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(In Japanese)大脳基底核神経回路の神経伝達を解析する方法

Patent code P150012419
File No. 4799
Posted date Oct 16, 2015
Application number P2012-512542
Patent number P5728471
Date of filing Apr 30, 2010
Date of registration Apr 10, 2015
International application number JP2010003089
International publication number WO2011135632
Date of international filing Apr 30, 2010
Date of international publication Nov 3, 2011
Inventor
  • (In Japanese)疋田 貴俊
  • (In Japanese)中西 重忠
Applicant
  • (In Japanese)国立大学法人京都大学
Title (In Japanese)大脳基底核神経回路の神経伝達を解析する方法
Abstract (In Japanese)本発明は、大脳基底核の神経回路の神経伝達について解析する方法および大脳基底核の神経回路の神経伝達に影響を与え得る物質の探索方法を提供することを課題とする。かかる課題は、大脳基底核の神経回路のうち、直接路および/または間接路を遮断したトランスジェニック非ヒト動物を用いることにより、大脳基底核の神経回路の神経伝達について解析すること、および大脳基底核の神経回路の神経伝達に影響を与え得る物質を探索することが可能であることを見出したことにより解決される。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

大脳基底核は運動バランスの制御や報酬に基づく学習に重要な脳神経部位であり、その障害はパーキンソン病、ハンチントン病、薬物依存症などの精神神経疾患に至る。線条体投射神経細胞はGABA作動性中型有棘細胞であり、その投射先から直接路を構成する線条体黒質神経細胞と間接路を構成する線条体淡蒼球神経細胞に二分される。これらの2つの経路からの入力は黒質網様部/腹側被蓋野で統合され、大脳基底核-視床-皮質回路の動的バランスを制御している。

近年、BACトランスジェニックマウスを用いた技術によって、線条体黒質神経細胞と線条体淡蒼球神経細胞を標識することが出来るようになっており、2種類の細胞が異なる機能タンパク質や細胞内情報分子を発現していることが示されている(非特許文献1)。かかるBACトランスジェニックマウスではD1ドーパミン受容体あるいはD2ドーパミン受容体のプロモーターを、蛍光タンパク質などを発現させるために用いているが、目的の中型有棘細胞だけでなく線条体内のインターニューロンにも発現するなど特異性に欠ける。線条体黒質神経細胞と線条体淡蒼球神経細胞は、線条体内に同数が混じり合って存在し、サイズ、形態、電気生理学的性質が似ているために、これらの2つの経路を介してどのように神経情報が処理統合されているかを解析することは不可能であった。

小脳の顆粒細胞の神経伝達を選択的かつ可逆的に遮断する技術(非特許文献2、特許文献1)が開示されている。非特許文献2および特許文献1では、GABAA受容体α6サブユニットプロモーター下にテトラサイクリン活性型転写因子遺伝子(rtTA)を持つトランスジェニックマウスと、テトラサイクリン応答配列およびCMVプロモーターの下流に、緑色蛍光タンパク質GFPと破傷風菌毒素の融合遺伝子を持つトランスジェニックマウスが作製され、これらのマウスをかけ合わせることにより、ダブルトランスジェニックマウスが作製されている。

このダブルトランスジェニックマウスにテトラサイクリンの誘導体であるドキシサイクリンを投与すると、GABAA受容体α6サブユニットプロモーターによって小脳顆粒細胞に選択的に発現するrtTAが活性化され、2番目の導入遺伝子上のテトラサイクリン応答配列に働き、GFPと破傷風菌毒素の融合タンパク質を発現する。破傷風菌毒素はシナプス開口分泌関連タンパク質VAMP2を切断し、神経伝達物質の放出を抑制する。ドキシサイクリンの投与を中止すると、rtTAは不活性化され、破傷風菌毒素の発現はなくなり、やがて新生したVAMP2によって神経伝達は再開される。この技術により、他の神経回路の神経伝達を阻害することなく、小脳顆粒細胞からの神経伝達を選択的にかつ可逆的に遮断することが出来た(非特許文献3)。同様の技術が海馬、網膜の神経回路へ適応されている(非特許文献4、5)。

線条体内でより特異性の高いプロモーターとして、サブスタンスPとエンケファリンのプロモーターが知られているが、これらは大脳皮質や脊髄など他の脳部位でも広く発現するものである。大脳基底核の神経回路を特異的に遮断した系については、報告がされていない。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は、大脳基底核の神経回路の神経伝達について解析する方法、および大脳基底核の神経回路の神経伝達に影響を与え得る物質の探索方法に関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
以下の工程を含む、薬物依存症または報酬学習に影響を与え得る物質の探索方法:
(a)トランスジェニック非ヒト動物に被験物質を投与する工程であって、以下の(1)または(2)に記載の工程;
(1)線条体の間接路を遮断したトランスジェニック非ヒト動物に被験物質を投与する工程、または
(2)左右線条体の一側の線条体の直接路を遮断したトランスジェニック非ヒト動物において、他側の線条体に被験物質を投与する工程、ならびに、
(b)被験物質を投与した場合と投与していない場合とで、大脳基底核の神経回路の神経伝達の指標を比較し、当該指標に変化が生じた被験物質を、薬物依存症または報酬学習に影響を与え得る物質として選択する工程。

