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浴槽式心電モニタリングシステム、これを用いる入浴中心電モニタ方法、最適入浴条件設定方法及び、入浴中心電モニタ方法を実行する制御プログラム

国内特許コード P160013554
掲載日 2016年12月20日
出願番号 特願2016-227628
公開番号 特開2018-082893
登録番号 特許第6785500号
出願日 平成28年11月24日(2016.11.24)
公開日 平成30年5月31日(2018.5.31)
登録日 令和2年10月29日(2020.10.29)
発明者
  • 陳 文西
  • 朱 欣
  • 田村 俊世
出願人
  • 公立大学法人会津大学
発明の名称 浴槽式心電モニタリングシステム、これを用いる入浴中心電モニタ方法、最適入浴条件設定方法及び、入浴中心電モニタ方法を実行する制御プログラム
発明の概要 【課題】単極胸部6誘導誘導(V~V,V3R,V4R)を実測可能な17誘導から推定する方法を提案する。
【解決手段】浴槽式心電モニタリングシステムであって、処理装置と、前記処理装置に接続される浴槽と、データベースと、出力装置を有し、前記浴槽の内壁に、15個の電極であって入浴者の上半身側に13個の電極と足部側に2個の電極を有し、前記処理装置は、前記データベースに格納される複数人の平均的投影行列と、前記浴槽の内壁に有する15個の電極から入浴時実測可能な17誘導の信号(双極肢誘導[I,II,III], 単極肢誘導[aVR,aVL,aVF,V,V,V7,V,V,V10,V5R,V6R,V7R,V8R,V9R])とを用いて、最小二乗法で電極を有しない前記入浴者の胸側の6誘導信号(単極肢誘導信号V,V,V,Vと付加誘導V3R,V4R)を求めることを特徴とする。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要

心電波形を読み取り各種の心臓疾患を検知するための心電図を誘導するために、心電計が用いられている。心電計は、心筋活動電位による細胞外電位を計測するために用いられる。

一般に、かかる心電図を誘導するために、10個の電極を使用して標準12誘導波形からなる心電図を検出測定し、必要により記録を行う。

すなわち、胸部誘導の測定のために6か所、四肢誘導のために4か所にそれぞれ電極を装着する。心電計によって、これら10個の電極から検出される心電位に基づき、標準12誘導の四肢6誘導信号(I,II,III,aVR,aVL,aVF)及び標準12誘導の胸部6誘導信号(V,V,V,V,V,V)を演算して出力している。

かかる標準12誘導心電図を得るための誘導波形と測定部位の心電位との関係は次のようである。
I 誘導: vL-vR
II 誘導: vF-vR
III誘導: vF-vL
aVR誘導: vR-(vL+vF)/2
aVL誘導: vL-(vR+vF)/2
aVF誘導: vF-(vL+vR)/2
誘導: v1-(vR+vL+vF)/3
誘導: v2-(vR+vL+vF)/3
誘導: v3-(vR+vL+vF)/3
誘導: v4-(vR+vL+vF)/3
誘導: v5-(vR+vL+vF)/3
誘導: v6-(vR+vL+vF)/3
ただし、vX(X=L,R,F,1~6)は、それぞれの電極装着位置で検出された電位である。

このような多数の電極を使用しての測定は、設備が完備された病院内で患者を安静にしておく状態では可能である。

しかし、在宅療養や救急医療を行う場合は、多数の電極を使用し、且つ各電極を生体の体表面上の適正な位置でそれぞれ装着することは困難な場合が多い。

一般的には心電図の信号を伝送し得るのは、1チャネル(1誘導)程度である。従って、2~4個の電極を使用して標準12誘導波形内のいくつかの波形からなる心電図を検出測定することによって、心臓疾患に対する診断が行われている。

一方、入浴中の心肺停止により亡くなる人は、年間1万7千人と推定されている。かかる点に鑑みて、電極の体表面への装着の煩わしさを回避するとともに、入浴中に心電図を得る方法及び装置として、これまで種々の開発が行われてきた(特許文献1-6, 8及び9)。

特許文献1は、浴槽の内壁面に3つの電極をマグネットで貼着、入浴中の心拍数を計測することを開示している。

特許文献2は、浴槽の内壁に複数の電極対を張り付け、最も大きい振幅の波形を処理に使い、入浴中の姿勢位置による心電信号振幅への影響を抑えることを示している。

特許文献3は、関電極を浴槽水に浸らず、浴槽壁上に両サイド設置し、ステンレス製浴槽全体は無関電極とすることを開示している。さらに、関電極を二つ手で握って、複数人が共浴しても一人だけの心電測定を可能とすることを開示している。

