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(In Japanese)異常活性化細胞検出による悪性腫瘍の検査方法および異常活性化細胞除去環流返血治療装置

Patent code P170013861
File No. (S2013-1103-N0)
Posted date Mar 17, 2017
Application number P2015-522993
Patent number P6352912
Date of filing Jun 20, 2014
Date of registration Jun 15, 2018
International application number JP2014066480
International publication number WO2014204001
Date of international filing Jun 20, 2014
Date of international publication Dec 24, 2014
Priority data
  • P2013-130758 (Jun 21, 2013) JP
Inventor
  • (In Japanese)岡 剛史
  • (In Japanese)藤田 洋史
  • (In Japanese)吉野 正
Applicant
  • (In Japanese)国立大学法人岡山大学
Title (In Japanese)異常活性化細胞検出による悪性腫瘍の検査方法および異常活性化細胞除去環流返血治療装置
Abstract (In Japanese)血液中の異常活性化細胞、特に異常活性化白血球あるいは白血病前駆細胞を除去することにより白血病の発症を抑制または治療するための異常活性化細胞除去環流返血治療装置を提供する。プロトポルフィリンIXを高濃度蓄積させることにより識別可能とした血液中の白血病細胞など異常活性化細胞を除去する異常活性化白血球除去環流返血治療装置であって、一端に採血用の穿刺針を備えた採血用ラインと、この採血用ラインによって送給された血液から白血球分画を分離する遠心分離器と、分離された白血球分画に対してセルソーターによって異常活性化細胞を除去するセルソーターと、異常活性化細胞が除去された正常白血球分画に対して所定波長の光を照射する光照射器と、白血球分画以外の血液成分からなる環流返血液と環流返血用の正常白血球分画とを環流返血する環流返血用ラインとを備えた異常活性化細胞除去環流返血治療装置とする。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

昨今、日本国においては、白血病の発生率が年々増加する傾向にある。白血病を原因とする死亡者数は、2008年において約11,156人であり、人口10万人あたり8.8人(男性10.5人、女性7.1人)となっている。

特に、成人T細胞白血病・リンパ腫(adult T-cell leukemia/lymphoma: ATLL)は難治性白血病・リンパ腫であることが知られている。その原因ウイルスであるヒトT細胞白血病ウイルスI型(Human T-cell leukemia virus type I: HTLV-I)のキャリアーの中から日本で年間約700例が発症している。特に、HTLV-Iのキャリアー1,000人あたりの年間ATLL発症率は、男性で1.0~1.5人、女性で0.5~0.7人であり、さらには、30歳以上のHTLV-Iのキャリアーにおける生涯発症率は、男性で4~7%、女性で2%台である。現在、日本で約108万人、世界では約2,000万人のキャリアーが存在する。

ATLLは、HTLV-IがCD4陽性T細胞に感染し、細胞-細胞間で感染し、長い潜伏期間の中で免疫機構から逃れたクローンが遺伝子異常、染色体異常、エピジェネティック異常などを集積して、細胞を腫瘍化させることで発症すると考えられている。HTLV-Iのキャリアーの3~5%が、HTLV-I感染後40~60年してATLLを発症する。また、感染経路は主として母乳感染、輸血、性交である。

ATLLは1991年に予後因子解析と臨床病態の特徴から、白血化、臓器浸潤、高LDH血症、高Ca血症の有無と程度により急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型の4病型分類が提唱され、最近の報告による生存期間中央値は急性型11ヶ月、リンパ腫型20ヶ月、慢性型24ヶ月、くすぶり型では3年以上である。最近の化学療法と同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)による治療成績は改善しているが、他の白血病と比べると依然予後不良である。ATLL患者の臨床病型別生存曲線によると、急性型およびリンパ腫型ATLLの患者の生存率は、観察開始から1年以内に50%以下にまで低下する。患者は男性にやや多く、日本での発症年齢の中央値は67歳であり、40歳未満での発症は稀である。

このような難治性のATLLの従来の診断方法は、患者の末梢血におけるHTLV-I感染腫瘍細胞の同定の他、リンパ節腫脹、肝脾腫、高カルシウム血症、皮膚病変が多く日和見感染症の合併が多いなどATLLに特異的な臨床症状を基準とするものである。

しかし、このような方法では、特に急性型やリンパ腫型ATLLでは、発症し症状が出始めた段階にならなければ診断ができず、それゆえ早期にこれらを診断することができないため、治療が手遅れになってしまう可能性がある。また抗癌剤による治療に抵抗性で予後不良である。

ATLLの予後を推定するためのデータの収集において、末梢血単核球(PBMC)の特定の遺伝子群について、それらの遺伝子のプロモーター領域におけるCpG島のメチル化状態を測定する方法について開示がある(特許文献1)。当該遺伝子のプロモーター領域におけるCpG島のメチル化プロファイルを作成するとともに、予後因子としてCIMP(CpG island methylator phenotype)を算出し、メチル化遺伝子、メチル化遺伝子数およびCIMP値から算出されるATLL発症/進展の危険度スコアによる危険度の階層化および/または特定の遺伝子のメチル化状態を表示することにより、HTLV-Iのキャリアーの発症またはindolent型(緩徐進行型)であるくすぶり型および慢性型ATLLがaggressive型(高悪性型)である急性型およびリンパ腫型ATLLへの進展を予測することを可能とするATLL予後推定用データを作成する方法に関するものである。

