TOP > 国内特許検索 > 抗菌剤、及び抗菌活性増強剤
細菌感染症に対しては、通常、抗菌薬の作用により原因菌(黄色ブドウ球菌、腸球菌、緑膿菌、病原性大腸菌等)を静菌又は殺菌するという治療方法が採られる。ところが、抗菌薬を用いることによって、その抗菌薬に対する薬剤耐性菌が出現することとなる。例えば、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、抗菌薬が頻用される病院において出現し、集団感染の起因菌となることが知られている。
薬剤耐性菌の出現を抑制するためには、複数の抗菌薬を併用するという治療方法が有効である。しかしながら、同一の抗菌薬の組み合わせを採用し続けることにより、抗菌薬の組み合わせに対する耐性菌の出現が想定される。このため、併用する抗菌薬の候補を拡大することは極めて重要である。また、MRSAに対する第1選択薬としてはバンコマイシンが知られているが、バンコマイシンに対する耐性菌(バンコマイシン中程度耐性黄色ブドウ球菌(VISA))の出現も報告されている。したがって、新たな抗菌薬、特にVISAのような薬剤耐性菌に対しても有効な抗菌薬の開発が求められている。
一方、スイレン科コウホネ属植物に含まれるセスキテルペン二量体チオアルカロイドは、発毛作用(特許文献1)、癌細胞浸潤抑制作用(特許文献2)、マラリア原虫増殖抑制作用(特許文献3)等の作用を有することが報告されているが、抗菌活性を有することについて、特に薬剤耐性菌に対しても抗菌活性を有することについては未だ知られていない。
本発明は、薬剤耐性菌に対しても有効な抗菌剤、及び該抗菌剤を含有する医薬組成物に関する。さらに、本発明は、既存の抗生物質の抗菌活性増強剤にも関する。