特許文献4は、水密閉ケース内に心電増幅回路を収容し、外に3つの電極を張り付ける。ケースを湯面に浮かせ、入浴者が近づくと、自動的に心電図が計測されることを開示する。

特許文献5は、3つの電極を浴槽壁に張り付け、入浴中の心電図を計測し、HRVのHFCとLFCのパワーを計算する。計算結果を所定の閾値と比較し、ジェットバス装置、音響装置、調光装置、発香装置、調温装置などの人体刺激発生器の強度と稼働時間を人体の生理的、心理的状態に応じて制御することを開示する。

特許文献6は、入浴者の体格や姿勢に合わせ、浴槽の内壁に着脱可能な吸盤に略円錐状の導電帯(アルミニウム)を勘合して、吸盤を浴槽内に任意の位置に取り付けることを開示している。

特許文献8は、浴槽水の揺らぎの影響を受けずに安定な心電図を計測できる金属ワイヤ型電極(環状曲げ型、撚り線型)を示し、4つの電極を用いて、6つの肢誘導心電計を導出する(I,II,III,aVR,aVL,aVF)ことを開示する。

特許文献9は、3つの検知電極と一つの共通電極を用いて、I,II,III誘導の信号を計測する。1-100Hzのバンドパスフィルタを用いて心電信号を抽出し、0.1-1Hzのバンドパスフィルタを用いて呼吸信号を抽出する。

特許文献9は、浴槽の長手方向に2つの電極を張り付け、両者の心電信号振幅により入浴体位を判定する。背中側と足側の体表面温度差を用いて入浴者の「のぼせ」状態を推定する。「のぼせ」状態に合わせて、入浴環境を調整する。排水装置から湯水を排出させ、体表温度を低下させ、「のぼせ」状態からの回復を図ることを開示する。

産業上の利用分野

本発明は、浴槽式心電モニタリングシステム、これを用いる入浴中疾患発作の検知方法最適入浴条件設定方法、健康状態解析方法及び、これらを実施するための制御プログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
浴槽式心電モニタリングシステムであって、
処理装置と、
前記処理装置に接続される浴槽と、データベースと、出力装置を有し、
前記浴槽の内壁に、次の位置関係を有する15個の電極であって入浴者の上半身側に13個の電極と足部側に2個の電極を有し、
No. 電極名 位置
1 VLA 左手
2 VRA 右手
3 VLF 左足
4 VRF 右足
5 V 第5肋間水平線と左前腋窩線との交点
6 V 第5肋間水平線と左中腋窩線との交点
7 Vと左後腋窩線との交点
8 Vと左中央肩甲骨線との交点
9 Vの後
10 V10 中央後
11 V5R 第5肋間水平線と右前腋窩線との交点
12 V6R 第5肋間水平線と右中腋窩線との交点
13 V7R6Rと右後腋窩線との交点
14 V8R6Rと右中腋窩線との交点
15 V9R3Rの後
前記処理装置は、
前記データベースに格納される複数人の平均的投影行列と、前記浴槽の内壁に有する15個の電極から入浴時実測可能な17誘導の信号(双極肢誘導[I,II,III], 単極誘導[aVR,aVL,aVF,V,V,V7,V,V,V10,V5R,V6R,V7R,V8R,V9R])とを用いて、実測できない前記入浴者の胸部6誘導信号(単極誘導信号V,V,V,Vと付加誘導信号V3R,V4R)を最小二乗法で求める、
ことを特徴とする浴槽式心電モニタリングシステム。

【請求項2】
請求項1において、
前記平均的投影行列から推定したV,V,V,V5R,V6Rと実測したV,V,V,V5R,V6Rとの差分を修正項として、個人別にチューニングした投影行列と、前記17誘導の信号からV,V,V5R,V6Rを除いた入浴時実測可能な13誘導の信号とを用いて、実測できない前記入浴者の胸部6誘導信号を最小二乗法で求める、
ことを特徴とする浴槽式心電モニタリングシステム。

