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抗体のリフォールディング方法、リフォールディングされた抗体の製造方法、リフォールディングされた抗体、及びこれらの利用

国内特許コード P170013744
整理番号 (S2013-0526-N0)
掲載日 2017年3月14日
出願番号 特願2015-500192
登録番号 特許第6453208号
出願日 平成26年2月3日(2014.2.3)
登録日 平成30年12月21日(2018.12.21)
国際出願番号 JP2014052475
国際公開番号 WO2014125955
国際出願日 平成26年2月3日(2014.2.3)
国際公開日 平成26年8月21日(2014.8.21)
優先権データ
  • 特願2013-027862 (2013.2.15) JP
発明者
  • 熊田 陽一
  • 石川 泰行
  • 藤原 勇佐
  • 岸本 通雅
出願人
  • 国立大学法人京都工芸繊維大学
発明の名称 抗体のリフォールディング方法、リフォールディングされた抗体の製造方法、リフォールディングされた抗体、及びこれらの利用
発明の概要 本発明は、抗体のリフォールディング方法、リフォールディングされた抗体の製造方法、リフォールディングされた抗体、及びこれらの利用を提供する。本発明は、ペプチドが直接またはリンカーを介して連結されてなる不活性な抗体を変性させる工程、ここで該ペプチドは、該不活性な抗体の等電点よりも低い等電点を有する、及び、前記工程において変性した、前記ペプチドが連結されなる不活性な抗体を、液相に分散させる工程を含む、液相中での抗体のリフォールディング方法及びリフォールディングされた抗体の製造方法などを提供する。
従来技術、競合技術の概要

従来、バイオ、医薬、食品をはじめとする様々な分野において抗体が広く利用されている。抗体は個々に特有の活性を有していることから、その活性に基づいて目的に応じた抗体が選択され、利用されている。また、抗体を生産する方法も種々知られており、所望の抗体を大量生産することも可能となっている。

しかしながら、従来の生産方法では十分な活性を備えた抗体が得られるとは限らない。例えば、組換え大腸菌などを宿主として抗体を生産させた場合、その大部分が不活性な抗体として得られることも多い。所望の活性を備えた抗体を獲得するためには、得られた不活性な抗体に対して更にリフォールディング操作を行う必要がある。

ここでリフォールディングに関して、例えば、アルギニン、還元型グルタチオン、酸化型グルタチオンを含有するリフォールディング緩衝液中に変性したタンパク質を滴下する工程を包含する、変性したタンパク質のリフォールディング方法が報告されている(特許文献1)。また、界面活性剤存在下で膜タンパク質をリフォールディングする工程を包含する方法が報告されている(特許文献2)。また、金属キレート配位子に配位結合する金属イオンを含む活性固相に結合するための固着部分を有するペプチドをキレート結合によって固相表面に吸着させたのちに、固相表面上で該ペプチドをリフォールディングできることが報告されている(特許文献3)。また、特定のペプチドを固相表面に吸着させたのちに、固相表面上で該ペプチドの立体構造を修復できることが報告されている(特許文献4、5)。

このように、これまでに種々のリフォールディング方法が報告されているが、従来の方法ではリフォールディング効率が低い。

産業上の利用分野

本発明は抗体のリフォールディング方法、リフォールディングされた抗体の製造方法、リフォールディングされた抗体、及びこれらの利用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
(1-1)ペプチドが直接またはリンカーを介して連結されてなる不活性な抗体を変性させる工程、ここで該ペプチドは、該不活性な抗体の等電点よりも低い等電点を有する、及び、
(1-2)前記工程(1-1)において変性した、前記ペプチドが連結されてなる不活性な抗体を、液相に分散させる工程、ここで、該液相は、前記ペプチドが連結されてなる不活性な抗体全体の等電点よりpHが0.5~4.5高い溶液である、
を含む、液相中での抗体のリフォールディング効率を向上させる方法、
ここで、前記ペプチドは以下の(a)~(c)のいずれかに示すペプチドである、
(a)配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、
(b)前記(a)のアミノ酸配列において1または2のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなるペプチド、
(c)5~20個のアスパラギン酸残基からなるペプチド。

【請求項2】
抗体が1本鎖抗体、Fab断片、F(ab’)2断片、単ドメイン抗体、多価性1本鎖抗体、定常部融合1本鎖抗体及び完全長抗体からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記ペプチドの等電点が8.5以下である、請求項1または2に記載の方法。

