TOP > 国内特許検索 > AGE特異的アプタマーの腎疾患治療用途
終末糖化産物(Advanced Glycation End-products;AGE)は、グルコースなどの還元糖のカルボニル基と、タンパク質のアミノ基との非酵素的な反応(メイラード反応)により生じる高分子物質である。糖尿病などで慢性的に高血糖が続くと、循環血液中や組織でAGEの生成が促進される。糖尿病の合併症の発症および進展に、AGEの関与が示唆されている(非特許文献1および非特許文献2)。
一方、近年、一本鎖DNAや一本鎖RNAが種々の立体構造をとり、低分子からタンパク質までの種々の化合物を認識して結合して、抗体のような機能を有し得ることが明らかになっている(非特許文献3および非特許文献4)。このような分子をアプタマーと称する。アプタマーは、ランダム配列の中からSELEXという選別方法によって調製することができる(非特許文献4)。
アプタマーは、試験管内で大量に合成できること、抗体よりも結合力が強いものが得られる可能性があること、安定化できることなどの利点を有する。そのため、抗体と同様に、研究、検出、医療などに応用され得る。医療などへの応用が検討されている例としては、HIV-1逆転写酵素に対するRNAアプタマー(非特許文献5)等が報告されている。
本発明は、終末糖化産物(AGE)結合アプタマーを含む糖尿病性腎症の治療用または予防用組成物に関する。