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易分解性リグニン生成剤 UPDATE コモンズ

国内特許コード P160013542
整理番号 NU-667
掲載日 2016年12月1日
出願番号 特願2016-139321
公開番号 特開2018-008900
出願日 平成28年7月14日(2016.7.14)
公開日 平成30年1月18日(2018.1.18)
発明者
  • 萩原 伸也
  • 打田 直行
  • 鈴木 惇平
  • 伊丹 健一郎
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 易分解性リグニン生成剤 UPDATE コモンズ
発明の概要 【課題】リグニンの構造中に導入でき、かつリグニンを易分解性とすることが可能な化合物を含む易分解性リグニン生成剤を提供する。
【解決手段】一般式(1):



[一般式(1)中、R~Rは同一又は異なって、水素原子、アルコキシ基、又はアルキル基を示し、Rは有機基を示す。nは0~3の整数を示す。]
で表される化合物を含む、易分解性リグニン生成剤。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


化石燃料は埋蔵量に限度があり、また、地球温暖化の原因の一つとされる大気中の二酸化炭素濃度を上昇させる等の理由から、化石燃料の代替燃料としてバイオマス燃料が注目されている。バイオマス燃料として、砂糖やデンプン等の糖類を原料としたバイオエタノール等の第1世代バイオマス燃料がさかんに開発されているが、バイオエタノールは主にさとうきびや穀物などから生産されることから、食糧との競合が問題視されている。



食糧との競合を回避するため、食用とならない植物を利用した第2世代バイオマス燃料が提案されている。しかしながら、植物の細胞壁にはリグニンという難分解性ポリマーが存在することから、第2世代バイオマス燃料の実用化は進んでいない。



植物の細胞壁の主成分は、セルロース(約40%)、ヘミセルロース(約30%)、及びリグニン(約25%)から構成されるリグノセルロースである。このうち、バイオマス燃料として使用可能なものはセルロース及びヘミセルロースである。セルロース及びヘミセルロースはリグニンに囲まれているため、セルロース及びヘミセルロースを用いるためには、リグニンを分離する必要がある。



リグニンは、複雑な3次元網目構造を疎水性かつ難分解性のフェノール系ポリマーであり、主に、p-ヒドロキシシンナミルアルコール(Sユニット;シリンジルアルコール)、コフェリルアルコール(Gユニット;グアシルアルコール)及びシナピルアルコール(Hユニット)の3種類のリグニンモノマー(モノリグノール)から構成されている。



上記の通り、セルロース及びヘミセルロースはリグニンに囲まれているため、セルロース及びヘミセルロースを用いるためには、リグニンを分離する前処理を行う必要がある。



前処理としては、例えば、72%硫酸を用いる化学的手法(クレーソン法)(非特許文献1)、リグニン等を分解する微生物や酵素を用いた生物学的手法(非特許文献2)、高温高圧の蒸気を用いる物理化学的手法(水蒸気爆砕法)(非特許文献3)などの手法が知られている。しかしながら、クレーソン法では使用した硫酸の回収に大きなエネルギーが必要であり、生物学的手法では分解速度が非常に遅く、水蒸気爆砕法では高温高圧を生み出すのに多くのエネルギーが必要であるなどの課題を抱えており、低コストで効率良くリグニンを分解する方法が切望されている。



一方、リグニンを分解する前処理を工夫するだけではなく、植物に存在するリグニン自体を改変し、易分解性とする技術も報告されている。例えば、リグニンのβ-O-4構造を酵素等で酸化した後、含水ギ酸で処理する方法(非特許文献4)、リグニンモノマーとしてフェルラ酸を用いてリグニンの構造中にフェルラ酸を導入し、酸性条件下で処理する方法(非特許文献5)などが報告されている。しかしながら、上記の通り、リグニンは3次元網目構造をとることから、リグニン構造の外側から逐次的にリグニンを分解するため、効率が悪いという問題が指摘されている。

産業上の利用分野


本発明は、易分解性リグニン生成剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(1):
【化1】


[一般式(1)中、R~Rは同一又は異なって、水素原子、アルコキシ基、又はアルキル基を示し、Rは有機基を示す。nは0~3の整数を示す。]
で表される化合物を含む、易分解性リグニン生成剤。

【請求項2】
前記Rが、ヒドロキシ基、ホルミル基、カルボキシ基、置換若しくは非置換アルコキシカルボニル基、又は置換若しくは非置換アミノカルボニル基である、請求項1に記載の易分解性リグニン生成剤。

【請求項3】
前記Rが、水素原子である、請求項1又は2に記載の易分解性リグニン生成剤。

【請求項4】
前記Rが、水素原子又はアルコキシ基である、請求項1~3のいずれかに記載の易分解性リグニン生成剤。

【請求項5】
前記Rが、水素原子又はアルコキシ基である、請求項1~4のいずれかに記載の易分解性リグニン生成剤。

【請求項6】
前記Rがアルコキシ基であり、かつ前記Rが水素原子又はアルコキシ基である、請求項1~5のいずれかに記載の易分解性リグニン生成剤。

【請求項7】
一般式(2):
【化2】


[一般式(2)中、R~Rは同一又は異なって、水素原子、アルコキシ基、又はアルキル基を示す。mは1~3の整数を示す。]
で表される、化合物。

【請求項8】
請求項1~6のいずれかに記載の易分解性リグニン生成剤又は請求項7に記載の化合物を植物に取り込ませる工程を含む、易分解性リグニンの製造方法。

【請求項9】
前記植物に取り込ませる工程が、請求項1~6のいずれかに記載の易分解性リグニン生成剤又は請求項7に記載の化合物を植物生育環境中に混合又は溶解させる工程である、請求項8に記載の方法。

【請求項10】
請求項1~6のいずれかに記載の易分解性リグニン生成剤又は請求項7に記載の化合物を植物に取り込ませる工程、及び
紫外線を照射する工程
を含む、リグニンの分解方法。

【請求項11】
前記植物に取り込ませる工程が、請求項1~6のいずれかに記載の易分解性リグニン生成剤又は請求項7に記載の化合物を植物生育環境中に混合又は溶解させる工程である、請求項10に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
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