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水中位置関係情報取得システム

国内特許コード P150011301
整理番号 S2012-0508-N0
掲載日 2015年2月16日
出願番号 特願2012-178124
公開番号 特開2014-035328
登録番号 特許第6207817号
出願日 平成24年8月10日(2012.8.10)
公開日 平成26年2月24日(2014.2.24)
登録日 平成29年9月15日(2017.9.15)
発明者
  • 近藤 逸人
  • 福地 鉄雄
  • 似鳥 一彦
  • 五十嵐 正夫
出願人
  • 国立大学法人東京海洋大学
  • 株式会社SGKシステム技研
発明の名称 水中位置関係情報取得システム
発明の概要 【課題】音源装置側と水中航走体側とで同期をとることなく、且つ長い基線長の配列物を水中航走体側に装備する必要もなく、音源装置側から送波された送信波形に基づいて水中航走体側で位置関係情報を求めることができる水中位置関係情報取得システムを提供する。
【解決手段】従来のパッシブレンジングの1個の音源(送波器)と3個以上の受波器という組み合わせを、3個以上の送波器14~14からなる送波器配列と、1個の受波器21に置き換える。これにより、各送波器14~14から送信される音響信号の当該受波器21への到達時間差を求めることにより、当該送波器14~14の配列から見た受波器21の相対位置関係情報を水中航走体2側で得る。水中航走体2側から音波を送信する必要がないことに加え、長い基線長の配列物を水中航走体2側に装備する必要もなくなるという利点がある。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要



水中航走体が誘導目標に自動的に接近できるためには、水中航走体と誘導目標との位置関係情報を水中航走体側で知ることが不可欠である。このような位置関係情報を求める手段としては光を含む電磁波を用いるものと音波を用いるものがある。前者の電磁波は、水中での伝搬損失が大きいため位置関係情報が得られる距離範囲はおおよそ数m以内に限られる。一方、後者の音波は、周波数に依存するものの電磁波と比して伝搬損失が小さいため位置関係情報の得られる範囲を数十mから数百mとすることが可能である。





ところで、音波の送信は光と比べ大きな電力を要する。また、位置関係情報を得るため水中航走体側から音波を送信するようにすれば、複数の水中航走体の同時誘導を想定した場合、水中航走体間で信号の干渉問題が生じ、それを避けようとすると自動誘導システムは極めて複雑なものとなる。従って、水中航走体における消費電力低減や、複数の水中航走体間の干渉問題回避によるシステム簡易化の面で、水中航走体側からは音波を送信しないようにすることが望ましい。





水中航走体側からは音波を送信しないで、すなわち水中航走体は音波を受信するだけで、所要の位置関係情報を得る方法としては、音源装置における音波の送信時刻と水中航走体における音波の受波時刻とに基づいて、複数の音源装置と水中航走体との距離をそれぞれ求め、水中航走体の位置を計測する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。これらの方法では、音源装置側と水中航走体側とで同期をとったり、音源装置側と水中航走体側とに高精度の時計を設けたりして、音源装置と水中航走体とで時刻を高精度に合わせている。音源装置と水中航走体とで時刻を高精度に合わせるためには、定期的なメンテナンスが必要となり、維持コストが高価なものになってしまう。





そこで、音波を出す音源装置側と測位情報を得る水中航走体側とで同期をとることや測位情報を得る側で高精度の時計を必要としない方法として、パッシブレンジングによる方法が知られている(例えば、非特許文献1、2参照)。パッシブレンジングの原理は、測位情報を得る側に3個以上の受波器で構成される受波器配列を置き、当該受波器配列によって音源側からの音波を受信し、当該受波器間の音波到達時間差を求めることで、当該受波器配列と音源との相対位置関係情報を得るものである。当該パッシブレンジングで得られる位置関係情報の内容は用いる受波器配列の形状や当該配列を成す受波器個数で変化する。

産業上の利用分野


本発明は、AUV(Autonomous Underwater Vehicle)等の水中航走体と、ドックや母船等の誘導目標との位置関係情報を、水中航走体側で取得する水中位置関係情報取得システムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
誘導目標に設置された送信側装置から送波された音響信号を、水中航走体に設置された受信側装置で受波することで、前記誘導目標に対する前記水中航走体の位置関係情報を取得する水中位置関係情報取得システムであって、
前記送信側装置は、
前記誘導目標に分散して配列され、前記音響信号を同時に送波する3個以上の送波器と、
3個以上の前記送波器から前記音響信号として送波される送信波形を互いに異なる波形で生成させる送信波形生成手段とを具備し、
前記受信側装置は、
3個以上の前記送波器から前記音響信号としてそれぞれ送波された前記送信波形を受波する受波器と、
前記受波器によって受波された前記送信波形に基づいて、前記送信波形を送波した前記送波器を特定する送波器特定手段と、
該送波器特定手段によって特定された前記送波器と前記受波器によって前記送信波形が受波されたタイミングとに基づいて、3個以上の前記送波器から前記受波器への前記送信波形の到達時間差を算出する到達時間差算出手段と、
前記送波器の配列情報が記憶されている送信情報記憶手段と、
該送信情報記憶手段に記憶されている前記配列情報と前記到達時間差算出手段によって算出された前記到達時間差とに基づいて、前記誘導目標に対する位置関係情報を算出する位置関係情報算出手段とを具備し、
前記位置関係情報算出手段は、前記水中航走体の深度を補完情報として用いて、Z軸が鉛直軸方向と一致する直交座表系(X,Y,Z)における水平面の前記位置関係情報を、下記式(1)、(2)及び(3)を用いて算出することを特徴とする水中位置関係情報取得システム。
【数1】


