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新規トリテルペン、その製造方法及びそれを含有する組成物 新技術説明会

国内特許コード P160013049
整理番号 160012JP01
掲載日 2016年6月13日
出願番号 特願2016-091377
公開番号 特開2017-197500
出願日 平成28年4月28日(2016.4.28)
公開日 平成29年11月2日(2017.11.2)
発明者
  • 天竺桂 弘子
  • 高取 薫
  • 福澤 侃
出願人
  • 国立大学法人東京農工大学
  • 学校法人 明治薬科大学
発明の名称 新規トリテルペン、その製造方法及びそれを含有する組成物 新技術説明会
発明の概要 【課題】本発明は、新規トリテルペン、その製造方法及びそれを含有する組成物を提供する。
【解決手段】式(I):
【化1】



[式中、Rは、水素原子、又はメチル基であり;Rは、水素原子、又はメチル基であり;但し、R及びRは異なる置換基である]で示されるトリテルペン、その塩若しくはエステル、又はそれらの配糖体。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


アルツハイマー病(Alzheimer’s disease;AD)は初老期に発症して進行性痴呆を呈し、有効な治療法もなく数年で死に至る難病である。高齢化社会を迎え患者数は年々増加しており、早期診断・治療・予防法の確立が急務である。病理学的にAD脳では老人斑として知られるアミロイドベータ蛋白質(以下、Aβ、アミロイドβともいう)の沈着や、異常にリン酸化したタウ蛋白質の蓄積により神経原線維の変化を伴って脳の広汎な神経細胞死が引き起こされる(非特許文献1)。現在AD治療薬として、Aβの産生に関与するβ-セクレターゼ阻害やAβ凝集阻害を標的とした化合物の探索が広く行われている。



ハイスループットにAβ凝集阻害活性の有無の評価を行う方法として、チオフラビンT(THT)法が汎用された1次スクリーニング法の一つとして用いられており、天然物由来成分についても報告がある。例えば、ツバキ科のチャノキ(茶の木)Camellia sinensis var. assamica花部から単離された新規サポニンであるトリテルペン配糖体のfloraassamsaponin III、IV、VIIにはAβ凝集阻害活性を有することが報告されている(非特許文献2)。また、中国薬用植物として知られるSalvia miltiorrhizaの主成分であるcryptotanshinoneはSTAT3のリン酸化阻害(非特許文献3)の他にAβ凝集阻害活性があることが報告されている(非特許文献4)。さらには、天然物化合物のフラボノイドとして広く知られるミリセチンはAβの産生に関与するβ-セクレターゼ阻害活性(非特許文献5)に加えAβ凝集阻害活性(非特許文献6)も報告されている。



これまでに天然物由来の生理活性物質の探索では、植物及び菌類を主な出発材料として用いていたが、単離可能な有用物質は探索され尽くされており、新たな出発材料として適切な素材が見つからない点が問題となっていた。上述したように、植物由来天然物材料からAβ凝集阻害活性物質の探索が行われているが、昆虫を出発材料としたAβ凝集阻害活性物質の探索は行われていなかった。



昆虫は世界中に110万種類以上存在することが知られており、ヒトが利用できないアルカロイド類等を含む植物でさえも利用することができる(非特許文献7)。アルカロイド類は多くの薬理作用があり、中には抗ガン作用を持つ化合物も知られている(非特許文献8)。この他にもヒトにとっては毒である成分も昆虫種によってはそれらを生体システムの維持に組み込み、巧みに利用している。また昆虫はその体内において植物や動物体から吸収した成分を濃縮し、ヒトが吸収しやすい形にも変えることができる(非特許文献9)。このように昆虫はヒトにとって有用な物質をその体内に持つ種類が存在する。これまでにも昆虫からは多くの有用物質が発見されているが、医薬品候補化合物として化合物の単離・構造決定はほとんどなされていない。



一方で、昆虫体内で強力な抗ガン作用を持つものとしてモンシロチョウからピエリシンが国立がんセンターの若林らにより偶然発見されている(非特許文献10)が、ピエリシンは高分子であるタンパク質であるために、医薬品としての製剤化が困難であるという問題点があり、現在も強力な広範囲の癌に作用する抗癌活性を有するものの医薬品としての開発はされていない。また、昆虫資源類からAβ凝集阻害を有する化合物はこれまでに単離・同定されていない。
以上より、新たな素材から単離可能な有用物質が求められていた。

産業上の利用分野


本発明は、新規トリテルペン、その製造方法及びそれを含有する組成物に関する。また本発明は、新規トリテルペンを有効成分として含有する、アミロイドβ凝集阻害剤、抗認知症剤及び抗腫瘍剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
式(I):
【化1】


[式中、
は、水素原子、又はメチル基であり;
は、水素原子、又はメチル基であり;
但し、R及びRは異なる置換基である]
で示されるトリテルペン、その塩若しくはエステル、又はそれらの配糖体。

【請求項2】
式(I)が、下記式:
【化2】


である、請求項1に記載のトリテルペン、その塩若しくはエステル、又はそれらの配糖体。

【請求項3】
3位水酸基に糖残基が結合した配糖体である、請求項1又は2に記載のトリテルペン、その塩若しくはエステル、又はそれらの配糖体。

【請求項4】
以下:
【化3】


からなる群から選択される化合物。

【請求項5】
アマミナナフシ代謝残渣より抽出・精製することを特徴とする、請求項4に記載の化合物の製造方法。

【請求項6】
請求項4に記載の化合物から選択される少なくとも1種を含有するアマミナナフシ代謝残渣由来の組成物。

【請求項7】
前記組成物がアマミナナフシ代謝残渣の抽出物又はその処理物である、請求項6に記載のアマミナナフシ代謝残渣由来の組成物。

【請求項8】
請求項1~3のいずれか1項に記載のトリテルペン、その塩若しくはエステル、又はそれらの配糖体から選択される少なくとも1種、請求項4に記載の化合物から選択される少なくとも1種、或いは請求項6又は7に記載の組成物を有効成分として含有する、アミロイドβ凝集阻害剤。

【請求項9】
請求項1~3のいずれか1項に記載のトリテルペン、その塩若しくはエステル、又はそれらの配糖体から選択される少なくとも1種、請求項4に記載の化合物から選択される少なくとも1種、或いは請求項6又は7に記載の組成物を有効成分として含有する、抗認知症剤。

【請求項10】
請求項1~3のいずれか1項に記載のトリテルペン、その塩若しくはエステル、又はそれらの配糖体から選択される少なくとも1種、請求項4に記載の化合物から選択される少なくとも1種、或いは請求項6又は7に記載の組成物を有効成分として含有する、抗腫瘍剤。

【請求項11】
医薬品又は食品である、請求項8に記載のアミロイドβ凝集阻害剤。

【請求項12】
医薬品又は食品である、請求項9に記載の抗認知症剤。

【請求項13】
医薬品又は食品である、請求項10に記載の抗腫瘍剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2016091377thum.jpg
出願権利状態 公開
※ 国立大学法人東京農工大学では、先端産学連携研究推進センターにおいて、知的財産の創出・権利化・活用に取り組んでいます。上記の特許・技術の内容および導入に興味・関心がありましたら、当センターまでお気軽にお問い合わせください。


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