高悪性度の急性型やリンパ腫型ATLLおよび予後不良因子を有する慢性型ATLLは、化学療法の適応であるが、非ホジキンリンパ腫の標準的治療法(CHOP療法)などに抵抗性であるため、G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)を併用して短い治療間隔で強力な化学療法が繰り返して行われる。

一方、低悪性度のくすぶり型や、予後不良因子を有さない慢性型ATLLは、皮膚病変には局所的に対処し、慢性リンパ性白血病などの疾患と同様に急性転化するまでは化学療法をせずに経過観察することが原則とされるが、その長期予後は良好ではない。近年、allo-HSCTでは宿主片対ATL効果により長期生存が期待でき、検討されるべき治療法であるものの、通常のallo-HSCTでは治療が難しい宿主や疾患も存在し、高齢者等では胸腺が委縮しているためT細胞の産生能が低く、免疫不全や間質性肺炎を起こしやすいなどの問題もある。同種移植を受けた場合にしばしばみられる合併症で、ドナー由来のリンパ球が患者の臓器を自分のものでないとみなして攻撃し、排除しようとする、移植片対宿主病(GVHD)の危険性の問題もある。また、今後抗体医薬などの新規治療法の開発が期待されるものの、予後が優れた効果的な治療方法の開発が望まれている。

光感受性物質のポルフィリン関連化合物の生理的前駆体である5-アミノレブリン酸(5-aminolevulinic acid(5-ALA))の投与により、ヘム代謝経路を経てプロトポルフィリンIX(PpIX)が組織球性リンパ腫培養細胞に多量に蓄積され、強い蛍光を発生が報告されている。この性質を利用して、5-ALA投与により強いPpIX蛍光を発する白血病細胞を健常細胞から識別することが可能となることが検討され、5-ALA依存性光動力学的治療法(PDT:Photo-Dynamic Therapy)では、標的腫瘍細胞に蓄積したPpIXへ の光照射で生成する一重項酸素などの活性酸素種(ROS)が、特異的に腫瘍細胞の細胞死を誘導できると考えられることが報告されている(非特許文献1)。

一方、白血病ではないが、血液中の不水溶性の間接(非抱合型)ビリルビンの代謝不全の患者に対して、人工透析の際に人体から取り出した血液に所定波長の光を照射することにより水溶性の直接ビリルビンに変換して不水溶性の間接ビリルビンの濃度を低下させる方法が開示されている(特許文献2)。体内でヘモグロビンから形成される不水溶性の間接ビリルビンは、通常肝臓で水溶性の直接(抱合型)ビリルビンへと変換されて腎臓を介して排出されているが、肝機能不全等が生じると水溶性の直接ビリルビンへの変換が行われず、血中の不水溶性の間接ビリルビンの濃度が上昇することが知られている。不水溶性の間接ビリルビンは、所定波長の光の照射によって水溶性の直接ビリルビンに変換可能であり、肝機能不全等によって不水溶性の間接ビリルビンの濃度が上昇した患者に対して、当該光を照射することにより水溶性の直接ビリルビンに変換して不水溶性の間接ビリルビンの濃度を低下させることができる。

ATLL発症の危険性の高いHTLV-Iキャリアーおよび慢性型ATLLやくすぶり型ATLLの様な低悪性度ATLLのなかで高悪性度の急性型およびリンパ腫型ATLLへ急性転化(進展)する可能性の高い患者や予後不良因子を有する慢性型ATLL患者に関し、早期に発症/進展の危険度を検出する方法、また発症後も予後不良を回避可能な有効な治療方法の開発が望まれている。この方法の開発は発症可能性の低いHTLV-Iキャリアーおよび病態進展の可能性の低い低悪性度ATLL患者に対しては発症/進展の不安を可能な限り取り除き、生活の質(QOL)の改善にもつながる。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は、異常活性化細胞検出による悪性腫瘍の検査方法および異常活性化細胞除去環流返血治療装置に関する。より詳しくは、異常活性化細胞を除去することにより白血病の発症を抑制または治療するための異常活性化細胞除去環流返血治療装置に関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
以下の工程を含む、検体から異常活性化細胞を除去する方法:
1)採取した血液検体について、異常活性化細胞および/または腫瘍マーカー陽性細胞の分布パターンをサイトメトリーにより解析し、前記解析により異常活性化細胞および/または腫瘍マーカー陽性細胞を分離除去する工程;
2)前記血液検体から異常活性化細胞および/または腫瘍マーカー陽性細胞を分離除去した後の検体を波長350~490nmおよび/または600~700nmの光で照射し、検体中に存在するプロトポルフィリンIX陽性細胞をプロトポルフィリンIX特異蛍光により検出し、当該検出されたプロトポルフィリンIX陽性細胞を、前記光照射により細胞死を誘発することで、検体から異常活性化細胞を除去する。

