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(In Japanese)リビングラジカル重合触媒および重合方法 foreign

Patent code P150012423
File No. 3478
Posted date Oct 16, 2015
Application number P2013-529906
Patent number P5995848
Date of filing Aug 24, 2012
Date of registration Sep 2, 2016
International application number JP2012005336
International publication number WO2013027419
Date of international filing Aug 24, 2012
Date of international publication Feb 28, 2013
Priority data
  • P2011-184173 (Aug 25, 2011) JP
Inventor
  • (In Japanese)後藤 淳
  • (In Japanese)梶 弘典
Applicant
  • (In Japanese)国立大学法人京都大学
Title (In Japanese)リビングラジカル重合触媒および重合方法 foreign
Abstract (In Japanese)安価で活性が高く環境に優しくかつラジカル開始剤を必要としないリビングラジカル重合触媒を提供すること
ハロゲン化物イオンとのイオン結合を有する非金属化合物がリビングラジカル重合方法のための触媒として使用される。この触媒を用いれば、有機化酸化物やジアゾ化合物などのラジカル開始剤を使用しなくても、ラジカル反応性不飽和結合を有するモノマーをラジカル重合反応させて、分子量分布の狭いポリマーを得ることができ、リビングラジカル重合のコストを劇的に低減することができ、かつ、ラジカル開始剤の使用による悪影響(副反応など)を防ぐことが可能となる。本発明は、触媒の低毒性、低使用量、高溶解性、温和な反応条件、無着色・無臭(成形品の後処理が不要)などの利点を有し、従来のリビングラジカル重合方法に比べて格段に環境に優しく経済性に優れる。各種のモノマーに適用でき、また、高分子量体の合成を可能とする。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

従来から、ビニルモノマーを重合してビニルポリマーを得る方法として、ラジカル重合法が周知であったが、ラジカル重合法は一般に、得られるビニルポリマーの分子量を制御することが困難であるという欠点があった。また、得られるビニルポリマーが、様々な分子量を有する化合物の混合物になってしまい、分子量分布の狭いビニルポリマーを得ることが困難であるという欠点があった。具体的には、反応を制御しても、重量分子平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)として、2~3程度にまでしか減少させることができなかった。

このような欠点を解消する方法として、1990年頃から、リビングラジカル重合法が開発されている。すなわち、リビングラジカル重合法によれば、分子量を制御することが可能であり、かつ分子量分布の狭いポリマーを得ることが可能である。具体的には、Mw/Mnが2以下のものを容易に得ることが可能であることから、ナノテクノロジーなどの最先端分野に用いられるポリマーを製造する方法として脚光を浴びている。

リビングラジカル重合法に現在用いられる触媒としては、遷移金属錯体系触媒が知られている。

遷移金属錯体系触媒としては、例えば、Cu、Ni、Re、Rh、Ruなどを中心金属とする化合物に配位子を配位させた錯体が使用されている。このような触媒は、例えば、以下の文献に記載されている。

特許文献1(特開2002-249505号公報)は、Cu、Ru、Fe、Niなどを中心金属とする錯体を触媒として使用することを開示する。

なお、特許文献1は、その請求項1において、重合開始剤として、有機ハロゲン化物を用いると記載している。この記載は、ハロゲン化炭化水素がリビングラジカル重合の触媒として作用することを意味するものではない。特許文献1の発明においては、遷移金属を中心金属とする金属錯体が、リビングラジカル重合触媒として使用されている。特許文献1の発明においては、有機ハロゲン化物が、本明細書中で後述するドーマント種として使用されている。

特許文献2(特開平11-322822号公報)は、ヒドリドレニウム錯体を触媒として使用することを開示する。

なお、特許文献2は、その請求項1において、「ヒドリドレニウム錯体およびハロゲン化炭化水素の組み合わせからなるラジカルリビング重合用触媒」と記載している。この記載は、ハロゲン化炭化水素がリビングラジカル重合の触媒として作用することを意味するものではない。特許文献2の発明においては、ヒドリドレニウム錯体が、リビングラジカル重合触媒として使用されている。特許文献2の発明においては、ハロゲン化炭化水素が、本明細書中で後述するドーマント種として使用されている。その触媒とドーマント種との組み合わせを特許文献2では触媒と記載しているものであって、ハロゲン化炭化水素がリビングラジカル重合の触媒となることを記載しているのではない。

非特許文献1(Journal of The American Chemical
Society 119,674-680(1997))は、4,4’-ジ-(5-ノニル)-2,2’-ビピリジンを臭化銅に配位させた化合物を触媒として使用することを開示する。

なお、非特許文献1は、スチレンの重合の際に1-フェニルエチルブロミドを用いたことを記載している。すなわち、特許文献2の発明においては、臭化銅錯体が、リビングラジカル重合触媒として使用され、1-フェニルエチルブロミドが、本明細書中で後述するドーマント種として使用されている。

