ法に比べて抗体選択の操作を迅速に行えるが、ライブラリーの質に抗体作製の成否が大きく依存し、抗体Fv断片をscFvとして組み換えてファージ上にディスプレーするため完全型抗体に戻して発現させたときに特異性が変わることが多い、といった問題があることも知られている。特に、鍵となる変異ライブラリー作製には多大な労力と高度な遺伝子組換技術が必要である。

そこで、生体内での抗体産生系をin vitro培養細胞系で再現することが出来れば、迅速かつ効率的に抗体を作製できると考えられる。抗体遺伝子への変異導入能力を保持するニワトリB細胞株DT40は、以下の点で、この目的を達成する上で適している。

(1)自発的変異導入能力により培養のみで免疫寛容の影響を受けない多様な抗体ライブラリーを形成する。

(2)細胞表面上と培養上清中に抗体を発現し、抗原への結合に基づく特定のクローンの選択が可能である。

(3)相同組換え効率が非常に高いので、遺伝子ノックアウトなどにより細胞の機能改変が容易である。

本発明者らは、DT40の特性に着目し、DT40の変異機能を任意にON/OFFできる細胞株DT40-SWを樹立してDT40-SWを用いたin vitro抗体作製法を開発した(特許文献1及び非特許文献1を参照)(図1)。この方法では、変異機能をONにして培養して得られた抗体ライブラリーから、従来法では取得が困難であるものを含む様々な抗原に対する抗体取得に成功している(非特許文献2及び3を参照)。また、この方法では、得られた抗体産生細胞に再度変異を導入することにより多様化させ、選択を繰り返すことにより抗体の親和性成熟が可能であり、特に、変異導入様式を操作することにより親和性成熟を効率化することにも成功している(特許文献3並びに非特許文献4及び5を参照)。

抗体の医薬への応用においては、ヒト抗体あるいはヒト型化した抗体の使用が必須である。これは、異種由来の抗体を人体に摂取すると、人体にとって異物である摂取抗体に対する免疫反応が人体で起こり、複数回投与すると重篤な副作用を引き起こしたり効果が減弱していったりする問題が発生するからである。このため、抗体医薬開発においては異種由来の候補抗体を初期の評価段階からヒト型化する、あるいはヒト型の構造を有した抗体を候補抗体として取得することが必要となっている。特に、in vitroあるいはin vivoでの試験で効果を評価するためには、抗体定常部がヒトIgG1型であることが必須である。従来用いられているヒト抗体あるいはヒト型化抗体の取得法は、(a)ハイブリドーマ法などにより得られた異種抗体の抗体可変部をヒト抗体定常部とのキメラとして宿主細胞で発現させる方法(特許文献3を参照)、(b)可変部のうち抗原結合部分をヒト抗体に移植するCDR移植(特許文献4及び5を参照)、(c)ヒトから単離した抗体遺伝子群から作製したヒト抗体断片を提示するファージディスプレーライブラリーから抗体を取得する方法(特許文献6及び7を参照)、(d)ヒト抗体遺伝子を導入したマウスよりハイブリドーマ法により抗体を取得する方法などがある(特許文献8~10を参照)。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は、ヒト型抗体を産生するB細胞の作製方法に関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
細胞外刺激により外因性Creリコンビナーゼ遺伝子の発現が誘導され、発現されたCreリコンビナーゼにより外因性AID(activation induced cytidine deaminase)遺伝子の向きを反転させることにより、AID発現を誘導することおよび停止させることが可能なニワトリB細胞株DT40細胞に由来するB細胞であって、以下の特徴:
1)内因性のAID遺伝子が機能的に破壊されており、内因性AID遺伝子発現によるAIDタンパク質は産生されないこと、
2)互いに逆方向の2つのloxP配列で挟まれた外因性のAID遺伝子、および該2つのloxP配列で挟まれた領域の上流側に存在する該動物細胞で機能し得るプロモーターを有し、上記AID遺伝子が該プロモーターに対して順方向に配置されている場合には、該プロモーターによるAID遺伝子の発現が可能であり、上記AID遺伝子が該プロモーターに対して逆方向に配置されている場合には、AID遺伝子の発現は停止すること、および
3)Creリコンビナーゼ遺伝子が、細胞外刺激によりCreリコンビナーゼ活性化が可能な形で導入されており、Creリコンビナーゼ活性化により、上記外因性AID遺伝子を含む2つのloxP配列に挟まれた領域の方向が反転すること、
を有する上記B細胞の抗体遺伝子をヒト抗体遺伝子に置換することを含み、
(i)B細胞の抗体遺伝子の定常部のみをヒト抗体遺伝子の定常部に置換し、
(ii)重鎖については定常部をコードするエキソンのうちCH1領域から分泌エキソンまでの領域をヒト由来IgG抗体重鎖定常領域と置換し、軽鎖については定常部エキソンのみをヒト由来κ軽鎖定常領域遺伝子と置換し、
(iii)ヒト型抗体を産生するB細胞が定常部遺伝子の上流に存在するイントロンに含まれるスプライシング受容体配列及びスプライシングブランチポイント配列としてヒト抗体遺伝子由来のものを含み、定常部遺伝子の下流にあるポリA付加配列としてニワトリB細胞株DT40細胞に由来するB細胞DT40-SWのものを含み、さらにスプライシング配列を含むヒト定常部遺伝子の上流にloxP配列で挟まれた薬剤耐性遺伝子を含む、ヒト型抗体を産生するB細胞の作製方法。

【請求項2】
 
ニワトリB細胞株DT40細胞に由来するB細胞のCreリコンビナーゼ遺伝子は、Creリコンビナーゼがエストロゲンレセプターとの融合タンパク質を発現する形で存在し、上記細胞外刺激がエストロゲンまたはその誘導体による刺激であり、細胞を細胞外からエストロゲンまたはその誘導体で刺激することにより、細胞内でCreリコンビナーゼの活性化が誘導される、請求項1記載のヒト型抗体を産生するB細胞の作製方法。

【請求項3】
 
ニワトリB細胞株DT40細胞に由来するB細胞の抗体遺伝子のヒト抗体遺伝子への置換が前記B細胞の抗体遺伝子をターゲットとするターゲティングベクターを用いて行われる、請求項1又は2に記載のヒト型抗体を産生するB細胞の作製方法。

【請求項4】
 
請求項1~3のいずれか1項に記載の作製方法により得られた、ヒト型抗体を産生するニワトリB細胞株DT40細胞に由来するB細胞。

【請求項5】
 
請求項4記載のヒト型抗体を産生するニワトリB細胞株DT40細胞に由来するB細胞において、Creリコンビナーゼ遺伝子を活性化させ培養を行い抗体可変部遺伝子に変異を導入することを含む、ヒト型抗体変異ライブラリーを作成する方法。

【請求項6】
 
ヒト型抗体を産生するニワトリB細胞株DT40細胞に由来するB細胞において、Creリコンビナーゼがエストロゲンレセプターとの融合タンパク質を発現する形で存在し、細胞を細胞外からエストロゲンまたはその誘導体で刺激することにより、細胞内でCreリコンビナーゼの活性化が誘導され、抗体可変部遺伝子に変異を導入する、請求項5記載のヒト型抗体変異ライブラリーを作成する方法。
IPC(International Patent Classification)
F-term
State of application right Registered
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技術移転に関しては岡山TLOが窓口になります。


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