【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の方法によって抗体をリフォールディングする工程、及び、前記リフォールディングされた抗体を含む液相を基材に接触させる工程を含有する、リフォールディングされた抗体の基材への固定化方法、
ここで、該抗体には、該抗体の等電点よりも低い等電点を有するペプチドが直接またはリンカーを介して連結されており、該ペプチドは以下の(a)~(c)のいずれかに示すペプチドである、
(a)配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、
(b)前記(a)のアミノ酸配列において1または2のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなるペプチド、
(c)5~20個のアスパラギン酸残基からなるペプチド。

【請求項5】
抗体に連結されたペプチドを介して、抗体が基材に固定される、請求項4に記載の固定化方法。

【請求項6】
前記抗体の等電点よりも低い等電点を有するペプチドが以下の(a)に示すペプチドであり、基材がポリカーボネート及びポリメタクリル酸メチルからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項4または5に記載の固定化方法、
(a)配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるペプチド。

【請求項7】
請求項4~6のいずれかに記載の固定化方法によってリフォールディングされた抗体が固定されてなる、基材。

【請求項8】
ペプチドが直接またはリンカーを介して連結されてなる不活性な抗体を含有する、液相中での抗体のリフォールディング効率を向上するための組成物、
ここで該ペプチドは、該不活性な抗体の等電点よりも低い等電点を有し、該ペプチドは以下の(a)~(c)のいずれかに示すペプチドであり、
(a)配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、
(b)前記(a)のアミノ酸配列において1または2のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなるペプチド、
(c)5~20個のアスパラギン酸残基からなるペプチド、
該液相中での抗体のリフォールディングは、次の工程を含む方法により実施される、
(2-1)前記ペプチドが直接またはリンカーを介して連結されてなる不活性な抗体を変性させる工程、及び、
(2-2)前記工程(2-1)において変性した、前記ペプチドが連結されてなる不活性な抗体を、液相に分散させる工程、ここで、該液相は、前記ペプチドが連結されてなる不活性な抗体全体の等電点よりpHが0.5~4.5高い溶液である。

【請求項9】
更に、前記ペプチドが連結されてなる不活性な抗体全体の等電点よりもpHが0.5~4.5高い溶液を含有する、請求項8に記載の組成物。

【請求項10】
抗体をコードするポリヌクレオチドと、該抗体の等電点より低い等電点を有するペプチドをコードするポリヌクレオチドとが直接またはリンカーを介して連結されてなる、ペプチド連結抗体発現ベクターの液相中での抗体のリフォールディング効率を向上するための使用であって
ここで、該ペプチドは以下の(a)~(c)のいずれかに示すペプチドであり、
(a)配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、
(b)前記(a)のアミノ酸配列において1または2のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなるペプチド、
(c)5~20個のアスパラギン酸残基からなるペプチド、
該液相中での抗体のリフォールディングは、次の工程を含む方法により実施される、
(3-1)前記ペプチドが直接またはリンカーを介して連結されてなる不活性な抗体を変性させる工程、及び、
(3-2)前記工程(3-1)において変性した、前記ペプチドが連結されてなる不活性な抗体を、液相に分散させる工程、ここで、該液相は、前記ペプチドが連結されてなる不活性な抗体全体の等電点よりpHが0.5~4.5高い溶液である
前記使用

【請求項11】
請求項10に記載のベクターを宿主細胞に導入して形質転換させることにより得られる形質転換体の液相中での抗体のリフォールディング効率を向上するための使用であって、
該液相中での抗体のリフォールディングは、次の工程を含む方法により実施される、
(4-1)前記ペプチドが直接またはリンカーを介して連結されてなる不活性な抗体を変性させる工程、及び、
(4-2)前記工程(4-1)において変性した、前記ペプチドが連結されてなる不活性な抗体を、液相に分散させる工程、ここで、該液相は、前記ペプチドが連結されてなる不活性な抗体全体の等電点よりpHが0.5~4.5高い溶液である、
前記使用

【請求項12】
請求項11に記載の形質転換体から得られる、ペプチドが連結されてなる抗体の液相中での抗体のリフォールディング効率を向上するための使用であって
該液相中での抗体のリフォールディングは、次の工程を含む方法により実施される、
(5-1)前記ペプチドが直接またはリンカーを介して連結されてなる不活性な抗体を変性させる工程、及び、
(5-2)前記工程(5-1)において変性した、前記ペプチドが連結されてなる不活性な抗体を、液相に分散させる工程、ここで、該液相は、前記ペプチドが連結されてなる不活性な抗体全体の等電点よりpHが0.5~4.5高い溶液である、
前記使用

【請求項13】
5~20個のアスパラギン酸残基からなるペプチドが直接またはリンカーを介して連結されてなる不活性な抗体、ここで該ペプチドは、該不活性な抗体の等電点よりも低い等電点を有する。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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