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植物のDNA倍加誘導法 UPDATE コモンズ

国内特許コード P160013541
整理番号 NU-666
掲載日 2016年12月1日
出願番号 特願2016-143238
公開番号 特開2018-011552
出願日 平成28年7月21日(2016.7.21)
公開日 平成30年1月25日(2018.1.25)
発明者
  • 伊藤 正樹
  • 栂根 美佳
  • 梅田 正明
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
  • 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
発明の名称 植物のDNA倍加誘導法 UPDATE コモンズ
発明の概要 【課題】DNA倍加を起こさない植物において、DNA倍加を誘導する方法及びDNA倍加を誘導させて植物の器官の大きさを増大させる方法を提供する。
【解決手段】植物においてCYCA2遺伝子の発現を抑制することによってDNA倍加を誘導する方法、植物においてCYCA2遺伝子の発現を抑制することによって植物の器官の大きさを増大させる方法、CYCA2遺伝子の発現を抑制する物質をコードする核酸を植物において発現させる工程を含むDNA倍加を誘導する方法、及びCYCA2遺伝子の発現を抑制する物質をコードする核酸を植物において発現させる工程を含む植物の器官の大きさを増大させる方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


通常の植物はゲノムを2セット持つ2倍体の状態であるが、ゲノムが重複して3倍体又は4倍体になることがある。このようなゲノムの重複、すなわち倍数化は自然環境下でも生じるが、コルヒチンなどの薬品処理、温度処理などの物理的な刺激を与えることなどにより高頻度で誘導することができる。倍数化すると一般に細胞のサイズが増加することが知られている。また、倍数化により果実及び種子(例えば、イチゴ、ナシ、イチジク、ブドウ、セイヨウナシなど)のサイズを拡大させることも可能であり、倍数体育種としてこれまでにも広く利用されている。



しかしながら、4倍体、8倍体などの従来の倍数体植物は、個体全体の細胞においてゲノムが倍加するため、晩成化(生育遅延)、稔実率の低下などのデメリットも併せ持つことが知られている。また、8倍体以上の高度な倍加は細胞分裂を阻害する結果、逆に生育を阻害してしまうなどの問題が存在する。一方、多くの植物では、個体全体ではなく、一部の体細胞のDNA倍数性が増加する現象(DNA倍加)が知られている。このような植物では、細胞サイズの増加を引き起こし、自らの成長を促進するための戦略としてDNA倍加を起こしているのではないかと考えられている。



このように、倍数体は個体全体の細胞でゲノムが倍加しているのに対して、DNA倍加は一部の体細胞でのみゲノムが倍加する(非特許文献1)。例えば、シロイヌナズナの葉の表皮細胞は、2倍体細胞の他に、その2倍、4倍、8倍のDNA量をもつ細胞が混在した形になっている。DNA倍加では細胞分裂を経ずにDNA複製を繰り返す。すなわち、DNA倍加はM期をスキップした特殊な細胞周期G1期→S期→G2期→(M期)→G1期が原因となり生じることが知られている。



DNA倍加は、特定の器官だけサイズを拡大できる可能性があるほか、分裂を停止した細胞で起きるため分裂を阻害することによる器官サイズへの負の効果がないなど、倍数体育種と比べて有利な点が存在する。しかしながら、被子植物の70%はDNA倍加を行っているが、イネ及び樹木をはじめ、特殊な組織を除きDNA倍加を起こさない植物も多く存在している。



非特許文献2では、シロイヌナズナにおいて、A2-type cyclinであるCYCA2遺伝子が変異するとDNA倍加が促進することが報告されている。

産業上の利用分野


本発明は、DNA倍加を誘導する方法、及び植物の器官の大きさを増大させる方法に関する。さらに、本発明は、トランスジェニック植物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
植物においてCYCA2遺伝子の発現を抑制することによってDNA倍加を誘導する方法。

【請求項2】
植物においてCYCA2遺伝子の発現を抑制することによって植物の器官の大きさを増大させる方法。

【請求項3】
CYCA2遺伝子の発現を抑制する物質をコードする核酸を植物において発現させる工程を含む、DNA倍加を誘導する方法。

【請求項4】
CYCA2遺伝子の発現を抑制する物質をコードする核酸を植物において発現させる工程を含む、植物の器官の大きさを増大させる方法。

【請求項5】
CYCA2遺伝子の発現を抑制する物質をコードする核酸が導入されたトランスジェニック植物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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