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炭素繊維ストランドおよびそれを用いた炭素繊維強化複合材料成形体の製造方法 コモンズ

国内特許コード P170013706
整理番号 GI-H28-46
掲載日 2017年2月7日
出願番号 特願2017-014371
公開番号 特開2018-123438
出願日 平成29年1月30日(2017.1.30)
公開日 平成30年8月9日(2018.8.9)
発明者
  • 三宅 卓志
出願人
  • 国立大学法人岐阜大学
発明の名称 炭素繊維ストランドおよびそれを用いた炭素繊維強化複合材料成形体の製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】リサイクル炭素繊維スライバを、一般的な混練機などで利用可能なストランドとし、このストランドを使用した成形品の製造方法を提供すること。
【解決手段】不連続炭素繊維と合成繊維が一方向に配向された炭素繊維含有スライバを撚り合わせて撚糸とするか、或いは合成樹脂よりなるフィルム又は糸状物を巻き付けるかして、紐状に形成した、不連続炭素繊維の含有率が10~60vol%の範囲である炭素繊維ストランド。
【選択図】図5
従来技術、競合技術の概要


炭素繊維を用いた複合材料は、軽量でありながら強度や耐衝撃性などの力学的特性に優れているため、航空機部材および自動車部材など多くの分野で利用されている。特に軽量で高い力学特性が求められる航空機部材用途としては好適に用いられる。この成形方法としては、主にプリプレグ法が採用されている。



プリプレグ法とは、炭素繊維に、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させてシート状の中間基材(以下、プリプレグという)を作成し、このプリプレグを所望の形状に裁断、積層し、含浸樹脂を硬化させることにより炭素繊維強化複合材料(以下、CFRPという)を得る手法である。



プリプレグ法を使用する製法については、例えば、炭素繊維とガラス転移温度が硬化温度より10℃以上高い液状エポキシ樹脂を用いる製造方法(特許文献1)、炭素繊維が束状で実質的に2次元配向している炭素繊維シート等の成形材料において、特定のエポキシ化合物と特定の3級アミン化合物等を特定比率で含むサイジング剤を炭素繊維に塗布し、マトリックス樹脂と炭素繊維との接着性を高めた方法(特許文献2)の他、非常に多数の提案がある。



これらの方法によれば高性能のCFRPを確実に成形できる利点があるものの、一旦プリプレグを製造するという工程が必要であり、生産性における改良の余地があった。



そのため、連続炭素繊維と熱可塑性樹脂を成形機に直接投入し従来の射出成形法をそのまま適用しようとする提案がある(例えば、DFFIM Direct-fiber-feeding injection molding や LFT-D Long Fiber Thermoplastic Direct Moldingなど)。但し、連続炭素繊維は予めボビン等に巻き取られているので成形機の可塑化シリンダの後半に設けられたベント部より投入され、通常はペレットである熱可塑性樹脂はホッパー部より投入される(例えば、特許文献3、特許文献4、非特許文献1等参照)。



前記成形方法は、ペレットと同程度に連続炭素繊維を混練すると樹脂との均一な混合の点では優れるものの、可塑化シリンダ内で長距離に混練されるので連続炭素繊維が断裂し細片化して成形品に所望の力学的強度を付与できないなどの理由により、それぞれの混練距離等に差異を設けたものである。



未使用の連続炭素繊維であればこのようにベントからの投入が可能である。しかし今後CFRPの使用が増大するに伴って、製造工程で排出される端材やリサイクル回収された不連続炭素繊維が増加するため、これらの有効活用が不可欠な技術となる。本発明者らは先にリサイクルに係わる不連続炭素繊維を含むスライバ(特許文献5)に関して提案している。ただし前記スライバの場合は、回収された炭素繊維等が嵩高い状態として供給されるので、ベントからの直接投入は困難であるといわざるをえない。



また、未使用の連続炭素繊維の場合には、可塑化シリンダ内への投入がスムーズに行われうるのであるが、リサイクル品の場合には前記の通りの嵩高い上に幾つかの箇所にて既に分断された炭素繊維を含むので、連続的な投入すら難しいのである。ベントからの供給がスムーズに行われないと、いわゆるベントアップの現象が発生し易い。ベントアップとは、ベント部前後で溶融樹脂が押し出される流れの方向にバランスが悪くなり、ベント部から溶融樹脂が吹き出してしまう現象のことである。



ベントアップを防止する手段としては、多条射出成形機に関する提案(特許文献6)もある。第一ステージと第二ステージを備えた可塑化ユニットにおいて、第二ステージに3条以上の多条形状としたことを特徴とするものである。この装置を利用すれば、リサイクル品であっても、或いはベントアップを効果的に抑えることができるかも知れない。しかし、構造的な制約から装置が必然的に高額になりやすく、一般的な成形機に比較して初期投資の面で検討が必要になる。



さらに、ベントからのスライバ(リサイクル品)の投入では、時間あたりの一定量の投入が正確に行われないと、混合後の製品にリサイクル炭素繊維の含有率のバラツキが大きくなり、当然均一な製品が成形できなくなってしまう。

産業上の利用分野


本発明は、不連続炭素繊維を含む炭素繊維ストランドおよびそれを用いて炭素繊維強化複合材料成形体を製造する方法に係わり、具体的には配向された炭素繊維含有スライバを撚糸するか、フィルムなどを強く巻き付けることで成形装置に導入しやすい紐状(ストランド)とし、一般的な成形装置を用いて目的形状に成形する製造方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
不連続炭素繊維と合成繊維が一方向に配向された炭素繊維含有スライバを撚り合わせて撚糸とするか、或いは合成樹脂よりなるフィルム又は糸状物を巻き付けるかして、紐状に形成した、不連続炭素繊維の含有率が10~60vol%の範囲である炭素繊維ストランド。

【請求項2】
前記合成樹脂が、合成繊維と同じ素材であることを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維ストランド。

【請求項3】
請求項1又は2のいずれかに記載の炭素繊維ストランドを、溶融混練機を用いて溶融する工程、及び射出成形機により射出、又はプレス機によりプレスする成形工程を有する、炭素繊維強化複合材料成形体の製造方法。

【請求項4】
前記炭素繊維強化複合材料成形体が、型枠パネルであることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2017014371thum.jpg
出願権利状態 公開
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