【請求項2】
 
採取した血液検体の赤血球分画と白血球分画を分離し、分離した白血球分画について、上記1)の異常活性化細胞および/または腫瘍マーカー陽性細胞の分布パターンをサイトメトリーにより解析する工程を含む、請求項1に記載の異常活性化細胞を除去する方法。

【請求項3】
 
請求項1または2に記載の処理工程を経て波長350~490nmおよび/または600~700nの光照射された血液検体またはその白血球分画を、透析装置に通す工程を含む、請求項1または2に記載の異常活性化細胞を除去する方法。

【請求項4】
 
異常活性化細胞が、悪性腫瘍細胞、慢性炎症性細胞、免疫異常細胞のいずれかである、請求項1~3のいずれかに記載の異常活性化細胞を除去する方法。

【請求項5】
 
悪性腫瘍が造血器腫瘍であり、異常活性化細胞が異常活性化白血球である、請求項4に記載の異常活性化細胞を除去する方法。

【請求項6】
 
造血器腫瘍が、成人T細胞白血病リンパ腫である請求項5に記載の異常活性化細胞を除去する方法。

【請求項7】
 
以下のa)~d)を含み、請求項1~6のいずれかに記載の異常活性化細胞を除去する方法を実施するための、異常活性化細胞除去環流返血治療装置:
a)一端に採血用の穿刺針を備えた採血用ラインと、
b)当該採血用ラインによって送給された血液検体について異常活性化細胞および/または腫瘍マーカー陽性細胞の分布パターンを解析し、検体から異常活性化細胞および/または腫瘍マーカー陽性細胞を分離除去するセルソーターと、
c)前記b)の異常活性化細胞および/または腫瘍マーカー陽性細胞を分離除去した検体に対して波長350~490nmおよび/または600~700nmの光を照射し、異常活性化細胞の細胞死を誘発することで、前記検体から異常活性化細胞を除去するための光照射器と、
d)前記b)およびc)で異常活性化細胞および/または腫瘍マーカー陽性細胞と異常活性化細胞が分離除去されたのちの血液検体を環流返血する環流返血用ライン。

【請求項8】
 
以下のa')~d')を含み、請求項1~6のいずれかに記載の異常活性化細胞を除去する方法を実施するための、異常活性化細胞除去環流返血治療装置:
a')一端に採血用の穿刺針を備えた採血用ラインと、前記採血用ラインで採血した血液検体の赤血球分画と白血球分画を分離するラインと、
b')前記a')分離された白血球分画について異常活性化細胞および/または腫瘍マーカー陽性細胞の分布パターンを解析し、白血球分画から異常活性化細胞および/または腫瘍マーカー陽性細胞を分離除去するセルソーターと、
c')前記b')の異常活性化細胞および/または腫瘍マーカー陽性細胞を分離除去した白血球分画に対して波長350~490nmおよび/または600~700nmの光を照射し、異常活性化細胞の細胞死を誘発することで、前記白血球分画から異常活性化細胞を除去するための光照射器と、
d')前記a')で分離された赤血球分画と、前記b')およびc')で異常活性化細胞および/または腫瘍マーカー陽性細胞と異常活性化細胞が分離除去されたのちの白血球分画と、を環流返血する環流返血用ライン。

【請求項9】
 
前記異常活性化細胞除去環流返血治療装置において、上記d)またはd')の環流返血用ラインに、さらにe)人工透析装置が連結されている、請求項7または8に記載の異常活性化細胞除去環流返血治療装置。

【請求項10】
 
成人T細胞白血病・リンパ腫の発症危険度予測、進展予測および/または進展確認の検査のための解析方法であって、採取した血液検体について、異常活性化細胞と腫瘍マーカー陽性細胞の分布パターンをサイトメトリーにより解析することを特徴とし、成人T細胞白血病・リンパ腫の進展が、成人T細胞白血病・リンパ腫の(A)くすぶり型、(B)慢性型、または(C)急性型のいずれかへの進展であることを特徴とする、解析方法。

【請求項11】
 
異常活性化細胞がプロトポルフィリンIX陽性細胞である、請求項10に記載の解析方法。

【請求項12】
 
成人T細胞白血病・リンパ腫の腫瘍マーカーが、TSLC1や、CD3、CD13、CD19、CD20、CD10、CD7、CD56およびHLA-Dから選択されるいずれかである、請求項10または11に記載の解析方法。

【請求項13】
 
採取した血液検体のドナーがヒトT細胞白血病ウイルスI型のキャリアーまたは成人T細胞白血病・リンパ腫患者であり、悪性腫瘍の検査が、成人T細胞白血病・リンパ腫発症危険度予測、進展予測および/または進展確認のための検査である、請求項10~12のいずれかに記載の解析方法。

【請求項14】
 
採取した血液検体についての成人T細胞白血病・リンパ腫悪性腫瘍の発症危険度予測、進展予測および/または進展を確認するための解析であり、マーカーとしてTSLC1が陽性の細胞と、プロトポルフィリンIX陽性の異常活性化細胞の割合を解析することを特徴とする、請求項10~13のいずれかに記載の解析方法。
IPC(International Patent Classification)
F-term
Drawing

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