【請求項3】
請求項1または2に記載の浴槽式心電モニタリングシステムを用いる入浴中心電モニタ方法であって、
前記処理装置に、
前記浴槽の内壁に有する電極から心電信号を計測する工程と、
前記計測された心電信号に対する前処理を行う工程と、
前記計測された心電信号に対する前処理結果に基づき、心電信号を解析する工程を実行させ、
前記前処理として、
前記心電信号に対する基線動揺とハムノイズを除去する前処理工程と、
当該前処理工程後にQRSを強調して、QRS特徴点を検知する工程を実行させ、更に、
前記心電信号を解析する工程として、
前記QRS特徴点を検知する工程により検知されるQRS特徴点データを心拍毎のデータに分割する工程と、
前記分割する工程で検知されるRRI時系列データに基づき、心拍数異常を検知する工程を実行させる
ことを特徴とする入浴中心電モニタ方法。

【請求項4】
請求項1または2に記載の浴槽式心電モニタリングシステムを用いる入浴中心電モニタ方法であって、
前記処理装置に、
前記浴槽の内壁に有する電極から心電信号を計測する工程と、
前記計測された心電信号に対する前処理を行う工程と、
前記計測された心電信号に対する前処理結果に基づき、心電信号を解析する工程を実行させ、
前記前処理として、
前記心電信号に対する基線動揺とハムノイズを除去する前処理工程と、
当該前処理工程後にQRSを強調して、QRS特徴点を検知する工程を実行させ、更に、
前記心電信号を解析する工程として、
前記QRS特徴点を検知する工程により検知されるQRS特徴点データを心拍毎のデータに分割する工程と、
前記分割する工程で検知されるSTレベルの変動量を監視し、前記STレベルの変動量が所定値を越える時の状態を判定する工程を実行させる
ことを特徴とする入浴中心電モニタ方法。

【請求項5】
請求項1または2に記載の浴槽式心電モニタリングシステムを用いる最適入浴条件設定方法であって、
前記浴槽の内壁に有する電極から心電信号を計測する工程と、
前記計測された心電信号に対する前処理を行う工程と、
前記計測された心電信号に対する前処理結果に基づき、心拍数変動を解析する工程と、
前記心拍数変動の解析に基づき心拍変動の周波数パラメータを求める工程と、
前記求めた心拍変動の周波数パラメータに基づき快適度を解析する工程と
を有することを特徴とする最適入浴条件設定方法。

【請求項6】
請求項において、
前記心拍変動の周波数パラメータに基づき快適度を解析する工程は、快適度として、浴槽水温を基準に判定する
ことを特徴とする最適入浴条件設定方法。

【請求項7】
請求項において、
前記心拍変動の周波数パラメータに基づき快適度を解析する工程は、快適度として、入浴時間を基準に判定する
ことを特徴とする最適入浴条件設定方法。

【請求項8】
請求項1または2に記載の浴槽式心電モニタリングシステムを用いる入浴中心電モニタ方法の実行を制御する制御プログラムであって、
前記処理装置に、
前記浴槽の内壁に有する電極から心電信号を計測する工程と、
前記計測された心電信号に対する前処理を行う工程と、
前記計測された心電信号に対する前処理結果に基づき、心電信号を解析する工程を実行させ
前記前処理として、
前記心電信号に対する基線動揺とハムノイズを除去する前処理工程と、
当該前処理工程後にQRSを強調して、QRS特徴点を検知する工程を実行させ、更に、
前記心電信号を解析する工程として、
前記QRS特徴点を検知する工程により検知されるQRS特徴点データを心拍毎のデータに分割する工程と、
前記分割する工程で検知されるRRI時系列データに基づき、心拍数異常を検知する工程とを実行させることを特徴とする制御プログラム。

【請求項9】
請求項1または2に記載の浴槽式心電モニタリングシステムを用いる入浴中心電モニタ方法の実行を制御する制御プログラムであって、
前記処理装置に、
前記浴槽の内壁に有する電極から心電信号を計測する工程と、
前記計測された心電信号に対する前処理を行う工程と、
前記計測された心電信号に対する前処理結果に基づき、心電信号を解析する工程を実行させ
前記前処理として、
前記心電信号に対する基線動揺とハムノイズを除去する前処理工程と、
当該前処理工程後にQRSを強調して、QRS特徴点を検知する工程を実行させ、更に、
前記心電信号を解析する工程として、
前記QRS特徴点を検知する工程により検知されるQRS特徴点データを心拍毎のデータに分割する工程と、
前記分割する工程で検知されるSTレベルの変動量を監視し、前記STレベルの変動量が所定値を越える時の状態を判定する工程と
を実行させることを特徴とする制御プログラム。
国際特許分類(IPC)
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