TOP > 国内特許検索 > 自己位置推定装置、自己位置推定方法、自己位置推定プログラム、及び移動体
未知環境内をロボットが移動するためには、環境を計算機上にモデリングする必要がある。未知環境をモデリングする手法として、Simultaneous Localization and Mapping(SLAM)が知られている(例えば、非特許文献1)。これは、未知環境下での相対的自己位置推定と地図生成を同時に行うことによって環境のモデリングを行う。SLAMでは周囲の環境は静的であるという仮定に基づくものが多く、動的環境下では、マッチング誤差が発生してしまうという問題があった。
そのため、作業領域を人と共有するような実環境下でロボットを運用する場合、人の往来など動的な環境変化に対応する必要がある。動的環境下で利用可能なSLAMとして、外れ値を考慮したランドマークに基づくアプローチが提案されている(例えば、非特許文献2)。
しかしながら、非特許文献2の手法には十分な数のランドマークが観察される必要性や、動的障害物による隠れの問題がある。
また、センシング対象の形状(非特許文献3)や、フレーム間の最近傍点距離(非特許文献4)によって、静止物体と移動物体とを区別し、マッチングを行う手法も提案されている。
しかしながら、非特許文献3、4の手法は、測定精度が移動物体かどうかを判定する判別器の性能に強く依存するという問題がある。
また、レーザレンジファインダで計測される2次元の位置情報のように、複数の計測点により構成された位置情報同士のマッチングを行う手法として、L2ノルムを最小化する手法であるIterative Closest Point(ICP)も知られている(非特許文献5)。
図23は、ICPを用いた場合のマッチングの誤差を示した図である。図23においては、ロボットの移動面を示す2次元の座標空間に、ロボットに搭載された位置センサにより計測された計測点と、移動体の周囲に存在する物体の実際の位置とが重ね合わせてプロットされている。そして、図23の円の点線で囲んだ領域に計測点と実際の位置との誤差が生じている。
このように、非特許文献5に示す手法では、図23に示すように、動的な環境下において多くのマッチング誤差が発生してしまう。
本発明は、移動体の自己位置を推定する技術に関し、特に、未知環境下で動作する移動体の自己位置を推定する技術に関するものである。
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