しかしながら、このような遷移金属錯体触媒を用いる場合には、使用量として多量の遷移金属錯体触媒が必要であり、反応後に使用された大量の触媒を製品から完全に除去することが容易でないという欠点があった。また不要となった触媒を廃棄する際に環境上の問題が発生し得るという欠点があった。さらに、遷移金属には毒性の高いものが多く、製品中に残存する触媒の毒性が環境上問題となる場合があり、遷移金属を食品包装材、生体・医療材料などに使用することは困難であった。また、反応後に製品から除去された触媒の毒性が環境上問題となる場合もあった。さらに、導電性の遷移金属がポリマーに残存するとそのポリマーに導電性が付与されてしまって、レジストや有機EL、燃料電池、太陽電池、リチウムイオン電池などの電子材料に使用することが困難であるという問題もあった。また、錯体を形成させないと反応液に溶解しないため、配位子となる化合物を用いなければならず、このために、コストが高くなり、かつ、使用される触媒の総重量がさらに多くなってしまうという問題もあった。さらに、配位子は、通常、高価であり、あるいは煩雑な合成を要するという問題もあった。また、重合反応に高温(例えば、110℃以上)が必要であるという欠点があった(例えば、上記非特許文献1では、110℃において重合を行っている)。

なお、触媒を用いる必要がないリビングラジカル重合方法も公知である。例えば、ニトロキシル系、およびジチオエステル系の方法が知られている。しかし、これらの方法においては、特殊な保護基をポリマー成長鎖に導入する必要があり、この保護基が非常に高価であるという欠点がある。また、重合反応に高温(例えば、110℃以上)が必要であるという欠点がある。さらに、生成するポリマーが好ましくない性能を有しやすいという欠点がある。すなわち、生成するポリマーがその高分子本来の色と異なる色に着色されたものになりやすく、また、生成するポリマーが臭気を有するものになりやすいという欠点がある。

他方、非特許文献2(Polymer Preprints 2005, 46(2), 245-246)および特許文献3(特開2007-92014号公報)は、Ge、Snなどを中心金属とする化合物を触媒として使用することを開示する。特許文献4(国際公開WO2008/139980号公報)は、窒素またはリンを中心金属とする化合物を触媒として使用することを開示する。

また、最近では、可逆的錯体形成媒介重合(RCMP)と称する、保護基にヨウ素を、触媒にアミンを用いた新しい有機触媒型リビングラジカル重合方法が開発されている。この重合方法では、触媒として、トリエチルアミン(TEA)等の単純なアミンを利用できるという特色があり、メタクリレート等の重合に有効である。特許文献5(国際公開WO2011/016166号公報)は、有機アミン化合物などを触媒として使用することを開示する。

非特許文献1に記載されていた銅錯体触媒では、ポリマー1kgを重合する際に必要とされる触媒の費用がおよそ数千円になっていた。これに対して、ゲルマニウム触媒においては、約千円程度にまで費用が低減されるので、非特許文献2の発明は、触媒の費用を顕著に低減させるものであった。しかしながら、リビングラジカル重合を汎用樹脂製品等に応用するためには、さらなる低コストの触媒が求められていた。

一般に、遷移金属、あるいは遷移金属元素の化合物が、各種化学反応の触媒として好ましいことが知られている。例えば、J.D.LEE 「無機化学」(東京化学同人、1982年4月15日第1版発行)311頁は、「多くの遷移金属とその化合物は触媒作用をもつ。…ある場合には、遷移金属はいろいろな原子価をとり、不安定な中間体化合物をつくることがあり、また他の場合には、遷移金属は良好な反応面を提供しこれらが触媒作用として働くのである」と記載している。すなわち、不安定な様々な中間体化合物を形成できるなどの遷移金属に特有の性質が、触媒の機能には欠かせないことが当業者に広く理解されていたのである。

そして上述した非特許文献2に記載されたGe、Sn、Sbは遷移金属ではないが、周期表の第4周期および第5周期に位置する元素であって、大きい原子番号を有し、多数の電子および多数の電子軌道を有する。従って、Ge、Sn、Sbにおいては、これらの原子が多数の電子および多数の電子軌道を有することが、触媒として有利に作用していることが推測される。

このような従来技術の各種触媒に関する技術常識によれば、周期表の第2周期および第3周期に位置する典型元素は少数の電子および電子軌道しか有さず、触媒化合物に用いることは不利であり、これらの典型元素を用いた化合物に触媒作用は期待できないと考えられていた。

また、非特許文献3にはリン化合物を用いた触媒が開示されているが、ハロゲン化物イオンとのイオン結合を有する非金属元素化合物を用いることについての記載はない。

上述したように、様々な触媒が従来から検討されているが、分子量分布の狭いポリマーを得ることができる触媒、例えば、特許文献5に開示されているアミン化合物などにおいても、さらなる改良が求められている。

例えば、分子量分布が狭いポリマーを得ることができる触媒を使用する場合、すなわち、リビング重合が充分に制御される触媒を使用する場合、得られるポリマーの分子量を高くすることが難しいという課題があった。例えば、α-メチル基を有するメチルメタクリレート(MMA)の場合、高温で重合を行うと、副反応である休止種(ドーマント種)末端からのヨウ素脱離が顕著に生ずるため、長時間の重合が難しく、そのため、分子量を高くすることが難しいという課題があった。また、モノマーの種類によっては重合の制御が難しい場合があった。例えば、アクリレートモノマーを重合する際の制御が難しい場合があった。

