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(In Japanese)リジンオリゴマー誘導体及びそれからなる軟骨組織マーカー commons meetings

Patent code P150012478
Posted date Oct 28, 2015
Application number P2014-504955
Patent number P6112427
Date of filing Mar 13, 2013
Date of registration Mar 24, 2017
International application number JP2013056974
International publication number WO2013137302
Date of international filing Mar 13, 2013
Date of international publication Sep 19, 2013
Priority data
  • P2012-055511 (Mar 13, 2012) JP
Inventor
  • (In Japanese)大橋 俊孝
  • (In Japanese)加来田 博貴
Applicant
  • (In Japanese)国立大学法人岡山大学
Title (In Japanese)リジンオリゴマー誘導体及びそれからなる軟骨組織マーカー commons meetings
Abstract (In Japanese)リジンのε-アミノ基とカルボキシル基とがペプチド結合で連結されてなり、C末端カルボキシル基、N末端アミノ基及び/又はα-アミノ基に、電磁波を発生又は吸収し得る基が結合されてなることを特徴とする、リジンオリゴマー誘導体である。このリジンオリゴマー誘導体は、軟骨基質に特異的に集積する性質を有するとともに、電磁波を発生又は吸収することができるので、軟骨組織マーカーとして有用である。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

軟骨組織は、膝関節等の関節において、骨相互の間に生じる摩擦を緩和し、衝撃を吸収するために存在する、軟骨細胞とそれを取り囲む基質からなる支持組織である。様々な原因によって軟骨組織を形成する軟骨基質が変性すると、含水率が低下して、その機能を維持することが難しくなり、慢性の関節炎を伴う関節疾患である変形性関節症(OA:osteoarthritis)を発症する。これは、関節の構成要素の変性により軟骨の破壊と骨及び軟骨の増殖性変化を来たす疾患である。日本における変形性関節症の総患者数は、約800万人とされており、人口の高齢化とともに数はさらに増加することが予想されている。

変形性関節症により軟骨及び骨の損傷・破壊が進行するとその後の段階ではそれらを元どおりに戻すことはできない。しかしながら、早期に発見して適切な治療を施せば、症状の進行を遅らせることは可能である。変形性関節症の症状の現れ方や進み方は人により千差万別であるため、適切な治療を選択するには、患者個々の関節軟骨の状態を早期に精密に検査し、異常を把握することが極めて重要である。これと同様に、臨床以前の問題としても、関節組織の変性に対する効果の高い治療剤を開発する上で、少なくとも実験動物の関節軟骨の変性を定性的及び定量的に、また可能な限り生きた状態(in vivo)で経時的に、評価できることも、極めて重要である。

現在、ヒト患者における関節の検査には、単純X線撮影、関節液検査、関節鏡検査などが一般的に行われている。単純X線検査は安価でありどの医療機関でも実施可能ではあるものの、関節軟骨の主要成分がコンドロイチン硫酸とケラタン硫酸側鎖を含有するプロテオグリカンであるアグリカンと、コラーゲンとであるため、X線検査では関節軟骨自体は写らない。実験動物においても同様である。従って、X線撮影では、関節裂隙(関節における向かい合った2個の骨端間の間隙)の狭小化その他、関節周囲の骨の変化を見ることで関節破壊の程度を調べることはできても、軟骨自体の変化については間接的な評価に止まる。すなわち、X線撮影では、軟骨が現に受けている損傷や変性の程度を直接検出はできず、したがって、その定量化もできない上、症状の進んでいない状態での関節軟骨の損傷の発見が困難である。一方、他の方法である関節液検査では、関節軟骨の状態を、生理学的ないし生化学的変化を指標として用いて捉えることはできても、関節軟骨の厚みや変形等の物理的状態を知るには無力である。また、直接に関節軟骨を画像診断する方法として、関節鏡を用いた方法がある。それらは、例えば関節鏡の先端からレーザー光を照射し、軟骨組織から発生する超音波を検出することで軟骨の物性を測定する方法(特許文献1参照)、軟骨の圧縮変形に伴う吸光度の時間的変化を近赤外線水分計を用いて測定することによって、軟骨の変性の程度を初期段階から客観的に評価する方法(特許文献2参照)等であるが、何れも高度に侵襲性であり、大きな身体的負担や感染などのリスクを患者に強いるという欠点がある。このためそれらの方法をヒト患者に適用するには場合が限定され、実験動物においても、そのような侵襲の影響は関節疾患に対する薬物評価に必要な経時的検査に行うのを困難にするため、利用に適さない。

これらに対し、近年、ヒト患者では軟骨イメージングにMRIが利用されるようになりつつあり、軟骨自体の質的評価を可能にする検査手段として期待されているが、MRI装置は極めて高価であるためこれを導入できる医療機関はごく限られ、しかも解像度には未だ問題を残しており、その点からも利用は困難である。