(式中、rは、第1の前記送波器と前記受波器とを結ぶ直線のスラントレンジ、Cは、前記音響信号の伝搬速度をそれぞれ示す。また、第1~3の前記送波器のそれぞれの座標を(0,0,0)、(-D,0,0)及び(D,0,0)とする。さらに、第1の前記送波器からの送信波形が前記受波器に到達する時刻tを基準にし、τ01は、時刻tと第2の前記送波器からの送信波形が前記受波器に到達する時刻との到達時間差、τ02は、時刻tと第2の前記送波器からの送信波形が前記受波器に到達する時刻との到達時間差をそれぞれ示す。)
【数2】


(式中、θは、X座標軸に関する第1の前記送波器と前記受波器とを結ぶ直線の方向余弦角を示す。)
【数3】


(式中、Zは、前記水中航走体のZ成分、Pは、前記水中航走体の位置ベクトルをそれぞれ示す。)

【請求項2】
誘導目標に設置された送信側装置から送波された音響信号を、水中航走体に設置された受信側装置で受波することで、前記誘導目標に対する前記水中航走体の位置関係情報を取得する水中位置関係情報取得システムであって、
前記送信側装置は、
前記誘導目標に分散して配列され、前記音響信号を同時に送波する3個以上の送波器と、
3個以上の前記送波器から前記音響信号として送波される送信波形を互いに異なる波形で生成させる送信波形生成手段とを具備し、
前記受信側装置は、
3個以上の前記送波器から前記音響信号としてそれぞれ送波された前記送信波形を受波する、分散して配列された3個以上の受波器と、
前記受波器によって受波された前記送信波形に基づいて、前記送信波形を送波した前記送波器を特定する送波器特定手段と、
該送波器特定手段によって特定された前記送波器と前記受波器によって前記送信波形が受波されたタイミングとに基づいて、3個以上の前記送波器から前記受波器への前記送信波形の到達時間差を算出する到達時間差算出手段と、
前記送波器の配列情報が記憶されている送信情報記憶手段と、
該送信情報記憶手段に記憶されている前記配列情報と前記到達時間差算出手段によって算出された前記到達時間差とに基づいて、前記誘導目標に対する位置関係情報を算出する位置関係情報算出手段とを具備し、
前記到達時間差算出手段は、3個以上の前記送波器のうちの少なくとも1つから3個以上の前記受波器への前記送信波形の到達時間差を算出し、
前記位置関係情報算出手段は、前記受波器の配列に設定された局所座標系(X’,Y’,Z’)で見た前記位置関係情報を下記式(4)及び(5)と下記式(6)もしくは(7)とを用いて算出することを特徴とする水中位置関係情報取得システム。
【数4】


(式中、rは、第1の前記送波器と前記受波器とを結ぶ直線のスラントレンジ、Cは、前記音響信号の伝搬速度をそれぞれ示す。また、第1~3の前記送波器、のそれぞれの座標を(0,0,0)、(-D,0,0)及び(D,0,0)とする。さらに、第1の前記送波器からの送信波形が前記受波器に到達する時刻tを基準にし、τ01は、時刻tと第2の前記送波器からの送信波形が前記受波器に到達する時刻との到達時間差、τ02は、時刻tと第2の前記送波器からの送信波形が前記受波器に到達する時刻との到達時間差をそれぞれ示す。)
【数5】


(式中、第1~3の前記受波器のそれぞれの座標を(0,0,0)、(0,d,0)および(0,0,d)とする。また、第1の前記送波器からの送信波形が第1の前記受波器に到達する時刻tを基準にし、ξ01'は、時刻tと第1の前記送波器からの送信波形が第2の前記受波器に到達する時刻との到達時間差、ξ02'は、時刻t0と第1の前記送波器からの送信波形が第3の前記受波器に到達する時刻との到達時間差をそれぞれ示す。さらに、θy’は、Y’座標軸に関する第1の前記送波器と第1の前記受波器とを結ぶ直線の方向余弦角、θz’は、Z’座標軸に関する第1の前記送波器と第1の前記受波器とを結ぶ直線の方向余弦角をそれぞれ示す)
【数6】


(式中、P’は、第1の前記送波器の位置ベクトルを示す。)
【数7】



【請求項3】
前記位置関係情報算出手段は、前記受波器の配列の地球座標系に対する向きの情報を補完情報として用いて前記位置関係情報を算出することを特徴とする請求項2記載の水中位置関係情報取得システム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012178124thum.jpg
出願権利状態 登録


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