【請求項2】
 
線条体の間接路を遮断した前記トランスジェニック非ヒト動物が、刺激物質応答因子配列と、神経伝達阻止機能を有するタンパク質をコードする遺伝子とを有し、かつ、線条体淡蒼球神経細胞において特異的に活性化されるプロモーターと、刺激物質依存性転写因子タンパク質をコードする遺伝子とを有するトランスジェニック非ヒト動物であり、
左右線条体の一側の線条体の直接路を遮断した前記トランスジェニック非ヒト動物が、刺激物質応答因子配列と、神経伝達阻止機能を有するタンパク質をコードする遺伝子とを有し、かつ、一側の線条体に線条体黒質神経細胞において特異的に活性化されるプロモーターと、刺激物質依存性転写因子タンパク質をコードする遺伝子とを有するトランスジェニック非ヒト動物である、
請求項1に記載の探索方法。

【請求項3】
 
以下の工程を含む、忌避学習に影響を与え得る物質の探索方法:
(a)トランスジェニック非ヒト動物に被験物質を投与する工程であって、以下の(1)または(2)に記載の工程;
(1)線条体の直接路を遮断したトランスジェニック非ヒト動物に被験物質を投与する工程、または
(2)左右線条体の一側の線条体の間接路を遮断したトランスジェニック非ヒト動物において、他側の線条体に被験物質を投与する工程、ならびに
(b)被験物質を投与した場合と投与していない場合とで、大脳基底核の神経回路の神経伝達の指標を比較し、当該指標に変化が生じた被験物質を、忌避学習に影響を与え得る物質として選択する工程。

【請求項4】
 
線条体の直接路を遮断した前記トランスジェニック非ヒト動物が、刺激物質応答因子配列と、神経伝達阻止機能を有するタンパク質をコードする遺伝子とを有し、かつ、線条体黒質神経細胞において特異的に活性化されるプロモーターと、刺激物質依存性転写因子タンパク質をコードする遺伝子とを有するトランスジェニック非ヒト動物であり、
左右線条体の一側の線条体の間接路を遮断した前記トランスジェニック非ヒト動物が、刺激物質応答因子配列と、神経伝達阻止機能を有するタンパク質をコードする遺伝子とを有し、かつ、一側の線条体において線条体に線条体淡蒼球神経細胞において特異的に活性化されるプロモーターと、刺激物質依存性転写因子タンパク質をコードする遺伝子とを有するトランスジェニック非ヒト動物である、
請求項3に記載の探索方法。

【請求項5】
 
線条体淡蒼球神経細胞において特異的に活性化されるプロモーターがエンケファリンのプロモーターであり、線条体黒質神経細胞において特異的に活性化されるプロモーターがサブスタンスPのプロモーターである、請求項2または4に記載の探索方法。

【請求項6】
 
大脳基底核の神経回路の神経伝達の指標が行動である、請求項1~5のいずれか1に記載の探索方法。

【請求項7】
 
工程(a)において、前記トランスジェニック非ヒト動物に依存性薬物を投与した後、被験物質が投与される、請求項1~6のいずれか1に記載の探索方法。

【請求項8】
 
前記トランスジェニック非ヒト動物に、神経回路の遮断を解除する物質を投与する工程を含む、請求項1~7のいずれか1に記載の探索方法。

【請求項9】
 
線条体の間接路を遮断したトランスジェニック非ヒト動物、または左右線条体の一側の線条体の直接路を遮断したトランスジェニック非ヒト動物を用いて、薬物依存症または報酬学習における脳神経回路の神経伝達について解析する方法。

【請求項10】
 
線条体の直接路を遮断したトランスジェニック非ヒト動物、または左右線条体の一側の線条体の間接路を遮断したトランスジェニック非ヒト動物を用いて、忌避学習における脳神経回路の神経伝達について解析する方法。

【請求項11】
 
前記トランスジェニック非ヒト動物に、薬物を投与する工程を含む、請求項9または10に記載の解析方法。

【請求項12】
 
前記トランスジェニック非ヒト動物に、神経回路の遮断を解除する物質を投与する工程を含む、請求項9~11のいずれか1に記載の解析方法。

【請求項13】
 
薬物が依存性薬物であり、薬物依存症の病態を解析するために行われる、請求項11記載の解析方法。
IPC(International Patent Classification)
F-term
Drawing

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JP2012512542thum.jpg
State of application right Registered
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