このような状況にあって、軟骨の状態を早期に診断する方法やそのための正確な疾患マーカーの開発が進められている(特許文献3及び4参照)。

一方、近年、生体内部組織の3次元画像を選択的に作成する技術として、蛍光分子を用いてex vivoで生体組織の光学投影断層撮影(Optical Projection Tomography:OPT)を行う蛍光イメージング装置が開発されている。これによれば、蛍光染色された生体組織に対して、励起光としてパルスレーザを照射して個々のパルス照射毎に生体組織の照射部位より発生するフォトンを光電子増倍管によって増幅して検出し、これを時間相関単一光子計数法で処理して得られたデータを画像化処理に付すことにより、目的組織の任意の断面画像やその組織全体の画像(3次元画像、断面画像)を作成することができる。また、生きたラットやマウス等の小動物の体内の蛍光標識物質の位置を外部から検出して画像化することができるin vivo蛍光イメージングシステムも、近年開発され市販されている(例えばGE HEALTHCARE社製「eXplore Optix」)。これによれば、目的とする組織に特異的に集積する蛍光標識を動物に投与し、その3次元的分布を経時的に測定して画像化することができる。in vivo 蛍光イメージングは非侵襲性で行われるため安全であり、しかも高感度であることから、生きた実験動物の特定の組織やその成分をマークして経時的に画像化し、タンパク質の動態や、病変の状態変化を評価することに利用され始めており、将来的にはヒト組織について同様な利用が期待されている。

近年、下記式で示される構造を有するポリアルギニンペプチド(a)又はポリリジンペプチド(b)が、軟骨組織に特異的に結合することを利用した軟骨マーカーが報告された(特許文献5参照)。これらのポリペプチドは、下記式に示されるように、アルギニン又はリジンのα-アミノ基とカルボキシル基とがペプチド結合で連結されたものである。特許文献5記載の化合物は、そのN末端もしくはC末端に対して、蛍光団やX線吸収性基を結合させた軟骨組織マーカーである。

【化1】
(省略)

特許文献5記載の化合物について、蛍光物質を導入する場合においては、高感度な蛍光団を導入することにより、所望の軟骨組織の可視化が可能である。一方、X線吸収物質を用いるには、X線吸収性の原子団、たとえばヨウ素原子等を多く含ませる必要がある。しかし、ポリアルギニンペプチド又はポリリジンペプチドは分子量が大きいため、オリゴマー1分子あたりに導入しなければならないヨウ素原子数が多く必要になる。この場合、当該ポリアルギニンペプチド又はポリリジンペプチドの溶解性、また軟骨組織における当該化合物の浸透性などに影響を及ぼしうるため、その改善が要求されている。

特許文献6には、アミノ基がウレタン結合で保護されたε-ポリリジンが記載されている。ここで、ε-ポリリジンは、リジンのε-アミノ基とカルボキシル基とがペプチド結合で連結されたものである。特許文献6にはこのようなε-ポリリジンを、トイレタリー用品、化粧品、飼料添加物、医薬、農薬、食品添加物、電子材料などに用いることについて記載されている。しかしながら、このようなε-ポリリジンを生体組織のマーカーに用いることについては何ら記載されておらず、ε-ポリリジンに蛍光団やX線造影用の基を導入することについても何ら記載されていない。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は、リジンオリゴマー誘導体に関する。また本発明は、軟骨基質に特異的に結合する性質を有するリジンオリゴマー誘導体からなる軟骨組織マーカーに関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
リジンのε-アミノ基とカルボキシル基とがペプチド結合で連結されてなり、C末端カルボキシル基、N末端アミノ基及び/又はα-アミノ基に、電磁波を発生又は吸収し得る基が結合されてなることを特徴とする、リジンオリゴマー誘導体。

【請求項2】
 
3~12個のリジンが連結されてなる請求項1に記載のリジンオリゴマー誘導体。

【請求項3】
 
前記電磁波を発生又は吸収し得る基が、蛍光団又はX線造影用の基である請求項1又は2に記載のリジンオリゴマー誘導体。

【請求項4】
 
前記電磁波を発生又は吸収し得る基が、ヨウ素原子を含むX線造影用の基である請求項3に記載のリジンオリゴマー誘導体。

【請求項5】
 
請求項1に記載のリジンオリゴマー誘導体からなる軟骨組織マーカー。

【請求項6】
 
3~12個のリジンが連結されてなる請求項5に記載の軟骨組織マーカー。

【請求項7】
 
前記電磁波を発生又は吸収し得る基が、蛍光団又はX線造影用の基である請求項5又は6に記載の軟骨組織マーカー。

【請求項8】
 
前記電磁波を発生又は吸収し得る基が、ヨウ素原子を含むX線造影用の基である請求項7に記載の軟骨組織マーカー。

【請求項9】
 
ε-アミノ基とカルボキシル基とのペプチド結合により連結されてなるリジンオリゴマーからなる、軟骨を標的化してこれに薬剤を運搬するための担体。

【請求項10】
 
3~12個のリジンが連結されてなる請求項9に記載の担体。
IPC(International Patent Classification)
F-term
Drawing

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JP2014504955thum.jpg
State of application right Registered
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