また、従来のリビングラジカル重合においては、遷移金属錯体を触媒として用いる場合、およびニトロキシルを保護基として用いる場合を除いて、過酸化物やジアゾ化合物などのラジカル開始剤が使用されていたために、例えば、以下の欠点があった。

(1)ラジカル開始剤から生成するラジカルがモノマーと反応して、リビングラジカル重合のメカニズムに基づかない反応が行われ、その結果として、所望のポリマーよりも分子量の低いポリマーが生成物中に混入し、分子量分布が広くなってしまう。

(2)ブロック共重合を行う場合に、生成物中に単独重合体が混入してしまう。例えば、モノマーAを重合したセグメントにモノマーBを重合したセグメントを連結した構造のブロック共重合体を合成する際に、ラジカル開始剤とモノマーBとの反応によるホモポリマーが生成してしまい、結果としてブロック共重合体の純度が低下してしまう。

(3)リビングラジカル重合においては、例えば、星形ポリマー、くし形ポリマーと呼ばれる分岐ポリマーを合成することが可能である。このような分岐ポリマーの重合を行う場合に、ラジカル開始剤から生成するラジカルがモノマーと反応して、リビングラジカル重合のメカニズムに基づかない反応が行われると、生成物中に直鎖重合体が混入してしまう。

(4)表面重合を行う場合に、表面に結合していない重合体が生成してしまう。リビングラジカル重合においては、固体の表面を開始点として重合を行って固体表面にポリマーが結合した生成物を得ることが可能である。このような場合に、ラジカル開始剤から生成するラジカルがモノマーと反応して、リビングラジカル重合のメカニズムに基づかない反応が行われると、表面に結合していない重合体が生成してしまい、収率が低下する。

従って、ラジカル開始剤を使用せずにリビングラジカル重合を行う方法が望まれている。ここで、上述した遷移金属を中心元素とする触媒を用いる場合には、ラジカル開始剤を使用せずにリビングラジカル重合を行うことが可能であるが、遷移金属を中心元素とする触媒については、上述した欠点があるので、産業的に利用するのは困難であった。非特許文献4は、保護基をニトロキシルとして用いる方法を記載するが、保護基をニトロキシルとして用いた場合も、保護基が非常に高価であるなどの上述した欠点があるので、やはり、産業的に利用するのは困難である。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は、リビングラジカル重合に用いられる高活性触媒およびそれを用いた重合方法に関する。より具体的には、本発明は、ハロゲン化物イオンとのイオン結合を有する非金属元素化合物をリビングラジカル重合の触媒として用いる。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
リビングラジカル重合法のための触媒であって、
該触媒は、ハロゲン化物イオンとのイオン結合を有する非金属化合物であって、該非金属化合物中の非金属原子がカチオンの状態であり、ハロゲン化物イオンとイオン結合を形成しているものであって、
1-メチル-3-メチル-イミダゾリウムヨーダイド(EMIZI)、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムブロマイド(EMIZBr)、2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨーダイド(CMPI)、テトラブチルアンモニウムヨーダイド(BNI)、テトラブチルアンモニウムトリヨーダイド(BNI3)、テトラブチルアンモニウムブロモジヨーダイド(BNBrI2)、テトラエチルアンモニウムヨーダイド(ENI)、ヘキサフェニルジホスファゼニウムクロリド(PPNCl)、メチルトリブチルホスホニウムヨーダイド(BMPI)、テトラフェニルホスホニウムヨーダイド(PPI)、トリブチルスルホニウムヨーダイド(BSI)、及びジフェニルヨードニウムヨーダイド(PII)から選択される、触媒。

【請求項2】
 
リビングラジカル重合を行う工程を包含する重合方法であって、該リビングラジカル重合工程が、請求項1に記載の触媒の存在下で行われる、方法。

【請求項3】
 
請求項2に記載の方法であって、前記リビングラジカル重合を行う際の反応混合物にラジカル開始剤が添加されない、方法。

【請求項4】
 
請求項2又は3に記載の方法であって、前記リビングラジカル重合反応において炭素-ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物が使用され、該有機ハロゲン化物から与えられるハロゲンが成長鎖の保護基として使用される、方法。

【請求項5】
 
請求項24のいずれか1項に記載の方法であって、前記リビングラジカル重合を行う際の反応温度が30℃~85℃である、方法。

【請求項6】
 
請求項25のいずれか1項に記載の方法であって、I-が前記リビングラジカル重合反応の活性化剤として使用され、I3-が該リビングラジカル重合反応の不活性化剤として使用される、方法。

【請求項7】
 
リビングラジカル重合法における触媒の使用であって、該触媒が、請求項1に記載の触媒であり、ここで、該重合法が、該触媒の存在下でリビングラジカル反応を行う工程を包含する、使用。
IPC(International Patent Classification)
F-term
Drawing

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JP2013529906thum.jpg
State of application right Registered
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